インタビュー
[インタビュー]「龍が如く8」開発陣が振り返る,走り続けた3年間。そして,椎名林檎さんの楽曲使用をギリギリまで伏せていた理由
「龍が如く」シリーズのナンバリング作品の間隔は約4年となったが(「龍が如く7 光と闇の行方」は2020年1月16日発売),この間に龍が如くスタジオは何を意識し,「龍が如く8」の開発に取り組んでいたのか。龍が如くスタジオ代表かつ同作の制作総指揮を務める横山昌義氏,シリーズチーフプロデューサーの阪本寛之氏,シリーズチーフディレクターの堀井亮佑氏に話をうかがった。
※インタビュー収録:2024年1月9日
[プレイレポ]「龍が如く8」のバトルはコマンドRPGともアクションRPGとも違う,唯一無二の感覚だ。ここにしかない濃密な攻防を実現
セガが明日(2024年1月26日)の発売を予定している「龍が如く8」は,春日一番が母親と思われる女性を探して訪れたハワイで,またまた大騒動に巻きこまれるシリーズ最新作。物語の中盤まで進めた段階でのバトルやコンテンツの感触をお伝えしたい。
「龍が如く8」公式サイト
最優先は「ちゃんとゲームを作ろう」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
「龍が如く8」はパッケージ版の受注がとても好調だと聞いています。ユーザーの評価はこれからですが,まずは小売り側からは「ヒットしそうだ」と判断されたことになります。
横山昌義氏(以下,横山氏):
とくに日本国内は好調です。今はパッケージ版とデジタル版があり,過去の作品とは一概に数を比較できできませんが,パッケージ版の予約数だけで言えば,シリーズ史上「一番」でしょう。今だから言えることですが,「龍が如く7」のときはパッケージ版の受注がとてつもなく少なかったんですよ。
4Gamer:
デジタル版の割合が過去最高という言い方をしていましたね。
ええ。やはり主人公が変わること,システムがRPGに変わることの影響は大きかったんです。いまだに2019年から2020年初頭,あの頃の不安な気持ちがふとよぎることがあるんですよ。
でもフタを開けてみれば,発売日の午前中には市場在庫がほぼゼロになってしまい,追加発注を受けた弊社の営業マンの間で在庫の取り合いになったんです。こっちとしては「それ見たことか」ですよ(笑)。「8」では受注段階でまったく心配せずに済みました。
4Gamer:
あとは,いかにお客さんに手に取ってもらうかですね。
横山氏:
今,追える数字や指標はある程度安心できる状態なので,あとは海外も含めて,「龍が如く8」が世に出てからの反響や評価が気になるところです。
4Gamer:
ここにたどり着くために,多くの工夫や取り組みがあったと思います。
阪本寛之氏(以下,阪本氏):
いろいろありましたね(苦笑)。ただ,プロモーションなども大事ですが,最優先に考えていたことは「ちゃんとゲームを作ろう」でした。「7」のときはまだ道半ばというか,もう少しチューニングできるゲームであることが自分たちでも分かっていたので。まずは面白いゲームを作ることが大切だと考えて,「8」ではそこに正面から挑んでいきました。
4Gamer:
まさにセガらしいゲーム作りの姿勢です。長年,受け継がれてきたセガイズムを感じます。
横山氏:
僕ら3人ともプランナー出身ですからね。前作の至らなかったところは全部分かるので。戦闘におけるキャラクターの追従具合や,地形にひっかかる箇所がいまひとつだったとかね。
阪本氏:
もちろん,それが当時の全力ではあったんですけどね。
横山氏:
「これ以上はない」という状態から引き上げるわけではないから,改善すべき点を見定めていく作業は楽なほうでした。
堀井亮佑氏(以下,堀井氏):
ただ,それらを反映したときに,前作と変わりすぎてしまうのも問題があります。「7」ファンの方が気軽に遊べなくて,「なんだか楽しくない!」となったら本末転倒ですからね。そこには,とても気を使いました。
阪本氏:
制作期間の3分の1くらいはコロナの影響が大きい時期だったので,我々もどんなペースでゲームを作ろうか,ちゃんと作れるのかと悩んだ期間がありました。それこそ,ハワイの現地取材をリモートで行いながら制作を続けたりとか。
横山氏:
でも,世の中がある程度まで元に戻ったら,チームが本来の力で動けるようになりました。その結果が本編の充実だけでなく,「ドンドコ島」「エンディングノート」といった大ボリュームコンテンツであり,そして「7外伝」だったというわけです。
阪本氏:
2022年頃から一気にブーストがかかりましたね。
堀井氏:
やはり,1か所に集まって仕事ができるようになると,相談のハードルが低くなるので,決断の速度も質も上げられましたね。何かを思いついたときに,チーム全員を集めてパッと決めて「じゃあ作ろう!」というようなうちのスタジオらしいペースで,どんどん開発が進められました。
4Gamer:
予算面の管理なども普段より大変になりますか。
横山氏:
感覚的な話ですが,リモートワークだと普段の1.5倍くらい予算がかかると思います。そこに為替(円安)も関わってきましたからね。いろいろな理由で当初の計画よりブレてきたんですけど,そこは阪本が力を尽くしてくれて,ちゃんと許容できる範囲に収めてくれたんです。
阪本氏:
細かくは言えませんが,あっちこっちでやり繰りを(笑)。
横山氏:
でも,それがあったから「維新! 極」「7外伝」が出せたところもあって。シナリオの翻訳などの“待ち”の時間に「8」を細かくいじるのではなく,「維新! 極」や「7外伝」を作ったりしていました。作品ごとにきっちりチームを分けているわけではないので,プログラマーもプランナーも複数の作品を掛け持ちで担当してもらっています。
4Gamer:
堀井さんが「7外伝」と「8」のディレクターであることも自然な流れだったんですね。
堀井氏:
当然大変ではありましたが,おかげで「7外伝」「8」に共通するバグが一緒に見つかって解決できたこともあったり,シリーズや組織をより俯瞰した視点で見られるなど,メリットもたくさんありました。チームがはっきり分かれていると,開発者は担当作品以外のことは分からなくなりがちです。ですが龍が如くのスタッフなら,シリーズのすべての作品に見識があるのが本来は理想です。
今回,チームを分け分けずに「7外伝」「8」の両方を担当させたことで,「龍が如く」シリーズを俯瞰して考えられるメンバーが増えたので,そこはすごく良かったと思います。それが「7外伝」「8」の良さや魅力にもつながっています。
4Gamer:
「7外伝」によって「8」のテーマやキャラクターが明かされたことで,「8」のストーリーに深みを増すような予感があります。
横山氏:
「7外伝」のストーリーは「8」の後に作っていますからね。ただ正直,花輪(喜平)がここまでのメインキャラになるとは思っていなくて(笑)。
堀井氏:
花輪のおかげで「7外伝」から「8」に美しくストーリーをつなげることができたんですが,まさかここまで人気が出るとは……嬉しい誤算でしたね(笑)。
テストプレイの評価が最も高かったのは「バトル」
4Gamer:
「8」はシリーズ史上最大規模の作品になりましたが,ディレクションを担当した堀井さんとしてはどんな感覚でしたか。
堀井氏:
規模について言えば,大きくしたというより「大きくなっていた」という感覚が近いんですよ。簡素にしようと思えば,いくらでも簡素にできるんです。ドンドコ島にしても「木の実を拾うミニゲーム」くらいのサイズにすることだってできますが,やはりそれじゃあ面白くない。幸い時間もアイデアもたくさんあったので,チームのみんなと出していった案をドンドコ入れていったら,結果としてこのボリュームになったという流れです。
最初は島ももっと小さかったんですが,「最終的にキャバクラを建てられるようにしたい」「繁華街も自分で作れたらいいね」とか言っていたら,どんどん島を広くする必要が出てきて。結果的にあれくらいのでかさの島になりました(笑)。
阪本氏:
ドンドコ島に関しては,僕からは企画の段階で「ネットワーク要素を入れて中途半端な内容になるよりかは,オフラインでもしっかり充実したものを遊べるほうがいいんじゃないか」と伝えました。時間をかけるなら,まず1人プレイのゲームがきっちり面白くなるところにかけてほしいので。もし協力プレイが可能になっても,広場にタンスとか椅子を作って置けるだけの内容だったら,それは面白いのかって。
4Gamer:
RPGとしての部分も,プレイヤーごとに異なるスタイルがありそうです。
堀井氏:
そうでしょうね。とはいえ,敵の強さはプレイヤーキャラクターの強さに応じて調整したりせず,「ハードルをどう越えるのかはユーザー次第」という作りにしています。簡単には勝てない敵が出てきたとき,キャラの移動や属性をうまく使ってもいいし,素直にレベルを上げたり強力な武器を探したりしてもOK。ご自身の好きなスタイルでハードルを越えてもらえればうれしいですね。
その逆の「やらなければいけないこと」「やってはいけないこと」が増えてしまうと,ストレスになってしまうので,そういったゲームデザインは可能な限り避けて作っています。
阪本氏:
しっかりと作戦を考えれば,それだけ有利になるようになっていますし,毎回のバトルがまったく違う体験になると思いますよ。とくにボス戦は遊び応えがあって,うまく作戦がハマったときのカタルシスはかなり増えたと思います。
堀井氏:
やはり移動の要素が加わったことが大きいですね。状況に応じて技を選ぶだけではなく,味方と近づいて連携攻撃を狙う,敵の背後から攻撃を仕掛けるなど,プレイヤーにできることが大幅に増えているので。
4Gamer:
通常の「攻撃」コマンドも,さらに使えるものに変わったと。
横山氏:
がらっと変わりました。海外も含めて実施したテストプレイでは,「バトル」の評価が一番高かったんですよ。エンディングまでたどり着いていないとしても,ストーリー以上に評価が高いです。エンジンが物理制御込みのアクションゲームと一緒だからこその,ほかのRPGにはない面白さが生まれました。
それは「7」の特徴でもあったんですが,「8」ではしっかりとゲームの面白さに組み込んで,コマンドRPGとしてかなり新鮮な体験ができるようになったんです。例えば「7」の場合,吹っ飛ばした敵が車に轢かれるのは“奇跡の瞬間”を待つようなところがありました。今回はそういった場面を,かなり意図的に実現できます。それこそ,天と地ほどの差ですよ。
4Gamer:
仲間や環境を生かした戦いが楽しくなりそうですね。
横山氏:
これはパーティメンバーがだんだん増えていく中で,少しずつ気づいていく楽しさです。ユーザーさんによって,それに気づく瞬間は異なると思いますね。僕なんかはずっと気がつかなかったくらい(笑)。
プレイ時間にものを言わせて,レベルを上げてハードルを越えていくタイプなので。そんな風にシンプルにも遊べる一方で,システムを活用する遊び方が好きな人にもちゃんと楽しんでもらおうということです。
阪本氏:
連携攻撃や追撃時に発生するアクションの種類もかなり多いですよ。
横山氏:
長くプレイした人ほど,バトルを魅力として挙げてくれています。
堀井氏:
「8」のバトルの楽しさを知ったら,前作には戻れないんじゃないかな。
横山氏:
もし「龍が如く7 極」を出すことがあれば,「8」のバトルシステムを反映したものになるでしょう。そこに「7外伝 極」もバンドルして(笑)。
堀井氏:
セットでお求めやすい価格にしましょう(笑)。それは僕も改めて買うと思います。それくらい「7」から進化しているし,面白くなっている自信があります。
続編まで3年も経ったら忘れ去られる
4Gamer:
昨年(2023年)10月以降,日本だけでなく世界の各地で精力的に体験会やプロモーション活動を続けてきました。取材にも行きましたが,ファンの熱さに驚かされます。
横山氏:
あとは「龍スタTV」(龍が如くスタジオの開発者や関係者が出演する配信番組)を立ち上げて,この2年で継続的に配信していることも大きいですよ。体験会などのイベントでファンの人たちと接していると,どんどん人が入れ替わっていることを感じます。古くからのファンであれば知っている話が,もう通じなくなっていたりとか。
4Gamer:
「7」や「ジャッジ」シリーズに登場した俳優の影響もあるのか,ドラマが好きな人も増えたように思います。
横山氏:
さらに「ストリーマーの配信で『龍が如く』シリーズを知って,1年でシリーズ全作品を追いかけてきた」みたいな人も,たくさんイベントに来てくださっているんですよ。そういう方がグッズを買ってくれて,僕らと話をして喜んでくれている。今の世はそういうスピード感なんで,続編まで3年も経ったら「龍が如く」は忘れ去られちゃうと思うんです。
4Gamer:
興味の移り変わりが早いですからね。
横山氏:
でも今,毎年のように新作ゲームを出し続けるのは,さすがに厳しい。だから「龍が如く」というIPの責任者としては,新作が出るまでの間,龍スタTVやイベントで興味をつなぐしかなかった。そのときは「龍が如く8」に内包されているコンテンツを切り売りしていたような感覚でした。
自分たちでしゃべって伝えるのが一番手っ取り早いので,なるべく手弁当でやってきましたけど,やっぱり伝え続けることは本当に大事なんだと,この2年で実感しました。マーケティングのチームが「絶対にいつか効果が出るから」と言って励ましてくれたので,飽き性な僕も頑張って続けられた気がします。
4Gamer:
2023年のクリスマス前のライブ配信企画,チーム対抗「龍が如く7」トロフィーコンプリート勝負は鬼気迫るものがありました。
阪本氏:
(笑)。「8」の発売前に長時間配信をやろうとは決めていたんですよ。未プレイの人のためのおさらいも兼ねてですね。
横山氏:
昨年だけで150時間超えの配信を2度もやっていて,少しだけ慣れました(笑)。その裏でね,たくさんの人間が泣いてるんです。動画に直接出ている人だけじゃなく,その5倍ぐらいの裏方がいますから。それこそ200人ぐらい。それぞれが家庭崩壊の危機に陥りながら頑張っている……って冗談ですよ!(笑)
昔はスタジオの内幕までは見せなかったんですけど,最近はもう積極的にそれらもコンテンツとして楽しんでもらっています。それも含めて3年間,大変だったよね。
阪本氏:
ただ,そのおかげなのか,チームとしての雰囲気が変わってきました。みんなで協力して成功したら「やったぜ!」というムードが,ゲーム開発以外のところでもちらほら見えるようになって。
横山氏:
以前のゲームクリエイターって,そういう感覚をあまり得られる職業じゃなかったんですよね。僕は「龍が如く」に携わるようになって,ゲーム会社のプランナーとして想像していた生き方とは遠い所にたどり着いたわけです。プランナーってオフィスからほぼ出ませんでしたから。
それがいろいろな企業さんとタイアップして,人と知り合って,役者さんも自分で発掘して,声優さんも自分で探してきて,音声収録の演出もして……どんどん世界が広がっていったんです。
もう18年以上,毎日がそんなことの連続で,いつの間にか今の自分になっていた。ここにいる阪本,堀井は表に出ているほうですけど,ほかのチームスタッフも積極的にいろいろな場に出て行ってほしいと思っています。まずは席から立ち上がって,部屋から出てみてほしい。それで見えてくる境地,地平が必ずありますから。
4Gamer:
今の話をゲームに落とし込むと,「8」の春日一番が旅をして広い世界を知ることや,いろいろな経験を通じて「人間力」を成長させていくことにもつながりそうです。
横山氏:
でも,そういうことですよ,人間力って! ゲームの場合,どのセリフを選んだら「陽気さ」が伸びるんだろう,とかで悩んだりしますけどね(笑)。
4Gamer:
発売日に向けて予定されていることはありますか。
横山氏:
日本ではとくに変わったことはしないで,大量のCMを打つくらいです。シリーズでは久々に,過去一番に近い量が流れることになります。一方,海外ではニューヨーク・タイムズの1面に広告を打ったり,タイムズスクエアに広告を出したりして,今まで届けられなかった層にもゲームを届けたいと思っています。
「龍が如く」シリーズ自体,日本のゲームでは普通やらないようなことをして立ち上げていったシリーズなので,海外でもそれに近い現象を起こしたいんですよね。ある意味,原点回帰でもあります。今はまだ,海外では日本のRPGを好きな人がプレイしている感じなんですけど,それだけではもったいないポテンシャルがあるゲームですから。
4Gamer:
大人が楽しめるエンターテイメント作品であることを世界にも発信していくと。
横山氏:
CMの1つに,足立(宏一)さんが「60過ぎて初めてハワイ来たけど,いやもっと早く来るんだったぜ」とか言って旅を満喫するバージョンがあります。コロナ禍以降,全世界的に以前は当たり前だったことが,当たり前ではなくなってしまった。
旅もしにくくなりました。レジャーは生きていくうえでプライオリティが低いですから。ゲームも一緒ですよ。生きていくために必要ではないし,なんならムダじゃないですか。でも僕はそのムダが大好きで,ムダなものに人生を捧げている。そんなことをする生き物は唯一,人間だけなんです。
旅も同じ。ムダなんだけど,それでもやりたくなることの1つ。そんな旅を春日一番にさせたらどうなるんだろう──。それが,今回のゲームのテーマなんです。
「龍が如く8」,テレビCM映像・春日一番編/桐生一馬編/足立宏一編を先行公開。発売記念カウントダウンキャンペーンも開催決定
セガは本日,2024年1月26日に発売を予定している「龍が如く8」について,テレビCM映像「春日一番編」「桐生一馬編」「足立宏一編」を先行公開した。また,8万円分のAmazonギフトカードが当たる発売記念カウントダウンキャンペーンが,1月21日8:00から1月25日23:59まで開催される。
4Gamer:
年末から2024年初頭にかけて,世の中で起きていたことやSNSなどの様子を見ていたとき,春日一番が旅に出る経緯の部分にもどこか重なっている感覚がありました。
横山氏:
確かに,そこは大いに関係がある話になっていますよ! 自分たちでもびっくりするくらい「2024年の今」を描いた話になりました。
ただ,ある意味では必然だとも思います。これはうちのゲームに限らない話ですが,現代を舞台にしたストーリーを深く考えていくと,今の世の中を言い当ててしまうものです。それは預言というより,競馬とかの予想が当たったのに近いものですが。
4Gamer:
現代社会で生きている人々が何となくモヤッと感じているものに向き合った結果であると。
横山氏:
ウエストランドの漫才みたいな,ちょうどいいタイミングでみんなの代わりに文句を言っている感じです。3年前に考えていた「3年後,みんなの鬱憤がここに溜まっているはず」ということと,世の中に対するアンチテーゼみたいなものがうまくハマりました。今回の話には,そんな大きなテーマが2つあります。
4Gamer:
ますます発売が楽しみになってきました。
横山氏:
この3年間は「どうかネタが古びないでくれ」と祈る思いでしたけどね。逆にハマりすぎて,ものすごく非難されるということになるかもしれない。
堀井氏:
でも,ただネタとしていじるわけではなく,しっかりとメッセージ性や問いかけのある描き方をしていますから。大丈夫だと思いますよ。
横山氏:
いろいろな立場にいる人がプレイしてくれると思いますが,それぞれの立場であれこれ感じることがあるはずです。
そして発売日(1月26日)には,椎名林檎さんの楽曲を使用させていただいたことを初めて発表しますが,これまでとは曲の流し方も演出もまったく違うものになります。
4Gamer:
楽曲を使用するアーティストを発売日まで伏せておくのは,「龍が如く」シリーズに限らず異例です。
横山氏:
最初は,ゲームをやった人だけが知れればいいいとさえ思っていた。できることなら隠しておきたかった。だから曲名は伏せた形の発表になります。
今回,そんな風な「僕らのお楽しみ」がいっぱいあるんです。「誰かがアレに気づいて,SNSで話題にしてくれるかな?」といったものが。普段は「発売前のトレイラーで内容を見せすぎ」とか言われがちなんですけど,今回は相当隠していますよ,実は。
4Gamer:
ソフトが手元に届いたら,すぐに確かめてほしいですね。
横山氏:
今回,分かったことは,うちのチームに3年という長い制作期間は与えちゃいけなかったんですよ。「7」の至らなかった部分を補って100%にするつもりが,130%くらいのゲームになってしまいました。
4Gamer:
本当にお疲れさまでした。本日はありがとうございました。
横山氏は最後にいつもの調子で冗談めかしてはいたが,龍が如くスタジオという制作チームは,ここ数年続いた先の見えない状況の中,それでも希望を失うことなく,全力でエンターテイメントに向き合ってきたことがひしひしと伝わってきた。
まずは最新作「龍が如く8」に注ぎ込まれた“遊び”を楽しみ,そしてプレイヤーに伝えられる「何か」を受け止めることにしよう。
「龍が如く8」公式サイト
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