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  • 発売日:2022/04/28
  • 価格:ダウンロード版:3960円(税込)
    パッケージ版:7480円(税込)
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レトロンバーガー Order 83:やっとPlayStation 5を買えたので,30年くらい前のタイトーのゲームをやたら遊んだんですよ編
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印刷2022/05/07 18:00

連載

レトロンバーガー Order 83:やっとPlayStation 5を買えたので,30年くらい前のタイトーのゲームをやたら遊んだんですよ編

画像集#001のサムネイル/レトロンバーガー Order 83:やっとPlayStation 5を買えたので,30年くらい前のタイトーのゲームをやたら遊んだんですよ編

おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし

 言わずと知れた「平家物語」の一節です。「平家にあらずんば人にあらず」と横暴を振りかざすほど繁栄した氏族でも,驕り高ぶっていると凋落するということです。最近,アニメ「平家物語」やドラマ「鎌倉殿の13人」がありましたので,「あんな感じにねー」という人も多いかと思います。

 それはそれとして,2020年11月12日に発売されたものの当初から品薄が続き,当連載でも買えねえ買えねえと度々零していましたPlayStation 5こと以下PS5。アキヨドで売ってるのは度々見るけどPS5のために黒カード作るのも癪だなチィッと思いつつ過ごしておりましたが,4月末にソフマップAKIBA アミューズメント館で行われた抽選販売で,やっと購入できました。対ありでした。PS5購入RTA(Any% No Yodobashi),約530日で完走です。完走した感想は「もっと前の抽選で当ててくれていたら,例の青白市松模様をバックにビキニになるのもやぶさかでは無かったのだがな」です。

 世の中の人間は2種類に分けられますね。PS5を持っている人間と,持っていない人間です。いやー,ゲーマーを気取っていながら,もう発売から1年半も経ってんのにPS5を入手できてない人なんてないっすわー。にわかっすわー,似非っすわー,モグリっすわー。PS5オーナーにあらずんばゲーマーにあらずっすわー(秒間30連射で屈伸しながら)。

 そんな感じで,足首をコンクリートで固められて「波の下の都を見てこいや」と関門海峡に投げ込まれかねないことを言ってみたりもしますが,正直なところ筆者がメインで使っているゲームプラットフォームはSteamです。「……で,PS5で何やる? リメイク版『Demon's Souls』はやるにせよ,『ELDEN RING』トロコンしてからだな」と早々に持て余していたところ,PlayStationプラットフォーム向けソフトの新作ラインナップで妙な現象が起きていることに気づきました。タイトー関連タイトルの集中的なリリースです。

 そんなわけで今回は,「PS5でも遊べる! PS4向けタイトー関連タイトルプチ特集。Nintendo SwitchやSteamでも出ているけど!」でやっていきましょう。PS5はPS4用ソフトへの後方互換がありますからね! ええ強引ですよ! あとゴールデンウィークのせいで進行が普段にも増して壊滅的ですよ!


飛翔鮫!鮫!鮫!


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 筆者がソフマップからの当選メールを受け取った日でもある4月28日にエムツーから発売された「飛翔鮫!鮫!鮫!」PS4 / Nintendo Switch)は,東亜プランが開発した「飛翔鮫」「鮫!鮫!鮫!」「ワードナの森」および,それらのバリエーションや家庭用移植版(と,購入者向け無料配布の「洗脳ゲーム TEKI・PAKI」)をまとめて収録したもの。ちなみにパッケージ版の購入特典「BEEP! サメフライング」が欲しかったこともあり,本作もソフマップで購入しました。

M2STG生放送#12より収録作の一覧
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 微妙に収録形態がややこしいですが,ざっくり言えばパッケージ版には14タイトルが収録されているので,いっぱい遊べます。いずれも基本的には東亜プランが開発し(なお収録作のうち,NES版「SKY SHARK」はイギリスのSoftware Creationsが開発。同作のサウンドはNES「Silver Surfer」で知られるTim Follin氏によるもの。必聴!),現在はTATSUJINが権利を管理している(家庭用「ワードナの森」のみタイトーが権利を所有)ものですが,アーケード版「飛翔鮫」と「ワードナの森」は当時の販売がタイトーだったので,ゲーム内にもタイトーロゴが刻まれています。

※2022年5月9日15:30追記
 権利の所在に関する記述内容に誤りがあったため,内容を修正しました。


 アーケード版の「飛翔鮫」や「鮫!鮫!鮫!」を真面目にやろうとすると,「Demon's Souls」や「ELDEN RING」の比でないほど心が折られます。フロムゲーの死は言わば“おもてな死”ですが,1980年代アーケードゲームの死は“100円ハンティング”です。プレイヤーの財布に向けられた殺意が違います。

 M2 Shot Triggersの定番要素“スーパーイージー”モードは,もちろん本作の「飛翔鮫」および「鮫!鮫!鮫!」にも搭載されていますが,今回はそんな殺意の分だけ面白いですね。オートボム&ボムアイテム大量出現によって“死なない”ようになっている一方,敵弾は100円ハンティング仕様の豪速球がガンガン飛んでくるので,殺意を気軽に味わえます。

 また,家庭用タイトルがプレイできるのも嬉しいところ。先述のNES版「SKY SHARK」なんて,NES(北米版ファミリーコンピュータ)のスペックで「飛翔鮫」の再現に取り組んだ様子に,いじらしい愛おしさを覚えます。メガドライブ用の「鮫!鮫!鮫!」とSega Genesis用の「FIRE SHARK」で,アートワークのおじさんの違いぶりを見比べるのもオツなものです。そう言えば,本作で改めて「鮫!鮫!鮫!」と「FIRE SHARK」を見比べて思ったのですが,やっぱりOrder 59で取り上げたRetro-Bitの東亜プランソフトは「FIRE SHARK」じゃなくて「鮫!鮫!鮫!」でしたね。まあ日本人的には良いんですが,どうして……?


レイヤーセクション & ギャラクティックアタック Sトリビュート


画像集#003のサムネイル/レトロンバーガー Order 83:やっとPlayStation 5を買えたので,30年くらい前のタイトーのゲームをやたら遊んだんですよ編
 こちらも4月28日発売だったのが,シティコネクションの「レイヤーセクション & ギャラクティックアタック Sトリビュート」PC / PS4 / Nintendo Switch / Xbox One)。本作は「レイフォース」のセガサターン版である「レイヤーセクション」と,その海外版である「Galactic Attack」が収録されています。

※2022年5月9日15:30追記
 表記タイトルの誤りを修正しました。


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 「レイヤーセクション」は一部表現が簡略化されているものの良好な移植作品ですが,いささか致命的な難点が「4:3の画面表示だと全体が描画されない」ということ。描画範囲が狭いと画面上部の敵を攻撃できないため,セガサターン実機でしっかりプレイしたかったら,3:4表示に設定したうえでテレビを横にするか,プレイヤーが横になる必要がありました。

 ですが本作では,ゲーム内オプションの「GAME MODE」で4:3 / 3:4の切り替え,「SCREEN」で縦画面 / 横画面の切り替えとなったうえ,システムオプションで残機設定やランク上昇設定などが可能になっています。3:4なら1面ボスの背景ラスタースクロールもアーケード版と同様に綺麗な左右対象となります。

システムオプションから,シーンの巻き戻しやクイックセーブ/ロード,ステージセレクトなども可能
画像集#006のサムネイル/レトロンバーガー Order 83:やっとPlayStation 5を買えたので,30年くらい前のタイトーのゲームをやたら遊んだんですよ編

 これは言わば「パーフェクト・レイヤーセクション」。難点を挙げるとすれば,本稿冒頭でPS5を買ったとかPS4向け云々とか言っておきながら,Steam版でプレイしている筆者のテキトーぶりくらいです。


奇々怪界 黒マントの謎


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 「飛翔鮫!鮫!鮫!」や「レイヤーセクション & ギャラクティックアタック Sトリビュート」の1週間前,4月21日にナツメアタリから発売された「奇々怪界 黒マントの謎」PS4 / Nintendo Switch)は,“元祖巫女さんシューティング”(公称)こと「奇々怪界」シリーズの最新作。

 シューティングゲームの世界には暴れん坊の巫女,壬生谷の巫女,博麗の巫女など,いろいろな巫女がいますが,彼女らの先達と言えるのが「奇々怪界」の主人公である小夜ちゃんです。とくに,お札を手裏剣のように,かつ扇状に投げている巫女は“小夜ちゃん系”と呼んで良いでしょう。

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 本作の開発は,ナツメアタリのスペシャルチーム・TENGO PROJECT。同チームによる「WILD GUNS Reloaded」と「THE NINJA WARRIORS ONCE AGAIN」はリメイクでしたが,本作は1992年に発売されたスーパーファミコン用ソフト「奇々怪界 謎の黒マント」続編となっています。筆者は本作もリメイクだとてっきり思いこんでいて,序盤は旧作を踏襲した要素も多いので気付くのが遅れましたが,プレイを進めていくうち「あー,これ昔『〜謎の黒マント』をやったとき見たな……これは新要素か……いや,これは知らん……これも知らん……知らん……知らんぞ!? 新作じゃん!?」となりました。

 基本的な操作は8方向移動と,お札投げ(ショット),お祓い(近接攻撃&敵弾反射),ボンバー,スライディング(ダッジ)の4ボタン。その他,ストーリーモードの3ステージ目からショット連打で発動する返し鏡(ショットを当てると作動する一種のセントリーガン)と,お祓いタメ押しで発動する注連縄結界(バリア)がステージ3から使用可能となります。

 これらの操作がけっこう忙しい。それでいて被弾によるお札のパワーダウンが手痛いので,慎重&的確なプレイングが重要となります。そのためパワーマックス(一定時間限定の強化ショット)が発動しても,安易に突っ込んでいくわけにはいかず,そこはゲームシステム同士がケンカしていると感じられるところ。慣れたらサクサクゴリゴリと突き進めるのかもしれませんが,可愛らしい見た目とは裏腹に,なかなかプレイヤースキルを試されるハードコアなゲームデザインです。

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ファイティングホーク


 逆にぬる〜いのが,5月6日にハムスターからリリースされた「アーケードアーカイブス ファイティングホーク」PS4 / Nintendo Switch)。画面下から中型敵が出現して激突死するなどの初見殺しはありますが,全般的に弾数は少なめ&弾速は遅めの,ゆるふわシューティングです。アーケード版「鮫!鮫!鮫!」と比べたら,二郎系ラーメンとブタメンくらいの差があります。なんか4Gamerに記事が載ってないので,プレスリリースを張り付けておきましょう。

アーケードアーカイブス ファイティングホーク アーケードアーカイブス ファイティングホーク
配信元 ハムスター 配信日 2022/05/05

<以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載しています>


「アーケードアーカイブス ファイティングホーク」 配信日決定!

 2022年5月6日、株式会社ハムスター(本社:東京都世田谷区、代表取締役:濱田倫)は、Nintendo Switch及びPlayStation 4向けに、同社が運営する 『アーケードアーカイブス』 において、新規コンテンツとして、『ファイティングホーク』 の配信を開始することをご報告いたします。


『アーケードアーカイブス ファイティングホーク』 配信日決定!


 Nintendo Switch及びPlayStation 4向けに 『アーケードアーカイブス ファイティングホーク』 を、2022年5月6日に配信開始することをご報告いたします。

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『ファイティングホーク』 とは


 『ファイティングホーク』 は1988年にタイトーから発売されたシューティングゲームです。戦闘機ファルコンを操縦して、草原、氷山、氷河、雪原、都市など各ラウンドの敵と戦い、敵の最新爆撃機ドラゴンバットを撃墜しましょう! 強力なミサイルはストック可能、強敵に向かって撃ち込みましょう。

 操作は8方向移動+2ボタンで,ゲームデザイン的にも「撃って倒すだけ」というシンプルぶり。ステージごとの地形はそれぞれ個性があるので,視覚的にはけっこう楽しめます。敵のビームを跳ね返す興奮や,誘導弾をギリギリで避けるスリルなどとは無縁ですが,肩の力を抜いて遊ぶには適したタイトルです。

すごく近接航空支援で活躍しそうな戦闘機
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 本作の自機はファルコンという戦闘機で……戦闘……機? 形状的にはどう見ても攻撃機っぽいような……ハヤブサってよりイボイノシシっぽいような……30mm口径のガトリング砲を撃ってそうな……まあ,戦闘機と言い張るなら戦闘機なのかもしれません。ラスボスのTu-160っぽいドラゴンバットも,対空機銃や空対空ミサイルを撃ってきたりしますし,細かいことは気にしないでおきましょう。仮にサンダーボルト的なやつだとしても,そいつで空対空戦闘をするのはシューティングゲームではよくあることですし。

 なおコピーライト表記は「(C)TAITO CORPORATION 1988」となっていますし,ハムスターのプレスリリースでも「1988年にタイトーから発売されたシューティングゲームです」とされていますが,アーケードゲーム情報誌「ゲーメスト」の1989年5月号に掲載されたAOUショーのレポート記事では「ゲーセンに一刻も早く入ってくれることを望む!!」と書かれているんですよね。筆者としては「これ,『ダライアス』の“コピーライト表記は1986年だけど,実際のところ発表が1986年で発売が1987年だった問題”と同様のやつじゃね……?」と疑っているところです。もしリリース時期に関して確証のあるソースをお持ちの人がいたら,タイトー関連のどなたかにそっと送っていただけると,歴史にかかった霧が少し晴れるかもしれません。

 また,ゲーメストの同記事では「あの「飛翔鮫」が帰ってきたぞ!!」「飛翔鮫・究極タイガーなどのシューティング・シリーズにつらなる新作」など(いずれも原文ママ)と書かれていますが,本作は東亜プランでなくタイトー内製なんですよね。しかも企画当初は横シューだったとか。


 ハムスターが昨日配信した「第359回 アーケードアーカイバー ファイティングホークスペシャル!」で明かされたところによると,企画を担当した河上聖治氏が「ジャイロダイン」(東亜プランの源流的なメーカーが開発)や「タイガーヘリ」にハマっていたうえ,企画当時は「飛翔鮫」を毎日のように遊んでいたので,結果的に東亜プランの作風と似たゲームになったのだとか。その他に,開発当時のエピソードやファルコンのデザイン,低難度になった理由なども語られています。




 そんな感じで,アレンジ版も遊べる移植だったり,移植版の改修版だったり,30年ぶりの続編だったり,ストレートな移植だったり,いろいろ出ているタイトーIPのゲーム。これらの他にも,アーケードアーカイブスのタイトルをまとめたNintendo Switch「タイトーマイルストーン」や,小型ゲーム機「EGRET II mini」など,「タイトーの歴史にまみれるなら今!」といった雰囲気です。1か月ほど前には「GダライアスHD+」PC版発売や,コンシューマ版の大型アップデートもありましたし。まあ移植ばかりでなく,パッと「ダライアスの新作!」などと出てきてくれたら狂喜乱舞しますが,“やれることをやれるだけやる”以上にベターなことはありません。

 東亜プラン絡みで言えば,同社倒産後にタイトーへ移籍したスタッフが開発したという「逆鱗弾」なんかも,個人的にはまたプレイしたいタイトルです。あくまで“外野からの勝手な意見”ですが,「逆鱗弾」はヴァージンインタラクティブエンターテインメントからセガサターン版も出ていたので,パブリッシャ周りの権利をクリアできたらSトリビュートでの展開もワンチャンあるかもしれません。ヴァージンインタラクティブエンターテインメントは,すでにイギリスの本社ごと消滅していますが(諸権利はInterplay Entertainmentが継承しているとか),「美食戦隊 薔薇野郎」はPiko Interactiveが権利を獲得して再リリースしていたりもしますし。

 それに「レイフォース」のセガサターン版である「レイヤーセクションII」も復活してほしいですね。あるいは「レイヤーセクションII」独自のエンディングで見られる「そこ取れるんだ……どこ行くねーん」のムービーだけでもいいでので。

2017年の「REAL ZUNTATA NIGHT 2」より,例のシーンを皆で鑑賞しているところ
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 あとタイトーのゲームでは,「まじかるで〜と ドキドキ告白大作戦」はプレイしていると漠然と不安かつ愉快な気持ちになれて面白いので,リマスターされたら嬉しいタイトルです。あのキッチュでカオスな感じを高精細に。みんなの脳を毒そうぜ!
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