プレイレポート
[プレイレポート]「ソニックフロンティア」は遊べば遊ぶほど,面白さが実感できる。6時間の試遊で見えてきたソニックシリーズの新たな進化
今回の体験会はSega of Americaの主催で,世界中から記者が招待され,製品版相当のバージョンを約6時間,たっぷりとプレイすることができた。本稿では,そこで分かった本作の魅力をお伝えしたい。
なお現地では,「ソニック」シリーズの総合プロデューサーを務める飯塚 隆氏,本作のストーリー担当であるライター,イアン・フリン氏への合同インタビューも行われた。ぜひ,以下の記事も合わせて目を通してほしい。
[インタビュー]「ソニックフロンティア」,総合プロデューサーの飯塚 隆氏に聞く。シリーズが“第3の進化”を遂げた背景,そして今後の展望
2022年11月8日の発売が目前に迫った「ソニックフロンティア」について,ソニックシリーズの総合プロデューサーを務める飯塚 隆氏へのインタビューをお伝えしよう。今回は長時間の試遊を経たうえで,より深いゲームの内容に迫ると共に,今後の展望も聞いてみた。
[インタビュー]「ソニックフロンティア」ストーリー担当は筋金入りのソニックマニア。“夢の仕事”だったシナリオ制作やその手法を聞いた
セガが2022年11月8日の発売を予定している「ソニックフロンティア」。同作のストーリー執筆を担当したイアン・フリン氏への合同インタビューが,ハワイでのメディア体験会にて行われた。古くからのソニックマニアで,今回の参加を「夢の仕事」と語るフリン氏にシナリオ制作のポイントやその手法を聞いた。
「ソニックフロンティア」公式サイト
オープンワールドとは異なる概念。自在に行き来してアクションを楽しむ「オープンゾーン」
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズの最新作である「ソニックフロンティア」は,リマスターやリメイクではないオリジナルタイトルとしては前作(「ソニックフォース」)から5年の歳月が経過している。これまで以上に長い期間をかけて,開発されてきたことがうかがえる。
今年6月に掲載したインプレッション記事でもお伝えしている通り,最新作には従来のソニックシリーズに見られなかった自由度の高いゲームシステムを採用している。
実は筆者にとって今回の体験会が初プレイであり,オープニングから長時間プレイできるのは,ソニックファンとしてとてもありがたい機会だ。
「ソニックフロンティア」最新情報。冒険の舞台となるクロノス島や遊べるワールドマップ“オープンゾーン”,バトル,新アクションも明らかに
セガは2022年6月29日,ソニックシリーズ最新作「ソニックフロンティア」の最新情報を公開した。ソニックがこの地を訪れることになった背景や謎のキャラクター・セージをはじめ,遊べるワールドマップ“オープンゾーン”,バトルシステム,新アクション“サイループ”などの情報が明らかになっている。
さっそく驚かされたのが,ゲーム設定のオプションの豊富さ。3段階の難度や2種類のプレイスタイルをはじめ,ゲームオーバー時に行える練習モード,ソニックの移動速度や旋回,そしてカメラの旋回速度や距離,画角まで細かく設定できる。自由度の高いゲームシステムだからこそ,プレイヤーに合わせた設定を可能にしているのだ。
オープニングでは,何かを企むDr.エッグマンが登場する。ただ,今回は少し様子が違っている。彼が古代の遺物に取り付けた装置の影響なのか,それとも別の理由なのか。異世界から現れた謎の存在が,エッグマンを遺物の中に引きずり込んでしまったのだ。
エッグマンを追っていたソニック達もまた,飛行機ごと異世界へと飛ばされてしまう。仲間とはぐれたソニックがたどり着いた先は,初代「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の「グリーンヒル」を思わせるステージだったから,わけが分からない。
このままゲームが進むのかと思いきや,ステージをクリアするとそこは見知らぬ「スターフォール諸島」であり,ソニックはどこからか語りかけてくる天の声に従い,テイルスとエミーを探すことになる……。
現地でのインタビューにおいて,飯塚氏は「プレイヤーとソニックとの一体感」を追求したと語っている。謎が謎を呼ぶ島での体験は,プレイヤーもソニックも同じ心持ちで臨んでいる。筆者は不安よりも,これから始まる冒険にワクワクする気持ちが優っていたが,おそらくソニックも同じだったはず。
舞台となるスターフォール諸島には複数の島が存在し,今回は最初の島「クロノス島」,第2の島「アレス島」,そして第3の島「カオス島」をプレイすることができた。それぞれの島は背景が異なるだけでなく,そこに存在するギミックや敵の種類も異なっている。
スターフォール諸島のフィールドは,プレイヤーが自由に行き来できる「オープンゾーン」というゲームデザインによって構築されている。その名称から「オープンワールド」が思い浮かぶが,その概念はかなり違うものだ。
オープンワールドはゲームの世界が丸ごと箱庭として作り込まれていて,劇中のイベントやアクションはすべてその中で行われる。それに対し,「ソニックフロンティア」のオープンゾーンはフィールド自体が自由度の高いアクションゲームのステージであり,自由に走り回って探索やバトルを楽しむ。さらに点在する「ポータル」から「電脳空間」へと入り込めば,ソニックシリーズらしいハイスピードアクションも味わえるのだ。
オープンゾーンは移動するだけのフィールドではなく,無数のギミックがそこかしこに設置されている。レールやスプリング,バルーンといったソニックシリーズならではのアクションを要するもの,ちょっと頭を使うパズル要素のあるもの,独自のルールが設定されたミニゲーム,あるいは強敵とのバトル自体がギミックだったりと,まるで広大な遊園地のようだ。
面白いことにこうしたギミックは,基本的に強制的なものではない。ほとんどは近寄らなくても,ゲームを進められるのだ。現在の目標は画面に表示されていて,目的地がある場合はマップやコンパスにも表示されるので,それに従って条件を満たせばいい。
しかし,ギミックや敵とのバトルは爽快なアクションが楽しめるうえに,クリアすればアイテムやリングが手に入る。また,特定のアイテムを使わないとファストトラベルができないが,ギミックの中にはクリアすると長いレールが現れるものがある。レールをグラインドすれば,長距離も爽快に移動できるため,積極的に寄り道をしたほうがメリットが多いというわけだ。
オープンゾーンをどのように楽しみ,どのように進むか。それはプレイヤーに委ねられていて,プレイスタイルやその日の気分で自由に決められる。
自在に動けるフィールドから超音速のステージへ! シリーズ作品の思い出も蘇る「電脳空間」
オープンゾーンに点在するポータルは,特定の敵を倒したり,ギミックをクリアしたりすると手に入る「ポータルキー」を集めてアンロックする。ここからアクセスできる電脳空間は,古代人のテクノロジーが作り出したとされる場所。その姿はソニックの記憶に基づいたものだという。
これまでのシリーズ作品に登場した「グリーンヒル」や「スカイサンクチュアリ」「ケミカルプラント」,そして高速道路風のステージ(スピードハイウェイ? ラジカルハイウェイ?)などを確認できたが,いずれも従来のゲームデザインに則ったスピード重視のステージである。
筆者がプレイした限りでは,シリーズ作品のステージより少し短く感じられたが,クリアルートが複数存在し,アクションによって結果が大きく変わるレベルデザインはソニックシリーズならではのもの。何度でも挑戦したくなるはずだ。
電脳空間こそが本編であり,オープンゾーンはそれらをつなぐフィールドと捉えてもいいのでは? そう思えるほどに各ステージの完成度が高く,率先してポータルを攻略していくプレイスタイルも楽しそうだ。
電脳空間には規定のミッションが設定されていて,これを達成すると報酬の「エメラルドキー」が入手できる。これは,“スーパーソニック”になるために必要な「カオスエメラルド」を開放する最重要アイテムである。敵やギミックなどからも手に入るが,電脳空間に挑むのが最も効率のいい入手方法だろう。
アンロックしたポータルは何度でも挑戦できるので,クリアルートの開拓やタイムアタックを楽しめる。製品版では遊び倒してみたいものだ。
バトルはオープンゾーンの醍醐味。スキルを習得して多彩なアクションを繰り出す
ソニックのアクションとバトルも大きな見どころだ。これまでのシリーズ作品は比較的,シンプルな操作でプレイするものも多かったが,本作は「スキルポイント」によって習得できる「スキル」により,多彩なアクションを繰り出せる。
スキルアクションは主にオープンゾーンでのバトルに使用するものだ。次々と現れる強敵と戦うために,ソニックも成長していくのである。
新たな敵は,最も弱いが遭遇する機会の多い「神兵」,撃破するには特別な手順が必要な「守護神」,そして各島の最後に待ち受ける「巨神」が存在し,ソニックが接近すると容赦なく襲いかかってくる。
とくに守護神とのバトルは,ソニックのスキルを駆使しながら攻略法を自らの手が探すことになる。オープンゾーンにおけるアクションの真骨頂と言えるものだろう。ヒントや弱点の提示はないので,その姿形や動き,シチュエーションなどから攻略法を見つけていくのが定石となる。
また,神兵や守護神に「敵わない」と思ったら,近づかないという選択肢もある。ソニックをスキルで強くしたり,バトルのコツを掴めたりしたところで,あらためて挑んでもいい。
今回の体験会では,クロノス島の巨神「GIGANTO」と戦う機会があった。山のような体躯を持つ巨神に対し,生身のソニックは相手にならず,カオスエメラルドの力でスーパーソニックへと変貌することで,ようやく戦えるのだ。
なお,スーパーソニックとして戦っている間,徐々にリングを消費していく。つまり,リングが制限時間となり,それまでの道中で多くのリングを獲得していると有利になるというわけだ。習得したスキルやプレイヤーの経験が生きるシーンでもあり,どんな冒険をしてきたかによって,その戦況は大きく変わるだろう。
なお,GIGANTO戦はスクリーンショットの撮影がNGだったため,掲載していないが,公式サイトではその姿を確認できる(同フレームにスーパーソニックが写っている画像)。一体どんな戦いが繰り広げられるのか,ぜひ想像していただきたい。
遊べば遊ぶほど,面白さが実感できる。プレイしてみて分かったプレイフィールの進化
第2の島,第3の島にも触れておこう。GIGANTOを撃破後に訪れるアレス島は,周囲に広大な砂漠が広がっている。点在する岩山が遠くの景色を隠しているため,その頂上に辿り着けば周囲を見渡せるようだ。
朽ちた巨大兵器も存在しており,それを使ったギミックも登場する。巨大なオアシスにソニックが落ちてもミスにはならないが,水が苦手なソニックは息継ぎに苦労するだろう。
最後にプレイしたカオス島は,周囲に雲海が見える高地だ。リアルタイムに変わる天気によって,その雰囲気が変わっていく。カオス島のギミックはサイドビューで展開するものが多く,これまでの島とはプレイフィールが異なっている。
カオス島を40分ほどプレイしたところで,約6時間におよぶ体験会は終了。多少の制限はあったものの,極めて濃密な体験だった。
渡米前から「ソニックフロンティア」に関する情報には目を通していたが,本作は実際にプレイすることで,その面白さが実感できるゲームデザインであり,遊べば遊ぶほど理解が深まっていくタイトルだ。
フィールドに多数のギミックが仕込まれていて,移動しながらそれを突破していく。手触りはまったく違うものの,その感覚はコジマプロダクションの「DEATH STRANDING」に通じるものを感じた。
製品版がリリースされた暁には,またオープニングからプレイすることになるだろうが,今回の経験を踏まえて,新たなルートを開拓してみたいと考えている。それを可能にしているのも,本作のゲームデザインの優れたところであり,これまでのソニックシリーズにはなかったものだ。
ちなみに,「ソニックフロンティア」公式サイトやメディアの記事ではソニックや仲間,エッグマン,そして謎の少女「セージ」などの露出が抑えられている(今回の体験会も,一部のシーンは撮影NGだった)。もちろん,ゲーム中には彼らが登場し,謎に満ちたストーリーを盛り上げているので,ぜひ期待してほしい。
これまでの3Dアクションから,さらなる進化を遂げたソニックシリーズの最新作「ソニックフロンティア」のリリースが迫ってきた。シリーズのファンが新しい体験を味わえるだけでなく,初めてのプレイヤーにも楽しめるようになっているので,この機会を逃さず,ソニックの新たなゾーンへと飛び込んでほしい。
「ソニックフロンティア」公式サイト
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