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これはもはや“バーリトゥード”? 異色のプロジェクトによる狂宴の一夜,マガツノート Season1 Special Event「解放区-初夏の陣-」レポート
DONUTSは2022年6月18日,KT Zepp Yokohamaにて,メディアミックスプロジェクト「マガツノート」のスペシャルイベント「解放区 -初夏の陣-」を開催した。本イベントは,2022年3月に行われたイベント「解放区」の第2弾で,キャラクターの声を務める声優陣に加え,作品の世界観を表現するアーティストたちが出演し,朗読劇やライブが行われるものである。本稿では,約4時間におよんだ熱い一夜の模様をお届けしよう。
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2022年3月16日,東京・Zepp DiverCityにて新プロジェクト「マガツノート」初のライブイベント「解放区」が開催された。本稿では,出演声優陣によるプロジェクトの紹介や朗読劇,ヴィジュアル系バンドとボーイズグループによる熱いライブが行われたイベントの模様をお届けする。
「解放区 -初夏の陣-」は,「ダーク・イン・ザ・ダーク」と題された朗読劇と,アーティストたちによるライブを交互に行う形で進んでいった。
近未来を舞台とした世界,かつての戦国武将と同じ名を持つ人物たち。今回語られたのは,政宗や家康が所属する人類生存保障機関【ARK】が統治する居住区【カテドラル】に,街の外の【解放区】から,秀吉率いる【MAD FANG】が侵入する……という物語だった。
なお,本プロジェクトの設定として,悪魔と契約した武将の頭部に現れる角が“凶角(まがつの)”であり,彼らの感情がたかぶると凶角から流れる音が“魂響(たまゆら)”と呼ばれるものだ。その魂響こそが,「マガツノート」を彩る音楽の数々というわけである。
峯田大夢(政宗役) |
小笠原 仁(秀吉役) |
馬場惇平(官兵衛役) |
仲村宗悟(清正役) |
大河元気(左馬之助役) |
美藤大樹(家康役) |
岡本和浩(忠勝役) |
沢城千春(直政役) |
神尾晋一郎(織田信長役) |
ライブのトップバッターは零[Hz]。オープニングの「惡鬼招雷」は【MAD FANG】コラボとして,小笠原 仁さん(秀吉役),馬場惇平さん(官兵衛役),仲村宗悟さん(清正役)もステージに登場した。
前回の「解放区」のライブコーナーは純粋にバンドのみの演奏だったが,今回のような声優陣との生ライブが見られるのは新たな試みといえるだろう。小笠原さんや仲村さんは個人名義での音楽活動を行っていることもあり,異なるジャンルのプロ同士のぶつかり合いが熱い。零[Hz]は「VENOM」など全6曲を演奏,前回以上の熱狂を生み出してくれた。
ZOMBIEは,「腐り姫」ほか6曲を披露した。「ウルトラムシケラボーイ」では,【蛇-ウロボロス-】とのコラボで大河元気さん(左馬之助役)が登場。曲終わりで大河さんがつぶやいた「おいたわしや,光秀様」のセリフが鮮烈な印象を残した。
また,「クソったれが」では,サプライズコラボとして峯田大夢さん(政宗役)と美藤大樹さん(家康役)というつながりの強い役柄を演じる2人が参加した。もともとヴィジュアル系が好きだという峯田さんのデスボイスには,初めて聴く音楽ファンも大いに驚いたのではないだろうか。
本イベント中で唯一のボーイズグループであるBXWは,「打ち上がれ」ほか2曲を熱唱。ダンスと歌で魅せるパフォーマンスを披露してくれた。「In The End」では,【ARK医療局】コラボとして,美藤さんと沢城千春さん(直政役),岡本和浩さん(忠勝役)がBXWメンバーとともにステージを行った。ヴィジュアル系バンドの多い「マガツノート」プロジェクトだが,ぜひいつかのコラボで,バチバチにダンスを決めるところも見てみたいと感じた。
ここで,声優陣によるトークコーナーへ。今日時点で残すところあと1話となったシーズン1の振り返りや,キャラクターの関係と陣営の勢力図説明とともに,キャスト陣の感想などが話された。
そして,本イベントで明かされた最新情報として,パラレル的な位置づけである外伝<『戦シーズン 壱st Battle 「桜華狂騒」』>全10話がスタートすることと,ヴィジュアル系バンド「BabyKingdom」と「ザアザア」とコラボした新曲が出ることなどが発表された(関連記事)。
後半のライブに登場したRAZORは,「DISRESPECT」「千年ノ色彩」のほか全7曲を披露した。「存在証明」では,【第六天魔王軍】とのコラボで,神尾晋一郎さん(信長役)が参加。観客を熱狂させるRAZORのサウンドに,地の底から響くような神尾さんの笑い声とシャウトが絡み合う。
前回の「解放区」やここまでのライブパート同様,客席の様相は,一般的なメディアミックスプロジェクトのライブとは明らかに一線を画している。既存曲では,バンドのファンによる統制のとれた振り付けや激しいヘドバンの波が起こり,圧巻だ。だがこの「解放区」では,どのバンドのステージでも,声優陣とのコラボであっても,変わらぬ盛り上がりを見せるところに胸が熱くなる。
ライブステージのトリを飾ったアルルカンは,アルバム「MONSTER」からの楽曲を中心に6曲を演奏した。本プロジェクトのために書き下ろされた「リブラ」は,【ARK監査局】コラボとして峯田さんが再びステージに現れ,暁氏と額を突き合わせてシャウトを聞かせる。「もう一曲やってく?」という誘いに,「いいですね!」と峯田さんが答えたところで,「俺も入れてください!」と小笠原さんが登場。「ダメ人間」は,アルルカンのメンバー+峯田さんと小笠原さんというサプライズコラボで演奏された。
実はこの時点でイベント開始から4時間近く経っていたにも関わらず,キャスト陣も“ダメ人間”であり“有害人類”である観客も,疲れをものともせずヒートアップ。忘れがたいひとときを作り上げていた。
再びステージに立った峯田さんが,感謝とともに想いを述べた。「もともと自分自身もこういう音楽が好きで,救われてきたことも多かった。これまでは楽しくリハを行っていたが,自分が救われてきたぶん,“届ける側”として責任感がわいた」と――。そして最後に声優陣が登場し,「マガツノート」オリジナルにして1stシングルの「DEVIL ASYLUM」を全員で熱唱,すべてのイベントが幕となった。
前回のイベントでも感じたように,今回もまた,“違う畑”のユニットやバンドのメンバーたちが,プロジェクトに対する深いリスペクトを持っていることが伝わってきた。普段はバンドやユニットの音楽だけを楽しんでいる人にとっては,声優たちの朗読や歌唱は新鮮に感じられただろうし,逆もしかりだ。客席ではその身一つで音楽を楽しむ人もいれば,ペンライトなどを振って応援する人もいる。ステージも客席もお互いの存在を受け入れ,融合し,ここにしかない空間が作り上げられていたと思う。
「マガツノート」,そして「解放区」は,その道のプロが本気でぶつかり合う,言ってみればバーリトゥードのようなものだ。これが,面白くないわけがない。ぜひ多くの人に「マガツノート」の挑戦を目にしてほしい。
アーカイブ配信はこちら(販売期間:2022年7月21日21:00まで)
「マガツノート」公式サイト
マガツノート Season:1 Special Event「解放区-初夏の陣-」
■出演
峯田大夢(政宗役)
小笠原 仁(秀吉役)
馬場惇平(官兵衛役)
仲村宗悟(清正役)
大河元気(左馬之助役)
美藤大樹(家康役)
岡本和浩(忠勝役)
沢城千春(直政役)
神尾晋一郎(織田信長役)
アルルカン
零[Hz]
ZOMBIE
BXW
RAZOR
■セットリスト
惡鬼招雷/零[Hz]×【MAD FANG】
TRAUM/零[Hz]
enigma/零[Hz]
VENOM/零[Hz]
DarthHerz/零[Hz]
AXIZ/零[Hz]
腐り姫/ZOMBIE
だいっきらい東京/ZOMBIE
気絶ダンシングガール/ZOMBIE
ウルトラムシケラボーイ/ZOMBIE×【蛇-ウロボロス-】
クソったれが/ZOMBIE with 政宗(CV.峯田大夢)&家康(CV.美藤大樹)
song for me…/ZOMBIE
打ち上がれ/BXW
HURRICANE/BXW
In The End /BXW×【ARK医療局】
KNOT INVISIBLE/RAZOR
千年ノ色彩/RAZOR
DAYBREAK/RAZOR
DISRESPECT/RAZOR
埋葬/RAZOR
UNION/RAZOR
存在証明/RAZOR×【第六天魔王軍】
サイレン/アルルカン
ブルーキャンディ/アルルカン
MONSTER/アルルカン
リブラ/アルルカン×【ARK監査局】
ダメ人間/アルルカンwith 政宗(CV.峯田大夢)&秀吉(CV.小笠原仁)-
世界の終わりと夜明け前/アルルカン
DEVIL ASYLUM/(イベント出演声優全員歌唱ver.)