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  • 発売日:2022/12/08
  • 価格:3200円(税別)
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「ザ・ランブルフィッシュ 2」メディア向け試遊会レポート。アーケード版の開発スタッフに当時の話やおすすめのキャラクターなども聞いた
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印刷2022/09/22 18:08

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「ザ・ランブルフィッシュ 2」メディア向け試遊会レポート。アーケード版の開発スタッフに当時の話やおすすめのキャラクターなども聞いた

 3gooは,2022年12月8日に対戦格闘ゲーム「ザ・ランブルフィッシュ 2」PC / PS5 / Xbox Series X / Switch / PS4 / Xbox One)を発売する。本作は2005年3月にリリースされたアーケード版の移植作で,約17年後の歳月を経てコンシューマ機に初めて移植される。

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 今回は,9月14日に東京・渋谷の3gooオフィスにて行われた試遊会に参加したので,ゲーム内容の紹介やインプレッションをお届けしていこう。
 また会場では,アーケード版プロデューサーであるディンプスの伊東正剛氏,アーケード版メインプログラマーの田中義幸氏に話を聞くことができたので,その模様もお届けする。なおインタビューでは,移植版を手がける3gooの斎藤昌之氏にもコメントをいただいている。


積極的に攻守を選択し,戦いを作り上げる。スピード感たっぷりの格闘ゲームがコンシューマ機に登場


 今回の試遊会では,オンライン対戦は体験できなかったが,Switch版,PS5版のほか,オリジナルであるアーケード版も筐体で遊ぶことが出来た。パッと見て分かりやすい調整点としては,画面比率などの違いがあったが,違和感なくプレイを進められた。

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 移植版で調整された要素として,ワイドスクリーン向けに最適化したグラフィックスやアニメーション,ロールバックシステムを採用した快適なオンライン対戦が挙げられる。そのほかにも,追加要素として,じっくりと技やコンボの練習ができるトレーニングモードの実装,設定資料やコンセプトアート,サウンドなどが楽しめる,ファンに嬉しいギャラリーモードが実装されている。

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 また,通常版となる“スタンダードエディション”のほかに“コレクターズエディション”も用意され,ゲーム本編のほかに,下記の特典が付属する。

・DLC追加キャラクター(グリード,ハザマ,ベアトリス)
・攻略ガイドブック
・コマンド表
・「ザ・ランブルフィッシュ」アーケードオリジナル版(PlayStation 4またはNintendoSwitch)
・アートブック
・スペシャルサウンドトラックCD

 コレクターズエディションで注目したいのは,アーケード版の前作が遊べることだろう。アートブックやサントラCDもシリーズのファンにはたまらないアイテムであり,YUKINARI・Z氏が本作のために描きおろしたというパッケージイラストにも注目だ。

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 試遊においては,各キャラクターの担っている狙いや試合運びなどをじっくり追求できる環境が整えられているので,アーケードにハマったファンがディープに楽しめるのはもちろん,新規のプレイヤーも手を取ってくれるという手ごたえがあった。
 多くのハードで展開することにより,プレイヤーのすそ野も広がる可能性を感じる本作。発売日を期待して待とう。


アーケード版開発者インタビュー。開発当時の話や,おすすめのキャラクターを聞いてみた


左から,「ザ・ランブルフィッシュ 2」アーケード版メインプログラマー田中義幸氏,「ザ・ランブルフィッシュ 2」アーケード版プロデューサー伊東正剛
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4Gamer:
 前作「ザ・ランブルフィッシュ」がコンシューマ機向け(PS2)に移植されたのは2005年ですが,17年後にあたる2022年に「ザ・ランブルフィッシュ 2」を移植するに至った経緯を教えてください。

「ザ・ランブルフィッシュ 2」アーケード版プロデューサー 伊東正剛氏(以下,伊東氏):
 以前より移植を望む声をいただいていましたし,今回は3gooさんが,開発会社探しに協力してくれるなど,積極的に動いてくださったこともあり実現しました。本当はもっと早くやりたいと思ってはいたのですが,なかなかタイミングが合わなかったんです。

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4Gamer:
 移植に関してこだわった点はどんなところでしょうか。

3goo 斎藤昌之氏(以下,斎藤氏):
 そのあたりについては私からお答えします。本作は,今まで「ザ・ランブルフィッシュ 2」を遊んでくださっていたお客さんはもちろんですが,多くのハードで展開することで,カジュアルなプレイヤーにも遊んでいただけるように作っています。
 オンラインの対戦モードやリーダーボードの追加など,高度な駆け引きができるようなシステムですから,それをじっくりご家庭で練習できるように,トレーニングモードには必要な機能を追加しています。

4Gamer:
 Switchでの発売は,アーケード版に触れたことのないユーザーの目にも留まることがありそうですね。

伊東氏:
 当時はまだ生まれていないような年齢のユーザーさんにも,ぜひ遊んでほしいなと思っています。

4Gamer:
 そういった,主に新規プレイヤーに対して伝えたい「ザ・ランブルフィッシュ 2」の魅力を教えてください。

伊東氏:
 アーケード版発売当時,「成功しているほかの格闘ゲームと,どう差別化を図るか」という点は課題でした。
 そこで,2Dと3Dを融合するS.M.A.(スムースモデルアニメーション)という技術をツールごと開発して,滑らかな動きの表現を可能にしました。それを使って,キャラクターの装備を部位破壊する「パーツクラッシュ」も。これらが,ビジュアル的な特徴ですね。システム面においては,当時2D格闘ゲームで攻撃の「差し合い」()という流行がありましたが,本作はどちらかというと,積極的に攻撃を仕掛けて,反撃の選択肢も多くとれるようになっています。

※差し合い:格闘ゲームにおいて,相手の出した技を避け反撃することを狙い合ったプレイスタイルのこと

「ザ・ランブルフィッシュ 2」アーケード版メインプログラマー 田中義幸氏(以下,田中氏):
 あと,オフェンスゲージとディフェンスゲージという2本のゲージがあるシステムは,魅力的な点だと思います。少しとっつきにくさを感じるかもしれませんが,「攻撃に使うゲージ」,「防御に使うゲージ」とわかりやすく考えてください。
 例えば,防御のシステムで相手の攻撃を切り返したあと,残っているオフェンスゲージで大ダメージを狙っていくといったように,慣れてくれば戦略的な選択肢が広がり,深い駆け引きができるようになると思います。ぜひトレーニングモードを活用して,「ザ・ランブルフィッシュ」シリーズならではの,面白い駆け引きのタイミングを掴んで,楽しんでください。

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斎藤氏:
 トレーニングモードは,敵の動きなどの細かい設定ができたり,任意のゲージを溜められたりなど,痒い所に手が届く作りなので,ぜひ使ってほしいですね。

4Gamer:
 1つアーケード版から気になっていたことなのですが,「ザ・ランブルフィッシュ」シリーズのキャラクターには,血液型にRh因子の有無まで細かに記載されているんですよね。これには,何か意味があるのでしょうか。

田中氏:
 設定を作った者に聞いたわけではないので,はっきりとは言えないのですが,制作する際,「格闘家たちをリアルに描写しよう」というコンセプトがありました。本編は格闘ゲームですので多くを語ってはいませんが,世界設定やストーリーは細かに作ってあるんです。
 ステージも1戦目からしばらくは大災害の後の荒廃した土地や,スラムで戦うんですが,勝ち進んでいくと,大企業PROBE-NEXUSが管理する近未来的に発展した都市になっていくなど,しっかり設定を作って反映してあります。血液型に関しても,そういったリアルな描写ゆえのことだったのだと思います。

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斎藤氏:
 ギャラリーには,ディンプスさんにご提供いただいた貴重な設定資料を多く収録しています。シリーズファンの方にも喜んでいただけるのではないかと思います。

4Gamer:
 オンライン対戦のシステムを作っていくうえで,苦労した点などはありますか。

斎藤氏:
 グローバル発売ということもあり,どうしても発生するラグの問題をどう解決するかという課題がありました。そこで,ロールバックシステム()を採用して,世界のプレイヤーと,快適に対戦ができるように調整しています。

※ロールバックシステム:キャラクターの中間動作を省略して,対戦相手との動きを同期させるシステム。情報伝達の遅れを考慮し,動きを遅らせて同期させるディレイ方式よりも操作の違和感をおぼえにくいので,コンボなどの入力タイミングもとりやすいというメリットがある

4Gamer:
 コロナ禍も未だ続いていて,国内プレイヤー同士でも,なかなか集まりにくい現状もありますよね。オンラインの対戦環境が整っているということは,大変嬉しいことだと思います。
 さて話は変わりますが,伊東さん,田中さんの思い入れのあるキャラクターは誰でしょうか。対戦で使用しているキャラクターでもかまいません。

伊東氏:
 私は,ガーネットを使用しています。「アイドル的なキャラを作ろう」というコンセプトが反映されているキャラクターですね。

田中氏:
 私はラッドです。初代バロールとの因縁があるキャラクターで,熱血でちょっとおバカ系という。アーケード版のデバッグ時にラッドを担当していたこともあり,思い入れがあります。
 プログラマーとして考えるとシェリルですかね。罠を4点設置して,設置した順に糸を手繰っていくというのが,完全個別のプログラムなんです。手がかかっている分,思い入れもあります。ほかにも,個別のプログラムは多かったんですが(笑)。

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4Gamer:
 プログラムが個別だったキャラクターが多かったんですか。ほかのキャラクターではどのような処理を入れていたのでしょう。

田中氏:
 例えば,初代「ザ・ランブルフィッシュ」のボスキャラだったグリードは,時間経過とともに体がどんどん赤くなっていくという処理を入れています。あと,バズウが地面を叩くと,なぜか上空から岩が落下してくる,そしてその岩を,プレイヤーがボタンを押すことである程度拘束しておけるというようなことも個別のプログラムですね。

4Gamer:
 確かにその辺りは個別の動きですね。

田中氏:
 余談になるかもしれませんが,当初,キャラクターはデザイナーとプランナーで,プログラマーを介さずに作れるようにシステムを整えたんです。ただ,出てくるアイデアを形にすると,どうしても個別のプログラムが必要な場面が多くなってしまいました。ベースを作ったら,あとはプログラマーの手を離れるというのは幻想でしたね(笑)。

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4Gamer:
 開発者の目から見て,曲者というか,一番扱いが特殊なキャラクターは誰でしょう。また,初めてプレイするときにオススメのキャラクターは誰ですか。

田中氏:
 ラッド,ヒカリ,バズウが特殊かなと。とくにヒカリは,システム上“攻める”ことが優遇される本作のなかで,防御面に寄ったキャラクターですので。
 初めてプレイするのであれば,アランですかね。性能もいいですし。あとは,カヤもおすすめです。オフェンスゲージの溜まりが早いという特徴がありますから,ゲージを使ったシステムを練習してみるのに良いかなと思います。

4Gamer:
 開発当時の貴重な話も聞けて,大変興味深かったです。本日はありがとうございました。

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