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「MSX0」の新モデル,カード型ポケコンや超小型ゲーム機などを発表。クラウドファンディング第2弾の詳細が明らかに
MSXは1983年に始まった8bitパソコンの仕様の1つだ。前述のMSX0 Stackは,市販の小型マイコンモジュール・M5Stackに,MSXの公式エミュレータを搭載したもの。MSX-BASICインタープリタやMSX-DOS,MSX-BASICコンパイラ,MSX-C,MSX-Cライブラリも同梱され,ゲームを含むMSX,MSX2,MSX2+向けに作られたROMカートリッジが動作する。
[インタビュー]西 和彦氏に聞く「次世代MSX」とは何なのか――目指すのは,ユーザが自分で作り出す“遊び”の世界
第1弾製品の「MSX0 Stack」がクラウドファンディングの出資者に届き,いよいよもって“始まった”感が高まってきたが,まだまだ全容の見えない「次世代MSX」。開発者である西 和彦氏は,どのようなビジョンで臨んでいるのか。COSIO氏と共に,詳細をうかがった。
今回発表されたのは,カードサイズのポケットコンピュータ「MSX0 Card」とスマートウォッチ「MSX0 Watch」(大中小の3種類),アクセサリータイプの「MSX0 ATOM BOY」「MSX0 ATOM RING」「MSX0 ATOM Netsuke」,そしてMSXコンピュータをIoTのコントローラとして開発できる「MSX0 Stamp S3開発セット」だ。
これら製品のクラウドファンディングはKibidango(きびだんご)にて,11月1日に支援の受付を開始し,2024年1月31日まで行われる。
MSX0 Cardのリターンメニューは以下のスライドにあるように,「MSX0 Card + 無線モデム3兄妹セット」だ。本体単体に加え,通信用のLoRaモジュールおよびLTEモジュール,開発中のモデムカードのいずれかをセットにしたものがある。
MSX0 Watchは,MSX0 Stack S3と,その2分の1サイズのMSX0 Stick S3,4分の1サイズのMSX0 ATOM S3に,それぞれ腕時計用のベルトを付けたもの。 IoTメディアラボラトリー 特別顧問 西 和彦氏によると,一般的なスマートウォッチと比較したときの大きな特徴は,アプリ開発より手っ取り早く簡単にプログラミングできることだという。
今回のリターンメニュー「MSX0 Watch 3兄妹セット」は,MSX0 Watchの大中小の3種類をセットしたものと,すでにMSX0 Stackを所有しているユーザー向けのセットが用意される。
「MSX0 ATOM 3兄妹セット」は,MSX0 ATOM S3と3種類のアタッチメントを同梱したもの。それぞれを組み合わせることで,MSX0 ATOM BOY,MSX0 ATOM RING,MSX0 ATOM Netsukeとなる。西氏によると,microSDカードが使えるので,ソフトを入れるとゲーム機になるとのこと。
MSX0 Stamp S3開発セットは,超薄型で切手サイズの「MSX0 Stamp」と,電池やUSBコネクターなどを搭載した「MSX0 Cupsule」をセットにしたもの。Wi-Fi,Bluetooth,USBが使えるうえ,RAM 2MBとフラッシュROM 8MBが用意されているため,西氏は「強力なIoTのエンジンとしてオススメ」と話していた。
なおクラウドファンディングのリターンは,受付終了の2024年1月31日から3か月後,または製品によっては約半年後から配送を開始する見込みだという。
説明会のあとに設けられた質疑応答では,西氏が既存のMSXプラットフォーム用資産に言及している。それによると,過去のROMカートリッジをMSX0デバイスで使えるようにするリーダーを開発中とのこと。ただ,現在はWeb経由でそれらのコンテンツをダウンロード可能にすることを優先しているそうだ。
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MSX 3
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