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異世界に迷い込んだ中年の鉄道員の冒険を描くホラー「Post Trauma」をプレイ。クラシカルな固定カメラと巧みな演出がプレイヤーを恐怖へ誘う
BitSummitの会場では,Raw Furyでチーフパブリッシングオフィサーを務めるGordon Van Dyke氏に解説してもらいながら,プレイアブルデモが遊べた。本稿でレポートしていこう。
「Post Trauma」は,日本を舞台にしたタイトルで,主人公のローマンは,小太り気味な中年の鉄道員だ。そんな彼は列車事故をきっかけに不気味なパラレルワールドに迷い込んでしまう。ローマンはさまざまな謎を解いて,異世界からの脱出を目指すことになる。
デモ版では,クリーチャーが跋扈する病院を探索するパートが楽しめた。本作は,初期の「バイオハザード」のように固定カメラの視点で進み,自由なカメラ操作はできない。昨今のホラーゲームには,一人称視点を採用しているゲームも多く存在するが,本作はあえて固定カメラという見せ方を取っているという。
一人称視点でのゲームは,プレイヤーがカメラを向けている視点だけの情報量になるため,いわゆるジャンプスケアとなる突然のビックリ要素に頼りがちになる傾向が強い。開発陣としては,そういった手法ではなく,全体の雰囲気やじわじわと這いよる恐怖を味わってほしいという思いがあったのだそうだ。
ゲームをプレイしてみると,固定カメラの設置位置はかなり巧みに計算されており,視点が切り替わるポイントに,いかにもクリーチャーがいそうな半開きのドアが配置されていたり,不気味な赤いライトが当たっているエリアが見えるポイントにカメラが配置されていたりした。
こうした演出は結局思わせぶりで何もないということも多かったが,「何かが出てくるかもしれない」というプレッシャーにさらされ続けるため,じわじわと精神が削られていく。
また,ローマンは年相応の体力しか持ち合わせていないため,走り続けたり,武器を振り回し続けたりするとスタミナが尽き,肩で息をして暫く立ち止まってしまう。探索中はいつクリーチャーと対峙するか分からないため,必然的に“歩き”で移動することが多くなる。
不気味な空間をゆっくり歩いていると,走っているときには気づかなかった不気味な壁やオブジェクトが目が入ってしまうこともあるし,クリーチャーとの戦いでも緊張感が高まる。ローマンの非力さもプレイヤーの恐怖を高める演出の一部になっていると感じた。
デモ版はローマンが新たなクリーチャーと遭遇したところで終了した。クリーチャーとガンガン戦うよりは探索や謎解きのほうが多く,不気味な病院内を行ったり来たりしながら,暗号やキーアイテムを見つけて探索範囲を広げていく過程が楽しめた。
字幕だけでなく,ゲーム内の画面情報もしっかりとローカライズされているため,情報量も多く,「Post Trauma」の世界を十分に堪能できた。ホラーファンは,過去のトレイラーを確認しながら,今秋の発売を楽しみに待とう。
「Post Trauma」公式サイト
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