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創立121年,木下大サーカスを観覧して,「なつもん! 20世紀の夏休み」の重要なフィーチャーであるサーカスを知る!
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印刷2023/07/10 12:00

イベント

創立121年,木下大サーカスを観覧して,「なつもん! 20世紀の夏休み」の重要なフィーチャーであるサーカスを知る!

 スパイク・チュンソフトから2023年7月28日に発売が予定されているNintendo Switch用ソフト「なつもん! 20世紀の夏休み」は,サーカスが重要なフィーチャーになっている。
 本作の主人公は,サーカス団の家族の一人息子,サトルだ。夏の巡業でとある町を訪れ,1か月の滞在期間にさまざまな出来事や物語が展開される。ストーリーが進んでいくと,サトルがサーカス公演の演目をディレクションすることになり,団員による演技を見守るというイベントも発生するようだ。

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 今回4Gamerでは,新潟市で行われた「なつもん!」のハンズオンイベントに参加してきた。その模様は別稿で紹介しているが,その一環として,創立121年を誇る老舗「木下大サーカス」の公演を観覧し,その魅力を知ることができた。

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 スパイク・チュンソフトから2023年7月28日の発売が予定されている「なつもん! 20世紀の夏休み」のハンズオンレポートをお届けする。本作の舞台を彷彿とさせる北陸の地で,オープンワールドによる夏休みアドベンチャーを一足早く体験してきた。

[2023/07/10 12:00]
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 2023年7月28日の発売が予定されている「なつもん! 20世紀の夏休み」の,開発陣への合同インタビューが行われた。オープンワールドで展開される自由度の高い夏休みを体験できる本作について,企画の経緯や開発の裏話が語られている。

[2023/07/10 12:00]

「なつもん! 20世紀の夏休み」公式サイト


「なつもん!」のサーカス公演のシーン。サーカス団のランクが上がると,演目が増えていく
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公演の演目や楽曲を決めるのは主人公のサトル。つまりプレイヤーだ。観客が盛り上がるプログラムを考えよう
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 本稿では,運営会社 木下サーカスの取締役であり,空中ブランコパフォーマーの経験もある木下英樹氏へのインタビューをもとに,サーカスで行われる演目や演出についてお伝えしたい。
 なお,特別な許可を得て公演中の模様を撮影しているが,通常の写真撮影は禁止されている。

新潟県スポーツ公園に設置された木下大サーカスの会場。新潟公演は2023年3月25日から6月19日まで行われた
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 木下大サーカスは,明治35年から続く日本最古のサーカス団だ。その名前は誰もが耳にしたことはあることだろう。現在の団員は約110人(アルバイトなども含む)で,3か月前後の公演を全国各地で年4〜5回行っている。

 新潟の会場には,サーカスに欠かすことのできない巨大なテントが張られていた。「なつもん!」のまぼろしサーカス団は黄色と青のツートンカラーだが,木下大サーカスは虎の顔が印象的な赤いテントがトレードマーク。収容人数は約2000人という大きなものだ。
 取材日は平日の昼だったが,客席はほぼ満席。あらためてその人気に驚かされた。

木下大サーカスの大きなテント。売店や団員の宿舎なども併設されている
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テント内の様子。CMなどでも見たことがあるのでは!?
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 公演の開始前には,アーティストのブライアン・ドレスナーさんによる,ジャグリングのデモンストレーションを見せていただいた。アルゼンチンのサーカス一族に生まれたドレスナーさんは,2014年から木下大サーカスでパフォーマンスを行っている。キャリアは約28年で,超ハイレベルなジャグリングには思わず妙な笑いとため息が漏れてしまうほど。しかし,ここで見せてもらったものはほんの小手調べだった。本番ではさらに高難度の演技を披露し,取材陣は再びため息を漏らすことになる。

ドレスナーさんのジャグリング。超高速ジャグリングや二人羽織ジャグリングなども見せてくれた
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 本公演では,オープニングの吊りロープによるショー,積み上げた椅子の上で曲芸をする「七丁椅子」,脱出マジックの「スーパーイリュージョン」,ドレスナーさんらのジャグリングといった,バラエティに富んだ演目が次々に行われていく。また,日本の古典曲芸をプログラムに取り入れているのも,木下大サーカスの特徴。この日は足の先でふすまを回す「足芸ふすま」が披露された。

観客を魅了するパフォーマンスが矢継ぎ早に披露される
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ふすまを足の先で回す古典芸。足にたらいを被せた高難度の演技も見せてくれた
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 サーカスの華である空中ブランコやオートバイ,動物によるショーなどの演目だけでなく,幕間にはピエロのパフォーマンスが行われ,メリハリのある展開が観客を飽きさせない。
 演目は30種以上あるそうだが,メインの演目を中心に据えたうえで,プログラムは毎回入れ替えているとのこと。「なつもん!」でもプレイヤーがサーカスに大きく関わる要素が,まさにプログラムを構成する演目の選択だ。現実とはまた違うのかもしれないが,観覧後にはその組み立ての妙を強く認識した。

ピエロのパフォーマンスは,客席の緊張感をほぐしてくれる
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ドレスナーさんのジャグリング。多数のバトンやリング,帽子などを自在に操り,テントの天井近くまで投げても見事にキャッチしていく
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バイクホールと呼ばれる直径約7メートルのカゴの中で,3台のオートバイが走り回る。この演目も「なつもん!」に登場する
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公演のトリを飾ったのは,2列に並んで演技をする「ダブル空中ブランコ」
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 さまざまな演目だけでなく,幕間の機材セッティングにも驚いた。演目が終わり,次の演目が始まるまでにステージが暗転し,ピエロが観客の笑いを取っている……わずか数分の間に巨大な車輪のセットが完成していたのだ。このような裏方仕事も,演技をする団員の皆さんだというのだからまた驚いた。チケットの販売や売店,客席の誘導係,ひいてはテントをはじめとする設営や撤去などもすべて団員が行っているのだとか。

 巨大な車輪を使う演目は,サーカスの目玉である「Wheel of Death」だ。ワイヤーでぶら下がった鉄骨の左右に2つのリングがあり,その中や外でアーティストが飛んだり走ったりすることで,全体が回転するというもの。その高さは頂点で15メートル近く,パフォーマンス中のアーティストは瞬間的に宙に浮いている。観客は彼らが無重力空間で演技をしているような錯覚に陥るだろう。
 しかし,実際には超危険なパフォーマンスだ。些細なミスも許されないわけだが,それを見事に演じきったアーティストには大きな拍手が贈られた。

 なお,Wheel of Deathは「なつもん!」の演目としても登場する。作中,車輪の機材は主人公(10歳)のお小遣いで購入するらしい……。

2人のアーティストがリングの中を動いて,その力で車輪が回転する。目隠しをしたり,リングの上で縄跳びをしたりと,とんでもない演技だった!
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 木下大サーカスはコロナ禍により,5か月間も公演ができなくなったが,クラウドファンディングでファンの支援を募るなどして,2020年8月に観客数と1日の公演数を減らして再開を果たした。苦境に立たされたものの,休止中もパフォーマンスを磨き,1人の団員も解雇することなく,再開ができたことに喜びを感じると木下氏は語る。
 聞けば木下氏は,運営会社社長の次男だそうで,「なつもん!」の主人公に近い立場である。ゲームをプレイしている筆者は,なんとなく親近感が湧いていた。

木下サーカス取締役 木下英樹氏
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 現在,木下大サーカスは札幌公演を開催中。さらに10月末からは千葉幕張公演が決まっている。
 ハンズオンイベントでは約2時間のゲームプレイを体験したが,それだけでもサーカスに対する興味や愛着が湧いてきたのは間違いなく,実際にサーカスを観覧できたことも非常に有意義だった。「なつもん!」をプレイする人は,ぜひサーカスの会場にも足を運んでみてほしい。夏休みの思い出が,もっと奥行きのあるものになるはずだから。

木下氏と記念撮影をする,「なつもん!」ディレクターの綾部 和氏(右)
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「なつもん! 20世紀の夏休み」公式サイト

木下大サーカス 公式サイト


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