「信長の野望」40周年の記念特番レポート。新作位置ゲーム「信長の野望 出陣」や「信長の野望・新生 with パワーアップキット」の情報も公開

　コーエーテクモゲームスは2023年3月30日，「『信長の野望』シリーズ40周年記念特番」を，YouTubeのコーエーテクモChannelにて配信した。この配信では，同日に40周年を迎えた「信長の野望」シリーズの歩みを振り返りつつ，「信長の野望 覇道」（iOS/Android/PC）や，新作の「信長の野望 出陣」（iOS/Android），「信長の野望・新生 with パワーアップキット」（PC/PS4/Switch）の情報が公開された。

「信長の野望」シリーズ40年の歩み

　番組の冒頭では，「信長の野望」シリーズの歴史が紹介された。本シリーズは，今から40年前の1983年3月30日に光栄マイコンシステム（当時）がリリースした初代「信長の野望」からスタートしている。


　40年の歴史の中で，シブサワ・コウブランド長の伊藤幸紀氏が一番多くプレイしたのが，2005年リリースの「信長の野望・革新」だったという。当時の伊藤氏は「三國志」チームに所属しており，納期に追われる「信長の野望」チームを横目で見ていたそうだ。

歴代タイトルのパッケージも紹介に。ファミコン版は，ROMカートリッジそのものが大きかったことなども紹介された

　このコーナーでは，週刊少年ジャンプで「花の慶次」が1990年から1993年にかけて連載されたことを受けて，同時期には前田慶次の武勇が100に設定されるといったように，武将のパラメータは世相の影響を受けることが明かされた。また「信長の野望・蒼天録」では，黒田官兵衛が黒田孝高と表記されていたが，タイトルによって名前が異なることのないよう，社内のガイドラインを決めている最中だという。

ハードの進化に伴って，信長の描き方も変化している

信長のパラメータは，各タイトルとも総合的に見て最強にしているとのこと。また各武将には，プレイヤーには見えない裏パラメータが設定されていることも紹介された

「信長の野望 覇道」情報

　「信長の野望 覇道」のコーナーでは，本作のプロデューサーを務める高林正典氏が，プレイヤーから寄せられた質問や要望に回答した。
　最初の要望は「新シーズン開始時の各大名家の選択を，事前に行えるようにしてほしい。また，各大名家の人数に大きな格差が出ないようにしてほしい」というもの。高林氏はシーズン3に向けた大きな課題として捉えているとし，「大名家の間の人数差を減らす仕組みは，すでに実装されているが，その効果が不十分なため改善を進めていく」と回答した。また人数の少ない大名家が劣勢のまま終わってしまわないよう，シーズンの終盤に大名家が威信で逆転できる要素をシーズン2では用意しているので，確認してほしいとも話していた。


　「シーズン1の武将は，鉄砲兵科の適正がオールCになっているが，今後変更されるか」という質問には，「本作には『秘伝』という要素があり，シーズン2から追加される『鉄砲の教え』という秘伝を活用することで，兵科適性をAまで引き上げることができる」と回答。柴田勝家や上杉謙信といった鉄砲のイメージがあまりない武将も，鉄砲兵科の適性を上げて部隊を組むと，高い戦力と鉄砲の能力を発揮しやすくなるそうだ。


　「新シーズン開始時にリセットされる要素は，今後変更されるか」という質問には，シーズン2開始時に不足がちだった軍令や徴兵令の調整が行われると回答された。また，時間をかけて育成する要素と，シーズンごとに仕切り直す遊びの住み分けを踏まえ，バランスを探りながらアップデートを重ねていく方針だという。


　「東北地方や九州地方のマップ，武将の追加はいつ頃になるのか」という質問には，「現在の関東から近畿までで終わるつもりはまったくない。いつとは明言できないが，実装スケジュールはある程度固まっている」との回答が示された。


　「勢力が衰えた大名家の滅亡システムなどは予定しているか」という質問には，「滅亡すると遊び方が狭くなってしまうため，ゲームを楽しめる機会を損なわないようにするという観点から，現状はそういった機能の実装予定はない」という見解が示された。また現在，大名家間の移動や大名家の枠組みを離れて遊ぶような仕組みなど，さまざまな遊び方ができる機能の実装を検討しているそうだ。


　「編制，検証編制機能を使いやすくしてほしい」という要望には，「分かっているけれども，手を付け切れていない部分の1つ」とコメント。順次機能の追加・改善を行っていくので，続報を待ってほしいとのことだ。


　「利敵行為への対応機能の実装内容，実装時期について教えて」という質問には，まず「利敵行為」の定義が示された。高林氏によると，本作における利敵行為は「大名家にとって利益にならないと，その大名家の首脳部が考えるもの」だという。そうした利敵行為への対応機能とは，特定の一門や大名家内の特定の一員が裏切りをやっているという通報を受け，大名家の家老達が話し合って大名家のためにならない行動をしていると判断したら，罰することができる仕組みを考えているそうだ。代表的な罰し方として，領土の制圧をできないようにすることが挙げられた。この機能は，4月上旬の実装を目指して鋭意開発中だ。


　アップデート情報も公開された。新武将・島津義久の鉄砲バージョンは，会心の威力を高める戦法と，会心の発生率を高める技能が付与されている。


　新イベント「盤外攻城戦」は，一門のメンバーと気軽に攻城戦を楽しめるというものだ。一門ごとに与えられた特定の時間帯中に城攻めに挑戦し，参加メンバー全体で与えたダメージの総量を競うスコアアタックタイプのイベントとなる。相手となるのはNPCだが，特定のタイミングで強力な敵が出現するため，対策が必要になるそうだ。


　S城はシーズン2の13年目の夏に開放される。一番先行しているサーバーでは，4月19日を予定しているとのこと。
　さらにシーズン2では，これまで戦場にならなかった「山城国」に，SS城「室町御所」を攻められる新たなシステムが実装される。こちらは16年目の夏にスタートで，一番先行しているサーバーでは5月1日に解放される予定だ。
　なお山城国の戦いに参加できるのは，S城を所有している一門だけとなっている。室町御所を攻略すると，すべての大名家に影響を及ぼす「上意」の発令が可能となる。


　コーナーの最後には高林氏が，「最先行しているサーバーでは，シーズン2が2か月めに入るタイミングになります。新しい武将や山城国で環境が変わり，新しい局面になりますので，新たな知恵比べを楽しんでください。シーズン1の方，シーズン2の方とも，現状の環境が動くように我々も尽力していきますので，一緒にゲームを楽しんでいきましょう」とまとめていた。

各種キャンペーンも紹介に

「信長の野望 覇道」公式サイト

「信長の野望 出陣」情報

　この日に発表されたばかりの「信長の野望 出陣」のコーナーでは，プロデューサーの菊池啓介氏が本作の概要などを紹介した。

　本作を企画したきっかけは，日本で起きた実際の歴史を扱うコンテンツと，位置情報ゲームは親和性が高いと考えたことにあったという。実際，社内でも以前からGPSを使ったゲームの話が出ていたそうだ。そこでコーエーテクモゲームスがそれまで手がけたことのない新たな挑戦として，「信長の野望」の位置情報ゲームのプロジェクトを立ち上げたという。菊池氏は「信長の野望」というIPを扱うにあたり，スピンオフではなく，「信長の野望」の楽しさを提供することを目指したと話していた。


　本作では，プレイヤーが一介の武将となり，戦国時代で出世し，大名の座に上り詰めたり，天下統一を目指したりするゲームである。菊池氏は「信長の野望」の楽しさは，「武将を集めて育てる」「内政で国を豊かにする」「戦いによって領地を広げていく」というゲームサイクルにあるとし，本作では内政と領土拡大にフォーカスして，さまざまな行動の起点が「歩く」，あるいは「その場所に行く」ということになっていると説明した。


　本作のフィールドは，リアルの何丁目という単位にあたる「区画」で構成されている。プレイヤーは歩いて区画ごとの「拠点」に行き，バトルで勝つとその区画を領地にできる。
　またゲーム内のフィールドには城が建っていたり，町人や商人がいたりとあたかも戦国時代の雰囲気を味わえる。

　なお本作は，シングルプレイで次々に領地を拡大していくというもので，ほかのプレイヤーやNPCが領地を奪いに来ることは基本的にないそうだ。ただ，期間限定のイベントなどでは，そういった領地の奪い合いの要素があるものも検討しているという。
　さらにゲームを進めると，自分で歩いて行けない区画に配下の武将を派遣し，領地化できる機能も紹介された。


　武将を配下にして育成し，適材適所に配置する要素は本作にも健在だ。武将は「登用」──いわゆるガチャで獲得するだけでなく，フィールドや「茶室」に登場する武将の友好度を上げることで配下にできる。また，ミッションのクリア報酬が武将になっていることもある。


　内政についても紹介された。本作のフィールド上にある各区画には，「水田」や「弓訓練場」など内政施設が設置されている。たとえば水田の区画を領地化すると，水田のレベルが上がっていく。そうやって領地内の各内政施設のレベルを上げていくと，街並みが豊かになり，バトルなどさまざまな面で有利になっていく。
　また各内政施設には，配下の武将を配置可能だ。配置した武将が「具申」してきたことを達成すると「民忠」が上がり，収穫量や施設の効果がアップする。
　そのほか大きな区画ほど，領地化したときに石高が高くなるが，そのぶん歩く距離が増えるため，領地化することが大変になるようだ。


　期間限定で行われる，特定の武将や戦いにフォーカスした「列伝イベント」では，条件をクリアしたり，ストーリーを進めたり，登場する強敵と戦ったりしていく。

戦国時代の豆知識などを教えてくれるキャラクター「案内娘 はつほ」も登場する

　現在テスターを募集中のクローズドβテストでは，本作のゲーム進行がプレイスタイルによって大きく変わるため，その確認を行うとのこと。また本作に対する要望や意見を，ローンチ時に反映させる予定だという。テスト中の期間限定イベントとしては，「川中島の合戦」を用意しているそうだ。

今後，実装を予定している要素の一部も紹介に。「歴史紀行」の第1弾は，プレイヤーの歩みに応じて「東海道五十三次」を進んでいく内容となる

Twitterのキャンペーンも実施中

　コーナーの最後には，菊池氏が「本作は『信長の野望』の楽しさに加え，歴史が好きになるような要素や，歩いて少し健康になる要素により，ゲームをプレイすることで皆さんの日常がより豊かになるゲームを目指しています。 最初はゲームのサイクルをしっかり作ってご提供しますが，ゆくゆくは旅行業界や各地方自治体と一緒にいろいろやって，日本を豊かにしていきたいと考えています。本当に皆さんと一緒に作っていくゲームだと捉えていますので，興味のある方はぜひクローズドβテストに参加して，ご意見をいただければと思います」」とまとめていた。

「信長の野望 出陣」公式サイト

「信長の野望・新生 with パワーアップキット」情報

　「信長の野望・新生 with パワーアップキット」コーナーでは，プロデューサー兼ディレクターの劉 迪氏が本作の概要を紹介した。

「信長の野望・新生」のコンセプトや特徴があらためて紹介された

　本作では，配下の武将とのやり取りである「君臣一体」が強化されている。新たに登場する「直談」では，相手の武将が望む交渉材料を与えることで，寝返りなどを狙えるという。


　また「信長の野望・新生」には，勢力全体を強化する「政策」があったが，本作ではさらに家臣団を形成する「評定衆」が追加された。評定衆は3名の「家宰」と5名の「奉行」で構成され，前者は各武将が持っている方針を組み合わせることにより，勢力の成長に影響を与える。

　後者の奉行は政策を強化する役割を担う。たとえば「『検地・刀狩』発令可能」という羽柴家独自の政策を使う能力を持った武将を奉行に任命すれば，羽柴家以外の勢力でも検地や刀狩を発令できるようになる。どの武将を奉行に任命するかで，攻略の幅が広がるとのことだ。


　「攻城戦」も追加される。本作の攻城戦は，城下町を含めた大規模なものとなっており，戦国時代のリアルな戦いを再現しているという。攻城戦のマップ数は，206にもおよぶそうだ。


　そのほかイベントムービーや新シナリオ，新政策，新特性なども追加されるとのこと。さらに，編集機能や新勢力作成といった機能も登場する。さらなる情報は，7月20日のリリースまでに順次公開される予定だ。

製品情報も紹介された

「信長の野望・新生」の24時間限定セールも実施

「信長の野望」シリーズのセールも開催中

　コーナーの最後には劉氏が，今回紹介した内容は本作の3割程度に過ぎないとし，「本当に大ボリュームとなっているので，続報に期待してください」とコメントしていた。

「コーエーテクモアプリ（KT App）」でもキャンペーンを実施中

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「信長の野望」関連タイトルの最新情報も公開に

「信長の野望・新生 with パワーアップキット」公式サイト