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  • Netmarble
  • 発売日:2023/07/26
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[インタビュー]人気ウェブトゥーンが題材の「神之塔:New World」は,なぜ放置ゲームになったのか。開発のキーマンに聞いた
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印刷2023/07/25 19:19

インタビュー

[インタビュー]人気ウェブトゥーンが題材の「神之塔:New World」は,なぜ放置ゲームになったのか。開発のキーマンに聞いた

 Netmarbleの新作スマートフォン向けアプリ「神之塔:NEW WORLD」iOS / Android)は,韓国の人気ウェブトゥーン(Webコミック)「神之塔」を題材としたフル3D放置型RPGだ。

 2023年7月26日に正式サービス開始が予定されている本作について,プロジェクトディレクターのチョン・ヨンサン(Jeong Eon-san)氏,アートディレクターのキム・ヨンウォン(Kim Yong-won)氏にメールインタビューを行ったので,ゲーム内容の紹介とともにその内容をお届けしよう。

画像集 No.008のサムネイル画像 / [インタビュー]人気ウェブトゥーンが題材の「神之塔:New World」は,なぜ放置ゲームになったのか。開発のキーマンに聞いた

「神之塔:New World」公式サイト

「神之塔:New World」ダウンロードページ

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原作再現と戦略性が特徴のフル3D放置型RPG


 まずは,原作「神之塔」とゲームの概要を紹介しよう。
 SIU氏による原作「神之塔」は,巨大で神秘的な塔の下に住む少年・二十五日の夜(通称:夜)と,その友人の少女ラヘルを中心とした物語が展開するファンタジー作品だ。頂上に到達すると,ほしいものが何でも手に入ると信じられている「神之塔」を舞台に,本当の星を見るため塔の頂上を目指すラヘルを追いかけ,塔に向かった夜は数々の仲間たちと出会うことになる。
 2010年7月にNaver Webtoonで連載がスタートし,全世界で60億回を超える閲覧数を記録(2022年4月時点)する人気ウェブトゥーンとなった。日本では2018年に「LINEマンガ」で連載が始まり,2020年4月にはアニメ第1期の放映がスタート。2022年8月にはアニメ第2期の制作が発表されている。


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 「神之塔:NEW WORLD」は,原作を忠実に再現した世界観やストーリー,独自の解釈を交えて仕上げられたビジュアルを特徴とするフル3D放置型RPGだ。
 メインコンテンツとして用意されているのが,「冒険モード」「ストーリーモード」の2種類。「冒険モード」は,入手したキャラクターで自分だけのチームを編成し,塔の各階層(ステージ)をクリアしていくというものだ。ステージが進むと難度があがり,戦略的なチーム編成やキャラクター育成が重要となっていく。
 「ストーリーモード」は,3Dアニメーションで描かれる原作ストーリーを追いながらバトルを楽しめる。新チャプターは,「冒険モード」の特定のステージをクリアすることで開放される。

 最大5人のチームで挑むバトルは,キャラクターの配置や属性,スキルなどを考慮した戦略的な編成が重要となる。キャラクターたちのステータス,スキルやその他の特徴は原作のキャラクター設定に基づいており,また物語も原作のストーリーをさらに深掘りするサイドストーリーなどが用意されている。

 基本,放置で進むゲーム性だが,その戦略性は高く,またメインモードのほかにも,制限時間内にボスと戦って報酬を得る「地下実験室」,自慢のチームでほかのプレイヤーと対戦するPvP「アリーナ」などのやり込み要素が用意されているという。

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開発のキーマン,チョン・ヨンサン氏,キム・ヨンウォン氏にインタビュー


4Gamer:
 なぜウェブトゥーン「神之塔」をゲーム化しようと思ったのでしょうか。

チョン・ヨンサン氏,キム・ヨンウォン氏(以下,開発チーム):
 もともと「神之塔」のファンでしたので,会社に「神之塔」でゲームを作ってみたいとお願いしました。
 「神之塔」は,ゲームとして作るうえで魅力的な要素がたくさんあります。13年もの連載の歴史を持つだけあって多くのキャラクターが登場しますし,それぞれ個性的です。
 塔で行われるさまざまなテストも,ゲーム化に適していました。ほかにも,収集成長型RPGとして作るのに適した物語や描写の形があり,戦闘シーンも多様で,キャラクターが持つスキルも多く,ゲームとして開発する決断に至りました。

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チョン・ヨンサン氏
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キム・ヨンウォン氏

4Gamer:
「神之塔」のゲームを制作することが決まったとき,なぜ放置ゲームというジャンルを選択したのでしょうか。

開発チーム:
 私たちのゲームには放置要素がありますが,それは利便性の面で限定的に提供される部分なので,ジャンルとしては収集型RPGと呼びたいと思います。
 原作の「神之塔」はウェブトゥーンとして,全世界で60億ビューを突破するほど多くのユーザーから愛されています。そのため,ゲームも誰でも気軽に楽しめるゲーム性が適していると考えました。また,「神之塔」は多様なキャラクターが魅力なので,収集型ゲームが適していると思いました。

 私たちのゲームの放置要素をもっと紹介すると,既存の放置型ゲームでは,ステージクリアに詰まったら,その区間でキャラ育成とクリアのため繰り返し放置をするということがありますよね。
 「神之塔:NEW WORLD」は,そういったトレンドとはギャップがあるゲームに仕上がっています。ゲームをプレイしていなくてもそれを実行できるのですが,再接続時にはその時間分の報酬を支給する程度で,放置だけでキャラを育成できたり,ステージをクリアしたりといった要素はありません。
 プレイヤー自身がキャラクターを収集して成長させることや,与えられたデッキを活用して敵を倒すこと自体が本質的な楽しみの要素だと考え,そこに集中できるようにしました。


4Gamer:
 実際に開発が始まったのはいつですか。開発期間も教えてください。

開発チーム:
 2020年6月から開発を開始し,約3年ほどかかりました。現在は70名規模のスタッフで開発しています。

4Gamer:
 「放置ゲームの“怪物”が来た」というキャッチコピーが印象的です。どのあたりが「怪物」なのか,ゲームの特徴や他作品にはない魅力があれば教えてください。

開発チーム:
 本作の特徴である高画質で楽しめる原作ストーリーと,リアルタイムの5対5バトルをご紹介しましょう。
 ストーリーモードでは,原作のストーリーをアニメのように楽しめます。正式リリース版では,原作1部までのストーリーを収録しています。ウェブトゥーンを読んだときのような感覚を与えられるよう,考証にもっとも気を配りました。原作にストーリーを導く中心キャラクターがいるように,私たちのストーリーモードもそのように構成し,そのキャラクターを直接移動させていきながらNPCのクエストを受けたり,対話カットシーン,ストーリーカットシーンを見ながら没入できるようにしました。


 ストーリーや必殺技のカットシーンの場合,完成度を高めるために,アニメ業界で絵コンテをデザインできるスタッフを採用し,プリプロダクションの段階から作業者が理解を深めた状態でアニメーションを構成しました。ほかにもモーションキャプチャを適用するなど,実際のアニメーションを見るような感覚を与えるために努力しました。

 また,戦闘においては,縦視点で5対5のリアルタイム戦闘をダイナミックに実現しました。ターン制やSDキャラクターが戦うゲームは多いですが,7〜8等身大のキャラクターはあまりありません。7〜8等身大のキャラクターでリアルタイムバトルが極力直感的に見えるようにし,戦略的な視点でプレイできるようにしました。

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 収集成長型RPGの場合,キャラクターの成長に多くの比重が集中していることが多く,せっかく育てたキャラクターも新しいキャラクターが追加されると,カウンター(相殺)対象になって価値が損なわれるなどの問題がありました。
 その問題を解決するために「神之水リンクシステム」を導入しました。これまでのキャラクターだけに限定した成長で,新たに育成する気持ちが削がれる部分を補完するシステムです。

「神之水リンクシステム」は,戦闘に出撃するスロットにランクとレベルがあり,それを成長させる方式です。キャラクターを配置すると,そのスロットのランクとレベルに設定され,すぐに戦闘に活用することができます。
 これにより,より多くのキャラクターを活用した戦闘に集中できるようになることを期待しています。ほかにも,「三色エッセンス」や「天賦のオーブ」,「ランキングボード」を通じた成長に重点を置きました。

4Gamer:
 ゲーム開発で苦労した点,想定より手応えのある出来になった箇所があればそれぞれ教えてください。

開発チーム:
 苦労した部分であり,その苦労によって手応えある出来となったのが,原作に忠実な実装と再解釈,そして新たな挑戦です。多くのキャラクターを現代的な感性で再解釈しながらも,各々の特徴を生かせるように多くの試みがあり,何度も作り直すこともありました。

 ストーリーアニメーションの場合,当初はアニメーターの方々が純粋にキーを握って作業していましたが,よりリアルで生き生きとした,アニメを見ているような感覚を与えるために,モーションキャプチャで再構成するなどの経緯もありました。
 ストーリーモードの背景,キャラクター,セリフを,ストーリーカットシーンとうまく調和するように組み合わせる過程も大変な作業でした。

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 先ほどもお話しした,10人のキャラクターがリアルタイムで戦う戦闘も難しい作業でした。アクティブスキルはアクションカムというダイナミックカメラを採用し,必殺技の演出はキャラクター固有の特性を完全に見せるためにカットシーンを利用しました。
 カットシーンの読み込みなど処理に多くの負荷がかかり,それによるデバイスの発熱も発生し,スムーズな戦闘処理には苦労しましたね。今はうまく作業が完了し,満足のいく状態となりましたが,振り返ってみるとどれも簡単では無かったと思います。

4Gamer:
 日本でもWeb漫画の展開やアニメも放映され認知がある作品ですが,日本のゲームファンに本作がどのように受け入れられると想定していますか。

開発チーム:
画像集 No.006のサムネイル画像 / [インタビュー]人気ウェブトゥーンが題材の「神之塔:New World」は,なぜ放置ゲームになったのか。開発のキーマンに聞いた
 「神之塔:NEW WORLD」は,13年間の連載期間をもつ原作「神之塔」の集大成を目標に1話からの内容を扱っています。原作をご覧になっていない方でも,ゲームをしながらアニメを見るような感覚で楽しめるよう,主要な出来事をすべて盛り込みました。今後,原作が完結するまで一緒に呼吸を合わせながら,継続的にサービスすることが目標です。

 原作をよく知っている方でも,かなり昔に見たという物語や,今は記憶の中で少し薄れてしまったというシーンに再び触れる楽しみは大きいと思います。皆さんが原作を読みながら想像していたであろう動きをアニメーション化した部分は,ウェブトゥーンとはまた違った楽しみがあるはずです。ほかにもゲームのオリジナルストーリー,イベントストーリーも興味深く楽しんでもらえると嬉しいです。

4Gamer:
 本作のリリースを待つ日本のゲームファン,「神之塔」ファンにメッセージをお願いします。

開発チーム:
 韓国には「十年たてば山河も変わる」という言葉がありますが,原作「神之塔」は13年以上経った今でも現役かつ上位の人気を保ちながら連載を続けており,ほかには例が見当たらない作品ではないかと思います。原作ファンには,そんな「神之塔」の思い出深い物語や場面を,ゲームをしながらもう一度感じていただければと思います。
 原作の1話目から少しずつ物語を描いているので,「神之塔」を知らない方にも,ウェブトゥーンを読む感覚で楽しんでほしいです。

 そして,ゲームとして,魅力的なキャラクターと,それを組み合わせた戦略的なプレイを満喫してください。いよいよ正式リリースが目前に迫ってきましたが,とても楽しみであり,そして緊張しています。最後まで全力で準備していきますので,どうぞよろしくお願いします。


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