プレイレポート
[プレイレポ]生まれ変わった「ルイージマンション2 HD」。グラフィックスのHD化で,臨場感&健気で気の毒なルイージの魅力が向上
「Nintendo Direct 2023.6.21」で本作の情報が初めて発表されてから約1年。ついに発売となる本作をいち早くプレイをする機会を得たので,本稿では生まれ変わった本作のプレイフィールをご紹介しよう。
「ルイージマンション2 HD」公式サイト
オバキュームを持ったルイージとして進む
お化け屋敷の楽しさ
不思議な力を持った「ダークムーン」が夜空に浮かぶ「オバ渓谷」。そこで,オバケの研究をしているオヤ・マー博士は,明るくて陽気なオバケ達と楽しく暮らしていた。しかし,キングテレサがダークムーンをバラバラに壊してしまったことで,オバ渓谷には怪しい紫色の霧が立ち込め,オバケ達は正気を失い,暴れ出すようになってしまったのだ。なんとか逃げ出してきた博士は,ルイージを呼び出し,助けを求める。
キングテレサがダークムーンを破壊すると…… | |
今まで仲良くしていたオバケ達が,突然狂暴になってしまった! |
オヤ・マー博士に呼び出され,半ば強引に探索を依頼されるルイージ。だが彼は臆病で,とくにオバケが苦手なのだ。よりによってそんなルイージが,狂暴化したオバケたちと対峙していく。しかも,不気味な建物を探索させられるのは,シリーズ前作「ルイージマンション」に引き続き2回目なのである……。オバケにも押しにも弱いルイージが背中を丸め,怯えきった表情で恐る恐る足を進める姿は,気の毒でもあり,愛おしくもある。
キングテレサに壊されたダークムーン。そのかけらを集めるための道のりには,たくさんの危険が潜んでいるため,さすがに丸腰でというわけにはいかない。そこでオヤ・マー博士から手渡されたのは,通信機「ドコデモシャベレ〜ル」(通称 DS)と「ハンディライト」。そして,「ルイージマンション」からおなじみの,掃除機に似た形のオバケ吸引
器「オバキューム」だ。しかも,ただ吸引するだけでなく,さまざまな追加機能が搭載されている。ルイージはこれらを相棒にして,オバケが徘徊する屋敷を探索していくのだ。
「オバキューム」には,たくさんの機能が搭載されている。暗いところを照らしていろいろなものを吸ったり,フラッシュを焚いたり,ときには吹きだしたりもできるのだ。オバケと戦う武器として,また仕掛けを解く道具として,オバキュームは大活躍する。
まずはフラッシュでフリーズさせて…… |
固まっているオバケをZRボタンでオバキュームに吸着させ,Lスティックをオバケの逃げる方向と逆に倒して吸い込む。表示される数字がゼロになるまで吸い込み続ければ,オバケを捕獲できる |
戦闘時には,オバケをオバキュームに吸い込んで倒すことが基本の戦い方となる。フラッシュの効かないオバケ,ナベやシャベルなどで武装しているオバケなど,ただ吸い込むだけでは倒せないタイプも続々登場するが,彼らの一挙一動を観察していれば,必ずどこかに隙が見えるはずだ。
オバケの倒し方は直感的ではあるが,ただダメージを与えて倒すという形ではないので,慣れるまでには操作に多少のもどかしさを感じるかもしれない。だが,これこそが適度な塩梅で,オバケという掴みどころのない存在をキャッチするのだという実感が得られる。それに,おそらくプレイ中盤に差し掛かるころには,そんなもどかしさがあったことなどすっかり忘れて,キビキビと使いこなせるようにもなる。オバキュームの操作感は,ルイージとの一体感や爽快さを生み出している点の一つなのだ。
操作系統は,オプションからNintendo Switch用に最適化された設定にも変更できる。個人的にはRスティックでの向き操作の設定を「水平操作」に変更することで,格段に戦闘での立ち回りが楽になったのでオススメしたい。ほかには,スティック入力の方向やジャイロセンサーの有無などもカスタムできる。プレイヤーに合った操作で遊べるのがうれしい。
プレイを進めていくと,オバキュームでできることは徐々に増えていく。戦闘にも謎解きにも,手持ちの道具とオブジェクトの使い方を工夫して解法を考えるのが楽しい。さまざまなコンセプトの仕掛けのなかには,以前出てきた仕掛けを組み合わせたものなど,プレイしてきた中で得た経験を活用して解くことになるものもある。ノウハウを積み上げ,数ある材料を自由に使って試行錯誤する楽しさをしっかり味わえるのだ。
難度も適度な設定で,子供から大人まで,気持ち良く頭の体操ができるレベルだ。もし謎解きに詰まってしまったら,落ち着いて周りを見渡し,違和感のある部分,ほかにインタラクトできる場所がないかをじっくり探すといい。 “観察”と“試行錯誤”が大事なのである。
HD化で,より表情豊か&コミカルに
臨場感も大幅アップ!
HD版になった本作のグラフィックスで最も印象的なのが,お化け屋敷のリアルな空気だ。3DS版「ルイージマンション」の画面も非常に見やすく,当時としてはかなりのクオリティだったのだが,令和に生まれ変わった本作で感じる奥行きや重厚感は,探索とインタラクトのシンプルな楽しさをあらためて感じさせてくれる。
ルイージが行くことになるのは,「ウラメ〜シ屋敷」「ノロワ〜レ大樹」「ジゴ〜クロック工場」など,6つのエリア。各エリアはまったく違った特徴を持っていて,それぞれに美しい場所だ。
本作は,エリアごとに複数のステージが設定されていて,ステージごとに探索範囲は決まっている。完全に自由に動き回れるというわけではないが,テンポよくオヤ・マー博士からの依頼をクリアしていくというのが本作の楽しみ方だ。ルイージと一緒に,流れに身を任せてお化けの住処を堪能しよう。
ある程度まで本編のストーリーを進めると,タワーの1階から頂上を目指す「テラータワー」に挑戦できるようになる。ここではオンライン&ローカル通信による最大4人の協力プレイが楽しめるのだが,今回プレイしたのは発売前ということもあり,このモードに関しては未プレイのままとなった。リリース後の盛り上がりに期待したい。
テレサをはじめ,本作に登場するオバケ達は,コロンとしたシルエットと豊かな表情からか,あまり怖くない。暗いところから驚かせてきたりなどはするが,小さい子供でもとっつきやすいだろう。むしろ,そんなかわいいオバケ達を全力で怖がるルイージの百面相が面白いのだ。
冒頭でも触れたとおり,オリジナルの「ルイージマンション2」が発売されたのは2013年,約11年も前のことである。今の小学生はほとんどが生まれていないため,彼らのなかにリアルタイムで遊んでいた子はいないはず。
令和の今を生きる子供達に向けて,そして3DSで本作を遊んでいた大人達に向けて,刷新された美しいグラフィックスはさらなる情報量で迫り,不気味で茶目っ気たっぷりの世界を楽しませてくれるだろう。
「ルイージマンション2 HD」公式サイト
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