インタビュー
[CJ2023]「リバース:1999」は“キャラクターがその世界で生きている”ことに注力して物語を描く。開発元のBLUEPOCHにこだわりを聞いた
今回4Gamerでは,中国・上海で行われているゲームショウ「ChinaJoy 2023」にて,BLUEPOCHのVice President/Co-founderであるKK氏にインタビューする機会を得た。本作の魅力や,注力しているポイントを語ってもらった。
「リバース:1999」公式サイト
4Gamer:
日本国内では8月にクローズドβテストが予定されるということで,本作に期待しているプレイヤーに向けて,直接魅力をうかがえればと思います。まずは,BLUEPOCHについて。2020年に作られた新しいスタジオということですが,どういった経緯で設立されたのでしょうか。
KK氏:
もともとは,同じゲーム会社に所属していたメンバーが,世界観やストーリー,キャラクターを重視したコンテンツドリヴンなゲームを作りたいと,数人で設立したゲーム会社です。会社を持つことと,自分たちが好きなものを作ることは,開発者として夢だったので,それがBLUEPOCHで叶った形になります。最初は10人程度でしたが,私たちの作っているものを好きだといってくださる方が参加してくれて,今はもっと増えています。
4Gamer:
日本国内で行われた公式番組を拝見したのですが,社名は「ブルーポーチ」と呼ばれていました。「POCH」は英語ではなさそうですが,名前の由来はなんですか?
KK氏:
実は「ブルーポーチ」は,ユーザーはそのほうが分かりやすいかと使った読み方で,本来は「ブルーエポック」なんです(笑)。「BLUE」(青)と「EPOCH」(時代)のEを重ねた形ですね。広い空や広い海のように,広い未来,新しい時代を開拓したいという意気込みで名前を決めました。会社のロゴも,ロマンチックなイメージにしています。
4Gamer:
本作は,BLUEPOCHさんの最初のタイトルになるかと思いますが,第1作としてどんなものを目指したのでしょうか。やはりストーリー性が一番のポイントでしょうか。
KK氏:
確かに,一番の特色,作り込んでいるものはストーリーとキャラクターです。ただ,ストーリーは,主人公のヴェルティがそこに存在するならどんな行動をするんだろうと考えていくことで,勝手にストーリーができていくんです。それによって生まれているストーリーは,BLUEPOCHの皆が良いものだと思っていて,これを皆さんにお届けできるよう開発を続けています。
4Gamer:
すでにプレイされている方から,涙腺にくると聞いたので,どのようなストーリーか楽しみです。
KK氏:
確かに泣けるシーンもあると思います。ぜひ体験してください。
4Gamer:
読者に本作の概要を説明するために,ストーリーの大枠を整理させてください。2000年直前に発生した「ストーム」と呼ばれる現象で,時間が巻き戻るようになり,これによってもとの時代やそこにいた人間は消されてしまう。その影響を唯一受けない存在であるヴェルティが,巻き戻ったさまざまな時代を訪れて,ストームとは何かを解明していく,というのが主なストーリーラインで合っていますか?
KK氏:
そのとおりです。ほかのゲームは,基本的に主人公の性別を選べると思うんですが,本作の主人公は女性で,名前も決まっています。彼女がほかの時代に行って,さまざまな人と出会って,どんな物語が展開されるのかをお楽しみください。
4Gamer:
時代はどこまで巻き戻るのでしょう?
KK氏:
主に1900年から1999年までを扱っています。具体的にその中のどのあたりか言いますと,特徴的な時代,記憶に残るようなできごとがあった時代を選んでいます。例えば,ジャズが流行した1920年代とか。ロック・アンド・ロールの時代が舞台になる話もありますね。
4Gamer:
となると,地域としてはアメリカなんですか?
KK氏:
アメリカだけでなく,ヨーロッパもメインに扱っていますし,いろいろな場所で物語が展開されます。過去に戻るということで誤解していただきたくないのが,別に歴史を描きたいわけではありません。時代はあくまで1つの背景で,その時代にいるキャラクターを描くことが,本作で我々がやりたいことになります。
4Gamer:
そうしたキャラクターを描くために,どういった方針でデザインしているのでしょう。
KK氏:
それぞれの時代にあったキャラクターになるよう,時代ごとのファッションの違いを表現することに注力しています。
同時に本作には,「神秘学家」と呼ばれる人たちが登場します。神秘学,つまりファンタジックな要素が混じってきますから,それが時代ごとのファッションに溶け込むようにもデザインしています。本作のモットーは,「そのキャラクターがその世界で生きている」と感じられるようにすることなのです。
4Gamer:
なるほど。本作の衣装は,レトロなようで,ファンタジックなようで,それでいて現代の我々が見ても違和感のない独特な印象だったので,納得しました。
KK氏:
衣装はレトロ,そしてファッションの2つをキーワードにしていて,日本で言う大正時代のハイカラのような,古き良き時代のオシャレを目指しています。その時代の衣装を参考にオマージュしてはいるんですが,一番重要なのは,キャラクターに合う衣装にすることですから,現代の美意識に合うようなものとするよう心がけています。
4Gamer:
ストーリー重視のタイトルということですが,メインストーリーはどの程度のスパンで更新されるのでしょうか。
KK氏:
国内のサービスにおいてはまだなんとも言えませんが,いまリリースされた海外版では42日間で1度アップデートをしています。
本作のプロジェクトがスタートしたときから,長期の運営を目指してサービスすることを決めていて,プレイヤーが数年をかけて遊べるゲームになってほしいと考え,ストーリーを企画しています。我々のゲームはコンテンツドリヴンなゲームだと思っていて,テレビアニメやドラマ,シリーズ映画のようにアップデートを続けていこうと考えています。ですから,アップデートごとに新しいストーリーを追加して,新しい体験を楽しんでいただけるようにしていきます。
4Gamer:
そのペースで更新されると,次々にストーリーが楽しめていいですね。バトルシステム周りはいかがでしょう?
KK氏:
メインキャラクターや出会えたキャラクターたちのカードを手に入れ,そのカードのスキルを利用して敵を倒すターン制バトルです。デッキ構築とスキルの選択が重要になる仕組みになっています。
4Gamer:
ストーリーを進めるうえで,どの程度の難度のバトルが入ってくるのでしょうか。
KK氏:
基本的に,メインストーリーはどなたでも進められるようなバランスにしています。とはいえ,適当に選んで勝てるわけではなく,ストーリー上の演出として楽しめるようにしています。
また,歯ごたえのあるバトルは,サブストーリーやイベントに入れていますので,戦略的なバトルを楽しみたい場合はぜひそちらに挑戦してほしいです。
4Gamer:
それでは最後に,これから日本で本作をプレイする人に向けて,とくに注目してもらいたい部分を教えてください。
KK氏:
一番の魅力はやはりストーリー演出と,そこに登場するキャラクターたちですから,それらにぜひ注目してほしいです。その世界に本当に存在するように,リアルに描かれるヴェルティの物語を,映画のように見ていただきたいですね。ただ,その映画はアップデートでときどき更新されますから,末永く応援してください。実際にプレイしてみて,ヴェルティを,そして我々のゲームを好きになっていただければ,とてもうれしいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「リバース:1999」公式サイト
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