プレイレポート
[TGS2023]1999年の先は,1998年――泣ける世紀末RPG「リバース:1999」は時間を遡ることでストーリーを見せる
なお,社名は(ブルーポーチと呼ばれがちだが)BLUE(青)とEPOCH(時代)の“E”を重ねて「ブルーエポック」と読むらしい。
本作は“世紀末タイムリバースRPG”を冠する作品で,すでに配信されている中国ではなかなか人気を博しているとのこと。その魅力は主に,冷静に見えて熱血な主役の少女と,泣ける物語にあるとかで。
1999年12月31日。2000年を目の前にした世界は,時の歩みに抗うように逆行しはじめた。その現象「ストーム」の雨に浸食された世界で,神秘学(アルカナム)に精通するタイムキーパーの少女「ヴェルティ」は,1999年から1900年に待ち受ける神秘と対峙していく。
時の観測者たる彼女と敵対するのは,神秘学を再興せんとする秘密結社「マヌス・ヴェンデッタ」。前提だけでも込み入ったものを感じるが,“タイムパトロール的な”と考えると理解しやすい,だろうか?
ヴェルティが1999年から逆行する先は,ジャズが流行した年代,ロックが流行した年代など,アメリカやヨーロッパ方面の舞台が中心らしい。あわせて時代ごとのファッション性も反映していくようだ。
彼女を取り巻く人物も,幼なじみの「ソネット」,自称最高のDJの「レグルス」と小気味いい。もちろんフルボイス仕様である。
さらに,本作では物語中に適宜挿入されるアニメーションシーンも特徴らしく,それも“くる”そうだ。今回は現地に代理店スタッフしかおらず,試遊も10分とあったためじっくり鑑賞はできなかったものの。
テキストのスタイルは小説形式と言うべきか,地の文と呼ばれる文章もはさまれる。モバイル系のゲームでは「地の文は読まれないし,テンポ悪いし」といった風潮が共通見解のごとく蔓延しているが,本作においてはしっとりとした世界観にテキストがよく似合っていた。
逆説的に言うと,中国発のゲームながら日本語ローカライズがとても優秀と言える。もしあやしげな言い回しがあったとしても,“それも味”と思えるくらいに雰囲気のよさは伝わってきた。
ゲーム構造としては,キャラクターが立つホーム画面があり,ストーリーがあり,アイテム確認やガチャなどの細々とした機能もある。
導線も含め,極めて普遍的なソーシャルゲームの作りだ。
そのうえで「ウィルダネス」という箱庭コンテンツがあり,そこで放置ゲームのように経過時間で生産されるリソースを回収できる。
さらに好きなキャラクターを招待(呼び出し)すると,デフォルメ頭身になった美男美女のキャラたちをめでることもできる。
ウィルダネスの語の意味は「荒野」「原生自然」などだが,この空間には好きな人・物を置いてデコレーションできるようだ。
荒野を楽園に変えるのは,プレイヤー次第といったところか。
肝心の戦闘システムは,ターン制のカード(=コマンドに等しい)バトルといったもの。やることはシンプルで,毎ターン配られる手札「スペルカード」から,攻撃・回復・補助などのアクションを選ぶ。1ターンで選べるのは3枚までで,回復・回復・攻撃など組み合わせも自由だ。
さらに敵味方には「本源相性」もあり,いわゆる火・風・水・土,光と闇の相関関係に応じて彼我のダメージが変化する。
なお,カードは人物ごとの専用デザインとなっており,「キャラAの単体攻撃200%カード」「キャラBの味方攻撃力15%上昇カード」など,効果も個々で異なる。また同じカードが手札に配られると,カードが合体して効果が増す。よさそうな手札を順に切るだけではなく,ポーカーのように“手中で温めておく”のも攻略法になりそうである。
このほかキャラクター特性などに加え,MP(モキシーポイント)を消費して行う必殺技「アルティメット」も存在する。
会場では海外風の特製ニュースペーパーの配布をはじめ,「来場者グッズキャンペーン」として,ブースで公式X(旧Twitter)をフォローしたり,ブース写真や感想をポストしたり,事前登録に応募をしたりすると抽選会に参加できる。賞品は日ごとに変わるようだが,カーバンクルチェアパッドやオルゴールといったオリジナル賞品をもらえる。
それとブース脇には,DJ少女レグルスの相棒「しゃべるリンゴ」の展示物もあった。一緒に写真を撮ると,しゃべってくるとか……? 写真の色合いが絶妙すぎてトマトに見えてしまったら申し訳ない。
本作は現在,事前登録の受付が行われている。
また,9月23日19:00から配信される公式番組「ストーム情報局#2」で“リリース日が発表”される予定だ。番組には声優の伊藤彩沙さん,内田 秀さん,小清水亜美さん,高森奈津美さんらが出演し,番組オリジナルストーリーの生アフレコなども実施するとしている。
やはりというかゲームデザイン的に,TGSでの短時間試遊だけでは本作の魅力を体感しきるには至らなかった。それでもゲームが伝えたい方向性は,ブース全体のにぎやかさともにバッチリ伝わってきたので,「おもしろそう」のきっかけを与えるのには十分な出展であろう。
ちなみに,本作の詳しい話は今夏のChinaJoy 2023で,BLUEPOCHのVice President/Co-founderのKK氏に話を聞いている。
気になる人は,こちらもあわせて読んでみてほしい。
スマホ&PC対応RPG「リバース:1999」,9月23日実施の生放送でリリース日が明らかに。TGS 2023では試遊も可能
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[CJ2023]「リバース:1999」は“キャラクターがその世界で生きている”ことに注力して物語を描く。開発元のBLUEPOCHにこだわりを聞いた
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4Gamer「東京ゲームショウ2023」記事一覧
「リバース:1999」公式サイト
「リバース:1999」ダウンロードページ
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