［TGS2023］サングラス型ディスプレイの大本命「XREAL Air 2」の予約受付が始まる。高画質で軽くなり120Hz表示にも対応

　2023年9月21日，Xrealの日本法人である日本Xrealは，サングラス型ディスプレイの新製品「XREAL Air 2」を発表した。ソニー製の0.55インチマイクロ有機ELパネルと新しい光学系の採用により，従来の「XREAL Air」よりもレンズ部分が薄くなって重量も軽くなったことや，映像の最大リフレッシュレートが120Hzに向上したことが特徴だ。

XREAL Air 2

　税込価格は5万4980円で，本日から予約受付を開始している。出荷開始は10月16日の予定だ。上位モデルの「XREAL Air 2 Pro」は，10月17日に予約受付を開始するとのことだ。

XREAL Air 2の「ダークグレー」（左）と「レッド」（右）

　XREAL Airシリーズは，ちょっと大きめのサングラスのような本体内に，小型の有機ELパネルとレンズを組み込んで，映像を見られるようにしたディスプレイだ。映像を出力する機器，たとえばPCやスマートフォンとは，DisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-C（またはThunderbolt 4/3）で有線接続して使う。
　なお，PlayStation 5/4やNintendo SwitchのようにHDMIで映像を出力する機器と接続するには，別売りの周辺機器である「XREAL Adapter」（または同等の機能を備えたサードパーティ製品）を使って，HDMIの映像をUSB Type-C経由で出力する必要がある。

　XREAL Airシリーズは，サングラス型本体内に，3DoF（3軸加速度）センサーを組み込んでいるので，装着したユーザーが顔を向けている方向を識別できるのも特徴だ。これを生かして，たとえばPCの画面を仮想的に3画面横並べにしたうえで，顔を向けた方向にある仮想画面だけを眼前に表示するということも可能だ。単なる映像表示だけではなく，3DoFを使った機能があるため，XREALではXREAL Airシリーズを「ARグラス」と呼んでいる。

XREAL Air 2を身に付けたXREALのCEOであるシュー・チー氏。色が赤なので目立つが，サングラスと言われても違和感がない見た目だ

　冒頭でも触れたとおり，新しいXREAL Air 2は，ソニー製有機ELパネルや改良型の光学系を採用したことによる画質と最大リフレッシュレートの向上，そしてレンズ部分が薄くなったことによる薄型化と軽量化が大きな特徴だ。初代のXREAL Airでも，パッと見はやや大きなサングラスといった見た目だったが，XREAL Air 2ではさらにサングラスっぽい見た目になったので，人前で身に付けていてもあまり違和感はないだろう。

ダークグレーを上から見たところ。グラス部分の上側に有機ELパネルや光学系が組み込まれているので，そこは少し厚みがある

　レンズに当たる部分は半透明で，装着したままでも周囲が見えるし，ユーザーの目も外から見える。一方で，周囲の光景を遮断して映像に没入したいとくは，付属の遮光カバーをレンズの前に取り付ける仕組みだ。XREAL Air 2では，遮光カバーも改良されており，レンズの下側から光が入りにくくなっている。

XREAL Air 2用遮光カバー（左）。右は装着した状態で，レンズ部分の向こうが見えなくなっているのが分かるだろう

　残念ながら実機は披露されなかったが，上位モデルのXREAL Air 2 Proになると，レンズ部分の光の透過率を電気的に変更することで，ほぼ透明な状態から，光を通さない状態まで変えることが可能な「電気クロミック調光」機能も備えているそうだ。

XREAL Air 2 Proは，レンズの透過率を電気的に変えられる。遮光カバーがまったく不要というわけではないが，役に立ちそうな機能だ

　公称本体重量は約72gと，約79gだったXREAL Airからわずかに軽くなった。グラス部分の厚みは，10％薄い19mmになったとのこと。

光学系の改良や色表現力の向上などで，画質はさらに良くなった

　ただ，解像度自体は初代から変わっておらず，1920×1080ドットである。また，近視の人に向けた視度調整機能は備えていないので，普段，眼鏡を着用している人がXREAL Air 2を使うには，コンタクトレンズを使うか，サードパーティ製の別売り視度補正用インサートレンズを使う必要がある点も，初代XREAL Airと同じだ。

　サウンド面も改良が加えられている。XREAL Airでは眼鏡のテンプル（つる）に当たる部分に下向きの小型スピーカーが組み込まれており，サウンドを再生できた。XREAL Air 2では，下だけでなく上方向にもスピーカーを組み込むことで，より没入感のある音響再生を可能にしたそうだ。

テンプル下側にある小型スピーカー（左）と，XREAL Air 2で追加された上側のスピーカー（右）

　ちなみに，初代XREAL Airでは，音が周囲に漏れるというユーザーの声があったそうで，XREAL Air 2ではスピーカーの指向性を高める改良を加えたという。これによって，着用している人以外に，音は漏れにくくなったそうだ。

　XREALでは，XREAL Air 2をPCと組み合わせたAR用途をアピールしているが，サングラス型ディスプレイは，ゲームと組み合わせたときの親和性も高い。PCやゲーム機，スマートフォンと接続すれば，目の前の映像を独り占めでき，通常のテレビやディスプレイでは得られない没入感の高い体験を楽しめるからだ。120Hz表示に対応したことで，ゲーム用途にはさらに適するようになったのも見逃せない。
　寝転がったまま使ったり，特急列車や飛行機内で自分だけの映像を楽しんだりもできるので，使い道は多いだろう。より詳しい話を知りたい人は，eスポーツキャスターの田口尚平氏によるインタビュー記事を参照してほしい。


　東京ゲームショウ2023のXREALブースでは，実際にXREAL Air 2を携帯型ゲームPCと組み合わせたデモや，自分のスマートフォンとつないで体験できる。ハマる人にはとことんハマるタイプの機器なので，興味のある人は，足を運んでみるといいだろう。

ASUSTeK Computerの携帯型ゲームPC「ROG ALLY」と並べて。東京ゲームショウ2023会場では，この構成でゲームをプレイするデモを体験できる

XREALのXREAL Air 2製品情報ページ

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