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独自プロセッサで低遅延になり,画質や機能も強化されたサングラス型ディスプレイ「XREAL One」が国内発売決定
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印刷2024/12/11 14:00

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独自プロセッサで低遅延になり,画質や機能も強化されたサングラス型ディスプレイ「XREAL One」が国内発売決定

 2024年12月11日,XREALの日本法人である日本Xrealは,サングラス型ディスプレイの新製品「XREAL One」を国内発売すると発表した。DisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-Cで映像を出力できる機器に対応しており,PCやスマートフォン,ゲーム機などで利用できる。予約受付は同日に始まり,出荷開始は2025年1月中旬以降の予定。税込の直販価格は6万9980円である。
 本稿では,事前に行われた報道関係者向け説明会の内容をもとに,XREAL Oneの特徴を紹介していこう。なお,海外で発表済みの上位モデル「XREAL One Pro」の国内販売予定は,明らかになっていない。

XREAL One
画像集 No.002のサムネイル画像 / 独自プロセッサで低遅延になり,画質や機能も強化されたサングラス型ディスプレイ「XREAL One」が国内発売決定

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 米国時間2024年12月4日,XREALは,サングラス型ディスプレイの新製品「XREAL One」「XREAL One Pro」を発表した。独自プロセッサ「X1」の採用により,これまではPCや別売り機器が必要だった頭の動きに追従した映像表示やブレ補正を単体で行えるようになったのが特徴だ。

[2024/12/05 14:10]

XREAL初の独自プロセッサ「X1」のサンプル
画像集 No.008のサムネイル画像 / 独自プロセッサで低遅延になり,画質や機能も強化されたサングラス型ディスプレイ「XREAL One」が国内発売決定
 XREAL Oneは,12月4日に海外で発表となったサングラス型ディスプレイの新世代モデルだ。XREALが開発した独自プロセッサ「XREAL X1」を採用して,XREAL One単体で3軸自由度(3DoF)の動き検出が可能になったことで,PCや別売りの周辺機器を必要とせず,顔の動きに追従して任意の範囲の映像を表示したり,空中に映像を固定したりといった使い方が可能になった。
 また,PCやスマートフォン側で,頭の動きを補正して映像を表示する必要がなくなるので,その分の表示遅延を短縮できるようになり,最短3msまで遅延を短くできたという。

 ディスプレイパネルと,映像を眼前に投影するための光学系も進化している。まずディスプレイパネルであるソニー製有機ELパネルは,既存製品である「XREAL Air 2/Air 2 Pro」の0.55インチサイズから,0.68インチサイズへと大型化。最大輝度も600nitと,XREAL Air 2シリーズの500nitより高くなった。それに合わせて新規設計された光学系により,視野角も既存の46度から,50度へと少し大きくなっている。新しい有機ELパネルと光学系の採用により,目に見える範囲は,30%ほど広くなったそうだ。
 単に視野角が広がっただけでなく,視野外周近くの映像が,これまでよりも鮮明に見えるようになっており,隅々までクリアな映像を表現できるのもポイントだ。

 なお,画面解像度は1920×1080ドットで,最大リフレッシュレート120Hzと,この点は既存製品と変わらない。ただ,本体のみでアスペクト比32:9のウルトラワイド表示モードを備えており,ウルトラワイド画面の全体表示や,目を向けた部分だけを表示することが可能だ。

ウルトラワイド表示モードでゲームをプレイしているイメージ
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 PCに接続してウルトラワイド表示モードにすると,PCからはXREAL Oneが解像度3840×1080ドットのディスプレイとして認識される。その状態で映像を表示すると,3840×1080ドットの画面から,顔を向けている1920×1080ドット分を自動で切り出して表示できる。顔を動かすと,表示領域もそれに合わせて動く仕組みだ。

 XREAL Air 2シリーズでは,上位モデルにしか搭載していなかった3段階の調光機能(※レンズの透過率変更機能)も標準装備している。調光機能は,透過率100%,35%,0%で切り換えられるので,周囲の風景を遮断して映像に没入しやすくできるわけだ。

光学系周りが変更されたため,ノーズパッドや別売りインサートレンズは,既存製品との互換性がない
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 映像周りだけでなく,サウンド面も強化されたのが,XREAL Oneの特徴のひとつ。オーディオ企業のBoseと共同開発したスピーカーを採用することで,音質をさらに向上させているのだ。また,複数のマイクを内蔵しているので,音声の録音やボイスチャット,マイクを利用したアクティブノイズキャンセリング機能なども利用できるようになった。

右耳側のテンプルを上から見たところ。スピーカーはBoseとの協業により開発したもので,音量も増えている
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 XREAL Oneは,操作面も改良されている。右耳側テンプルに多機能ボタンが追加されており,音量や画面輝度,調光機能の調整だけでなく,目に見える画面サイズや距離の調整,ウルトラワイド表示モードのオン/オフなどを,XREAL One単体で行えるようになった。これもX1プロセッサ採用による利点だろう。

右耳側テンプルの下側面。オレンジ色のボタンが多機能ボタンだ
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多機能ボタンの操作例。さまざまな設定をXREAL One単体で行えるようになった
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ボディカラーは黒だけだが,前面にマグネットで取り付けられるパネルでフロントフェイスを変えられる
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 なお,XREALでは,XREAL One本体とXREAL Pro/Airシリーズ用の周辺機器「XREAL Hub」のセットモデルも予約受付を行う。税込価格は7万2960円だ。

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[2024/04/18 12:21]


XREAL CEOに聞く,XREAL Oneに込めたもの


XREAL Oneを披露するChi Xu氏
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 11月に行われた事前説明会では,来日中のXREAL創業者兼CEOである「Chi Xu」(チー・シュー)氏に,新製品について聞く合同インタビューが行われた。その様子を簡単にレポートしよう。

 XREAL Oneという名前にした理由というか,Oneに込めた意味とは何でしょうか。

Chi Xu氏:(以下,Chi氏)
 まず,この製品自体が,いわゆる「シグネチャーモデル」(※ここではXREALを代表する製品といった意味)のような位置付けにしていきたいという思いがあったのと,本当に期待に応えてくれるような,そんな製品になっているという思いも込めて,XREAL Oneという名称にしました。
 2018年に第1世代のARグラスを開発していたときから,最終的なゴールとして,(サングラス型ディスプレイ)単独での3DoFのセンサーを入れるというのを掲げてやってきました。それが今回,6年の歳月を経て,ついにX1チップの実現に至った。自分としては,ステージワンという段階にすごくこだわってやってきましたので,今回「One」と名付ける理由になりました。

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 今回体験した限りでは,(PCおよびMac対応のXREAL製アプリの)「Nebula」に入っていた機能の多くを,XREAL One内に組み込んだという印象を受けました。そういう理解で正しいでしょうか。

Chi氏:
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 我々は,XREAL Oneの開発を2つの軸で進めました,1点が空間ディスプレイで,もう1点は空間コンピューティングです。
 まず空間ディスプレイという点に着目すると,(PCやスマートフォンなどに)簡単につないで映るというところをコンセプトにしていますし,先にも挙げた3DoFとか,単体で画面の調整ができるところも重視してます。ARグラス単体で機能が確立できたので,これまでのようにホストデバイスに依存することはなくなります。

 一方で,空間コンピューティングになってくると,やはりホストデバイス(の処理能力)に頼らざるを得ないという状況がありますので,この点に関しては,まだちょっと挑戦的なところはございます。そのため,Nebulaを初めとして,サードパーティアプリケーションとの連携を強める必要があるかなと考えています。
 また,空間コンピューティングに関しては,6DoF(6軸自由度)のセンサーや,ヘッドトラッキング,ハンドトラッキングの機能は,必須になってくると思っています。そのため,最終的なビジョンとして掲げているのは,グラス単体で空間ディスプレイと空間コンピューティングの2点を網羅できるようなものとなるでしょう。

 今回,一般消費者向けにデバイスを発表されていますが,まだARデバイスは,日本で一般化してない部分があると思っています。今回,この日本市場で,XREAL OneをAR端末としてどのように打ち出していくのか。どのようなターゲット層を視野に入れているのでしょうか。

Chi氏:
 (現在の市場に対する)ご意見には賛成します。ただ,この業界に関しては,あと2〜3年もすれば,非常に爆発的な注目を浴びるかな,と考えています。
 XREAL Oneシリーズにおいて,主なターゲットは2つあると思っています。1つが,まずはゲーマー向けですね。2つめがプロダクティビティ(生産性)であり,作業の効率化につながります。

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 たとえばゲーム機であれば,X1チップのおかげで本当にホストデバイスを問わないので,PlayStationであったり,Xbox,Steam Deck,あとはNintendo Switchなどすべてで,同じ一貫した体験が共有できるというところ。あとはウルトラワイドの画面ですね。こちらも非常にゲーム用途に適した機能と考えています。

 2点目の作業効率化という点では,やはり携帯性にとてもこだわってはいますし,あとは,ホストデバイスとの互換性も問わないです。ですので,これまで使っていたディスプレイの代わりにしていただきやすい。この2点が重要ですね。

 X1チップには,まだ能力的な余裕があるので,新しい機能を盛り込むこともできると聞きました。具体的に,どのような機能を将来盛り込みたいとお考えでしょうか。

Chi氏:
 ARグラス単独での処理というのが大きなテーマになってきます。たとえば,これまでホストデバイス側で行ってた処理を,今後はグラス単体に集約していくというビジョンを持っています。現時点では3DoFの処理を(X1チップが)担っていますが,今後は6DoFとか,ハンドトラッキングでしたり,あとは話題のAI処理も,グラス単体でやっていけたらと考えています。
 キーワードは「オフロード」。ホストデバイスの処理をオフロードできるというところも大きな点かなと思っていますので,ここの互換性をより強化していく,というメリットも背景にあります。

 XREAL Oneは,機能的には視野角が広くなるとか,レイテンシが少なくなるといった,いわゆる速くなるとか広くなる,滑らかになるという今まであったものがレベルアップしたものと理解しています。X1チップが加わることで,今後,ソフトウェア的なアップデートも何か計画されたりするのでしょうか。

Chi氏:
 まずはゲームの中でも,2D表示の一般的なゲームと,VRのゲームの2点に切り分けられるでしょう。
 2Dフラットなゲームに関しては,やはり携帯性が求められたり,あるいはテレビやディスプレイが必要だったりしますので,より広い視野角が欲しいというユーザーの意見をXREALにいただいています。この分野に関しては,引き続き開発を進めていく予定ではあります。
 そして,2点目のVRゲームについては,コンテンツをARグラスで映すのも大事になってきますので,X1チップが非常に大きくいろんな分野で寄与すると考えています。また,X1チップがあるおかげで,互換性の向上も期待はしています。

 ただ,ゲーム機と接続するという前提にはなってくるので,ゲーム機側からの相応のサポートも,ちょっと欲しいなというのが本音ではあります。そのため,今後はゲーム機の企業との連携も深めていきたいと思っています。例に挙げるとすれば,日本ですと任天堂さんですね,もし,XREALのARグラスが(任天堂製ゲーム機の)専用アクセサリーみたいな位置付けになれば,こういったゲーム会社との連携も深めることができて,最終的にはゲーマーさんにもよりよい訴求ができるのかなと考えています。

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