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[インタビュー]3陣営で300人対戦。SF-MMORPG「RF ONLINE NEXT」は,古強者の原作陣&今どきMMO特化集団が“原作を生かす”
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印刷2023/11/25 11:00

インタビュー

[インタビュー]3陣営で300人対戦。SF-MMORPG「RF ONLINE NEXT」は,古強者の原作陣&今どきMMO特化集団が“原作を生かす”

 韓国・釜山で開催されたG-STAR 2023で,Netmarbleの新作SF-MMORPG「RF ONLINE NEXT(アールエフオンライン ネクスト)」PC / iOS / Android)の開発陣にインタビューした。

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 NetmarbleはG-STAR 2023に,新作SF-MMORPG「RF ONLINE NEXT」のプレイアブル出展している。本作は,過去に日本で展開されていた「RF ONLINE」シリーズの最新作で,大規模なRvR(種族間戦闘)が魅力の正統後継タイトルだ。

[2023/11/16 22:02]

 本作は,過去に日本で展開されていた「RF ONLINE」シリーズの最新作だ。プレイヤーは前作から約100年後の世界を舞台に,3つの国家「アクレシア」「ベラート」「コラ」を渡り歩き,PvPにPvEに巨大ロボットありのSFかつファンタジーなゲーム体験を楽しめるという。

 今回話を聞かせてくれたのは,Netmarble N2 開発総括プロデューサーのホン・グァンミン氏と,Netmarble 事業本部長のムン・ジュンギ氏の2名。原作陣との協調もよく見えてくる数十分だった。

写真左から,Netmarble 事業本部長のムン・ジュンギ氏,Netmarble N2 開発総括プロデューサーのホン・グァンミン氏
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自分たちのIPで戦いたい


4Gamer:
 まずはゲーム内容を簡単に教えてください。

ホン・グァンミン氏(以下,ホン氏):
 「RF ONLINE NEXT」は,前作「RF ONLINE」の世界観を継承したSFファンタジー風のMMORPGです。醍醐味であった大規模戦闘の魅力はそのままに,PCやモバイルで楽しんでいただけます。

4Gamer:
 開発のきっかけはなんでしたか。

ムン・ジュンギ氏(以下,ムン氏):
 そこは「会社的な観点」と「開発的な観点」の両軸で説明させてください。まず会社的な観点ですが,Netmarbleはこれまでも“人気のIPでゲームを作る”ことに挑戦してきました。
 その点,RF ONLINEは約20年ものサービスが行われ,世界54か国で愛された作品です。そこに目をつけ,IPの権利元と交渉し,同作の世界をさらに広げていくことで新たな発展を生み出そうと考えたのです。

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4Gamer:
 世界観が独特で,確かに魅力的ですよね。

ホン氏:
 現在,韓国の人気MMORPGの多くは中世ファンタジーをメインに取り扱っています。一方,本作はSFベースにファンタジー要素を取り入れているので,この組み合わせが特徴的により見られます。
 それに,こうした豊かな世界観だと,剣や盾で戦うなどの一般的な固定観念にとらわれることなく,銃で戦ってもいい,巨大メカに乗って戦ってもいいと,個性的なアプローチをしやすくなります。

4Gamer:
 ゲーム的に,世界観はどのように反映されていますか。

ホン氏:
 RF ONLINEではもともと,機械化された国,メカを駆使する国,神聖力を与える国が対立しており,プレイヤーには「自分たちとは異なる力を持つ相手陣営との戦闘」を楽しんでもらいました。
 自分と同じようなキャラクター同士で戦うのではなく,自分とは異なる国の種族と戦う。それがRvR(種族間戦闘)であり,今でも魅力的に思ってもらえるであろう要素だと考えています。

4Gamer:
 パッと見,本作は“北米・欧米から出そうな見た目のゲーム”にも思えるのですが,グローバル市場も視野に入れていますか。

ムン氏:
 結論から言うと,見ています。
 Netmarbleはこれまで「リネージュ2 レボリューション」や「二ノ国:Cross Worlds」など,さまざまなIPのMMORPGをアジア圏で成功させてきましたが,西洋ではまだ多くの成功事例を作れていません。
 そんななか,本作はSFかつファンタジーな世界観とあり,ビジュアル的にも「西洋で反響が起こるのではないか」。そうした期待があります。また東洋と比べ,西洋ではモバイルよりもPCの使用率が高いとされているため,世界を見越したPC版の作りを重要視しています。

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4Gamer:
 2006年に「RF ONLINE 2」が発表され,実ることはありませんでしたが,本作はあの計画の延長線上にあるのでしょうか。

ホン氏:
 いえ,当時の「RF ONLINE 2」とは別の作品です。
 ただ,開発陣のなかには前作も2にも携わっていたシナリオ担当,ビジュアル担当などが多数います。これは弊社がIPを買収するタイミングで,開発陣の方々にも一緒に来てもらえることになったからです。

4Gamer:
 となると,ここまでの開発中,原作担当側の「次はもっとこうしたい」といった理想と,Netmarble側の「売るためのゲームにするには」の考え方のバランスは,どのようにすり合わせたのでしょう。

ホン氏:
 おっしゃるとおり,原作側はPCオンラインゲームに長らく精通した人たちが多く,また弊社側は今どきのMMORPG作りに特化していたことで,当初は考え方の違いを話し合うのに時間をかけました。
 けれど,一緒に仕事をしていくなかで結論となったのが「原作を生かしたほうがいい」という考え方。今もこれを指針としています。

4Gamer:
 つまり,原作ファンに寄り添うと?

ホン氏:
 はい。原作要素だけを見て100%満足いただくことは難しいかもしれませんが,作中にはできるだけ前作の重要人物を盛り込むなど,シリーズの関連性を見いだせるようにしています。
 もちろん,新しさは大切ですので,原作ファンに新鮮さを感じてもらえる新ストーリーや,本作でRF ONLINEを知ったという人たちも気後れすることなく遊んでいただける内容にはしていきます。

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4Gamer:
 前作とは,なにが一番変わったでしょうか。

ホン氏:
 ゲーム面の一番の違いは,前作では「国・種族が変更不可」「種族ごとの遊び方が固定」でした。そうしたことで生まれる楽しさや結束感は確実にあったものの,運営側は種族間のバランス調整が,プレイヤー側は「遊び方が縛られる」などの点がネックとなっていました。
 そのため本作ではアクレシア,ベラート,コラの国をいつでも乗り換えられて,種族も自由に選べるようにしています。ゲーム進行も,コラ所属ならコラに閉じ込められるわけではなく,いろいろな国をわたってクエストを受けるなど,導線の自由度が格段に増しています。

4Gamer:
 ゲーム内にはどのようなコンテンツがありますか。

ホン氏:
 まずは3つの国を軸としたメインストーリー,その最中に出会う各国のサブクエスト,マップ上での探索やPvE協力プレイのほか,ゲームの花形である国家間でのRvR=PvPがあります。

4Gamer:
 前作には「プレイヤー投票で首脳陣が決まる」といった政治システムも取り入れられていましたが,本作ではどうでしょう。

ホン氏:
 現状は未搭載です。本作ではプレイ中,所属国にどれだけ貢献したかを数値化して,各プレイヤーの「階級」が分かれるようにします。

4Gamer:
 巨大ロボットのビジュアルも気合入っていますね。

ムン氏:
 ありがとうございます。RF ONLINEは長らく愛されてきたIPで,これからもそう思ってもらえるために注力する価値が大きいので,ビジュアル面を含めたクオリティアップには時間をかけてきました。

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4Gamer:
 現在の開発状況はどれくらいでしょう。

ホン氏:
 60%くらいです。G-STARビルドの影響で少々遅れていますが(笑)。

4Gamer:
 ゲームの配信時期や,サービス対象地域は。

ムン氏:
 サービス時期は2024年下半期の予定です。ただ,当初目指していた世界一斉配信のグローバル展開は難しそうで,現状は「韓国だけ」もしくは「アジア圏だけ」からのスタートを想定しています。
 そうなった場合,配信地域でのフィードバックをビルドに反映し,次なる対象地域に向けた最適な工夫を凝らすつもりです。

4Gamer:
 最後に,完成に向けた意気込みを一言。

ムン氏:
 これまで我が社は「リネージュ2 レボリューション」をはじめ,MMORPGで大きな成功事例がありましたが,他社IPだったため,自分たちでIPを育てていく要素を事業的に持てず,残念な気持ちがありました。
 その点,RF ONLINEは我々独自のIPとすることができたので,今後は多様な事業展開を通じてRF ONLINEというIPを成長させ,成功する姿をお見せしたいと思っています。

ホン氏:
 私はこれまで20年以上,ゲーム業界にいました。その間,ジャンルの異なるさまざまなゲームを作ってきました。しかし,このRF ONLINEはこれから広く長く続ける作品にしたいという思いがあります。
 そのためにもRF ONLINEは今後,ウェブトゥーンやウェブノベルなどでのIP展開も構想中です。題材もRF ONLINE NEXTのみならず,違う新作を新たに用意することも考えています。このシリーズにはそれくらい大規模な投資価値があると,我々は考えているのです。
 個人的には,スタジオジブリと言ったら宮崎 駿監督,と言われるように。「RF ONLINEと言ったらホン・グァンミン」なんて言われるようになれるくらい,今後ともがんばっていきたいです(笑)。

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