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俺もお前もデュエリスト! 立ったまま短時間で遊べる対戦カードゲーム「デュエルボーイ ポケット」をゲムマ会場で遊んできた
これはゲームマーケット会場で販売されていた“ここだけで遊べるゲーム”こと「デュエルボーイ ポケット」のために設置されたエリアで,参加者は自身がデュエリストである証であるステッカーを身に付け,道行く人々と野良デュエルを楽しんでいた。
「デュエルボーイ ポケット」は,2022年秋のゲームマーケットで販売された「デュエルボーイ」を,より手軽に遊べるようリデザインしたタイトルだ。1パック買えばすぐに遊べるとのことなので,筆者もさっそく買って遊んでみることにした。本稿ではそのプレイレポートをお届けする。
「ゲームマーケット」公式サイト
両手が俺たちの戦場だ! 手軽な対戦を実現するため,手札に込められた工夫の数々に注目
「デュエルボーイ ポケット」のパッケージには,ランダムなカードが7枚封入されていて,これをそのままデッキとして使用する。対戦結果に応じてカードが交換されることが前提なので,初期状態の強さはあまり重要ではない。なのでパッケージを買って特設エリアに足を踏み入れれば,すぐにでもゲームを開始できてしまう。
対戦においてプレイヤーが目指すのは,手札からカードを1枚ずつプレイ(召喚)して,相手が出したカードを撃破していくことだ。撃破されたカードは捨て札に送られるので,やられた側は,残りの手札から新たなカードを出さなければいけない。これを繰り返して,先に相手の手札を使い切らせれば勝利だ。
本作最大の特徴は,こういったトレーディングカードゲームらしい戦いを,立ったまま実現している点にある。左手で手札を持ち,右手で出したカードを相手に見せるスタイルで,つまりプレイヤーの両手がそのままバトルフィールドになる仕組みだ。
この“立ったままバトル”を成立させているのが,プレイヤーが持つ手札,捨て札,コストに関するさまざまな取り決めだ。
バトルで撃破されたり,コストとして支払われたカードは捨て札送りとなるが,これは「手札の左端に裏返して持つ」と決められている。本作における手札は,デッキであると同時に捨て札置き場でもあるわけだ。
戦略にカードゲームらしいランダム性を与える工夫も,手札に込められている。
本作には「バトル中は手札の並びを入れ替えてはいけない」「召喚できるカードは手札の右から3枚まで」という2つのルールがある。手札の並びはゲーム開始時にシャッフルした結果なのでプレイヤーの意志は反映されず,つまり,いつでも好きなカードが出せるわけではない。
さらにコストの支払いに使うカードも「必ず手札の右端から」と決まっているので,戦略は手札を広げてから考えなくてはならない。仮にもし,早期に出したいカードが右から4枚目以降に来てしまったら……どう立ち回るかは,非常に悩ましいところだ。
こうしたシステムだけ見ても非常によくできたカードゲームなのだが,本作を“ここだけで遊べるゲーム”たらしめている要素はほかにある。先にも触れた,バトル終了時のカード交換がそれだ。
面白いのは,交換するカードを選ぶ権利が敗者側にあることだ。バトルが終わったら,敗者が勝者のデッキからほしいカードを2枚指定して受け取り,代わりに任意のカードを2枚,相手にわたす。交換なので厳密には異なるが,言ってみれば“逆アンティルール”のようなものになっている。
「そんなことをしたら,デッキがガタガタになってしまうのでは?」と思うかもしれないが,実際にやってみると意外とそうでもない。一部のカードには“種族”の概念によるシナジーが存在するものの,多くのカードは単体で十分に機能する効果を持っているので,種族がバラバラでも十分戦えるのだ。
不本意に送り込まれたはずのカードが,意外な活躍を見せて勝利をもぎ取る壮快感は,会場で生まれた一期一会のデッキだからこそ味わえるものだ。次回があれば,もっと多くのバトルを楽しみたいと感じられた。
現地には,本作を開発したゲームデザイナーの上杉真人氏も来場しており,少しだけ話を聞くことができた。
近いコンセプトの作品は以前から考えていたそうだが,最近になってゲームデザインの知見が溜まった結果,今回の「デュエルボーイ ポケット」が生まれたとのことだった。
そのほか原型となったゲームとして,手札の並びやコストに近い仕組みを持つ「Clash of Decks」や,攻撃を介さないバトルシステムが特徴的な「Blue Moon」,手札内のカードの位置でリソースを表現する「Build Castle」などの名前を挙げていた。
TANSANFABLOG「Hoooooi!!」紹介ページ
また,本作は2022秋と2023春に出展された「デュエルボーイ」からも大きな進化を遂げている。
旧版は3本先取,かつ一定のタイミングで手札のリフレッシュを挟むルールが存在したが,「ポケット」ではそれらの要素がバッサリとカットされた。会場内で何度も遊ぶゲームである以上,より手軽に素早く遊べるように,最小限の要素だけで再構成されたのが,現在の姿というわけだ。
なおゲームマーケット終了後は,上杉氏のBOOTHにて「デュエルボーイ ポケット」が購入できるよう,準備中とのこと。氏は,イベント外で遊ぶときは「ある程度の数のパックを確保したうえで,多人数でやってもらえると非常に嬉しいです」と話していたので,購入予定の人は参考にしてほしい。
またゲームマーケット以外のイベントでも,本作を遊べる機会を用意したいとも言っていたので,気になる人は上杉氏のX(旧Twitter)アカウントをチェックしつつ,続報を待っていてほしい。
ゲームマーケット「デュエルボーイ ポケット」紹介ページ
「ゲームマーケット」公式サイト
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