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“宝島”をベースにした新作タクティカルRPG「Flint: Treasure of Oblivion」発表。コミックスを使った演出とターンベースのゲームプレイに注目
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印刷2024/04/05 12:37

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“宝島”をベースにした新作タクティカルRPG「Flint: Treasure of Oblivion」発表。コミックスを使った演出とターンベースのゲームプレイに注目

 パブリッシャのMicroidsは,フランスのSavage Levelが手がけるタクティカルRPG「Flint: Treasure of Oblivion」PC / PS5 / Xbox Series X|S)を発表し,最新トレイラーを公開した。2024年第4四半期の発売を予定しているという。GDC 2024会期中,本作のライブデモと解説が行われたので,その内容をお伝えしたい。

「Flint - Treasure of Oblivion」公式サイト


 Savage Levelはオーレリアン・ジョズ(Aurélien Josse)氏マキシム・ジョズ(Maxime Josse)氏の兄弟が設立した新しいスタジオだが,中心となるメンバーの経歴を合計すると,ゲーム業界で60年以上の経験を積んできたことになるベテラン揃いのデベロッパだ。
 彼らが取り組んでいるのが,大航海時代をテーマにした「Flint: Treasure of Oblivion」で,プレイヤーは船長のフリントとなり,相棒であるビリー・ボーンと共に秘宝を求めて大海原のアドベンチャーに乗り出していく。

画像集 No.007のサムネイル画像 / “宝島”をベースにした新作タクティカルRPG「Flint: Treasure of Oblivion」発表。コミックスを使った演出とターンベースのゲームプレイに注目

 “フリント船長”といえば,ロバート・ルイス・スティーヴンソンが1883年に出版した冒険小説「宝島」に登場する人物の名前であり,小説に描かれた人物像は,現代人の持つ海賊のイメージを作り上げるのに大きな役割を果たしたと言われている。
 この「Flint: Treasure of Oblivion」は,そんな「宝島」を元ネタに,フリント船長と副官のビリー・ボーンにスポットライトをあて,実在の場所やイベントなどを織り交ぜながら,ファンタジーと歴史的な事実が混在する作品になる。そう語るのは,ライブデモを担当したSavage Levelのプロダクションディレクター,サイーダ・ミルゾエバ(Saïda Mirzoeva)氏と,ゲームディレクターのヨハン・スピールマン(Johan Spielmann)氏だ。

画像集 No.003のサムネイル画像 / “宝島”をベースにした新作タクティカルRPG「Flint: Treasure of Oblivion」発表。コミックスを使った演出とターンベースのゲームプレイに注目

 デモは,ゲーム開始から40分ほど進めたもので,フランス軍に囚われたビリーを救出するため,フリント船長がイギリスの領地である,とある島へやってきたというシーンから始まった。画面は斜め見降ろし視点で,ポイント&クリックで周囲を散策して,宝箱や樽の中からアイテムを見つけたり,島民と会話したりしていく。
 敵兵と遭遇するとカメラが固定され,同時にマップ上にヘックスがハイライトされる。ここで,手持ちの武器や素手でターンベースの戦いに挑むわけだが,自ターンのときには画面上部にサイコロが表示され,出目によって攻撃の成功率や威力が変化する。宝箱を開くときにもサイコロが出現して中身の価値が決まるなど,ランダム性の高いゲームシステムになっているようだった。

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画像集 No.006のサムネイル画像 / “宝島”をベースにした新作タクティカルRPG「Flint: Treasure of Oblivion」発表。コミックスを使った演出とターンベースのゲームプレイに注目

 キャラクターのアクションを発動するときにはカードを使用するが,カードはマップ中で見つけたり,レベルアップで新たなカードを獲得したりするものと思われる。
 スピールマン氏によれば,ゲームが進行するに従って,兵士や剣士など異なる職業のNPCを最大11人を仲間にできると述べ,NPCの持つさまざまなスキルや特性を組み合わせていくようなプレイスタイルになるとした。
 カバーなどは自動的に実行され,周囲の環境を把握していれば,敵の攻撃をうまくそらしたり,ダメージを与えたりすることもできる。今回のデモでは,バルコニーに昇って樽を蹴落とし,複数の敵にダメージを与えるという,海賊映画を思わせる演出も見られた。

 「Flint: Treasure of Oblivion」の最大の特徴が,コミックスを用いたストーリーテリングだ。イベントが発生したり,NPCと遭遇したりした場合,縦長のコミックスが画面中央に表示され,プレイヤーはそれを読み込んで状況を把握する。コミックスは日本の劇画タッチで,シリアスで泥臭い雰囲気だ。原作の「宝島」に比べてハードな世界観であるように思われた。

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 この演出にについてミルゾエバ氏は,「コミックスは,フランスで有名な気鋭のアーティストが参加している」と語った。
 アーティストの具体的な名前は今後,発表するとのことだったが,演出をコミックス化すると,制作途中の内容変更が難しくなるため,アーティストとかなり密接なコラボレーションが図られていることが分かる。ライブデモで出会ったNPCの見た目も,ゲーム画面の3Dモデルとコミックスの2Dキャラクターがしっかりマッチしていた。

 ミルゾエバ氏によれば,「Flint: Treasure of Oblivion」はすでに80%ほど完成しているとのことで,さらなる情報公開に期待したい。
 Steamのストアページによれば,インタフェースとテキストが日本語に対応するとのこと。PC版はSteamのほか,Epic GamesストアGOG.comでも発売され,ウィッシュリストへの登録が可能だ。

プロダクションディレクターのサイーダ・ミルゾエバ氏(右),とゲームディレクターのヨハン・スピールマン氏(左)。2人ともカラオケが大好きで,ミルゾエバ氏は自宅に機材があるというマニアだ。この取材のあと,サンフランシスコ市内のカラオケ店に行くようだった
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