月刊ブロックチェーンゲーム通信　第11号。今回の分析ターゲットは「THE CHAIN HUNTERS」

　なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……？　ということは知っていても，どんなタイトルがあって，どういうもので，どれくらいの人が遊んでいて，中では何が行われているのか，実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが，ブロックチェーンゲームです。
　なのでこの連載では，毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向，そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し，まとめて皆さんに紹介します。前回は「Brilliantcrypto」を深掘りしましたが，今回の分析ターゲットは「THE CHAIN HUNTERS」（BROWSER / Android / iOS）です。

　いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は，詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには，大いに参考になるはずです。

【2024年09月】BCGマンスリーレポート（double jump.tokyo）

「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧

ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング

順位	タイトル	ジャンル	MAU	先月比
1	BoomLand	カジュアル	223万	-6％
2	Moto DEX	レース	147万	-25％
3	Pixels	シミュレーション	147万	-15％
4	Lumiterra	サバイバルクラフト	129万	＋84％
5	SERAPH	アクションRPG	122万	＋257％

※DappRadarから引用（2024年8月25日時点）。なおユーザー数は，各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので，ご了承ください。

　今月の4位にランクインしている「Lumiterra」は，オープンワールドMMOゲームです。2頭身のキャラクターを操作し，バトルやファーミング，クラフトを楽しむことができます。
　ブロックチェーンにはRoninを採用しており，Roninチェーン上のほかのゲームのプレイヤーが流入しているようです。ゲームはまだ正式リリースされていませんが，9月4日時点では，初回のクローズドβテストが完了したところです。

ブロックチェーンゲームの取引高ランキング

順位	タイトル	ジャンル	取引高	先月比
1	Treasure Ship Game	シミュレーション	9670万ドル（約137億5171万円）	＋36％
2	NIGHT CROWS	MMORPG	2824万ドル（約40億1601万円）	＋6％
3	Axie Infinity	TCG	2390万ドル（約33億9882万円）	-10％
4	Moto DEX	レース	849万ドル（約12億736万円）	＋117％
5	Gravitium	シミュレーション	841万ドル（約11億9599万円）	-6％

※DappRadarから引用（2024年8月25日時点）。取引高ランキングは，各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので，ご了承ください。

　新しくランクインした「Gravitium」はピクセル調のシミュレーションゲームです。プレイヤーはアリのコロニーを構築して成長させ，地下を徘徊する闇の勢力から基地を守ります。PvEやPvPコンテンツを通じて，NFTやトークンを獲得することができます。無料でもプレイ可能です。

「THE CHAIN HUNTERS」の分析

・ゲーム概要
　今回は，「キャプテン翼 -RIVALS-」のMint Townが8月2日にリリースした新作BCG「THE CHAIN HUNTERS」（BROWSER / Android / iOS）について紹介します。

　「THE CHAIN HUNTERS」（チェンハン）は，ハンターを育成して賞金首の討伐を目指すブロックチェーンゲームです。最大4体のハンターでパーティを構築し，オートバトルで敵と戦っていきます。賞金首との戦いはレイドコンテンツで，ハンターのロールや属性によって与えるダメージが大きく変化するため，賞金首向けの適切なパーティを組むことが重要です。


　Play to Earnという点では，ギルドを組んでプレイすることを前提とした設計になっており，ギルド対抗の賞金首ダメージランキングに応じて報酬を獲得することができます。報酬はダイヤ（ゲーム内ポイント）で配布され，暗号資産のOASやアマゾンギフト，ゲーム内通貨に交換することが可能です。



・取引可能なアセット
　ジェネシスハンター，取引可能にするアイテムを利用したハンター，装備品（パーツ）の3種は，ゲーム内マーケットプレイス限定で取引することができます。チェンハン専用のトークンはなく，OASを取引通貨として採用しています（OAS以外にも，アプリ課金やクレジットカード決済もあります）。
　アセット売却時の受け取り通貨は，ルビー（ゲーム内通貨）とOASを選ぶことができ，ルビーはアマゾンギフトやゲーム内通貨に交換することができます。

ゲーム内通貨とトークン

・ジェネシスセール
　正式リリースに先んじてジェネシスハンターのセールが行われました。ジェネシスハンターは，賞金首に対して有利であるという特徴があり，このセールに限りOASでのキャッシュバックもありました。
　パブリックセールでは5万円x480体が完売となりました。


・OAS課金分析
　ブロックチェーンゲームといえば稼げているのかどうかが気になるところ。チェンハンのジェネシスセールやコイン購入にはOASを使用することができ，ランキング報酬やマーケットでの売却時にはOASを受け取り通貨として選択することができます。
　そこで，OASで課金したユーザーを対象に，OASの入出金データをまとめました（クレジットカード課金やアマゾンギフトへの交換はカウントされていません）。

　結果としては，OASで課金したユーザーは170名おり，そのうち66%のユーザーがプラスになっていました。ジェネシスセールで支払った金額の80%が簡単なプレイでキャッシュバックされたり，賞金首ランキングの報酬が豪華であったことが影響していると考えられます。


・まとめ
　ギルドでのプレイを前提とした設計になっており，友達と戦略を立てながら報酬獲得を目指すことのできるゲームとなっています。正式リリース後には，アイドルグループとのコラボや，アプリ版のリリースも行われており，これまでブロックチェーンゲームをプレイしてこなかったユーザー獲得にも取り組んでいます。
　ランキング報酬が呼び水となり，今後ユーザー数が増えていくかどうか注目していきたいと思います。

「THE CHAIN HUNTERS」公式サイト

【2024年09月】BCGマンスリーレポート（double jump.tokyo）

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