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ゲームノートPC向けのハイエンドCPU「Core Ultra 200HX」シリーズが発表。デスクトップPC向けCore Ultra 200も11製品を追加
今回発表となったCPUは,いずれも既存のノートPC向けCPU「Core Ultra 200V」シリーズで使われた開発コードネーム「Lunar Lake」アーキテクチャではなく,デスクトップPC向けCPU「Arrow Lake」と同じアーキテクチャを採用するのが大きなポイントだ。各製品のラインナップを紹介しよう。
最大24コアの高スペックCPU:Core Ultra 200HX,200H
200HXシリーズの統合型グラフィックス機能(以下,統合GPU)は,Intel Xeアーキテクチャベースの「Intel Graphics」となっているが,デスクトップPC向けの200Sシリーズと同様に,単体GPU接続用にPCI Express(以下,PCIe) 5.0×16インタフェースを用意しているので,ほとんどの搭載ノートPCは,単体GPUと組み合わせることになりそうだ。
200HXシリーズは,最上位モデルとなる「Core Ultra 9 285HX」以下,6製品のラインナップとなる。TDP※は,55Wと高めだ。
※Thermal Design Power,
- Core Ultra 9 285HX:24コア(P-core×8,E-core×16),24スレッド,P-core定格クロック 2.8GHz,P-coreブースト最大クロック 5.5GHz,L2キャッシュメモリ容量 40MB,L3キャッシュメモリ容量 36MB,Intel Graphics,TDP 55W,Max Turbo Power 160W
- Core Ultra 9 275HX:24コア(P-core×8,E-core×16),24スレッド,P-core定格クロック 2.7GHz,P-coreブースト最大クロック 5.4GHz,L2キャッシュメモリ容量 40MB,L3キャッシュメモリ容量 36MB,Intel Graphics,TDP 55W,Max Turbo Power 160W
- Core Ultra 7 265HX:20コア(P-core×8,E-core×12),20スレッド,P-core定格クロック 2.6GHz,P-coreブースト最大クロック 5.3GHz,L2キャッシュメモリ容量 30MB,L3キャッシュメモリ容量 36MB,Intel Graphics,TDP 55W,Max Turbo Power 160W
- Core Ultra 7 255HX:20コア(P-core×8,E-core×12),20スレッド,P-core定格クロック 2.4GHz,P-coreブースト最大クロック 5.2GHz,L2キャッシュメモリ容量 30MB,L3キャッシュメモリ容量 36MB,Intel Graphics,TDP 55W,Max Turbo Power 160W
- Core Ultra 5 245HX:14コア(P-core×6,E-core×8),14スレッド,P-core定格クロック 3.1GHz,P-coreブースト最大クロック 5.1GHz,L2キャッシュメモリ容量 24MB,L3キャッシュメモリ容量 26MB,Intel Graphics,TDP 55W,Max Turbo Power 160W
- Core Ultra 5 235HX:14コア(P-core×6,E-core×8),14スレッド,P-core定格クロック 2.9GHz,P-coreブースト最大クロック 5.1GHz,L2キャッシュメモリ容量 24MB,L3キャッシュメモリ容量 26MB,Intel Graphics,TDP 55W,Max Turbo Power 160W
一方の200Hシリーズは,薄型のゲーマー,クリエイター向けノートPC用に位置付けられるCPUだ。最上位モデルとなる「Core Ultra 9 285H」は,TDPが45Wと高めだが,それ以下の製品は28Wなので,これらを採用する薄型ノートPCはいろいろと出てきそうだ。
Intelでは,200Hシリーズ搭載PCは,バッテリーで1日駆動するとアピールしており,また,ゲーム実行中に動作状況や温度に応じて性能を動的に調整する「Endurance Gaming Mode」という機能も備えている。
200Hシリーズは,「Intel Arc」のブランド名を冠する統合GPUを採用しているのも特徴のひとつ。統合GPU内にAI演算ユニットである「XMX」を備えているので,GPU単体でのAI演算能力が高い。これにより,AIベースの超解像&アンチエイリアシング技術「XeSS」(Xe Super Sampling technology)も利用できるという。
単体GPU接続用のPCIeインタフェースは,PCIe 5.0×8となる。200HXシリーズほどのレーン数ではないが,単体GPUと組み合わせた製品も多くなりそうだ。
200Hシリーズは,5製品のラインナップとなる。
- Core Ultra 9 285H:16コア(P-core×6,E-core×8,LP E-core×2),16スレッド,P-core定格クロック 2.9GHz,P-coreブースト最大クロック 5.4GHz,L3キャッシュメモリ容量 24MB,Intel Arc 140T GPU,TDP 45W,Max Turbo Power 115W
- Core Ultra 7 265H:16コア(P-core×6,E-core×8,LP E-core×2),16スレッド,P-core定格クロック 2.2GHz,P-coreブースト最大クロック 5.3GHz,L3キャッシュメモリ容量 24MB,Intel Arc 140T GPU,TDP 28W,Max Turbo Power 115W
- Core Ultra 7 255H:16コア(P-core×6,E-core×8,LP E-core×2),16スレッド,P-core定格クロック 2GHz,P-coreブースト最大クロック 5.1GHz,L3キャッシュメモリ容量 24MB,Intel Arc 140T GPU,TDP 28W,Max Turbo Power 115W
- Core Ultra 5 235H:14コア(P-core×4,E-core×8,LP E-core×2),14スレッド,P-core定格クロック 2.4GHz,P-coreブースト最大クロック 5GHz,L3キャッシュメモリ容量 18MB,Intel Arc 140T GPU,TDP 28W,Max Turbo Power 115W
- Core Ultra 5 225H:14コア(P-core×4,E-core×8,LP E-core×2),14スレッド,P-core定格クロック 1.7GHz,P-coreブースト最大クロック 4.9GHz,L3キャッシュメモリ容量 18MB,Intel Arc 130T GPU,TDP 28W,Max Turbo Power 115W
デスクトップPC向けCore Ultra 200に低消費電力版や統合GPUなしの追加モデルが登場
デスクトップPC向けCore Ultra 200シリーズ(Arrow Lake)には,TDPを減らした“無印”版や,無印版から統合GPUを省略した「F」モデル,TDPを35Wに抑えた低消費電力版「T」モデルなど計11製品が登場した。CPUアーキテクチャや内部構成についての変更点はなく,単純なArrow Lake世代CPUのラインナップ拡充と理解していい。
●無印モデル
- Core Ultra 9 285:24コア(P-core×8,E-core×16),24スレッド,P-core定格クロック 2.5GHz,P-coreブースト最大クロック 5.6GHz,L2キャッシュメモリ容量 40MB,L3キャッシュメモリ容量 36MB,Intel Graphics,TDP 65W,Max Turbo Power 182W
- Core Ultra 7 265:20コア(P-core×8,E-core×12),20スレッド,P-core定格クロック 2.4GHz,P-coreブースト最大クロック 5.3GHz,L2キャッシュメモリ容量 36MB,L3キャッシュメモリ容量 30MB,Intel Graphics,TDP 65W,Max Turbo Power 182W
- Core Ultra 5 245:14コア(P-core×6,E-core×8),14スレッド,P-core定格クロック 3.5GHz,P-coreブースト最大クロック 5.1GHz,L2キャッシュメモリ容量 26MB,L3キャッシュメモリ容量 24MB,Intel Graphics,TDP 65W,Max Turbo Power 121W
- Core Ultra 5 235:14コア(P-core×6,E-core×8),14スレッド,P-core定格クロック 3.4GHz,P-coreブースト最大クロック 5GHz,L2キャッシュメモリ容量 26MB,L3キャッシュメモリ容量 24MB,Intel Graphics,TDP 65W,Max Turbo Power 121W
- Core Ultra 5 225:10コア(P-core×6,E-core×4),10スレッド,P-core定格クロック 3.3GHz,P-coreブースト最大クロック 4.9GHz,L2キャッシュメモリ容量 22MB,L3キャッシュメモリ容量 20MB,Intel Graphics,TDP 65W,Max Turbo Power 121W
●Fモデル
- Core Ultra 7 265F:20コア(P-core×8,E-core×12),20スレッド,P-core定格クロック 2.4GHz,P-coreブースト最大クロック 5.3GHz,L2キャッシュメモリ容量 36MB,L3キャッシュメモリ容量 30MB,統合GPUなし,TDP 65W,Max Turbo Power 182W
- Core Ultra 5 225F:10コア(P-core×6,E-core×4),10スレッド,P-core定格クロック 3.3GHz,P-coreブースト最大クロック 4.9GHz,L2キャッシュメモリ容量 22MB,L3キャッシュメモリ容量 20MB,統合GPUなし,TDP 65W,Max Turbo Power 121W
●Tモデル
- Core Ultra 9 285T:24コア(P-core×8,E-core×16),24スレッド,P-core定格クロック 1.4GHz,P-coreブースト最大クロック 5.4GHz,L2キャッシュメモリ容量 40MB,L3キャッシュメモリ容量 36MB,Intel Graphics,TDP 35W,Max Turbo Power 112W
- Core Ultra 7 265T:20コア(P-core×8,E-core×12),20スレッド,P-core定格クロック 1.5GHz,P-coreブースト最大クロック 5.3GHz,L2キャッシュメモリ容量 36MB,L3キャッシュメモリ容量 30MB,Intel Graphics,TDP 35W,Max Turbo Power 112W
- Core Ultra 5 245T:14コア(P-core×6,E-core×8),14スレッド,P-core定格クロック 2.2GHz,P-coreブースト最大クロック 5.1GHz,L2キャッシュメモリ容量 26MB,L3キャッシュメモリ容量 24MB,Intel Graphics,TDP 35W,Max Turbo Power 114W
- Core Ultra 5 235T:14コア(P-core×6,E-core×8),14スレッド,P-core定格クロック 2.2GHz,P-coreブースト最大クロック 5GHz,L2キャッシュメモリ容量 26MB,L3キャッシュメモリ容量 24MB,Intel Graphics,TDP 35W,Max Turbo Power 114W
TDP 15WのCore Ultra 200U
最後に,Arrow LakeベースでTDP 15WのノートPC向けCPU「Core Ultra 200U」シリーズも紹介しよう。
2024年に登場したLunar Lakeベースの低消費電力版CPUであるCore Ultra 200Vは,AI処理ユニット「NPU」の処理性能が48 TOPSと高く,Microsoftの定める薄型ノートPCのブランド「Copilot+ PC」の条件を満たしている。一方,今回のCore Ultra 200Uシリーズは,それを満たしていないという点が大きな違いだ。
Core Ultra 200Uには,もうひとつ興味深い点がある。Arrow LakeベースのCPUは,基本的にHyper-Threading Technologyを採用していないため,CPUコア数と対応スレッド数が一致する。しかしCore Ultra 200Uだけは,Hyper-Threading Technologyを採用しているため,CPUコア数よりも対応スレッド数が2つ多いのだ。
ゲーマー向け製品に使われることはあまりないCPUだが,そのような違いがあることは覚えておこう。
Core Ultra 200Uシリーズは,以下の4製品をラインナップしている。
- Core Ultra 7 265U:12コア(P-core×2,E-core×8,LP E-core×2),14スレッド,P-core定格クロック 2.1GHz,P-coreブースト最大クロック 5.3GHz,L3キャッシュメモリ容量 12MB,Intel Graphics,TDP 15W,Max Turbo Power 57W
- Core Ultra 7 255U:12コア(P-core×2,E-core×8,LP E-core×2),14スレッド,P-core定格クロック 2GHz,P-coreブースト最大クロック 5.2GHz,L3キャッシュメモリ容量 12MB,Intel Graphics,TDP 15W,Max Turbo Power 57W
- Core Ultra 5 235U:12コア(P-core×2,E-core×8,LP E-core×2),14スレッド,P-core定格クロック 2GHz,P-coreブースト最大クロック 4.9GHz,L3キャッシュメモリ容量 12MB,Intel Graphics,TDP 15W,Max Turbo Power 57W
- Core Ultra 5 225U:12コア(P-core×2,E-core×8,LP E-core×2),14スレッド,P-core定格クロック 1.5GHz,P-coreブースト最大クロック 4.8GHz,L3キャッシュメモリ容量 12MB,Intel Graphics,TDP 15W,Max Turbo Power 57W
IntelのCore Ultra 200シリーズ製品情報ページ
- 関連タイトル:
Intel Core Ultra 200(Series 2,Arrow Lake,Lunar Lake)
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