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フロントミッションをベースに,ちょっとXCOMを添えて。盛り込まれた要素をうまく組み合わせた新作SLG「Kriegsfront Tactics」体験版をプレイ
発表当初より,あらゆる要素から感じられる「フロントミッション」っぽさで,話題を集めた作品だったが,実際のところはどうなのか。さっそく遊んでみたので,そのプレイレポートをお届けする。
「Kriegsfront Tactics」
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面白そう&格好いい要素を全部入れに見えて
単なる闇鍋にとどまらない面白さも
戦いの舞台となるのは,1970年代の東南アジアをイメージした架空世界だ。プレイヤーは,紛争真っ只中の敵地奥深くに送り込まれた特殊部隊の指揮官として,人型戦闘兵器「クリーガー」を操る仲間を率い,生存を目指して未開の地を探索する。正式リリース版では,資源管理やカスタマイズなどの要素が登場するとのことだが,今回の体験版ではチュートリアルと最初の戦闘シーンが主な内容となる。本稿においては,その中で把握できたゲームシステムや手触りなどを中心にレポートしていく。
クリーガーは「胴体」「右腕」「左腕」「脚部」の4部位で構成され,それぞれに耐久値がある。また,移動や攻撃といった各種コマンドには消費APが設定されており,ターンごとに上限まで回復するAPを使ってアクションを決定するシステムが採用されている。
さらに,次のターンにAPを残すことで,攻撃を受けた際に反撃ができるなどの恩恵もある。AP管理によって柔軟な戦い方ができる,というあたりはまんま「フロントミッション」シリーズのシステムを踏襲している。
アクションを決定する際に用いるUI(ユーザーインタフェース)はリブート版「XCOM」シリーズに近い。各種アクションや攻撃対象がアイコンで示され,消費APなどのコストもひと目で分かるので,フロントミッション的なAPシステムとの相性はなかなか良かった。
また,視界内に敵が入った際に自動で射撃を行う「監視射撃」や,背面や側面からの攻撃で回避率が低下する仕組みなど,XCOMシリーズから取り入れられていると思わる要素も随所に見受けられた。「俺が面白い&格好いいと思うSLGの要素を全部入れたぜ!」といわんばかりの姿勢は,じつにインディーらしく素晴らしいと思う。
とはいえ,それぞれの要素をそのまま取り入れているわけではない。意識的に変更を加えていると感じたのは,EVA(回避率)とダメージに関するシステムだ。
先述の通り,本作では側面や背面からの攻撃で回避率を低下させられるが,そのぶん正面からの攻撃にはかなり強い仕組みになっている。真正面から普通に射撃すると,EVA25〜50%をくぐり抜けなければいけなくなる。
相手から視認されていない状態で射撃したり,マシンガンなどの1アクションで複数回の射撃を行える武器を使ったりすれば正面からでも命中を望めるが,そこで「弾丸の分散」という要素が出てくる。射撃武器は一定距離を超えると弾丸が逸れやすくなり,ヒットできる弾数が減ってしまうのだ。
安全な状況で戦いを開始するには,主力や火力役を物陰に隠しつつ,相手の位置取りを探りつつ進軍する,といった工夫が必要になる。ときには,敵が向く方向をそらすために自ら体をさらし,側面からの攻撃を狙うといった戦法も有効に働くだろう。AP制とカスタマイズ要素による武装の自由度の高さも相まって,非常に考えられることが多くなっているのが本作の魅力といえる。
ちなみに,パイロットには特殊スキルが設定されているものの,命中精度などに関わるステータスは見当たらなかった。SLG要素やパーツカスタム要素を強く押し出す関係で,複雑になりすぎないように調整したものと思われる。勢いよく要素を詰め込んだ作品に見えて,しっかりと調整が行き届いているのは好印象だ。
会場に出展されていた体験版は,Steamで「Kriegsfront Tactics - Prologue」のタイトルで配信中だ。同じ内容を日本語で遊べるので,自分で触れてみたかった人はダウンロードして遊んでみてほしい。
「Kriegsfront Tactics」
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