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印刷2026/03/03 17:16

プレイレポート

[プレイレポ]「大戦略SSB2」はどう深化した? 兵站管理の新システムを搭載し,独特のプレイフィールが楽しめる国産ウォーシムの最新作

 システムソフト・ベータから2026年2月26日に発売された,現代戦ウォー・シミュレーションゲーム「大戦略SSB2」PC / PS5 / Switch 2 / Switch)のインプレッションをお届けする。

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 1985年の「現代大戦略」に端を発し,以来40年以上にわたって展開されてきた「大戦略」シリーズ。しかし,そのゲームシステムは時代とともにさまざまな変遷を遂げてきた。
 陸海空軍の兵種を組み合わせ,自分ならではの軍隊を作り上げて戦う基本部分は変わらずとも,ときにはターン制からリアルタイム制へと変貌し,またあるときには精細な兵器データを追求する路線から司令官のキャラクターやストーリーに注力する路線へ舵を切り,現代戦から離れて第二次世界大戦を舞台とした派生作を生んだこともあった。
 こうした枝分かれを経て,「大戦略」は常にウォー・シミュレーションの可能性を追究してきたわけだ。

「現代大戦略」
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 2022年2月に発売された前作「大戦略SSB」に続く本作は,ターン制かつデータ重視の現代仮想戦という原点回帰の路線はそのままに,「高度区分の細分化」による兵器表現の精緻化,新パラメータ「工業力」「保有燃料」の導入による兵站概念の強化を加えた,シリーズ最新作だ。
 また300種以上の現用および次世代の兵器群,50以上にも及ぶ完全新規マップを収録しており,遊びごたえも十分である。
 今回は,そんな本作をいち早くプレイしたので,その魅力を簡単に紹介したい。




戦略級の生産システムと,戦術級の精密戦闘が織りなす独特のプレイフィール


 アナログのウォーゲームが一大ブームを巻き起こしていた1980年代。筆者もまた,その直撃を受けて育った少年の一人であった。
 「大戦略」シリーズについても当時,1987年の「大戦略II」や1989年の「大戦略III グレートコマンダー」を友人宅でよく遊んだものだが,それほど熱心なプレイヤーというほどではなかったように思う。どちらかというと,自身の原点であるアナログウォーゲームのほうに強く惹かれていたからだ。

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[2018/05/26 00:00]

 そんな筆者が,今回久しぶりに「大戦略」シリーズをプレイして,改めて感じたのが本作のスケール,つまりは抽象化の特異性によってもたらされる独特のプレイフィールだ。

 タイトルが示すように,「大戦略」は“戦略級”のウォー・シミュレーションゲームだ。
 つまりは国家間の戦争全体を扱い,プレイヤーは一国の元首として軍隊を指揮していく。そのためマップは国土全体におよび,ときに消耗した部隊や兵員を補充し,兵器を生産しながら国家を挙げた総力戦に挑んでいく。その本質は,国力の削りあいである。
 本作の場合,マップのサイズを見てもこれは明らかで,敵陣営の都市や工場を占領して生産力を補強していくメカニクスも戦略級のそれである。看板に偽りはない。

 ところが,だ。本作に登場する個々のユニットは「T-90戦車」「AH-64 アパッチ」というように,兵器そのものとして表現されており,本来戦略級で扱うべき軍団や師団とはなっていない。
 さらにT-90戦車は射程2の対戦車誘導ミサイルを持ち,彼我の配置次第では一方的な先制攻撃が可能だったりする。これはミニチュアゲームの流れを汲んだ,“戦術級”の要素といえる。

自軍の10式戦車は隣接ヘックスにしか攻撃/反撃ができないのに対し,T-90戦車は2ヘックス先まで攻撃できてしまう。なお1ユニットは10ステップからなっており,10両と考えるならこれで1個中隊くらいの規模である
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 つまりマップによっては,釜山とソウルを結ぶ経路上の大邱や大田といった重要な分岐点の攻防を,中隊規模の数ユニットが担うといった,いわく言いがたいスケール感の戦場が現出する。そんな荒唐無稽な……と思うかもしれないが,まあもう少し待ってほしい。

 戦略級のゲームでは,個々のユニットは得てして無個性な数値の集積として表現されるものだ。実際,軍司令官の立場からすれば,大隊,中隊,小隊といった下位の編成を意識することはほとんどないのだから。

 しかし戦略の帰趨を左右する局面――例えば橋や高地といった重要地点の奪い合いにおいては,一個小隊の奮戦が局面をガラりと変えることは,ままあるもの。本作ではこのヒロイックさを表現するために,あえて戦略級の大局観に,戦術級の精密さを加味することでユニットを顔の見える存在にし,戦場のスケールを自在にズームイン/ズームアウトできるようにしている。

 さらに本シリーズにはZOC(Zone of Control/支配地域)の概念があり,敵の陸上ユニットに隣接すると,移動はそこで終わってしまう。つまり敵の間をすり抜けて進むことはできないのだ。
 このため自ずと戦線が出来上がり,これを突破するには敵の防衛線に穴を開ける必要が出てくるわけだが,このZOCと隣接戦闘の組み合わせは,戦略級と戦術級の中間にあたる“作戦級”の要素である。

 シリーズ初期のルール設計に携わり,現在はマトリックスに所属しゲーム開発を行っている福田史裕氏は,過去のインタビューにおいて,こうしたスケールの自在さを,抽象的なゲームシステムの上に,リアルな名前を付した駒を配置した,「軍人将棋」のようなものと表現している。
 当時,史実の再現に重きを置いたアナログのウォーゲームを遊んでいた層には奇妙に映ったろうが,これこそが「大戦略」のユニークなところであり,同時にシリーズをロングセラーたらしめた要因なのではないだろうか。

戦車ユニットの攻撃可能範囲は基本的には隣接ヘックスのみ。先のT-90戦車のような特殊兵器を備えたものもや,自走砲や攻撃ヘリコプター,戦闘爆撃機などの例外を除いては,防衛線を崩すには相手のZOCに踏み入らなければならない
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前作から深化した兵站の重要性


 一つ一つに細かな性能差が設けられた,300種以上の兵器が登場する「大戦略SSB2」だが,ヘックスで区切られたマップを用いて遊ぶがゆえに発生する,ある制約が存在する。それを端的に表しているのが,移動力の重要性だ。

 例えば最初の2つのマップ「ハロー大戦略」「大演習島」は,どちらもプレイヤー側の生産タイプが「日本」(カスタマイズで変更可能)だったので,戦車を生産するなら「10式戦車」「74式戦車」のどちらかを選択することになる。
 10式戦車は最新鋭の機体だがコストが高く,一方,74式戦車は旧式ながら悪くない性能で,おまけにコストは半分程度とお買い得である。ところが移動力は,前者が「6」なのに対し後者は「5」。この違いがなかなかに悩ましい。

10式戦車と74式戦車の生産画面。前者がコスト2000なのに対し,後者が1150とほぼ半額である。対車両・対歩兵の戦力はさほど違わないものの,移動力の差は覆しがたいものがある
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 キャタピラ式の車両で森や丘を進むときの地形コストは「2」なので,交通網が発達していない地域を進軍するときは,10式なら3ヘックス進めるが,74式なら2ヘックスしか進めないことになる。つまり10式なら攻撃が届いても,74式だと移動だけで終わってしまう局面が少なからず発生することになり,この移動力による性能差が,兵装の違いに増してプレイヤーを悩ませることになる。

 移動力がたった1点違うだけで,使い勝手がこうも変わってくる。これは兵器の性能差を,いささか単純化しすぎているのではないか。
 ただ,これは何も悪いことばかりではない。ヘックスマップは戦場を予測可能な世界に変換し,人間にとって扱いやすく,競技性を高める効果がある。一方で,抽象化によって現実の戦争からかけ離れていくきらいもあり,その辺りは加減が難しいところだ。

ターン制を採用する本作では,先攻と後攻が交互に自軍の全ユニットを操作し,かつユニットごとに移動と戦闘の解決を行う。このため波状攻撃によって敵の戦線に穴を空け,そこから後続部隊を浸透させる“電撃戦”が実現しやすい。おかげで展開がスピーディーになりがちで,これがユニットの移動力をさらに重要なものにしている
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 本作で登場した新システムについても触れておこう。
 とりわけ影響が大きいのは,記事冒頭でも触れた新パラメータ「工業力」だ。これにより部隊の生産を行える拠点が,首都から工業力の数値に等しい距離の範囲内に限られるようになった。

 本作の生産は陸軍・空軍・海軍それぞれの基地で行うのだが,前作「大戦略SSB」では敵陣営の奥地にある拠点でも,奇襲的に占領しさえすればすぐさま生産ができていた。そこから矢継ぎ早に部隊を繰り出せば,急展開に繋げることも不可能ではなかったのだ。
 一方で,本作では敵軍の基地を占領しても,工業力が足りていなければ生産はできない。ゆえに十分な工業力がなければ,奥地の拠点を占領したところで展開は作れない。

 生産拠点は,すなわち増援の出発地点でもある。そこから前線までユニットを最短で到達させる算段を立てたり,工業力を増やせる「工場」を効率よく占領する道筋を付けたりすることが,本作ではより重要となるだろう。

初期マップの一つ「大演習島」。青い矢印で示した「空軍基地」は,左下にある黄色の「首都」から8ヘックスの距離にある。工業力の初期値は「5」なので,このままでは生産が行えない。湾を隔てた赤矢印の「工場」を占領すれば工業力が「10」となるので,この工場を真っ先に占領したいところだ
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 最終目的が敵首都の占領なのは前作から変わらないものの,「工業力」の導入で工場占拠の重要性が増し,マップのどこに工場があるのかを把握することが,戦略の第一歩となった。これが本作における兵站重視の表われというわけだ。

同マップの8ターン後,先の工場に加え,マップ北側の二つ目の工場を占領したことで工業力が「15」になった。これで首都から11ヘックスの位置にある,左下の陸軍基地でも生産が行える。これまでは攻撃ヘリに頼りきりだったが,ここからは戦車を作って前線に投入したいところだ
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 また弾薬の消耗によって,部隊を基地に帰投させるローテーションが必要になったのも,本作の変更点の一つだ。
 例えばAH-64アパッチは,ヘルファイアによる対地攻撃とスティンガーによる対ヘリ攻撃に優れた使い勝手のよい攻撃ヘリだが,前者の弾数は4しかない。補充するには航空基地まで下がらなくてはならず,ゆえに4〜5ターンに一度のペースで帰投を強いられることになる。

 こちらも新パラメータである「保有燃料」は,燃料車や空中給油機を投入することで前線に居ながら補充できるようになるだが,弾薬だけはどうしようもない。このローテーションもまた,本作の兵站を形作り,作戦に奥行きをもたらす要素となっている。
 ただ保有燃料にしろ弾薬にしろ,補給であれば占領したばかりの基地や都市でも可能(航空部隊は空軍基地のみ)なので,攻めているほうが優位に立ちやすいバランスといえる。

航空ユニットは,移動にあたって地形コストの影響を受けないのが強みだ。さらに平地など着陸可能な地形であれば,燃料車から燃料を補給できる。「AH-64 アパッチ」は生産コストも3150と,戦闘爆撃機の半額以下なのも助かる
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 総じて本作は,古き良き「大戦略」シリーズを現代に甦らせた,やり込みがいのある一作と言える。ウォー・シミュレーションの入門作としても最適で,過去のシリーズを遊んでいなくとも楽しめるだろう。今回筆者は体験できなかったが,順次更新されていくという「シナリオモード」も楽しみだ。

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 欠点はいくつもある。令和のタイトルと考えるとグラフィックスはお世辞にも優れているとはいえず,マルチプレイも存在しない。価格も通常版が8778円(税込)と,お試しで手を出すにはハードルが高いだろう。できれば体験版を用意してほしいところである。

 そうした点に目を潰れるなら,本作は長く遊べるタイトルとしてオススメできる。「熱くなれ。戦略は個性だ」というキャッチコピーに惹かれた人は,ぜひ全マップクリアに挑戦してみてはいかがだろうか。

「大演習島」の首都占領シーン。放置していた敵拠点からの新手や,首都の堅さを見誤り,結局19ターンもかかってしまった。うまくやれば数ターンは早められるだろう
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