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印刷2020/04/17 00:00

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PlayStation 5用ゲームパッド「DualSense」が発表されたので,PSシリーズを支えた「DUALSHOCK」の進化を見比べてみる

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2020年末に発売を予定している新型の家庭用ゲーム機「PlayStation 5」用のワイヤレスゲームパッド「DualSense(デュアルセンス)」が,4月8日にPlayStation Blogにて公開された。
 「ゲームが創り出す世界との対話」なるビジョンのもとに開発が進められているというこのDualSenseは,新たなデザインとともに新機能を備え,プレイフィールの開拓にも期待がかかるゲームパッドだ。
 ゲームパッドの方が本体よりも先に公開されるという異例の展開となったわけだが,初代PlayStationの後期より受け継がれてきた「DUALSHOCK(デュアルショック)」から名称が変更になったことに驚いた人も多いだろう。

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 SIEは本日(2020年4月8日),PlayStation 5用のワイヤレスコントローラ「DualSense」の情報を,PlayStation Blogにて公開した。ゲーム体験における「触覚」がより追求されているほか,自分のゲームプレイを元にコンテンツを作る「Create」ボタンなどが搭載されている。

[2020/04/08 05:55]

 今回はこのDualSenseの公開記念企画として,PlayStationシリーズを長く支えてきたDUALSHOCKシリーズの変遷を実物の写真とともに振り返ってみたい。ゲームの楽しさをプレイヤーに伝えるゲームパッドの1つの系譜を眺めつつ,次の世代への期待を膨らませていただければと思う。
 なお本稿では筆者の私物,もしくは4Gamer編集部所有のものを使用している。年期が入っていたり,汚れていたりするものがあることはご了承いただきたい。


アナログコントローラーは初代PlayStationの時代に登場


 1994年12月に国内発売された初代PlayStationのゲームパッドは,ボタンの数などはそれまでの家庭用ゲーム機とあまり変わらないものの,4つに分割された方向キーや両手で握り込めるグリップなど,その見た目はかなり特徴的であった。デザインを手がけたのはプロダクトデザイナーの後藤禎祐氏。同氏は2006年のPlayStation 3(初期型)まで,本体とともにデザインを手がけている。
 今の若いゲーマーから見ると「アナログスティックどこだよ」となるかもしれないが,もともとは搭載されていなかったのである。

PlayStation用ゲームパッド(型番:SCPH-1010)。右側のシンボリックな4つのボタンは,同機の象徴にもなった
画像集#001のサムネイル/PlayStation 5用ゲームパッド「DualSense」が発表されたので,PSシリーズを支えた「DUALSHOCK」の進化を見比べてみる
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[L]/[R]のボタンは2つずつあり,ゲームにおける操作の選択肢が増えた
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計測重量はケーブルをどかした参考値で100g。アナログスティックがないぶん軽いのだ

 アナログスティックが登場するのは,1997年4月のこと。最初は「アナログコントローラー」という製品だった。DUALSHOCKの前身ともいえるこのゲームパッドは,2つのアナログスティックを備えアナログ入力を可能としたほか,振動による演出も楽しめるようになった。またアナログスティックを“押し込む”という[L3]&[R3]ボタンによる操作が加わったのもここからである。同年5月発売の「エースコンバット2」(バンダイナムコエンターテインメント)のために購入した人もいたのではなかろうか。

PlayStation用アナログコントローラー(型番:SCPH-1150)。筆者の私物で経年によりかなり黄ばんでいるが,元の色はオリジナルのゲームパッドに近いものだ
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画像集#005のサムネイル/PlayStation 5用ゲームパッド「DualSense」が発表されたので,PSシリーズを支えた「DUALSHOCK」の進化を見比べてみる
中央部に備わったアナログスティック。表面は凹型にへこんでいる
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[L2]/[R2]ボタンは大きくなって上端に突起が設けられ,中指での操作性を高めている
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オリジナルと比較するとかなり大きいことが分かる。販売期間はかなり短かったようだ
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計測重量はケーブルをどかした状態で171g


PlayStationの3代目のゲームパッドとしてDUALSHOCKが生誕


名称:DUALSHOCK
型番:SCPH-1200(PS One用はSCPH-110)
対応ハード:PlayStation
発売日:1997年11月20日(※国内発売日,以下同)
接続方法:有線


 そしてアナログコントローラーの改良版として1997年11月に発売されたのが,PlayStation用「DUALSHOCK」だ。新価格となったPlayStation(型番:SCPH-7000)に同梱され,2000年7月発売の小型版「PS One」まで標準のゲームパッドとなった。
 形状は前述のアナログコントローラーに近いが,グリップの大きさが初代ゲームパッドとほぼ同じとなり,凹型だったアナログスティックの表面に膨らみを持たせている。大きく変わったのは振動機能で,グリップ部分に内蔵する2つのモーターに取り付けられた重さの異なるウェイトを回すことで,強弱のある振動による演出を実現。以降PlayStationシリーズのタイトルにおけるスタンダードな演出として定着した。

写真はPS One用のDUALSHOCK(型番:SCPH-110)で,色が白っぽい。ロゴもPS Oneのものになっている
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アナログスティックは表面が丸みを帯びた形に
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アナログコントローラーから継承する[ANALOG]ボタンとLED。アナログスティックのオン/オフの切り替えで,オンの時はLEDが点灯する
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アナログコントローラーよりも大きくなった[L2]/[R2]ボタン。突起がなくなっている
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重量は175g


各ボタンのアナログ入力を可能としたDUALSHOCK 2


名称:DUALSHOCK 2
型番:SCPH-10010(PSX用はDESR-10)
対応ハード:PlayStation 2
発売日:2000年3月4日
接続方法:有線


 2000年3月にはPlayStation 2がリリース。同時にゲームパッドも「DUALSHOCK 2」となる。色の違いはあるものの,形状はDUALSHOCKと基本的に同じで重量もほとんど変わらず,強弱のある振動機能も継承している。
 このDUALSHOCK 2では新たに,[START]と[SELECT]以外のボタンがすべてアナログ入力に対応していて,押し込む強さによって判定が変わる仕様となった。2001年発売のヒット作「METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY」(KONAMI)にて,武器の出し入れや投擲距離の調整などにこのアナログ入力が使われたことを覚えている人もいるだろう。
 PlayStation 2本体は2004年11月に薄型タイプにモデルチェンジしているが,ゲームパッドはDUALSHOCK 2のまま変わらず同梱/販売を続けた。

PlayStation 2用DUALSHOCK 2(型番:SCPH-10010)。チャコールブラックにラメのようなものがちりばめられた素材で成形されている
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DUALSHOCK 2になって,初めて名前が本体側面にプリントされた
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心持ちストロークが長くなった印象のあるボタン。対応タイトルで効果を発揮する
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大きさや形状,握ったときの感触などはPS版と変わらない
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重量は163g


PlayStation 3発売の1年後に発売となったDUALSHOCK3


名称:DUALSHOCK 3
型番:CECH-ZC2J
対応ハード:PlayStation 3
発売日:2007年11月11日
接続方法:無線(Bluetooth)


 2006年11月にはPlayStation 3が発売となるわけだが,このときのゲームパッドに関連する事情は少し変わっていた。2005年に開催されたE3での発表時は,ブーメランのように湾曲した特徴的な形のゲームパッドの試作品が披露され大きな話題となる。

E3 2005で公開されたPS3用ゲームパッド。正式名称などは決まっていなかった
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 その後の正式発売時には,DUALSHOCK 2の形状を引き継ぐ「SIXAXIS(シックスアクシス)」(型番:CECH-ZC1J)が同梱されることが決定した。
 その名を表す内蔵のモーションセンサーによる6軸検出システムにより,ゲームパッド自体を傾ける操作に対応。また[L2]と[R2]ボタンは押し込んだストロークで判定が変わるトリガーに変更された。メニュー画面を開くための[PS]ボタンが追加されたのもここからだ。
 これまで専用端子でのワイヤード接続だったDUALSHOCKだが,本製品からは充電池を内蔵したワイヤレス仕様となり,プレイ時の取り回しも非常に良くなった。一方で振動機能はオミットされ,ゲームパッドの名称自体も変わっている。

 ところがそのちょうど1年後の2007年11月,PS2の互換機能を排除した廉価モデルのPS3の発売に合わせ,SIXAXISに振動機能を備えた「DUALSHOCK 3」が発売されたことは,ゲームファンにとってちょっとしたサプライズであった。これによりPS3タイトルにも振動による演出が復活し,発売済みのタイトルがアップデートで振動に対応するということもあった。

PlayStation 3用DUALSHOCK 3(型番:CECH-ZC2J)。ワイヤレスになったことで,モーションセンサーを使うゲームもプレイしやすい
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[PS]ボタンはメニューを開くほか,本体の電源をオン/オフするときにも使う
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上部にはゲームパッドの番号を表すLEDがある。SIXAXISのロゴも併せて表記。充電時は当時主流だったミニUSBケーブルを使用する
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[L2]/[R2]ボタンは,ストロークを持たせたトリガータイプとなり,レースゲームなどで本領を発揮
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重量は180g。参考までに,SIXAXISは振動機能がないのでもっと軽く,138gだった


現行のDUALSHOCKは,近年のプレイスタイルに合わせて機能を一新


名称:DUALSHOCK 4
型番:CUH-ZCT1(現行機種はCUH-ZCT2)
対応ハード:PlayStation 4
発売日:2014年2月22日
接続方法:無線(Bluetooth)


 そして現行の「DUALSHOCK 4」は,2014年2月に国内発売されたPlayStation 4のゲームパッドである。従来のシルエットを残しつつもデザインは一新され,さまざまな新機能が実装された。
 グリップが大きくなったことにより,握ったときのホールド感が増していて,とくに[L1]/[R1]ボタンと[L2]/[R2]ボタンの同時押しがこれまで以上にやりやすくなった印象がある。FPSやTPS,あるいはレースゲームなど,トリガー操作を必要とするタイトルも操作しやすく,ゲームパッドとしての完成度は非常に高いといえるだろう。

PlayStation 4用DUALSHOCK 4(型番:CUH-ZCT1)。グリップが円柱に近い形となり,大きくなった
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 最も大きな特徴としては,本体中央に四角い「タッチパッド」が設置されたこと。これには静電式のセンサーが採用されていて,文字入力時などにポインティングによる入力ができる他,タップやフリック操作にも対応している。これ自体がボタンにもなっていて,「タッチパッドボタン」として使用するゲームも多い。
 またその下にあるビルトインスピーカーは,ゲーム画面とは別の音声をここから出せるなど,新しいスタイルの演出を実現している。
 これまでの[START]と[SELECT]の両ボタンは廃止され,新たに[OPTION]と[SHARE]ボタンが備わったことも大きい。前者は[START]ボタン的な役割を持つことが多いが,後者は動画の保存やスクリーンショットの撮影,あるいはゲーム実況の開始など,PS4のシェア機能に特化したボタンとなっている。関連するサービスのアカウントを登録しておけば,このボタンから簡単にアクセスし,アップロードや実況が行える,現代のゲームのプレイスタイルに合わせたボタンである。
 なお現在はUSBによる有線接続に対応した新バージョンの「CUH-ZCT2」が現行機種となっている。

グリップ下部を含む本体背面のパーツの表面にはざらっとした手触りの加工が施されている
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アナログスティックは上面が平らになって,緩やかな溝が設けられている
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本体中央部分に設置されたタッチパッド。角度によって表面には模様が見える。その下にはスピーカーがある
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[SHARE]と[OPTION]の各ボタンは,タッチパッドの左右に配置
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上部にはLEDを使った「ライトバー」がある。プレイヤーカラーやバッテリー残量などによって色が変わる。下にはマイクロUSB端子も
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右はワイヤレスのヘッドホン端子としても使えるヘッドセット端子。左は周辺機器に使用する拡張端子だ
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重量は213g

 PlayStationが発売されて26年,プレイヤーのニーズに応える形でハードウェアとともに少しずつ進化を遂げてきたDUALSHOCKの系譜は,今年発売予定のPS5用ゲームパッドDualSenseへと受け継がれることとなる。
 DualSenseは外観のデザインが一新され,これまで単色だったボディが2色成形に。ライトバーの位置の変更やマイクの内蔵,[SHARE]ボタンが[Create]ボタンになるといった情報が明らかにされている。さらに,表現力豊かに感触を伝える「ハプティックフィードバック」や,[L2]/[R2]ボタンに実装される「アダプティブトリガー」といった,「触覚」に関係したプレイフィールも追求しているという。
 DUALSHOCKでは振動のみだった触覚による体験が,一体どんな新しい遊びになるのか。手に取る日が楽しみだ。

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