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[COMPUTEX]特殊ヒンジ採用の変形ノートPCや8インチのWindowsタブレットが発表。Acerプレスカンファレンスレポート
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印刷2013/06/04 00:00

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[COMPUTEX]特殊ヒンジ採用の変形ノートPCや8インチのWindowsタブレットが発表。Acerプレスカンファレンスレポート

画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]特殊ヒンジ採用の変形ノートPCや8インチのWindowsタブレットが発表。Acerプレスカンファレンスレポート
 COMPUTEX TAIPEI 2013(以下,COMPUTEX)の開幕を翌日に控えた2013年6月3日,AcerはCOMPUTEXメイン会場の1つである「Taipei International Convention Center」(TICC)にてプレスカンファレンスを開催し,ノートパソコンやタブレットPCなど多数の新製品を発表した。

 カンファレンスに登壇した同社社長のJim Wong氏は,「今や,昔ながらのコンピュータは姿を消しつつあり,『Computing is Everywhere』(コンピューティングは何処ででも)を体現できる製品でなければ,市場で強い存在感を訴えられない」と述べたうえで,「今年,AcerがCOMPUTEXで発表する製品は,どれもそうしたメッセージを込めたものである。今年のキーワードは『タッチで再定義される新技術』(Redefining Technology Through Touch)だ」と宣言し,新製品の紹介を始めた。

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Jim Wong氏(Corporate President, Acer,左)が掲げた,カンファレンスのキーワード「タッチで再定義される新技術」


「イーゼル」ヒンジで変形するタブレット兼用ノート

Aspire R7


 最初に紹介されたのはノートPCの「Aspire R7」だ。実はこの製品,2013年4月に米ニューヨーク市で開催されたイベント「TEDx」(テデックス)でお披露目済みである。

Aspire R7。
画像集#005のサムネイル/[COMPUTEX]特殊ヒンジ採用の変形ノートPCや8インチのWindowsタブレットが発表。Acerプレスカンファレンスレポート

 Aspire R7は新開発の「イーゼル」ヒンジによって,一般的なノートPCスタイルとタブレット端末スタイルを,切り替えて使えるノートPCだ。液晶パネル部分がCPUやストレージを内蔵する本体部分になっていて,それが柔軟に可動するヒンジでキーボードとつながっている。液晶パネルを内向きに閉じた状態は,一般的なクラムシェル型ノートPCとほとんど変わらない。しかしこのヒンジによって,液晶パネルを裏返したり,キーボードの上に被せたりといった具合に,使い方に合わせて変形させられるのが特徴となっている。

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イーゼルヒンジを背面から。液晶パネルとヒンジの接続部分が上下に大きく稼動する
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後ろ側に液晶パネルを向けることも。その場合,ちゃんと自動で画面の上下を反転してくれる

 液晶パネルのサイズは15.6インチで,解像度は1920×1080ドット。サイズゆえに重く,総重量は約2.5kgとのことである。CPUは第4世代Core i7もしくはCore i5で,メインメモリ容量は6GB。GPUには「GeForce GT 750M」(グラフィックスメモリ容量2GB,GDDR5)を搭載するという。価格は未定ながら,日本での発売も予定されているとのことだ。

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AcerではAspire R7のように,ノートPC的にもタブレット端末的にも使えるPCを,「タッチ&タイプ」型と呼んでいる


本体より大きなキーボード付きWindows 8タブレット

Iconia W3


画像集#010のサムネイル/[COMPUTEX]特殊ヒンジ採用の変形ノートPCや8インチのWindowsタブレットが発表。Acerプレスカンファレンスレポート
一見するとごく普通のWindowsタブレットに見えるIconia W3
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付属キーボードと組み合わせるとこのとおり。間違ったキーボードの上に乗せているわけではない
 続いて披露されたのは,スタンド型のキーボードが付属するWindows 8タブレット「Iconia W3」である。

 Iconia W3は,8インチサイズの液晶パネルを搭載するタブレットになのだが,付属のBluetoothキーボードはタブレット本体よりもだいぶ大きく,横幅が約22cmもあるのが特徴となっている。
 写真を見てのとおり,キーボード側はタブレット本体と比べて,ざっと二回りは大きいだろうか。サイズ違いの製品同士を組み合わせたような違和感を感じるが,これも使い勝手を重視してのこと。キーボード自体やキーピッチのサイズは,13.3インチクラスのノートPCと同等と,Acerは主張している。しかもこのキーボード部分は,スタンド的な役割を果たすだけでなく,タブレット本体の収納ケースにもなるという。

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キーボード部背面には凹みがあり(左),ここにタブレット本体をはめ込むと収納ケースになる

 搭載CPUは,Windows 8タブレットによく使われるAtom Z2760で,メインメモリ容量は2GB。液晶パネルの解像度は1280×800ドットで,重量は約500gとのこと。日本でも発売される予定なので,キーボードのギミックはともかく,8インチという小さなWindows 8タブレットとして評価されるかどうかに注目したい。


クラムシェル型Ultrabook

Aspire S3とAspire S7


 オーソドックスなクラムシェル型Ultrabookにも,新製品「Aspire S7」と「Aspire S3」が登場した。

Aspire S7。2560×1440ドットの高解像液晶パネル採用と薄さが魅力
画像集#014のサムネイル/[COMPUTEX]特殊ヒンジ採用の変形ノートPCや8インチのWindowsタブレットが発表。Acerプレスカンファレンスレポート
 上位モデルのAspire S7は,13.3インチサイズで,解像度2560×1440ドットという超高解像度液晶パネルを搭載するのが最大の特徴だ(発売する地域によっては,1920×1080ドットの場合もあるとのこと)。
 液晶パネルの保護ガラスに,Corning製の強化ガラス「Gorilla Glass」を採用するなど,堅牢さを重視した作りになっているというが,それでも液晶パネルを閉じたときの厚みは,約13mmと薄くなっている。重量は約1.3kgである。
 CPUは第4世代Core i7もしくはCore i5で,「TwinAir」と呼ばれる独自設計の静音型冷却システムを採用することで,最大負荷時にも極めて高い静音性が維持されるという。

Aspire S3。Aspire Sシリーズの下位モデルだが,グラフィックス性能はAspire S7を上回る
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 Aspire S3は,Aspire S7と似たようなデザインをしているが,液晶パネルを閉じたときの厚みは約17.8mmで,重量も約1.65kgと大きく重い。また,13.3インチ液晶パネルの解像度は,最大1920×1080ドットとなっており,Aspire Sシリーズの中でも安価な製品といった位置づけである。
 重くなった代わりというわけではないが,GPUには「GeForce GT 735M」(グラフィックスメモリ容量1GB,GDDR3)を搭載しているので,このクラスのUltrabookとしては,グラフィックス性能は高い。また,TwinAir冷却システムも採用している。


画面サイズ5.7インチの「ファブレット」

Liquid S1


Liquid S1。タブレットとスマートフォンのいいとこ取りを狙う「ファブレット」だ
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 タブレットの大画面とスマートフォンの通話&通信機能を両立させた,通話のできるタブレット「Phablet」(ファブレット)の人気が高まっているという。Acerもこのジャンルに製品を投入してきた。それがこの「Liquid S1」だ。
 本体の縦横幅は163×83mmで,画面サイズは5.7インチと,スマートフォンとしてはかなり大きい。液晶パネルのアスペクト比が16:9の縦長ボディを採用し,「ポケットにギリギリ入るサイズ」という点を訴求している。画面解像度は1280×720ドットなので,昨今のハイエンドスマートフォンに比べるとやや見劣りする。

 搭載するSystem-on-a-Chip(SoC)の詳細は不明だが,CPUコアは「クアッドコアで動作クロック1.5GHz」,GPUコアは「PowerVR 5XT」ということだ。メインメモリ容量は1GB,ストレージ容量は8GBとなっている。OSはAndroid 4.2(Jelly Bean)。仕様面からすると,日本や米国のようなスマートフォン先進地域というよりは,新興市場向けの製品だろうか。

Float AppsはAndroidタブレット上で複数アプリの同時表示を可能にする
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 なおソフトウェア面の特徴として,「Float Apps」(フロートアプリ)「Float Call」(フロートコール)というマルチタスキング機能がアピールされている。Float Appsは,1画面内で複数のアプリを扱える機能で,Float Callは,通話をしながらFloat Appsを利用できる機能という。Acerではこれを,「デスクトップPC並みのポテンシャルを持つマルチタスク機能を,スマートフォン上で実現できる」としており,今後同社のスマートフォンやタブレットに,広く導入していくようだ。

 残念ながら,「これぞゲーマー向け」といった製品はなかったが,Acerの目指す方向性が分かりやすく示されたカンファレンスだったと言えるだろう。


Acer プレスリリースページ(英語)

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