PCケースなどで知られるSilverStone Technology(以下,SilverStone)が,COMPUTEX TAIPEI 2013メイン会場の1つであるTWTC Nangangに出展。会場にて,
Thunderbolt接続の外付けグラフィックスボックス「
T004」を披露した。
T004。アルミ製の筒のような形状だ。サイズは163(W)×180(D)×430(H)mm,,けっこう大きい。正面のSilverStoneロゴマークが電源ボタンになっているが,ここがチープすぎると不評とのことなので,最終製品版では変更になる可能性が高い
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上蓋を開けると,各種インタフェースにアクセスできる煙突状のデザインが採用されており,グラフィックスカードと電源ユニットの熱はいずれも上蓋部から排気される仕様
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T004は,たとえば「MacBook Air」(にWindowsをセットアップした状態)のようなThunderbolt搭載ノートPCに,デスクトップPC向けグラフィックスカードの接続を可能にするものだ。PCI Express(以下,PCIe)Gen.2の2レーン接続となるThunderboltの場合,帯域幅は双方向20GT/s(片方向10GT/s)に過ぎず,最新世代のデスクトップPC向けマザーボードに搭載されるPCIe Gen.3の16レーンが持つ双方向256GT/s(片方向128GT/s)と比べてしまうと圧倒的に低速ではある。しかし,そもそも今日(こんにち)のグラフィックスカードはPCIe Gen.3の帯域をまったく使い切っていないので,実質的な違いはそれほど大きくない。
仮に,帯域幅の面でボトルネックがあったととしても,単体GPUを搭載しないノートPCに3Dグラフィックス性能をもたらすアイデアとしては,かなり有用と述べていいだろう。
上蓋を開けた状態で上から覗き込んだところ。Thunderboltインタフェースが2系統用意されているのは,数珠つなぎで接続するためと思われる |
本体前面パネルはパカっと開けられて,ここからグラフィックスカードや電源ユニットの着脱を行えるようになっている |
吸気は本体向かって左の側面から。メッシュ状の大きなパネルが取り付けられていた |
本体背面はThunderboltケーブルとビデオ出力ケーブルを通す孔が空いているだけ |
TWTC Nangang 1階のSilverStoneブース
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SilverStoneによれば,T004には現時点における史上最長グラフィックスカードである,「Radeon HD 7990」デュアルGPUソリューションでも問題なく搭載できるとのこと。また,開発途上版サンプルには,容量450WのSFX電源ユニットが搭載されていたが,これは最終製品版には含まれないとされている。
価格は未定ながら,2013年第4四半期中には市場投入の見込みという。「ノートPC用の外付けグラフィックスボックス」はこれまでも現れては消えていったが(
関連記事1,
関連記事2),今度こそノートPCユーザーの3Dゲーム環境を一変させてくれるのか。今後の動向を追っていきたいところだ。