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[GDC 2016]Game Developers Conference 2016のEXPO会場で見かけたモノあれこれ
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印刷2016/03/26 00:00

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[GDC 2016]Game Developers Conference 2016のEXPO会場で見かけたモノあれこれ

 2016年3月14日から18日まで開催されたGame Developers Conference 2016は,つつがなく終了した。開始時にお伝えしたように,会場内は仮想現実(以下,VR)真っ盛りといった状態で,EXPO会場でも多くの展示がVRに関連したものとなっていたのが印象的だ。
 ここではVR関連機器を中心に展示会場などで見かけたモノを紹介してみたい。もちろんそれ以外にもいろいろなゲーム関連製品が並んでいたのだが,取材し切れなかったものも多いのでちょっと変なモノについては写真だけで掲載しておこう。

●Unlimited Hand
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 「Unlimited Hand」はフォトトランジスタで筋肉の動きを読み,筋肉に微弱電流を流すことで,指先を動かすという「手」の部分に特化した入出力インタフェースだ。驚いたことに日本からの出展である。
 アルコール脱脂綿で拭かれた腕にUnlimitedHandを巻き付ける。気分は血液検査だ。巻き付け位置は適当でいいのかと聞くと,適当でいいのだそうだ。ちょっとぐらいずれてもまったく問題ない範囲を電極でカバーしているとのこと。

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 で,実際に電流を流してもらうと腕がピリピリとする感覚とともに指が軽く曲がる。ざっと試した感じでは,小指側と人差し指側といった大雑把な感じで指が曲がっていた。もちろん指を伸ばすことも可能だ。細かく設定すれば指単位で曲げることもできなくはないのかもしれないが,たいていの用途ではこれで十分な気もする。

画像集 No.002のサムネイル画像 / [GDC 2016]Game Developers Conference 2016のEXPO会場で見かけたモノあれこれ 画像集 No.003のサムネイル画像 / [GDC 2016]Game Developers Conference 2016のEXPO会場で見かけたモノあれこれ

 電流によって指先が動いても,指先に触感が発生するわけではないのだが,映像をタイミングよく組み合わせると,あたかもなにか触れたかのような感覚になるのだそうだ。小鳥が指先に止まるデモだと,小鳥が降りてきたタイミングに合わせて,自分で動かしてないのに指が下がる。するとその動きの視覚フィードバックから触感や重さの感覚(錯覚)が発生するという仕組みだ。会場ではやっていなかったが,小鳥が指先に留まるデモだと,かなり重く感じられるとのこと。
 目で見ているからこそ効果のあるものなので,純粋なVRHMDではちょっと使えない。やはりARでの展開が向いているといえそうだ。

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 しかし,このデバイスは出力だけではない。筋肉の動きを読み込むことができるのだ。
 筋電計はノイズが多いので光学式にしたとのことだが,腕の筋肉の動きから指先の状態を推定すれば,その状態をVRHMDで表示できるだろう。ユニット自体に傾きセンサーなどが入っているので,腕自体の位置をトラッキングしつつ,指の動きを追うことができるのだ。仮想空間に「手」を表示するためのデバイスだと思えばこちらはVRでも活用できそうだ。
 トリッキーなデバイスなので具体的な用途ということになると難しいのだが,入出力を備えた触感(?)デバイスというのはきわめて独特だ。4月からAmazonで発売開始されるとのことなので,うまい活用法が登場してくることに期待したい。

Unlimited Hand公式サイト


●GameFace
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 これは取材記事で紹介したSulon QやIDEALENZと同様に第4勢力的な位置付けのVRHMDである。大きく世界初の“Wireless”と謳っていたので,映像のワイヤレス転送を行うHMDかと思っていたのだが,All in Oneの自立型HMDのほうだった。そういう意味でもSulon QやIDEALENZと同じカテゴリの製品となる。
 少し違うのは,GameFaceは,OSVR準拠の製品であるということである。それでいながら,HTC Viveのベースステーション(Light House)を使ってヘッドトラッキング(ルームスケール?)を行うという変り種だ。ValveがOSVRに参画したというのは本当だったのだとやっと実感できた次第だ。価格は「Steam VR込みで800ドルだ」という回答だったので,そこにLight Houseなどが含まれているものと思われる。コントローラまで含まれるかどうかは不明だが。

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 OSはAndroid系で,デモで見た機材のSoCにはTegra K1が使われているが,E3ではTegra X1バージョンを公開できるだろうとのことだった。搭載メモリは4GBとモバイル製品に比べて余裕がある。レイテンシ,いわゆるMotion to Photonは30ms以下とのこと。
 ディスプレイは2560×1440ドット解像度の有機ELパネルで,75Hzで駆動されるとのこと。両眼分離の2枚式か1枚式かは聞きそびれていたが,この手の有機ELパネルはそんなに種類があるものでもないだろうから,GearVR(=Galaxy Sシリーズ)と同じ1枚パネルではないかと推測される。どっちにしてもRiftやViveよりも高解像度ではある。

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 視野角は140度とかなり広い……ものの,実際に着けてみると,視野角120度のIDEALENSとどれくらい違うかは微妙なところだった。もっと広い感じかなと期待したのだが,RiftやPSVRより一回りちょっと広い程度で,「普通に広い」といった印象だ。100度だともの足りない感じもあるが,視界の端ということもあって120度以上はあまり違いが分からないものなのかもしれない(180度近いとまた違うのかもしれないが)。
 装着間について言えば,DK2も調整が悪いとそうだったのだが,デモを試したときにはレンズの端が顔に当たって痛い(というほどではないが気になる)感じだったので,レンズ位置の調整機能が気になるところだ。
 なお,展示されていたものではどこにあるのか確認できなかったが,両眼のカメラを備えるとのことなので,ARにも対応できる。AR対応で,ケーブルレスということで,Vive用コントローラもついてくるのであれば,真にルームスケールを楽しめるのはこいつではないかという気もする(価格はそれなりだが)。発売は2017年第1四半期とのことなので,Tegra X1版の完成度を早く見てみたいものである。

Gameface公式サイト


●Nibiru VR
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 Imagination Technologiesブースに展示されていたPowerVR搭載のオールインワンVRHMDだ。
 PowerVR SGX 544とのことなので,コア数は不明だがだいたいiPhone 5世代と同じ世代のGPUコアとなる。CPUは低消費電力志向のCortex-A7(32bit)を8コア搭載するという仕様だ。
 あまり高性能そうではないなと薄々察している人もいるだろうが,装着した瞬間に「ヤバい奴だ」と分かるレイテンシで,身体の揺れなどに画面がうまくついてきていないのが感じられる。デモ機がトラブルを起こしていた可能性も高いのだが,このままならたいていのスマートフォンでGoogle Cardboardを使ったほうが快適だろう。
 200ドル以下の低価格帯を狙った製品だそうだが,そこにモバイルVR専用機の市場はあるのだろうか。

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Nibiru VR公式サイト


●Manus VR
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 Manus VRは手袋型の指の動きを取れるVRコントローラだ。
 手の甲の部分には,動きや角度などのセンサーが装着されており,手自体の位置や角度と指の動きを同時に取れるのが特徴だ。とはいうものの,会場でデモに利用していたVRHMDはHTC Viveなのだが,手にVive用コントローラを巻きつけて補助的に使用しているのがちょっと異様な光景であった。位置などについてはViveに任せたほうが正確になるのだろう。

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 ゲーム仕様のデモは,画面内のキャラクターが安全に前進できるように仕掛けをクリアしていくといった内容だ。暗いので蛍(?)を捕まえて街灯に火を点けたり,罠を押さえ込んだりと,画面内のギミックにアクセスできる。最も「手」であることを実感できるのは壊れた階段を組み立てる部分だろう。パーツを拾って所定の位置に置いていくのだが,回転して向きを合わせるような作業がきわめて直感的にできるのだ。ただし,両手で持つという動作がなかったので,持ち換える場合は「ぱっと離してさっと持つ」ことが必要だったのだが,そういった動作もかなり自然に行えた。

触手の生えたブロックを緑色の枠のところに置く
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 指の動きには「概ねついてくる」という感じで,指の微妙な動きにまで対応しているかというとまだちょっと足りていない。これはよそのグローブを見てもだいたい同様で,現世代では完全な指のモーションを取れるものはなさそうだ。
 とはいえ,大雑把な動きでもあるとないとでは大違いで,VR世界内へのインタラクトが自然に行えるようになるのは劇的な進歩だ。VRの次の一歩はこのあたりだと思われるので,大いに注目したいところだ。ちなみに,この製品の開発キットの価格は250ドルで現在公式サイトで予約受付が始まっている。

Manus VR公式サイト


●コントローラ各種
 GDC会場で意外と目に付いたのがVR用のコントローラだ。昨年まではそれなりに注目していたジャンルではあるのだが,現状では「需要があるのか?」という疑問がぬぐえない。Riftの入力デバイスが未確定だった時期であれば多少可能性はあったろうが,標準デバイスが決まってしまった以上,現状ではRiftやVive,PSVRといった主要プラットフォームではほぼ需要はないのではないだろうか。
 デバイスとしては,フォースフィードバックを強化したものなどもあるのだが,別途コントローラを購入するほどの価値があるのかというと,仮に完全な互換性があったとしても微妙だ。モバイルやその他のVRHMDでは可能性はあるものの,求められているのはもっと簡易なもののように思われるのだが。

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●Dacuda
 デバイスではないのだが,ちょっと気になった技術を紹介しよう。
 普通のスマホの単眼カメラで撮った顔画像を3Dデータにして3Dプリンタで打ち出したり,ゲームのキャラクターにすることができるという技術だ。

 撮影は画面内のガイドにだいたい顔を合わせて,ぐるっと半周させる感じでスキャンを行う。すると,自分の顔をした3Dキャラクターが画面内で動き出すといった具合だ。身体のデータなどはあらかじめ用意されているものが使われるようだ。

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 人間の顔専用に作られたアプリなので,ほかのモノのスキャンには使えないとのことだが,ここが持っている基本的なスキャン技術はいろいろ応用が利くものだそうだ。
 自分の顔のキャラクターでゲームをやりたいかどうかは別として,スキャンした顔のゲームキャラクターがゲーム内で動いているのを見るとなんとなく新鮮だ。

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Dacuda公式サイト


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5台のプロジェクタで全周に立体視映像を映し出すIgloo。偏光メガネをかけて見るタイプだ
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VR用の足踏みコントローラ
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隣の画面にホラー系のVRぽいゲームが映し出されていたので,VR関係のデバイスのようだが,詳細は謎……
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掃除機型のデバイスでなにやら謎なことをやっていた展示。カラーマッチングゲームとかいう単語も見えるが詳細は謎……
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