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印刷2016/06/13 00:00

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4K解像度の27インチから15.6インチのモバイルタイプまで,USB Type-C接続対応ディスプレイをまとめてレポート

 COMPUTEX TAIPEI 2016には,ゲーマー向け以外にも,斬新でユニークなディスプレイが数多く出展されていた。とくにユニークな製品を精力的に展示していたのは,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)とAcerの2社だ。
 本稿では,そんな両社のディスプレイ新製品から,USB Type-C接続に対応したものをまとめて紹介したい。


USB 3.1 Type-C接続の4K解像度ディスプレイが登場


 USB Type-C接続のディスプレイで注目を集めていたのは,3840×2160ドットのいわゆる4K解像度に対応する製品であった。ASUSの「Designo MX27UC」(以下,MX27UC)は,そうした1台である。発売は2016年第3四半期の予定で。価格は未定だ。


USB 3.1対応の4K解像度ディスプレイという位置づけのMX27UC
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 このMX27UCは,HDMI 2.0やDisplayPort 1.2接続による4K/60Hzの表示に対応するのに加えて,USB 3.1 Type-C接続での4K/60Hz表示にも対応するという製品である。といっても,これはUSB 2.0/3.0時代の,いわゆるUSBディスプレイとは違う。USB 3.1 Type-C接続による4K/60Hz表示時は,USB 3.1 Type-CケーブルでDisplayPortの信号を伝送する「DisplayPort Alternate Mode」を利用しているのだ。
 DisplayPort Alternate Modeに対応するUSB 3.1 Type-Cデバイスやケーブルでは,DisplayPortの映像信号と同時にUSB 3.1のデータ信号も送れるので,MX27UCの背面にあるUSBハブ機能も同時に利用が可能だ。さらに,USB 3.1 Type-Cケーブルで電力を送る「USB Power Delivery」にも対応するため,ディスプレイ側につないだデバイスがノートPCなら,ノートPCに対して給電することも可能だという。
 いわばUSB 3.1 Type-Cの利便性をフル体現したようなディスプレイというわけである。

MX27UC背面のインタフェース部。左からHDMI,DisplayPort,USB 3.1 Type-C,ハブ機能のUSB 3.0 Type-A×2,ヘッドフォン端子などが並んでいる
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最薄部は約12.5mmと薄い。スピーカーは下辺に実装されている
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 画面サイズは27インチ。IPS方式の液晶パネルを採用して,sRGBカバー率は100%と,色再現性にも配慮した製品であるとアピールされていた。
 3W+3Wのステレオスピーカーも内蔵する。大出力とはいえないが,Bang & Olufsen ICEpowerとASUSの共同開発によるサウンド技術に対応しているのが特徴であるという。

 対するAcerも,ほぼ同スペックのディスプレイ「H277HK(WITH Type-C)」(以下,H277HK)を発表している。

Acerブースにあった,27インチサイズのUSB Type-C接続対応4KディスプレイH277HK
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 27インチサイズの4K解像度で,sRGBカバー率100%のIPS方式液晶パネルを採用と,ディスプレイとしての基本はまったく同等。ノートPCをUSB 3.1 Type-Cで接続しているときには,ノートPCに対する給電が可能なのも同じだ。今後の4K液晶ディスプレイでは,こうした多彩な接続に対応する製品が増えていくのかもしれない。

背面のインタフェース部は,左からUSB 3.1 Type-C,HDMI,DisplayPort,ハブ機能のUSB 3.0 Type-A×2という構成(左)。USB 3.1 Type-Cで接続したノートPCに給電する機能をアピールしていた(右)
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2560×1440ドットディスプレイにもUSB Type-C対応モデルが登場


 USB Type-C対応製品は,4K解像度ディスプレイだけに留まらない。
 Acerは27インチサイズで解像度2560×1440ドットのUSB Type-C接続対応液晶ディスプレイを2製品発表している。

 1製品めは,IPS方式の液晶パネルを採用し,色域sRGBカバー率100%を謳う「BE270U(With Type-C)」(以下,BE270U)だ。2016年8月発売予定で,価格は未定とのこと。
 DisplayPort Alternate Modeを利用したUSB 3.1 Type-C接続が可能で,USB Power Deliveryにも対応する。

BE270U(写真右)。こちらもノートPCとUSB 3.1 Type-Cで接続して,給電できることをアピールしていた
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 Acerブースの担当者によれば,上下左右のベゼル幅が等しい狭額縁を実現しているのがデザイン面の特徴とのこと。同じディスプレイを複数台並べたマルチディスプレイ構成時の美観を強調していた。

スタンドは縦回転(ピボット)にも対応する(左)。ビデオ入力インタフェースは,HDMIとDisplayPort,USB Type-Cを装備
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 2製品めの「H277HU(WITH Type-C)」(以下,H277HU)は,BE270Uとほぼ同スペックを備えつつ,狭額縁や縦回転機能を省いた製品だ。液晶パネルはIPS方式だが,色域はとくにアピールしていないなど,BE270Uの廉価版といった位置付けにある。2016年第3四半期の発売予定で,こちらも価格は未定だ。

H277HUとWindows Phoneと接続して,PC的に使用できるContinuumの展示を披露。USB Type-C接続時,Windows Phone側は充電状態となる
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薄く軽くなった新型モバイル液晶ディスプレイも登場


2010年当時の筆者が出張先で使っていたノートPCと,22インチサイズの液晶ディスプレイ「E2250VR-SN」のセット
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 筆者は2010年頃から,出張時に20インチサイズの液晶ディスプレイを携行している(関連記事)。当時は「わざわざ,よく持っていきますね」と呆れた眼差しを向けられたものだが,いまや小型軽量の液晶ディスプレイを携行するジャーナリストは少なくない。それどころか,一般のビジネスマンにも,持ち運べる「モバイルディスプレイ」という製品ジャンルの引き合いが強くなっていると聞く。

 ASUSは,そうしたモバイルディスプレイという製品ジャンルに力を入れているメーカーだ。たとえば2016年3月には,USB Type-C接続に対応した「MB169C+」を発売している。

 そんなASUSが今回発表した新製品が,「ZenView」というディスプレイだ。2016年内発売の予定で,価格は未定。
 このZenView,画面サイズは15.6インチで,薄さはわずか8mmという極薄デザインを採用。重量は非公開となっていたが,手に持った感じではかなり軽量であった。画面サイズが同じMB169C+が重量約800gなので,それと同等以下になるだろう。

左は既存のMB169C+で,右が新しいZenView。狭額縁デザインの採用により,さらに小さく軽くなっているという
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 画面解像度は1920×1080ドットで,液晶の方式は未公表。接続はUSB Type-Cのみで,HDMIなどには対応しない。そのため接続可能なPCも,USB Type-C搭載製品に限定されるのは致し方ないところか。
 USB Type-C接続という特徴を利用し,ホストPCにディスプレイが横置きか縦置きかといった状態を伝えて,画面表示の縦横を自動で切り換えられるようになっているのも特徴だ。

付属カバーは,タブレット端末用のカバーでよくある,折り曲げるとスタンドになるギミックつき
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 タブレット端末の画面カバーのような,折れ目の付いたカバーが製品ボックスに同梱されており,折り曲げて横置きや縦置きのどちらにも対応するスタンドとして使えるという,変わった特徴も備えている。
 さらに,本体右下にある孔にペンや鉛筆を差し込むことで,簡易スタンド代わりにするという特許出願中の機能もあるそうだ。アイデアとしてはかなり面白い。

折り曲げ方を変えると(左),縦置き用スタンドにもなる(右)
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右下の孔に裏から鉛筆を差し込むと……(左),簡易スタンドになるのだ(右)
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ASUSのCOMPUTEX TAIPEI 2016特設ページ(英語)

Acer 日本語公式Webサイト

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