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中国から世界へ。クトゥルフや楼蘭,武侠……世界が注目する「China Hero Project」第3期は,新たに3作を発表[CJ2024]
「China Hero Project」は,中国の優秀な開発チームを支援し,ハイクオリティなタイトルにグローバルレベルでスポットライトを当てるという目的で動いている,SIEのプロジェクトだ。第3期は全10タイトルが予定されており,昨年5月に「Exiledge」「Awaken - Astral Blade」「Will-less」,7月に「逆神者(The God Slayer)」「从風行(The Winds Rising)」「达巴:水痕之地(Dhaba: Land of Watermarks)」を披露したが,今回「絶暁(Unending Dawn)」「楼蘭 Kroraina(Lou Lan)」「代号:錦衣衛(Brocade-Clad Guard)」の3タイトルを加えて,9タイトルが発表済となった。残りのシートはあと1つだ。
[CJ2023]サイバーパンクなローグライクアクションや「SINNER」開発元の新作死にゲーなど,「China Hero Project」第3期タイトルを紹介
中国国内のデベロッパに対してSIEがサポートを行うゲーム開発振興プログラム「China Hero Project」。ChinaJoy 2023の開催に合わせて行われたSIE上海のイベントで,第3期タイトルのデモに触れる機会を得たので,それぞれ紹介していこう。
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- 編集部:御月亜希
- OTHERS:达巴:水痕之地(Daba: Land of Water Scar)
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ゲームはエンターテインメントに限らず,文化伝播の媒介としての役割もあるわけで,「China Hero Project」による中国ゲーム産業発展への貢献を感謝しつつ,期待を述べた。
※2023年上海のGDPを調べてみると,47218.66億元(約99.7兆円)。確かに3%ほどだ
では,今回の新作3タイトルを紹介しよう。
絶暁
Unending Dawn
PARCEA'S FATE STUDIO
NetEaseやTencent,ByteDanceなどの大手で3D RPGの開発経験を積み,このたび独立して新しい挑戦をするのが,PARCEA'S FATE STUDIOだ。彼ら今回,クトゥルフテーマのマルチプレイヤーオープンワールドアクションRPG「Unending Dawn」のインゲーム動画を披露した。
プレイヤーはごく普通の人間で,古くからの伝説の真実を探る旅へと赴く。アニメ調のビジュアルで,華麗なアクションを楽しめるようだ。
楼蘭 Kroraina
Lou Lan
ChillyRoom
今回の発表会で初披露された「楼蘭 Kroraina」は,深センのインディーデベロッパChillyRoomが贈る,シングルアドベンチャーゲームだ。
本作のプロデューサーは,かつてSIEで「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」を手掛けた経歴を持つ。楼蘭遺跡があるウイグルで数年過ごしていたこともあり,西域歴史やシルクロードへの興味が,このゲーム開発のきっかけになっているとのことだ。
まだプレイアブルのレベルには至っていないが,黄砂に埋もれた失われた国の,神秘的なベールの下にどんなファンタジーが描かれるのか,気になるところだ。
代号:錦衣衛
Brocade-Clad Guard
CANGMO Game Development
成都のCANGMO Game Developmentは,「代号:錦衣衛(Brocade-Clad Guard)」の新しいゲームプレイ動画を公開した。
武侠テーマのアクションRPGなのだが,動画から見る限り,そこはかとない“ソウルライク”ぽさを感じる。中国メーカーがよく作る武侠テーマの作品だが,実際どうやって飛んでいるのか,武功は身につくのか,どう対戦するのかを詳細に表現していくのが開発チームにとっての挑戦であり,プレイヤーにそれらをよりよく見せたいところだ。
発表会の最後に行われたメディアQ&AでSIE上海が語ったところによると,第3期「China Hero Project」は,100タイトル以上の申し込みからわずか10タイトルを選んでいるため,選抜がとても大変だったが,優秀な中国の開発チームとゲームをたくさん見られたとのこと。
「China Hero Project」に選ばれたタイトルは,PlayStation Studioのファーストパーティという支援に限らず,Naughty Dogなど優秀な開発スタジオからの経験を共有し,伸びしろのある中国開発者の背中を押すだけでなく,技術的な問題解決に向かって力を貸すという。
世界のコンソールゲームの歴史は30年前後あるが※,中国でコンソールゲーム機が普及してきたのはここ10年ぐらいのこと。
しかし,技術面やストーリーテリングにおいて,中国の開発者が世界に追いつく速度はとても速く,既に世界の先端に達しているだろう。HoYoverseはもちろん,近日発売の「Black Myth:Wukong」などは海外から注目を浴びていて,中国文化に基づくストーリーも,海外プレイヤーにとってかつて見たことのない新しさで興味深いものになるだろう,と中国ゲーム業界の今後の発展に対しての期待も述べられた。
※30年前後と語られたが,日本の皆さんならご存じのとおり任天堂の「ファミコン」(1983年)を入れるだけでも,実際には40年ほどある
本日(7月26日)よりスタートするChinaJoyでは,「絶暁(Unending Dawn)」「代号:錦衣衛(Brocade-Clad Guard)」の2タイトルを含め,以前発表した「China Hero Project 第3期タイトル」も,PlayStationブースでプレイアブル出展する予定だ。例年通り長蛇の列になることだろう。
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