業界動向
「モンスト」のアクティブユーザー数は昨年以上に。ミクシィの2020年3月期 第2四半期決算説明会をレポート
同社の2020年3月期 第2四半期における財務状況は,売上高が260億円,営業利益が23億円,親会社株主に帰属する当期純利益が10億円となった。これは前年同期比で,売上高が28.6%減少,営業利益が75.3%減少,親会社株主に帰属する当期純利益が81.2%減少したことになる。
エンターテインメント事業の売上高は,前年同期比で約100億円の減収となる251億円。これは主にスマホゲーム「モンスターストライク」のARPU(1ユーザーあたりの平均収益)の低下が原因とされている。
続いて事業活動の状況について。まずエンターテインメント事業では,これまでも課題とされてきた「モンスターストライク」のリバイブ施策と,「スポーツ領域の事業成長」を図ってきたことが説明された。
「モンスターストライク」では現在,短期的な業績リバイブ(回復施策)と,中長期的なブランド構築戦略を並行して展開している。そのうち短期の施策では,MAU(月あたりのアクティブユーザー数)の改善と定着化,続いてユーザーの消費意欲をかき立てることによるARPUの改善を狙っている。
そして2020年3月期 第2四半期には,ゲーム内通貨の配布や人気キャラクターを排出するガチャ施策を断続的に行ったことで,主に休眠ユーザーの呼び戻しに成功し,MAUを前年度以上に押し上げたとのこと。
2020年3月期 下期では,ARPUの向上を目指す。年末年始の商戦期にあたる第3四半期については,新規商材やゲーム内施策の開発を進めると同時に,第2四半期で獲得したアクティブユーザーをより長く継続させるための「定着施策」を推進していくという。
スポーツ領域の事業成長では,引き続きプロスポーツチームの経営と公営競技に注力する。とくに前者に関しては,子会社化したBリーグのバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」に対し,ミクシィグループのリソースを投下して成長の加速を促すとのこと。
それと並行し,M&Aを活用してミクシィグループと高いシナジーを見込める企業を招き入れ,さらなる拡大も目指すという。
公営競技に関しては,競輪およびオートレースの車券販売サービス「チャリ・ロト」が,ミクシィグループへの加入後も右肩上がりに業績を拡大した。今後も同グループが培ってきたノウハウを注入することで,競輪場に足を運ぶ顧客の数を増やすなどの事業成長を狙う。それと同時に,各自治体への地方創生への貢献も考えているそうだ。
そのほかのエンターテインメント事業については,セガゲームスから移管された「共闘ことばRPG コトダマン」の運営サービスや,「モンスターストライク」のIPを活用したスマホゲーム「モンストドリームカンパニー」をリリースしたことが報告された。
ライフスタイル事業では,家族アルバム「みてね」の派生サービスとして,オンライン年賀状サービス「みてね年賀状」をリリースしたことが報告された。売上の先行指標となる試し刷りの依頼件数は非常に多く,「みてね」のユーザーアセットを活用したマネタイズ手段としては,現状でも手応えを感じているとのこと。
なお,ウェルネス領域の新サービスとして2019年1月にスタートした,グループ会社であるスマートヘルスの女性専用コンディショニングスタジオ「ココサイズ」については,同年11月末をもってクローズするとあらためて述べられた。
説明会の最後に木村氏は,「モンスターストライク」のMAU改善などによる業績回復の傾向はすでに見えているとし,「今後は高いMAUを維持しつつ,ユーザーの消費意欲をかき立てて“V字回復”を狙う」と,あらためて今後の意気込みを述べていた。
2020年3月期 第2四半期 決算説明会動画
「ミクシィ」IRサイト
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