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Lenovoが見ているのは「すべてのゲーマー」。アマチュアを対象としたeスポーツ国際大会「LoC IV 2019」を開催する意義をキーマンに聞いた
「Legion of Champions Series IV」公式サイト
LoCとは,LenovoがIntelと提携して開催するアマチュア向けのeスポーツ大会で,2017年の初回から数えて今回で4回目を迎える。日本ではあまりなじみがない大会かもしれないが,オーストラリアとニュージーランドを含むアジア太平洋の12地域で予選が行われ,アマチュア大会としてはかなりの規模を誇る。2019年のLoC IIIからは,日本チームの招致も始まっている。
今回の競技タイトルは「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」で,優勝チームには4万ドルとゲーマー向けノートPC「Legion Y540」4台が贈られる。さらに,今回新たな試みとして女性のアマチュアゲーマー大会「Legion of Valkyries」(LoV)の決勝大会も行われている。
LoC IVの開催に合わせて「Legion Academy」と呼ばれるメディアとプレイヤーに向けのセッションも行われた。これはLenovoが展開するゲーマー向け製品ブランド「Legion」ついて解説するもので,同ブランドのコンセプトが語られた。
本稿では,その中からLenovoのIan Tan氏(Head of Asia Pacific Gaming Team)と,Clifford Chong氏(Category Manager Gaming/Consumer Business,PCs and Smart Devices)によるLegion製品についての解説と,ミニインタビューをお届けしよう。
セッションでTan氏は「現在のゲーマーの平均年齢はいくつでしょう?」という質問を投げかけた。今回のLoC IVに参加する選手達は若い人が多いためか,会場では低めの年齢を予想する人が多かったが,Tan氏が明かした平均年齢は予想に反して38歳。ゲームというのは若者だけでなく,予想以上に幅広い年齢の人達が楽しむものなのだとTan氏は述べた。
Ian Tan氏 |
Clifford Chong氏 |
Legionは,そうした年齢だけでなく職業,性別を問わないすべてのゲーマーに向けて製品を開発しており,それは,スタイリッシュだが派手過ぎない,学校や職場などで日常的にも利用できるデザインに表れているという。
なお,Chong氏によれば,Legion製品のデザインは3つの地域の700人以上のさまざまなゲーマーや,ゲーマー以外のコミュニティの意見を取り入れているという。
また,あらゆるゲーマーのニーズに応えられるような機能も備えられている。[Fn]k+[Q]のショートカットキーによって,冷却ファンの機能を3つのタイプに切り替えられるほか,ソフトウェア「Lenovo Vantage」を利用すれば,PCのパフォーマンスをモニターできるほか,ユーザーの利用状況に応じてパフォーマンスを変える,Hybrid Modeと呼ばれる機能も利用できる。
ゲーマー向けPCといえば,コアゲーマーをターゲットにするイメージが強いが,Legionは仕事や勉学をしながらゲームを楽しむ,幅広い層に向けられた製品だ。
LoCがプロゲーマーではなく,アマチュア向けの大会であることや,今回LoVを開催したことは,そうしたLegionのコンセプトをアピールするため,ということもあるのかもしれない。
以上のセッション内容を踏まえてTan氏とChong氏へのミニインタビューをお届けしよう。LenovoがLoCを開催する意図について,短いながら話を聞いている。
4Gamer:
本日はよろしくおねがいします。LoCはアマチュアを対象とした大会ですが,なぜプロではなく,アマチュアに絞っているのでしょうか。
Ian Tan氏(以下,Tan氏):
現在開催されている多くのeスポーツ大会はトッププロのみを対象にしたものが多いですが,現状,若い人達がプロになるまでのパスが用意されているとは言えません。
そこで私達は,ゲーマーへのキャリアを形成するための大会が必要だと考えたんです。アマチュア・セミプロの大会なら幅広い人が「自分達も参加できるんじゃないか」と思って参加してくれます。LoCは予選を含めると1000ものチームが参加している大会で,多くの人にチャンスを与えられていると手ごたえを感じています。
4Gamer:
LevonoのLegion製品はコア層のみではなく,幅広いゲーマーに向けて作られているようですが,そういったコンセプトにもマッチしているからこそのアマチュア大会なのでしょうか。
Tan氏:
はい。Legionの製品はスタイリッシュながらも派手過ぎない見た目をしており,オフィスや学校,カフェなどで使用しても違和感はありません。ゲーマー向けPCとしては,使い始めることのハードルが低い製品です。
4Gamer:
なるほど。
Tan氏:
例えば,いきなりK-POPスターになる方法なんて普通の人には分からないでしょう(笑)。まずは競い合うことを体験してもらえば,そこからいろいろなことが生まれてくるのではないでしょうか。皆さんに楽しんでもらい,終わったら普通の生活に戻っていく……そういったスタイルで参加してほしいですね。
4Gamer:
これは日本国内でも議論されていますが,プロとアマチュアの線引きはどこだと考えていますか。
Tan氏:
あくまで私自身の考えですが,トッププロの大会に出場していることと,ほかに生活するための仕事を持たず,eスポーツ1本で食べている人がプロだと思います。あとは,チームに所属していてコーチから指導を受けたり,スケジュール管理をされていることも要素として挙げられます。こうなると,プロスポーツ選手とほぼ同じになりますよね。
4Gamer:
LoCではプロへのパスとしてどういった役割を担えますか。
Tan氏:
LoCで取り上げられることで世間に名前が知られ,そこからプロへのきっかけを作ってもらえるでしょう。言うなればプロへ向けての“トレーニングラウンド”というところでしょうか。
とはいえeスポーツ1本ではトップになれない人もいるでしょう。そういう人は別のキャリアに進むことになりますが,eスポーツを通じてマネジメントなどの能力が伸ばせるはずなので,無駄にはならないのではないかと。私自身も,以前はジャーナリストでしたし。
4Gamer:
今年頭のLoC IIIから日本チームの招致が始まりましたが,日本まで予選地域を拡大した理由を教えてください。
Clifford Chong氏:
最近,ゲーマー向けPCのニーズが日本でも高まってきたと感じているからです。Lenovoもこの1年でゲーマー向けPCのシェアを伸ばしていて,ゲーマーコミュニティと接する機会も持つようになりました。時期としてちょうど良いタイミングだと思い,今年から予選地域を日本まで拡大したのです。
日本ではコンシューマゲームが強いことはもちろん知っていますが,ゲーマー向けPCも求められてきていますし,私達にとってチャンスだと考えています。
4Gamer:
最後にLenovoがこれからeスポーツシーンやアマチュアのコミュニティとどうかかわっていくのか,今後の展望をお聞かせください。
Tan氏:
競技レベルのeスポーツ大会というのは現在,「参加したい」と思っても心理的ハードルが高いと思います。我々がやっていきたいのはハードルを下げていくことです。「参加したけど予選落ちだった」となればがっかりしてしまいますが,そうではなく,「いい線いったな」とポジティブな気持ちになってもらえる仕掛けづくりにこれから取り組んでいきたいですね。
また,LoCのようなアジア太平洋12地域の選手が一堂に会する機会は,そう簡単にはないので,ぜひこれからもやっていきたいと思います。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
「Legion of Champions Series IV」公式サイト
- 関連タイトル:
PUBG: BATTLEGROUNDS
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