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[JAEPO2020]愛情を診断してネットが動く卓球と,うんち迎撃シューティング。フリーダムなバンダイナムコテクニカブースをレポート
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印刷2020/02/09 22:19

プレイレポート

[JAEPO2020]愛情を診断してネットが動く卓球と,うんち迎撃シューティング。フリーダムなバンダイナムコテクニカブースをレポート

 2020年2月7日〜2月8日,千葉の幕張メッセで開催されたイベント「JAEPO2020」のバンダイナムコテクニカブースには,プレイヤー同士の愛情を測定してネットが動くハチャメチャ卓球台「ラブキュンピンポン」と,トイレットペーパーを投げてうんちの大群を迎撃する「うんちっち」という,ユニークなゲーム機が出展されていた。

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「バンダイナムコテクニカ」公式サイト



ラブパワーで勝負が決まる卓球!
爆笑必至の「ラブキュンピンポン」


 「ラブキュンピンポン」は,ピンクや白,青で塗られたポップな卓球台とディスプレイ付きのターミナルで構成されており,最大2人対2人のダブルスでの試合が楽しめる。とはいえ,この卓球台には,いろいろなエレメカ的機能が内蔵されており,爆笑必至のハチャメチャ卓球が楽しめるのだ。公式名は「愛情診断バラエティ卓球」だ。愛情診断バラエティ卓球はほとんどの読者が遊んだことがない競技だと思うが,ゲームの進行についてはターミナルのディスプレイが指示してくれるので安心だ。

「ラブキュンピンポン」本体。手前が卓球台で奥がゲームの進行を指示してくれるターミナル
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 この新たな卓球で勝利の鍵を握るのは「ラブパワー」で,卓球の腕前に加えてラブパワーが強いほど試合が有利になるのだ。ラブパワーとは,それぞれのコートにある愛情測定装置「ハートセンサー」に触ることで溜まる謎の力だ。
 試合の合間にラブパワーを測定するための時間があり,卓球をストップしてハートセンサーにタッチする。このとき,こすったり,上から押したり,ペア同士で手を握り合っていろいろなポーズをとったりすると,ラブパワーがより溜まるという。卓球台は両ペアのラブパワーを比較し,強い側にネット(本機では網ではなく,透明なプラスチック板の間仕切りが使われている)が引き寄せられ,自陣の広さが変わる
 卓球のネットは,台の真ん中で敵味方のコートを区切るもので,プレイヤーの公平性を保証する根幹の要素だが,ラブキュンピンポンでは,お互いのラブパワーの強弱に応じて右へ左へネットが動いてしまうのだ。

卓球台にある銀色のハートが,愛情測定装置ことハートセンサー(左)。プレイヤーが触るとラブパワーが溜まる(右)
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ルール概要。卓球の腕だけでなくラブパワーが重要になる
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 当たり前だが,ネットが動くとコートの広さが変わり,守るべきエリアが広くなったり,狭くなったりする。こちらのラブパワーが強いと,ネットがこちらに寄ってくるので守るべきエリアは少なくて済み,相手は狭いエリアを狙わなければならないため,圧倒的に有利になる。
 逆に,こちらのラブパワーが弱いとネットが遠ざかり,守るべきエリアは広くなるし,相手はかなりアバウトに打ち返してもたいてい入ってしまう。普通の卓球ではあり得ない事態だが,これは「愛情診断バラエティ卓球」なので問題はない。

筆者とブーススタッフのペアはラブパワー勝負で惨敗したため。ネットが一気に相手のほうへ引き寄せられ,守るべき面積が広くなった。でも,これはこれで楽しい(左)。コートが狭くなるとこんな感じで,かなり守りやすい(右)
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ネットが中央にある状態。上の写真と比べてほしい
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 上記のとおり,試合ではラブパワーを溜める時間がちょいちょい挟まれており,卓球の腕やスコアで負けていても巻き返しが狙える。また,試合が進むと「1回ミスするたび,敵に2点が入る」という逆転性の高いモードが発動したり,ネットがランダムにフラフラと動いたり,普通の卓球台ではありえない出来事が次々に起こる。
 挙げ句は,卓球しながらラブパワーを溜めることが許可されるようになり,ペアの片方に卓球を任せて自分はひたすらに愛情測定装置をこすり続けたり,片手でラブパワーを溜めつつ,もう片方の手で卓球するなどという戦術がとれるようになる。通常の卓球では台に手をついて打つと反則になるが,しつこいようだがこれは「愛情診断バラエティ卓球」なので,まったく問題はない。

両ペア4人がラブパワーを溜めている様子。とても卓球をやっているとは思えない(左)。ネットはかなり大きく動く(右)
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 こうしたハイテク機器でありながら,ポイントが入ったかどうかが自己申告制になっている点が笑いを誘う。ポイントを入れた側は,自分で台の側面にある「得点ボタン」を押すという紳士的なシステムになっており,スポーツっぽさがある。

得点を入れた側が自己申告する「得点ボタン」。とはいえ,集計はターミナルがやってくれるので,プレイヤーの負担はほとんどない
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 どちらかが11点を取ると卓球は終わるが,続いて両ペアが試合中に溜めたラブパワーの総量が比較される。そのため「卓球で負けたがラブパワーでは勝った」ということも起きる。そして最後に,両ペアに「キュンラブハンター」「ラブレシーバー」「ラブキュン見習い」「スィートラヴァー」といった,謎の称号が与えられてゲームは終了となる。

 筆者はブーススタッフと即席ペアを組んで試合をしたのだが,プレイ中には笑いが絶えず,終始なごやかな雰囲気だった。ラブパワーのおかげで試合状況に流動的な変化が起こるのが面白く,例えばラブパワーで負けて広くなってしまったエリアを懸命に守るのは,卓球の腕前を試されている感があって楽しいし,ラブパワーで勝っているときには,相手ペアが広いエリアを前に右往左往している姿が愉快だ。評価項目が卓球のポイントとラブパワーの2つに分かれているため,卓球ではあまり起きない引き分けが起きやすいのもポイントだろう。

卓球が終わると,ラブパワーの総量が判定される
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 カップルはもちろん,友達同士で遊んでも盛り上がりそうな「ラブキュンピンポン」。現時点で稼働時期は未定だが,今後の展開に注目したい。会場では,本作のプロデューサーであるバンダイナムコテクニカの笹島幸志氏に短い時間だが話を聞くことができた。

「ラブキュンピンポン」のプロデューサー,バンダイナムコテクニカの笹島幸志氏
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4Gamer
 よろしくお願いします。かなりユニークな作品ですが,制作するきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

笹島幸志氏(以下,笹島氏):
 東京オリンピックのある2020年は,日本が強い卓球が注目を集めるのではないか,そして卓球は誰でも遊べるスポーツなので,これをテーマとしたゲームを作ったら面白いのではないかと考えたのがきっかけです。

4Gamer
 ネットが動くのが面白いですね。競技としては公平な条件が与えられるべきなのに,ラブパワーで有利不利ができる,だけど楽しい。目からうろこが落ちたような気分です。

笹島氏:
 「勝った」と「負けた」の差を少なくしたかったのが,発想のきっかけですね。お客さんに楽しんでもらうために,勝った負けたを決めるわけですが,「勝てば楽しく,負けると楽しくない」というものではなく,「負けても楽しい」でないと。そこで,ラブパワーでネットを動かすことにより,お互いの力の差を少なくしたのが「ラブキュンピンポン」なんです。

4Gamer
 卓球の勝負とラブパワー勝負が別になっているのも興味深いポイントでした。

笹島氏:
 「卓球で負けたけどラブパワーで勝った」という状況ができるんです。ゲームの最後ではラブパワーに応じた称号をもらえますが,相性診断の結果を出しているようで出していない,曖昧な表現になっているのもポイントです。このゲームは,全体的にハッキリ白黒つくような勝ち負けが出るものではないんですよ。勝った,負けたを楽しんでもらったうえで,結果をその場で忘れて,「楽しかったね」で終われることが大事なんです。

4Gamer
 なるほど。ネットが動いたり,ハートセンサーを触りまくるといったユーモラスな要素でハードルが下がり,ネットが動く基準もラブパワーという謎の力なので,負けても感情的なしこりを残さないということなんですね。今後はどのような展開を予定されているんでしょうか?

笹島氏:
 遊びそのもののパッケージはできあがっているので,あとは卓球のラケットやボールの管理をどうするかといった運営的な部分について,どうやってアプローチするかという課題があります。ゲームセンターに置くという意味では,スペースをいかに効率よく使うかという問題もありますが,これには,卓球台の長辺を公式ルールより1割ほど短くすることで対応しています。卓球がゲームとして成立するためのギリギリのラインを追及した結果です。横幅を縮めてしまうと極端に難しくなるので,公式ルールのままです。

4Gamer
 厳密な卓球でないからこそ,いろいろな工夫ができるわけですね。製品化を期待しています。

笹島氏:
 変態卓球とか,××××卓球とか書いてもらって大丈夫ですよ。プロデューサーに話を聞いたら,意外とまともなことを考えてた,みたいなまとめにしてください(笑)。

4Gamer
 分かりました。お忙しいところ,ありがとうございました。

 個人的に,現代の対戦ゲームでは,運の要素を強めたりチーム対戦にしたりして,負けたときの悔しさをやわらげ,気持ちを切り替えやすくしたタイトルが流行しているように思う。この「ラブキュンピンポン」は,一見するとハチャメチャなようだが,こうした気持ちの部分も十分に考慮したうえで細かく作られており,ビデオゲームやエレメカを長く手がけてきたバンダイナムコらしい作品だと感じられた。


トイレットペーパーでうんちを倒す「うんちっち」


 バンダイナムコテクニカブースで異彩を放っていたのが,参考出品されていた「うんちっち」だ。隊列を組んで攻めてくるうんちを迎撃するという児童向けのシューティングゲームで,ゲーム画面はタッチパネルになっており,スワイプすることでトイレットペーパーのロールをうんちに当てていく。
 「スペースインベーダー」を思わせるところがあるが,うんちは攻撃してこないし,画面最下段に到達しても何も起こらない。制限時間が尽きるまで遊ぶことができるのは児童向けゲームらしいところだ。

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 ときおり出現する「ジグゾーパズルのかけら」にロールを当てて回収し,一定個数を集めるとボスであるメカっぽいうんちが出現する。弱点の口を攻撃して倒すと,制限時間が加算されてより長く遊べるというシステムだ。
 ロールはトイレットペーパーが伸びきるまで飛んでいき,そのあとは手元に戻ってくるというヨーヨーのような挙動をする。ロールをうんちの列の上に投げ込むと,そのままブロック崩しのボールのようにロールが跳ね回って連続撃破できる。コンボカウンターが伸びて得点もアップするし,気持ちいいしで,いいことづくめだ。
 大きな画面で指を滑らせる楽しさと,どんどん攻めてくるうんちを倒す爽快さで,思わず何度もプレイしてしまった。うんちを題材とした見た目のインパクトだけで終わっておらず,ゲームとして面白くする作り込みがなされているように感じられた。

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「水でっぽう大冒険」(左)「サブマリンレスキュー」(右)は,シューターからの水流を画面に当ててターゲットを撃つ,水鉄砲ガンシューとでもいうべきゲーム。写真の小型筐体は,2020年7月から稼働予定
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参考出品されていた「minion’s soccer」。「怪盗グルー」シリーズのミニオンが守るゴールに,ボールを蹴り込む
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ミニオンは左右に動き,ボールを防ぐ(左)。ボールは筐体の外に出ない仕掛けになっている(右)
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「JAEPO2020」公式サイト

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