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ソニーの子供向けトークイベント「ゲームってどんな人がつくっているの?PlayStationの人に聞いてみよう!」視聴レポート
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印刷2022/09/06 10:46

イベント

ソニーの子供向けトークイベント「ゲームってどんな人がつくっているの?PlayStationの人に聞いてみよう!」視聴レポート

 ソニーは,子ども向けのオンライントークイベント「ゲームってどんな人がつくっているの?PlayStationの人に聞いてみよう!」を,2022年8月27日に開催した。

 同社は,社会貢献活動の一環として,子供向けの教育プログラム「CurioStep with Sony」を行っており,今年の「CurioStep サマーチャレンジ2022」では,ワークショップやトークイベント,コンテストなどを提供している。
 今回のトークイベントもそのひとつで,PlayStationのハードウェアやゲーム開発,マーケティングに関わるソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下,SIE)の社員が登壇し,子供たちに向けて,ゲームをつくる仕事についてわかりやすく解説した。

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「CurioStep サマーチャレンジ2022」のオンライントークイベント「ゲームってどんな人がつくっているの? PlayStationの人に聞いてみよう!」


ゲームに関わる仕事の1番人気はゲームクリエイター


 まず始めに,SIEの法務・渉外部 渉外課に所属する齊藤美咲氏が登壇し,「ゲームを作る会社では,実際どんな仕事があり,どんな役割があるのか」という質問に答えた。
 主な仕事は,「ゲーム機に関わる仕事(ゲーム機の開発)」と「ゲームソフトに関わる仕事(ゲームソフトの開発)」,「会社・商品の管理」の3種類で,会社・商品の管理については,“目立ちにくいけれど,縁の下の力持ち”であることを説明していた。

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司会進行を務めたアナウンサーの円城寺佳子氏と,SIEの様々な仕事とその役割を紹介した,法務・渉外部 渉外課の齊藤美咲氏
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 今回のトークイベントは,匿名チャットツール「Slido」を使用し,アンケートやクイズへの参加,自由な質問発言をリアルタイムで行うという試みがなされていた。

 齊藤氏が3つの仕事を紹介した後には,参加した子供たちに向けて「興味をもった仕事」というアンケートを実施。ここでは,1分間で100以上の回答が寄せられた。
 「ゲームソフトに関わる仕事」は63%と断トツに人気で,2位の「ゲーム機に関わる仕事」は25%,3位の「会社・商品の管理」は15%であった。

参加した子供たちからは,アンケートの回答のほか,質問や感想が続々と投稿された。「Slido」は,匿名やニックネームで自由に投稿することができ,参加者はお互いの投稿に「いいね」をつけることもできる
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PlayStation 5の設計者がハードのこだわりを語る


 続いて,紹介された3つの仕事に関わる人として,PlayStation 5の設計を手掛けた土田真也氏と,ゲーム「ASTRO's PLAYROOM」の開発に携わったニコラ・ドゥセ氏,マーケティング担当の寺本亜紀子氏の3名が登壇した。
 なお,PlayStation 5をデザインしたシニアアートディレクター・プロダクトデザイナーの森澤有人氏も登壇予定だったが,残念ながら体調不良のため当日は不参加だった。

 まずは土田氏が,「ゲーム機に関わる仕事」の“ゲーム機を設計する人”として,「ASTRO's PLAYROOM」をプレイしながら,PlayStation 5の設計のこだわりについて語った。

PlayStation 5のハードウェアの設計を担当した土田真也氏
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 「部品の形を考えたり,材料を決めたり,それがどうやって組み合わさっているのか,どういう仕組みでゲームができるのかといったことを考えて決める」と,設計者としての自分の仕事を説明した土田氏は,「PlayStation 5は,カッコいいだけではなく,機能としても優れている」ことを目指してきたという。
 また,冷却性に優れた特徴がある本体のデザインや,コントローラへのこだわりを紹介し,デザインを手がけた森澤氏から,「技術があるからデザインが生きる」と言われたことが嬉しかったとも話していた。

 ちなみに,コントローラの持ち手にちりばめられた小さな「イースターエッグ」(PlayStationでおなじみの△〇✕□マーク)は,本体のどこかにも隠されているそうだ。PlayStation 5を持っている人は,ぜひ探してみよう。

PlayStation 5の部品も特別に紹介された。「ASTRO's PLAYROOM」は,キャラクターのASTROを操作して,PlayStation 5の内部を探検しつつ,「DualSense ワイヤレスコントローラー」ならではの操作感を楽しむことができる
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PlayStation 5の部品を当てるクイズも実施。土田氏は答えを解説する際に,ヒートシンクなどを紹介しつつ,「内部も考えに考え抜いており,それぞれの細かい形にもすべて意味がある」と話す
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ゲームクリエイターは技術を魔法にかえるマジシャン


 続いて,「ゲームソフトに関わる仕事」の“ゲームソフトを作る人”として,PlayStation Studiosの東京での開発チーム・Team ASOBIに所属するニコラ・ドゥセ氏が登壇した。
 氏は,フランスで生まれ育ったが,ゲーム好きが高じて英語を勉強し,それがきっかけでゲーム会社に就職することになったという。

Team ASOBIのスタジオディレクター/クリエイティブディレクターを務めるニコラ・ドゥセ氏
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 ドゥセ氏は,PlayStation 5にプリインストールされているゲーム「ASTRO’s PLAYROOM」の開発を例に,ゲームソフトができあがるまでの過程や,ゲームを作るうえでの大切なこだわりについて語った。

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 ゲームの開発は,まずアイデアからスタートし,遊び方を考え,プログラマーに説明するための絵コンテを用意する必要があるとのこと。そして,数多くのデモ版を作り,様々な調整しながら完成に向かっていくという。
 「ゲームは,自分のためだけでなく,お客さんのためのもの。そのお客さんには,小さい子供から大人までいることを考えて,ゲームを作っている」と話すドゥセ氏。さらに,「ソニーは,エンジニアが特別な素晴らしい技術を作ってくれていて,ゲームクリエイターはその技術を魔法にする,マジシャン」とも語っていた。


色々な人にゲームを知ってほしい


 そして,3つめの「会社・商品の管理」を行う人として,マーケティング担当の寺本亜紀子氏が,宣伝やマーケティングで行っている実際の仕事内容を紹介した。

ゲームを「みんなに紹介する人」として,SIEでの宣伝の仕事について語る寺本亜紀子氏
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 寺本氏は,「多くの人にゲームを知ってもらうための大事なポイント」として,
  • 「誰に遊んでもらうかをいつも考える」
  • 「このゲームを好きなひとは普段はどんな生活をしているのか,どんな情報を見ているのか調べる」
  • 「言葉や映像など,どのような手段で伝えるかを考える」
という3点を挙げた。

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 2020年11月に行ったPlayStation 5の発売イベントに対しては,「ほぼ世界同時に発売できたため,世界中の宣伝チームと協力しあい,各地域のビルなどにPlayStationのシンボルを投影した。」と話し,さらに「心にも残り,映像にも残り,さらに皆さんの気持ちにも残ってくれたらうれしい」と続ける。
 なお国内では,秋葉原にある神田明神でカウントダウンイベントが行われた。


子供たちからゲームづくりに関する質問が殺到


 イベントの最後には,子供たちから寄せられた多くの質問の中からいくつかを抜粋し,登壇した3名が回答していたので,その一部を紹介する。

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 「どんな勉強をしたらゲームのお仕事ができるようになりますか?」との質問。「プログラマーになりたい」など,同様の質問も多く,ゲーム開発者になるために必要な勉強については,参加者の多くが関心をもっていたようだ。

 土田氏は,「仕事に直結する勉強だけでなく,幅広い視点で物事を考えることが大事」と回答する。また寺本氏からは,「ゲームを作るときに,それまでの自分の知識が必ず生きてくる。ぜひ,自分の興味もったことを知ってみてほしい」とアドバイスが贈られた。

ドゥセ氏は,「周りの人と相談してみる。自分が答えを持っていなくても,仲間と一緒に考えると,素晴らしい答えが出てくることがあるかも」と話していた
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 「コントローラは失敗せず,作り上げたのですか?」という質問に,土田氏は「失敗しないで作ることができたらいいけれど,そんなことは絶対にない」と率直に答えた。
 そのうえで,「とにかく何か作ってみること,そして良くないところを考えることが一番大事。何度も失敗したほうが,製品としてはいいものになる」と説明する。

ゲームで負けて悔しいときは,「1回やめて休憩するのが一番いい方法」とドゥセ氏は回答する。土田氏は,「オンラインで負けると悔しい」と経験談を話しつつ,「ゲームのいいところは,次があること」とアドバイスする
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 「子どもの頃に夢中になっていたこと」については,3人ともゲームを挙げていた。参加者に対しても,夢中になっていることを聞いていたが,はやり最も多かったのは「ゲーム」だ。「プログラミング」のほか,「Minecraft」「フォートナイト」といったタイトル名も上がり,子供たちのゲームへの高い興味を表す結果となった。

「Slido」で質問を募ると,回答で多かった意見は大きな文字となって表示される。もっとも大きい文字は「ゲーム」だった
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 子供の頃からゲームを楽しみ,ついには仕事にまでしてしまったというエピソードをもつ3人だが,必ずしも子供の頃からゲームに関わる仕事を目指していたわけではない。
 ドゥセ氏は,「自分が将来どんな道を行くか,今は分からないかもしれないけれど,情熱をもち,自分の夢をずっと信じていたら,きっとうまくいきます」と,参加者に向けて語った。
 寺本氏は,「将来ゲームの会社で働く場合でも,趣味としてでも,ゲームを好きな気持ちを持ち続けてほしい」と話す。
 そして土田氏の,「何かに興味をもったら,そのことについて調べたり人に聞いたりすると,別な発見があるかもしれない。興味のあることが増えていくと,好きなことが増えて,楽しい毎日が待っている」という言葉で締めくくられた。

 なお,今回のトークイベントを通じて,改めてゲームを作る仕事に携わる仕事を目指したいと考えた子供たちも多かったようだ。
 参加者からは,「ゲーム開発の行程を知ることができてうれしい」「楽しそう,やってみたい!」「将来ゲームを作りたい」といった,さまざまな感想な意見が「Slido」を通じて寄せられていた。

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