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インテル鈴木国正社長とカプコン辻本春弘社長がPCゲーム市場拡大への期待や展望を語る。トップ対談の模様を紹介
前半は,インテルブースで辻本氏が鈴木社長に質問する形で質疑応答が行われた。
はじめに辻本氏は,カプコンは以前よりPCをメインプラットフォームの1つとして位置づけ展開しているが,日本でも盛り上がりを見せるPCゲーム市場をインテルはどのように分析しているかと質問を投げかける。これに対し,鈴木氏は,5年ほど前に考えていた伸び方とはいい意味でまったく違う推移を見せているとし,考えられる要因として,在宅勤務や教育現場でPCを使うようになったことで,単純に利用者が増えたのかもしれないと話していた。
続いての質問は,盛り上がるPCゲーム市場に対して,どのようにゲーミングPCをアピールしていくか。鈴木氏は,近年の技術向上でインテルEvoのようなノートブックでも十分ゲームが遊べるパフォーマンスを発揮できるようになったとし,デスクトップで遊ぶユーザーはもちろん,手軽に遊びたい方にも幅広く訴求していくと回答した。
また,エントリーユーザーの拡大について聞かれた鈴木氏は,市場のすそ野を広げていくことがPCの役目であり,ノートブックのようなエントリー向けデバイスの性能を上げていきたいと意欲を語った。
また,国もデジタル教育を推し進めており,すでに多くの子供たちがPCに触れられていることを紹介。小さい頃からPCに触れていくことで,成長と共にパフォーマンスの良さを求めていく。これがゲーム業界にとってもプラスに働くだろうと話していた。
前半の最後の質問は,インテルがカプコンに対し,今度どんなことを期待するか。鈴木氏は,強いIPを複数持っており,さらにグローバル展開も早いカプコンを“ゲーム業界の雄”と高く評価し,これまでと同じくインテルと寄り添った形でビジネスを共にしていきたいと回答した。
後半はカプコンブースに移動し,先ほどとは逆に,鈴木氏が辻本氏に問いかける形でインタビューが行われた。
鈴木氏の最初の質問は,3年ぶりにオフライン開催となったTGS 2022について,CESAの理事も務める辻本氏の目線でどのように感じているか。辻本氏は,コロナ禍でも600を超える企業が参加,そのうちの半数が海外企業だったことから,東京ゲームショウがビジネスにおいて,とても重要なイベントであると再認識したという。また,多くの方の協力で開催できたことに対し,お礼を伝えていた。
続いて,オンライン開催を実施したことによるイベントの変化を聞かれた辻本氏は,オフラインとオンラインのイベントを絡めることで柔軟性が上がったと回答。オフライン会場は10時から17時までの開催が基本だったが,17時を過ぎてもオンラインイベントを打つことで効率面も向上していると話していた。
また,PCプラットフォーム参入について,辻本氏は「バイオハザード7 レジデント イービル」が想像以上の売り上げだったとし,さらにPCの場合,すべてデジタル販売のため,どの国・地域でどれほど売れてるかといったデータもすぐに確認できる利点を挙げた。バイオハザード7の場合,家庭用機版よりもPC版が売れている地域があり,結果的に今のカプコンを支える市場の1つになっているそうだ。
最後の質問は,先ほどとは逆にカプコンがインテルに対し期待すること。辻本氏は,技術的な部分を高めてもらい,より高スペックなゲーム開発環境を作っていただきたいと回答。さらに,世界に30億人いるゲームユーザーのほとんどはスマートフォンゲームなどのモバイル端末で遊んでいるユーザーだが,それらのユーザーにPCゲームの魅力を届けられるよう協力してがんばっていきたいと意気込みを語った。
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