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「サンソフト80年代タイトルの復活」「映像と音が融合したパズルゲーム」の実現を目指す。BitSummit×CAMPFIRE応援企画をレポート
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印刷2023/07/14 21:44

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「サンソフト80年代タイトルの復活」「映像と音が融合したパズルゲーム」の実現を目指す。BitSummit×CAMPFIRE応援企画をレポート

 本日(2023年7月14日)開幕したインディゲームイベント「BitSummit Let's Go!!」。その公式YouTubeチャンネルでライブ配信されていた,BitSummit×CAMPFIRE応援企画「ファミコン『いっき』でお馴染みのサンソフトの新作発表」「パズルゲームの可能性〜bit X(ビットエックス)プロジェクトへ」の模様をお伝えする。

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 この企画は、国内最大級のクラウドファンディング「CAMPFIRE」を運営する,株式会社CAMPFIREとBitSummitが共同で行ったもので,この座組による取り組みの第1弾となっている。

配信の冒頭で登壇し,挨拶していたCAMPFIREの熊野尊文氏
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サンソフトの80年代タイトル3本を復活したい!
サンソフトの越智氏がプロジェクトをアピール


 サンソフトとは,「いっき」「スーパーアラビアン」「ルート16ターボ」「アトランティスの謎」……などなど,主にファミコン時代に数々の名作・迷作・話題作を世に送りだしたことで知られるブランド。近年では「いっき団結」などを手がけた越知雄一氏が登壇し,本日17:00から公開中のプロジェクト「SUNSOFT復活プロジェクト!80年代タイトル3本を復活したい!!」について説明した。

越知雄一氏
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 本題に入る前に,越智氏は1978年から続く老舗・サンソフトの歩みを紹介する。同社はもともとアーケードや駄菓子屋に設置されるプライズ機,自動販売機などを開発していた会社であり,ハードの設計も可能なことが大きな強みだったという。

みたらし団子の自動販売機なども開発していたが,加熱時にタレがパッケージから漏れてしまう欠点があり,不評だったらしい
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 ファミコンへの参入後は,最近リリースされた「ギミック! SPECIAL EDITION」PC / Nintendo Switch / PS4 / Xbox One)のオリジナル版である「ギミック!」や,海外でも高く評価された「バットマン」などの名作を送り出し,ゲーム好きにとっておなじみのメーカーとして広く認知されていた。

サンソフトが送り出したソフトの数々
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海外で発売されたソフト。「バットマン」のパッケージも
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 近年の復活時には,「元祖『クソゲー』サンソフト復活」とYahoo!ニュースで報じられてしまったが,いっき団結の発売時はSteamの日本国内ランキングで5位を記録。関係者は「一体何が起きているんだ……」と騒然となったという。
 そして現在も「へべれけ2」「SHANGHAI LEGEND」といった,サンソフトの黄金期を思い出させるゲームを開発中だ。

「へべれけ2」のゲーム性は初代を思わせるメトロイドヴァニア(探索アクション)。ビジュアルは羊毛フェルトやアイロンビーズを思わせるもので,集めるアイテムもコインではなくボタンだ。全体的に手芸っぽいモチーフで構成されている
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ルールに沿って牌を2個セットでどんどん消していくパズルゲームで,麻雀のルールを知らなくても楽しめる「SHANGHAI LEGEND」。牌の積み方は35種類以上に増え,越智氏の年末年始はこれを遊んで終わる見込みだそうだ
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 こうして現在までの歩みを振り返ったあと,今回のクラウドファンディングに関する説明とアピールが行われた。復活を目指しているのは,ファミリーコンピュータ用ソフト「東海道五十三次」「マドゥーラの翼」「リップルアイランド」の3本。これらをPC(Steam)とNintendo Switchに移植するための資金を募集する。

もっとも高額なプランでは「マドゥーラの翼」「リップルアイランド」に関わったもりけん先生の直筆色紙も手に入る!
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 前述の通り,このプロジェクトは本日17:00から公開されている。詳しくはこちらのページ(外部リンク)で確認できるので,興味のある人は支援を検討してみてはいかがだろうか。

 ちなみにこのプロジェクトと連動して,太田出版から書籍「サンソフト クロニクル」外部リンク)の発売も予定されているとのこと。秘蔵の基板写真,設計図,企画書など,貴重な資料が満載の一冊となるそうだ。


パズルゲームの可能性〜bit X(ビットエックス)プロジェクトへ


 続いて登壇したのは任天堂のゲームボーイアドバンス用ソフト「bit Generations」「Art Style」でシリーズディレクションなどを手掛けた江藤桂大氏と,「バーチャファイター」「シェンムーIII」「ルミネス -音と光の電飾パズル-」などのサウンドを手掛けたブレインストーム代表・中村隆之氏だ。

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江藤桂大氏
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中村隆之氏

 両名はまず,これから制作する新作「bit X」の原点的な作品,bit Generationsシリーズについて振り返る。
 「最初にリリースした『COLORIS』は,化粧品の広告で,敷き詰められた色タイルを見た時のインスピレーションが元になっている」と語った江藤氏。それに対し中村氏は「まずビジュアルからスタートした作品だったとは!」と返す。

 今回制作するbit Xでは,シンプルで美しくも,現在の作品の中で埋もれないような華やかなビジュアルを作りたいと江藤氏は続ける。そのサウンドを中村氏が担当する形だ。
 中村氏はルミネスのサウンドに関わったことがきっかけで,音と映像の融合について深い興味を抱くようになったという。ここで念のためルミネスについて説明しておくと,ゲームクリエイターの水口哲也氏がプロデュースした落ち物パズルゲームで,遊んでいるうちに,いつのまにか音楽を奏でているような体験を目指して制作された作品である。

「ルミネス リマスター」
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 そんなルミネスをいちプレイヤーとしてプレイしていた江藤氏が「グルーブ感があるのに操作とリンクしているのが不思議だった」と評すると,中村氏は「実は作っている側も不思議なほどうまくいった作品。作り込んでいくうちにああなっていた,というのが正確なところで,ゲームは企画意図だけで成り立つものではなく,作り込んでいるうちに生まれる感覚がある」と答えた。

「確かに,作っているとだいたい1か月後には別物になったりする」と江藤氏
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 そして今回クラウドファンディングを行う予定のbit Xの映像が紹介されたのち,江藤氏は作品のコンセプトを説明する。

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 江藤氏は普段の生活の中で,「ゲームをしたいような,YouTubeを見たいような,それとも別のことをしたいような,決めきれない何かもやっとした気持ち」が生まれることがあるという。それを「気持ちよく」解消できるものは何かと考え,積み上げたらbit Xになったとのことだ。

 bit Xだけではなく,何本かのシリーズを作るためにクラウドファンディングを活用するのが江藤氏の構想である。操作する気持ちよさ,その結果起こるイベント,音楽とのシンクロ,パズルを解いた爽快感などを重視したシリーズを目指すという。

「シューティング? ブロック崩し?」とゲーム内容を聞く中村氏に,「基本はシューティング。そこに特定のブロックを崩すと状況が変わるパズルが入ってくる」と江藤氏は答えていた
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 江藤氏によれば,現時点ではCAMPFIREに参加することだけが決まっており,詳しい内容や出資に対するリターンについては年内の発表をめざすとのこと。「もちろん,パブリッシャさんからのお声がけもお待ちしております」とトークを締めくくった。

その後も時間いっぱいまで,インディー的な小規模のチームでゲームを作る方法について話を続けていた
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 なおCAMPFIREは,今後も当企画のようにBitSummit出展者のクラウドファンディングを支援していく予定であり,デベロッパからの問い合わせを随時募集中とのことだ。


「BitSummit Let's Go!!」公式サイト

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