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今年も東京ゲームショウ会場に「休足処」を提供していたPTWグループに聞く,ブース出展の意義と成果
しかし,ゲーム開発会社向けのサービスを行う同社は,今年も東京ゲームショウ会場になかなか派手なブースを出展していた。
[TGS2022]まるで縁日のよう。デバッグやコンテンツ開発,書籍の制作を行う「PTWグループ」が“休足処”を開いていたので,出展の経緯やブースのテーマについて聞いてみた
東京ゲームショウに縁日が? TGS 2022にポールトゥウィンホールディングスの4社が,「PTWグループ」として合同出展していた。そのテーマは“休足処”。なぜ会場内に休憩コーナーを設けようと思ったのか,そもそもなぜグループ出展したのか。足を休めつつ,気になるところを聞いてみた。
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- 編集部:Junpoco
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ということで,昨年に続き,「休足処」を提供していたPTWの「中の人」に,ブースを出展する意義と成果を聞いてみた。また,QAを筆頭に,一般的なゲーム開発会社より単位時間あたりの関わるゲームの本数が多い同社の現場から見える,昨今のゲーム市場についても話を聞いている。
海外からの注目度が高いブース
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
最初に,PTWグループとして東京ゲームショウに出展した狙いを教えてください。
寺尾拓人氏:
弊社はこの業界で25年以上やってきておりまして,すでにゲーム開発会社の方には認知していただいているという実感があります。
ですが,弊社の業務というと,どうしてもQA(Quality Assurance)系のサービスが中心だと知られている状態です。弊社は海外にも拠点をたくさん持っていて,QA以外にもカスタマーサポート支援,音声制作,アート制作,ゲーム開発など,多岐にわたるサービスを展開しているのですが,それらはまだ十分訴求できているとは言えないかな,と。
また,業界歴の若い方々には弊社の存在が浸透しているとは言い難いところもあります。そういった若いゲーム制作者への訴求というのも,この出展の意義と考えています。
とはいえ,自分はPTWインターナショナルの日本法人であるPTWジャパンに所属しているのですが,PTWジャパン単体で世界に広がっている弊社のサービスをすべて紹介するというのも難しく,今年もPTW本体と合同でブースを出させていただきました。
細田卓志氏:
PTWとしても,ゲームに関わる企業の皆様に,弊社サービスの広がりや会社自体をより認知していただくことが大きな目標です。
弊社では2022年1月,グループ内3社(ポールトゥウィン,ピットクルー,クアーズ)が合併し,シームレスに広範囲なサービスをお届けできるようになったという変化がございました。昨年の出展ではそのあたりをあらためてお伝えしたい,という意図もありました。実際,PTWという名前は変わらなくても,会社の業務としては対応できる範囲が広がっており,さまざまな分野の人材が集まることで,より良いサービスを展開できるようになりました。
そのような背景から,昨年初めてのTGSに出展しましたところ,とても良い反響をいただけたため,今年も継続して出展をさせていただきました。
4Gamer:
ひとつ疑問なのですが,御社の業務内容を考えますと,CEDECのような技術カンファレンスに大規模出展する……といったほうが何かと効率的ではないかと思ってしまいます。なぜTGSに,このような大きなブースを出されたのでしょう。
もちろん,技術寄りの展示会などにもPTWとして出展しています。10月にはJapan IT Weekにも出展します。
ただし,ゲームのデバッグやカスタマーサポートなど,ゲーム事業に関わる多くのお仕事をさせていただいている企業として,ゲームに携わる企業様やユーザー様と交流できるTGSへの出展は,業界への認知向上をはじめ,非常に意義のあることだと感じています。
その上で,ゲーム関連会社様やゲーム業界を広くサポートする立場として,そのようなイメージを持っていただけるよう,昨年に引き続き,自由にくつろげる「休足処」を提供し,来場者の皆様をサポートするようなブースを出しました。
4Gamer:
昨年,今年とTGSに出展してみて,手応えはいかがでしたか。
寺尾氏:
そうですね,やはり海外の方から大きな注目をいただいている実感があります。
ご存じの通り,日本市場でも自分たちのゲームを展開したいとお考えの海外の方はたくさんおられます。ですが,日本語のローカライズひとつとっても,いざやろうと思ってもなかなか良いパートナーが見つからないことは珍しくありません。
そういったとき,PTWの「日本で長く活動している」という事実は大きなポイントになっているのかなと思います。
4Gamer:
昨今,インディーゲーム市場の発展が著しいですが,インディーゲーム開発者からのオファーもあるのでしょうか。
寺尾氏:
もちろんです。インディペンデントなスタジオ様からの依頼も増えておりまして,ローカライズのご依頼であるとか,日本や海外それぞれの地域での展開のサポートなど,ご相談をいただいています。
「ゲーム購買層が成長してきているのでは」
4Gamer:
さて,これは完全に個人的な疑問としてお聞きしたいのですが,近年になってゲーマーの嗜好に明確な変化が生じているように感じます。具体的に言えば,コアゲーマー向けのタイトルが以前では考えられないようなヒットになるケースが増えています。
QAなどの現場で仕事をされているお二方としては,こういった市場の変化を感じることはありますか。
寺尾氏:
確かに,「市場が変化してきている」と言えるかもしれないですね。
例えば,全世界で1000万本以上売れるAAAタイトルと言えば,かつてはハリウッド映画並みの予算をかけて作られた超大作が,その地位をほぼ独占していました。それが現在はグローバル1000万本を超えるタイトルが増えているように感じます。
ゲームコミュニティの裾野が広がった結果,「じっくり遊ぶ」タイトルが全世界的に売れるようになったのかな,と思うところはありますね。ゲームプラットフォームとしても,Steamが世界的に流行していますし。それらが複雑に絡み合って,ゲーム購買層が成長してきているのではないかと。
実際,弊社の仕事としても,インターナショナルな展開のなかで音声収録やローカライズといった仕事があります。例えば,「Baldur's Gate 3」では13言語のLQAサービスを担当させていただきまして,世界的な大ヒット作に携われて非常に光栄だなと感じております。
昔はローカライズと言えば,英語と欧州系言語にローカライズされていれば,それでOKだったんですよね。でも今では10言語以上が当たり前になっています。これは中国を筆頭としたアジア市場の牽引が大きいでしょう。
細田氏:
10年前には,スマホやフィーチャーフォンの新作アプリゲームがTGSにも乱立した時期があったかと思います。
ですが,ここ最近はさまざまな理由からそういう情勢ではなくなり,会社様もファンの皆様も大事にされているコンテンツがあって,そこでの満足度を担保するようなゲーム作りを重視されていると感じます。
実際,そうなるとカスタマーサポートやデバッグといった仕事がとても大事になってくるわけですが,そうしたご依頼,ご相談も増えていますね。
PTWでもデバッグチームとカスタマーサポートチームの連携をご提案することが,ここ数年で増えていて,ユーザーの皆様の声をしっかり把握するという施策は,QAの現場でも重要性が上がっています。
寺尾氏:
ユーザーの皆様の意見を取り入れたいという声は,グローバルでもよく聞きます。また,日本の開発者が作ったゲームが海外のユーザーにどう受け止められるのか,そうした反応を知りたいというご要望もたくさんいただきます。
実際,キャラクターのテイストひとつをとっても,地域によって好みの差は出やすいものです。なので「全世界的にこれで万全」とまではいかなくとも,「好みの差による体験の格差を最小限に抑えたい」というところを目指す,海外拠点でのレビューやテスト依頼も多いですね。
こういったテストをゲームを公開する前段階において,安全に行えるのは弊社の強みだと思います。
細田氏:
市場の変化という点では,プラットフォームの変化も大きいと感じます。これまではやはり,スマートフォンが非常に巨大な市場を形成していたのですが,近年ではVRゲームやメタバースといった領域からもご依頼をいただくことが増えました。
ゲーム購買層がコアな方向に成長しているというだけでなく,新しいプラットフォームにもゲームが広がっているということを強く実感しています。
4Gamer:
ゲームのグローバル化,大きな広がりを裏付けるお話ですね。本日はありがとうございました。
ポールトゥウィン 公式サイト
PTWジャパン 公式サイト
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