インタビュー
蟲師実装! 「飛天オンライン」インタビュー,蟲と毒でゲーム展開はどう変わるのか?
さて,蟲師がようやく実装ですね。
宮島氏:
はい。台湾ではしばらく前から実装されていたのですが,蟲師以外の部分で不具合が発生していて,日本ではそれを修正してからもってきたので少し時間がかかってしまいました。
4Gamer:
最初に話が出てからずいぶん経ちますよね。
宮島氏:
そうですね。私が飛天オンラインを担当する前からですから。4Gamerの記事を見てみると,2006年から話は出ていたんですね(笑)。
4Gamer:
はい。実は,いちばん最初から名前の出ていた職業でした。
宮島氏:
プレイヤーさんの期待も大きな職業なので,早く実装したいと思っていたのですが,いろいろな理由で時間がかかってしまいました。キャラクターのイメージとかは以前から話が出ていたとおりで,装備は法衣となります。武器は短剣です。蟲師専用の武器というのはとくにありません。また,武器の攻撃力はそれほど高くありません。精神職なので,主にスキルを使って戦うことになります。
期待を裏切らぬ蟲師のスキル
スキルは,どんなものになりますか?
宮島氏:
蟲師のスキルには,攻撃スキル,補助スキル,そして結界術というのがあります。攻撃スキルは,魔法と同じような感じですが,毒を使って遠距離から攻撃するものです。単体攻撃だけでなく,範囲攻撃もできます。ちょっとディレイがあるものの,なかなか強力ですよ。また,単にダメージを与えるだけでなく,モンスターの弱体化を行ったり,敵のMPを減らしたりといったことができます。こういうのはほかの職業ではできなかったことですね。
また,毒で時間とともにダメージを与えるようなものもあり,どちらかというと,瞬時に大ダメージを与えるというよりは,レイドモンスターなど体力の多いモンスターを相手に,時間をかけてダメージを与えていくようなことに向いていますね。
4Gamer:
だいたい言葉のイメージ通りのようですね。蟲師が使う補助スキルはどんなものでしょうか。
宮島氏:
まず,自分ないし旅団メンバーの頭に蟲の種を植えます。そうすると草が生えてきて,狩りで経験値が溜まるとそれに応じて育っていきます。そして花が咲き,これを収穫すると蟲が手に入るというふうになっています。
なんだか動物か植物かよく分からないことになっていますね。(画面では)頭から草が生えてますけど,この人,大丈夫なんですか?
宮島氏:
大丈夫です。こうやって戦闘しながら蟲を集めていくわけです。ここで刈り取った蟲はいろいろな機能を持ったものになっていまして,取引も可能ですので,旅団メンバーに渡したり,露店で売買したりといったこともできます。
4Gamer:
それで,この蟲を使うとどういうことができるのでしょうか。
宮島氏:
まず,蟲を呼び出してペットのように使うことができます。属性ペットとは別系統の,操作できるペットのような感じですね。さらに召喚ペットも同時に出せますので,ソロなんですけどなかなか賑やかな戦闘を行うこともできます。例えば,蟲師の補助で楽士のスキルを持っていれば,歌でペットの強化を行いつつ,補助は召喚ペットにやらせるといった戦い方もできます。
4Gamer:
これで旅団組んだら凄いことになりそうですねえ。
宮島氏:
旅団の場合は,補助はほかのメンバーがやると思いますので,召喚ペットを攻撃型にして,さらに攻撃メンバーを増やすことができますね。
4Gamer:
呼び出せる蟲というのは1種類ですか?
いえ,蛇,サソリ,蜘蛛,蝶,カエル,ムカデ……どこが虫なのかってのもいますけど(注:漢字にすると全部「虫」が入るのだとのこと),こういった種類がいます。種類以外でも,蟲のバリエーションは結構豊富で,このように召喚して戦わせるだけではありません。大きく3種類の働きに分けられます。
まず,召喚して戦わせる蟲,次にペットを操作・強化する蟲もあります。その蟲を使ってペットを操作すると,通常よりも物理攻撃,法術攻撃が10%アップするとかいった感じになります。同時に,この蟲を使うとペットへの命令を拡張することができ,通常のペットだけではできない細かい指示ができるようになります。
4Gamer:
その指示内容は蟲の種類で決まっているのですか?
宮島氏:
そうです。蟲の種類ごとに4種類の指示ができます。指定したターゲットを攻撃する,自分のターゲットを攻撃する,旅団メンバーのターゲットを攻撃する,体力が低いものを狙って攻撃するといった感じですね。それぞれ,蟲を使うとペットの攻撃力も上がります。ペット補助の蟲はこの4種類と,もう一つ,補助的な効果をペットに与える蟲がいて全部で5種類になります。補助効果は,適用するペットの属性によって効果が変わってきます。
4Gamer:
一つの蟲が相手によっていろんな効果になるわけですね。
宮島氏:
ええ。これ以外にも,蟲の効果が状況で変わってくることがあります。例えば,人に種を植えて収穫した蟲をパーティに渡すことができるのですが,その蟲を使用したときの効果は,渡した相手の職業によって変わってきます。
4Gamer;
そのもらった蟲は,蟲師のスキルを持っていなくても使えるものなのでしょうか?
はい。種を植えるスキルで入手した蟲については誰でも使用できます。
4Gamer:
なるほど。種を植えて収穫した蟲の種類は,植える種によって決まっているのですか。
宮島氏:
種を植えるには蟲師のスキルを使うのですが,スキルの違いで取れる蟲も変わってくるほか,一つのスキルで最大6種類の蟲がランダムで取れるようになっています。ですので,全部の蟲を集めようとするとかなりの手間はかかりますね。
4Gamer:
ちなみに,種を植えて花が咲くまでにどれくらい時間がかかるのでしょうか。
宮島氏:
一定時間内に一定の経験値を稼ぐと花が咲くようになっています。経験値が足りないと草が枯れたりしますが,蟲が取れないわけではありません。経験値が多いと,取れる蟲の数が増えるという感じですね。
4Gamer:
効率よく狩りをするとどんどん増えるわけですね。取れた蟲を使ってさらに効率が上がっていくと。
宮島氏:
補助で使う蟲の効果は職業によって違い,しかも旅団全体に効果をもたらします。平民の人が使った場合の効果とか陰陽師が使った効果というのが旅団全体にかかってきます。いちばんよいのは,できるだけ多くの職業で旅団を作ることで,それだけ多重でかかる効果が多くなります。
それを継続して使うために,蟲師はせっせと人に種を植えることを繰り返すわけです。ですので,単純に蟲師だけが蟲を使えるのではなくて,いろんな職業のプレイヤーも蟲を使うようになってきます。さっき言ったペットを操る蟲とかもそうですね。
また,陰陽師が使う足止めの代わりをする蟲もいて,クモなんかイメージ通りに糸を絡めてモンスターを動けなくします。ですから,陰陽師が見つからないときには,蟲である程度代用ができる場合もあります。旅団のメンバー構成で,どれかの職業が足りなくて困っている場合は,蟲を使うことである程度緩和されるかもしれません。
4Gamer:
以前話を聞いたときには,蟲師が強すぎてどうしようもないということだったのですが,今回,話を聞く限りでは,単体の攻撃力は下げられ,かなりサポート寄りの職業になったようですね。
基本はそうですね。ただ,ソロでもそこそこいけますし,法術も強力ですので,決して弱い職業ではないんです。パラメータでは精神が重要ですので,精神職に近く,精神を上げると各パラメータも上がっていきます。
普通に補助系として育てようと思うと,精神を伸ばすのが蟲師としてはスタンダードな姿なのですが,実は単体攻撃スキルなどダメージはキャラクターの物理攻撃力に依存するんです。ですので,刀客などが毒を使ってさらに攻撃力を強化したりとか,また自分を強化するのにHPを犠牲にするスキルも多いので,HPの多い職業と組み合わせるというのも悪くないですね。この場合,普通に育てるとあまりMPは多くならないので,スキルを連続して使うことはできません。
逆に精神を高めて補助に徹するような育て方だと,MPも多いので,戦いながら種を植えてどんどん蟲を生産していくようなスタイルもできます。このあたり,どのように調整をつけていくかがポイントになりますね。育て方によっていろいろな活かし方ができるというのが蟲師の魅力です。
4Gamer:
かなり面白そうですね。攻撃と補助以外の結界スキルというのはどういうものですか。
宮島氏:
自分の血を使って結界を張るスキルがありまして,結界内にモンスターが入ると弱体化することができます。そこに陰陽師で足止めして,みんなで倒すというのが蟲師がいる旅団での一般的な戦い方になるのではないかと思われます。
4Gamer:
ここで自分の血を流すことによるデメリットはなにかあるのですか?
宮島氏:
とくにないですね。単にイメージ的なものです。
4Gamer:
わかりました(笑)。結界スキルは1種類ですか?
補助系の結界もあります。その中に座るとHPとMPの回復が速くなるというものです。6分間効果が続きますので,後衛は狩りの合間にそこで前衛職がモンスターを釣ってくるまで座っておき,さっきの弱体化の結界とあわせて使うのがいいんじゃないでしょうか。
4Gamer:
6分で結界の張り直しと,あとは種を植えて回ったりとなると,蟲師は結構忙しそうですね。
宮島氏:
そうですね。蟲などは,事前に集めておくほうが楽でしょうね。とにかくやれることはいろいろありますので,プレイヤーがどういう使い方をするか楽しみですね。
ポイントとなるのは毒と蟲
ところで,普通のフィールドで取れていたアイテムの「蟲」はどう使うんでしょうか。
宮島氏:
狩りで取れる蟲をそのまま使うことはないんですよ。これを一度,毒に変換して,その毒を触媒として使用します。蟲を持っている状態で特定のスキルを行うと,毒ができます。本来はモンスターから受けた毒を解毒するスキルなんですが,解毒の対象がいない場合には蟲から毒を作るスキルになります。
4Gamer:
その毒は,スキルを使うたびに減っていくわけですね?
宮島氏:
そうです。
4Gamer:
蟲と毒ではどちらを多く使うのでしょうか。
宮島氏:
消費量が多いのは毒のほうですね。スキルレベルが上がると,蟲からたくさんの毒が取れるようになりますので。矢や道士の符と同じような消耗品とは違います。
蟲師導入に備えて,蟲を倉庫一杯に溜めていらっしゃる人もおられるようですが,その人は,たぶん一生,蟲不足で困ることはないと思います。
4Gamer:
なんかインベントリを見ると,ずらっと蟲が並んでいるんですが,蟲師が直接使う蟲は全部で何種類なんでしょうか?
宮島氏:
ここにあるのがほぼ全種類です。21種類ですかね。データ的にはもっと多く入っているようなのですが,それがどういう形で出てくるかはまだ分かりません
4Gamer:
しかし,これだけあると荷物管理も大変そうですね。
宮島氏:
もしかしたら,蟲専用のカバンなどを用意するかもしれません。現状では,課金アイテムで銀行倉庫に直接アクセスしていただくか,頑張って散人クエスト(老師の試練)でもらえるカバン拡張を狙っていただくのがよいかと。
4Gamer:
数も多いのですが,色と形が似たものが多くて……これって慣れれば見分けがつくようになるんでしょうか?
いま一つ一貫性がないんですよね。蟲は三つのカテゴリになっていて,アイコンの形も3種類なんですけど,アイコンの形が種類ごとになってるわけではないんですよ。これについては,開発に話して見分けがつくように改善してもらうかもしれません。過去に経験値を上げるアイテムで紛らわしいものについては,アイコンを変えてもらったこともありますので。
4Gamer:
形と色が,かなり似ているものもありますので,もう少しなんとかしたほうがよさそうですね。ところで,蟲師から蟲をもらった場合,高レベルプレイヤーが収穫した蟲のほうが強力とかいうことはあるんでしょうか。
宮島氏:
召喚ペットの「あいちゃん」と同じように,呼び出した人のレベルで蟲の強さが決まります。また,呼び出した人の精神の高さが蟲のHPに影響したりと,収穫した人ではなくて,あくまでも使う人のレベルに依存します。
なるほど。蟲師というのは,最初に選ぶ職業にするとなにか問題がありますか?
宮島氏:
ちょっと手間のかかる部分もあるんですが,とくに問題はないと思います。
4Gamer:
序盤では何種類くらいの蟲が使えるんでしょう。
宮島氏:
スキルを覚えられるレベルになって,どれかのレベル1スキルを覚えるのにスキルポイントが6必要ですので。そんなには使えませんね。一度スキルを取ると同じカテゴリのものを伸ばすのには,そんなにポイントは必要ないんですが,違う種類のものを増やすにはまたポイントが必要ですので。
4Gamer:
一通り揃えるにはレベルはどれくらい必要でしょうか。
宮島氏:
早くても20台後半とか30台でしょう。もちろん,こればかり伸ばしていると,ポイントが足りなくてほかのスキルが伸びませんので,一通り揃えるのは40台くらいになるのではないでしょうか。
4Gamer:
どの系統を最初に取るかで,かなり性格も変わってきそうですね。
宮島氏:
スキルが揃うといろいろとやることはあるんですが,最初にどれを取るかが問題になりそうですね。基本的に,毒を使うか蟲を使うかという選択になります。
それにしても,ほかのゲームではなかなかないタイプの職業になりそうですね。
宮島氏:
名前自体もほかではちょっと見かけることはないですし。蟲もペットのように扱えますので,ペット系職業の要素もあります。ユニークさでは,蟲師の立ち位置は確立されているかなと思います。
4Gamer:
旅団に一人補助でいれば,ずいぶん便利そうな感じですね。
宮島氏:
そうですね。ただ,攻撃系に振ってもそれなりに強力ですので,蟲師は,自由度が高くて「蟲師のやることはこれ」という感じでは制限されていませんので,蟲師以外の職業でなにを組み合わせるかなど,キャラの育て方でも工夫のしがいがあるのではないかと思います。
4Gamer:
なにかにつけ「蟲」が必要ということで,パーティに種を植えて収穫というのが重要になりそうですけど,ソロでやってて蟲が足りなくなるということはないんですかね?
宮島氏:
足りなければ露店で蟲を買うこともできるでしょうし,それほど困ることはないと思います。触媒から生み出す毒のほうは,多少手間はかかりますが,暇なときに片手間でできますので,こちらも問題ないでしょう。
新しい街「大梁」の追加
ところで,蟲師覚醒のアップデートでは,蟲師の追加に続いて新しい都市,大梁城(タイリョウ)が追加されます。飛天オンラインでは4番目,都市の追加としては初めてのものになります。まず8月28日に蟲師に転職できるようになり,それほど日を置かずに大梁のエリアを公開する予定です。
これまでのアップデートは,高レベルプレイヤーにあわせた縦方向のものが多かったのですが,大梁は長陽北区の北方のエリアにあり,周りはレベル20〜60までのモンスターがいるという感じです。入り口付近にいきなり強いモンスターがいるようなこともありませんので,低・中レベルの人にも利用していただける街になっています。
4Gamer:
大梁城は,どういう特徴のある街なんですか?
ここでは,これまで店売りされていなかったレベル50近辺の装備を購入することができます。もちろん,新しいクエストもいろいろと追加されています。報酬アイテムも新しい種類のものが加わります。その中には,新しく加わった玄石とかもありますよ。そういう意味では,いろんなプレイヤーに需要のある街だと思います。
ただ,公開時点ですべてのアイテムやクエストが揃っているわけではなく,順を追って拡充していく予定です。
4Gamer:
長陽城と似た雰囲気の街ですね。
宮島氏:
そうですね。街に入ると,向こうから話しかけてくるNPCが多く配置されているのが分かると思います。話しているとクエストが進行する感じで,こういうのが多くなっていますね。
4Gamer:
大梁では,これまでになかったような,まったく新しいものは売っているんでしょうか。
宮島氏:
まったく新規のものというのはないと思います。これまで,クエストでごく稀にしか出なかったものが売っているようになるので,見たことのないアイテムも並んでいるように見えるかもしれませんが,基本的に新しいものではなくて,これまでに入手しにくかったアイテムなどになります。
お店では購入できなかったレベル50帯の装備とかは,多くの人に役立つと思いますよ。これまでは,錬金で作るにも素材が高価だったり,組み合わせるドロップアイテムも強いモンスターを倒さないと手に入らないものでしたので,高レベル装備がかなり手軽に利用できるようになるはずです。高レベル用の回復アイテムが店で買えるようになるというのも大きいですね。
高レベル向けの拠点の街という感じなのでしょうか?
宮島氏:
人が集まるのはこれまでどおり長陽城になると思います。必要に応じて使う街になるのではないでしょうか。大梁自体は,ものすごくインパクトがあるというものではありません。今回の拡張のメインはあくまでも蟲師ですが,大梁は蟲師以外のプレイヤーにも役立つものになっています。
飛天オンラインの今後,ペットがさらに進化
ちょうど蟲師で一段落ついたところだとは思いますが,今後はどのようなアップデートが予定されていますか?
宮島氏:
これまで以上にプレイヤーの声を反映していく方針です。飛天オンラインでは,どうしても繰り返しが多くなります。一つの職業をずっとやるのではなく,より多くの職業を組み合わせることで面白さが出てくるわけですが,そのたびにレベル10からやり直しになりますので,低レベルのレベリングが少し簡単になるようになります。今回は蟲師が追加されたことで,いっそうそういう方向で動いています。
また,意外とソロをしやすいゲームだというのも,これまで評価されていた点なので,そのあたりも拡充していく予定です。とくにソロ支援のシステムがあったり,ソロでできることを売りにしていたわけではないのですが,高レベルになってもさほどレベルが上がりにくくなるということもありませんし,レベル50,60までソロでいけるということで好評をいただいていました。
ただ,最近は高レベルエリアでは妖魔が旅団を組んでいたりしますので,ソロだと難しくなっています。また最近入ったレイドターゲットの覚醒ボスというのもソロでは無理ですね。
4Gamer:
さすがにそれはしかたないでしょう(笑)。
宮島氏:
とはいえ,これまでソロでもある程度なんとかなってきたわけですので,高レベル装備や素材を入手する手段がまったくなくなるというのでは問題があります。大人数で楽しめる要素はそのまま残して,ソロでも楽しめるような代替となるものを考えているところです。
4Gamer:
そうですね。レイドの報酬と同じだと問題ありそうですけど,ちょっと落ちるくらいのものが,やたら手間はかかるけど手に入るとかであれば,なんとかいけそうな気はします。
ところで,以前話の出ていたペットの4次進化などはどうなっているのでしょうか。
宮島氏:
ペット関係は人気のある部分ですので,当然拡充していきますが,4次進化などはまだまだ先のことになりそうです。一応,現在以上の進化はある予定ですが,4次進化をする前に,現在のペットに能力が加わってきます。
4Gamer:
というと?
宮島氏:
現在の騎乗ペットがさらに飛行できるようになるというのが,次の方向です。騎乗ペットの能力強化ですね。現在でも飛剣を使えば空は飛べるのですが,ペットに載ったまま飛行できるようになります。
4Gamer:
現在の3次ペットがそのまま飛行可能になるわけですか?
宮島氏:
レベル60以上のペットで騎乗可能なものに飛行が追加されます。
4Gamer:
速度はどうなんでしょうか?
宮島氏:
飛剣よりは速いと聞いてます。かなり速いらしいです。
なるほど。ペットの種類が増えるという話もありましたよね。
宮島氏:
そうですね。属性ペットの種類が増えます。これまでの5属性+無属性は変わりませんが,同じ属性でこれまでとは違う形のペットが増えるというものになります。
4Gamer:
違うのは形だけでしょうか? 能力に違いはありますか。
宮島氏:
能力も少し変わってきます。
4Gamer:
どんなタイプのペットが増えるのでしょうか。
宮島氏:
先ほどの飛行とも関連しますが,次のペットは飛行を前提にした,騎乗可能なものになるようですね。4次進化については,その先で,その前にペットの装備などが実装されると思います。以前から用意はされていた装備欄ですが,アクセサリになるのか,装備になるのか現在は未定ですが,ここを先に実装することになるでしょう。
4Gamer:
ペットについては,もっとたくさん出したいとかいう要望はありませんか?
宮島氏:
ありますね。それと,ペットのスロットをもっと増やしてほしいという要望が多いですね。5スロットでは,全部の属性ペットを収納できませんし,同じ属性でも,色違いを着せ替えアイテム感覚で使い分ける人もいますので。持ちきれないものは,しかたなくサブキャラに持たせたりしている人も多いですね。
闘時にたくさんペットを出すのはバランスが崩れますので難しいと思いますが,街中などではたくさん出せてもよいのかもしれません。
4Gamer:
そうですね。たくさん出せると楽しそうです。ペットのスロットを増やすほうは,とくに問題になるようなことはないですよね?
スロットに置いておくと忠誠度が下がってくるので,忠誠度の維持が大変になってくるということくらいでしょうか。これはサブキャラに持たせても同じではあるのですが。
それと,ペットではないのですが,収妖システムで妖魔をいろいろ使えるようにしようという話も出ています。
4Gamer:
合成できるようにするという話も以前あったのですが……。
宮島氏:
いえ,今回は,そこまでの話は出ていません。カードを集める感覚で妖魔をコレクションしたり,妖魔同士を対戦させたりといったアイデアが出ています。合成という構想もあるかもしれませんが,現状では予定に入っていません。
4Gamer:
普通に考えて,合成が凄く大変そうなのはよく分かります(笑)。今後の方向性はだいたい分かりましたので,もっと直近の予定でなにかありませんか。
宮島氏:
2008年後半から2009年前半にかけて予定されているものでは,ソロでの遊び方を広げるものとして,宝探しなどがあります。
4Gamer:
それはクエストのようなものですか?
宮島氏:
そうですね。マップ内に隠された宝箱を探すというものになります。近くでなにかすると宝箱が見つかって,アイテムがもらえるという感じのものです。
そのほか,既存のコンテンツの強化として,新しい回復アイテムや装備,武器などが投入されます。60以上の武器も錬金できるようになります。ほかには,現在あまり意味を持っていない称号の部分が改善され,称号をつけるとステータスや運勢などが変わるようになる予定です。
4Gamer:
称号を選ぶとBuff効果がつくわけですか。
宮島氏:
能力が大幅に変わるものではありませんが,これまでのように表示させるだけではなく能力にも関わってくるので,また違った楽しみ方ができるようになります。
4Gamer:
なるほど。ほかにはなにかありますか?
宮島氏:
変身システムなども予定されていますね。これは妖魔に変身して,妖魔の能力を使えるようにするというものです。ほかには,マップの拡充などは随時行われる予定です。これは,新エリアの実装というよりも,既存のエリア内でダンジョンを追加してくといった感じのものになる予定です。これまでは,新エリア追加というと,高レベルエリアを追加していたのですが,もっと横方向の展開になります。
一番実装が近いものですと,ちょっと高レベルエリアですが,仏山のマップに鏡書院という鏡童の村が予定されています。高レベル向けのダンジョンになる予定です。
4Gamer:
中・低レベル向けのマップは拡充されますか?
宮島氏:
雲夢平原にまだ実装されてない塔があったり,既存のマップでもダンジョンを追加していく予定です。先ほど述べたように,まっすぐ縦だけを伸ばす方向だけでなく,新しい職業が増えたというのがあるので,横方向の拡充をしていきます。
4Gamer:
普通のプレイヤーでも2,3種類は職業を持っていますよね。
宮島氏:
そうですね。一つの職業では効率が悪いので,皆さん何回かはレベル10からやり直しているはずです。どうしても,おいしい狩り場には人が集中しちゃいますので,新しい狩り場を提供していくことは重要だと思います。
これまでは,システム的にエリアごとの経験値アップとかはできなかったのですが,今後は場所や時期によって経験値が変わったり,違う属性の妖魔になるなど,いかに楽しみながらレベルを上げやすくするかを考えていきます。
蟲師覚醒でタイトルも第三の季節に変わりますが,これはどういう意図によるものでしょうか。
宮島氏:
今回タイトルを変えてやっていこうと思った理由は,今後のアップデートの方向性を示すのが一つの理由です。新規のプレイヤーやソロの人が遊びやすくなるようにという横方向の拡張と既存のシステムを追加して飛点をより面白くするという縦の方向の拡張を今後も続けていくという決意表明のようなものですね。
4Gamer:
最近のゲーム内の状況はどうなのでしょうか。
宮島氏:
夏休みのせいか意外と新規プレイヤーが増えてきたり,以前やっていきた人が戻ってきたりというのが見られますね。蟲師が追加されるということで,気にしている人も多いようです。
システム的なイベントやゲーム内のイベントなどは継続して行っていますので,それについては評価していただいていますし,最近はユーザー自身のイベントとかもやっていただいていますね。
4Gamer:
いちばん気になるのは,実はルーセントハートの影響なのですが,いかがでしょうか。
宮島氏:
実はブライトシャドウのときも,同じ可愛い系ということで影響が懸念されたのですが,急激にプレイヤーが減ったということもありませんし,飛天は飛天の魅力があると思っていますので,大丈夫でしょう。その辺は自信を持っています。
4Gamer:
蟲師導入は,いいタイミングだったと思います。
宮島氏:
それはこちらも意識してやってますから。しかし,どこから嗅ぎつけたのか,プレイヤーさんで勝手にカウントダウンが始まっていたりとかなり期待してもらっているようで,なるべく早く出したかったのですが,なんとか夏休みが終わる前に触ってもらえるかなという状況になってきました。
大梁については,遠くないタイミングで追加する予定です。ご覧のように,街自体はすでにできて動いていますので,細かいところの調整を行えば公開できます。さすがにこれは2年も引っ張ったりしませんので(笑)。
4Gamer:
分かりました(笑)。では頑張ってください。本日はありがとうございました。
MMORPGでは,職業の追加自体はさして珍しいものではない。上位職の追加などという形でなら,多くのゲームで行われている。しかし,今回行われた蟲師の追加は,それらとはかなり性格の違うものとなっている。複数の職業スキルを組み合わせてキャラを育てる飛天オンラインでは,一つの職業の追加だけでも,すべてのキャラクターに大きな影響を与える。さらに,旅団での補助スキルや便利アイテムとしての蟲の供給など,ゲームプレイを大きく変えるものとなりそうだ。
- 関連タイトル:
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