パッケージ
ダークエデン 〜EXPANSION〜公式サイトへ
読者の評価
54
投稿数:6
レビューを投稿する
準備中
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2008/08/06 19:18

ニュース

「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー

画像集#002のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
 7月28日から,開発元の韓国SOFTON ENTERTAINMENTによる日本での直接運営が行われている,“ヴァンパイアMMORPG”「ダークエデン」。本作は現在,韓国でサービス開始から9年めに突入し,持続的な人気を集めている。SOFTON ENTERTAINMENTの関係者達は,プレイヤーとの絶え間ないコミュニケーションが長期間の人気を持続する秘訣だと話している。
 今後,日本のプレイヤーとのより密接なコミュニケーションを通じて,プレイヤーが望むゲーム開発を構想するという同社社長のKim,Kyoung-Rok氏と,開発総括取締役Koo,Bon-Seok氏に,今後の計画と同社の新作など,いろいろと話を聞いてみた。

画像集#010のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー


SOFTONとダークエデン,そして新作の開発状況は……?


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。さっそくですがまず,日本でも本格的にダークエデンのサービスを担当することになった,SOFTON ENTERTAINMENTについて改めて教えて下さい。

画像集#001のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
Kim,Kyoung-Rok社長
Kim,Kyoung-Rok社長(以下,Kim氏):
 SOFTON ENTERTAINMENTは1999年に設立されたオンラインゲーム専門の開発会社で,100人余りの社員のうち,80%が開発スタッフで構成されています。現在,ダークエデン開発スタジオ以外に,新プロジェクトの“D2オンライン”スタジオと,カジュアルゲーム開発スタジオを持っています。また,仮称“D3D”というプロジェクトも進行中です。
 まだ確定ではありませんが,D3Dはダークエデンの世界観とシステムを継承した作品になる予定で,クォータービュー方式の3Dグラフィックスを採用しています。

4Gamer:
 なるほど。では,D3Dはダークエデンのグラフィックスを3Dで改良した,リニューアルバージョンという位置づけになるんですか?

Kim氏:
 これは,ダークエデンを長期間楽しんできた韓国プレイヤーからの意見を受けて着手したプロジェクトで,ダークエデンの面白い要素と長所を生かしつつ,さらにプレイヤーが望んでいる新要素を追加しようというものです。そのため,現時点ではリニューアルバージョンなのか,新作なのかをはっきり区別してお話するのは難しいですね。具体的な内容は,今後明らかにしていきます。

4Gamer:
 では,D2オンラインはどういったものになるんでしょうか?

Koo,Bon-Seok取締役(以下,Koo氏):
 D2オンラインは3D MMORPGで,ダークエデンの特徴である,ヴァンパイアを軸に据えた世界観と種族戦というコンセプトはそのまま継承していますが,独自のシナリオとゲームシステムを基盤とした,ダークエデンとはまったく別のタイトルです。
 ダークエデンがハードコアプレイヤーをターゲットにしているとすれば,D2オンラインは例えば女性プレイヤーでも楽しめるようにするなど,より幅広い層をターゲットにしています。現在,機能テストのためのテスター募集を開始しており,2008年末からはクローズドβテストを始める予定です。

画像集#006のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
4Gamer:
 すでにテストを始められるということは,だいぶ開発が進んでいるようですね。

Koo氏:
 機能テストは,“プレイヤーと共に開発するMMORPG”という私達の開発モットーにしたがって,開発の一部分――例えばクエストやインタフェースなどをプレイヤーと共に構想し,ゲームに反映するためのものです。2か月程度に1回ずつこの機能テストを行って,2008年末頃には真のクローズドβテストを行う予定です。正式オープンは2009年の夏頃を予定しています。

4Gamer:
 ダークエデン以外にも,これほどさまざまな新作を準備中なんですね。ダークエデンの,韓国における現在のサービス状況はいかがですか?

Kim氏:
 ダークエデンは,韓国では2000年にサービスを始めて,現在は独自運営のサーバーと,韓国でのパブリッシャーであるNetMarbleが運営するサーバーの両方でサービス中です。現在までに累積会員数は400万人,最高同時接続者数は1万人を少し上回っています。また最近になって,新規会員の加入と同時接続者が増加しています。

4Gamer:
 最近プレイヤーが増加していることには,どんな理由があると思いますか?

Kim氏:
 ダークエデンのライフサイクルとプレイヤーのプレイスタイルを分析して,各段階別に顧客の要求を満足させるアップデートを行ったことが効果的だったと思っています。新規会員の場合には,プレイ序盤のキャラクター育成が容易になる新ダンジョンやクエストを追加して,これをイベントと連携させました。また,プレイ序盤の難度を低くして,新規会員がゲームに定着できる環境を作るために努力しました。
 高レベルプレイヤー向けには,新たな楽しみが感じられる上位スキルやアイテムなどを追加するアップデートを持続的に行いました。


ダークエデンならではの魅力と,運営移管で日本プレイヤーが受ける恩恵


4Gamer:
 とはいえさすがに,単純にアップデートを行うだけで新規プレイヤーが集まってくるとは思えません。すでにサービス開始から9年めになるダークエデンが,今でも好評であることにはどんな理由があると考えていますか?

画像集#003のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
Koo,Bon-Seok取締役
Koo氏:
 ごく簡単に言ってしまうと,その理由はダークエデンならではの独特のヴァンパイア世界観と,無制限のPvPにあると思っています。オンラインゲームとしては,おそらく世界で唯一ヴァンパイアをテーマとしており,その世界観を忠実にゲーム内に再現していることが,これほどの長期間にわたるプレイヤーからの支持につながっているのでしょう。このような開発とサービスのノウハウは,今後も持続的に継承し,発展させなければならない重要なポイントです。
 またゲームのコンテンツ的な魅力でいえば,強者だけが生き残る無制限PvPこそが,韓国プレイヤーが最も好む要素です。1対1のPvPだけでなく「聖書戦」などに代表される戦争コンテンツが,ダークエデンの核心的要素だと言えます。

4Gamer:
 戦争コンテンツがより注目されることになった理由は何ですか?

Koo氏:
 すでにあった戦争コンテンツに「名誉システム」と「寄与度システム」を導入し,戦争に直接参加したプレイヤーにより大きな恩恵を付与したことが,モチベーションを喚起したようです。名誉システムと寄与度システムを通じて強力なレアスキルが獲得でき,これによってより迫力溢れる戦争が楽しめるのです。

4Gamer:
 今回,運営元の変更と同時に日本でも大型アップデートが行われましたが,その目的と最も重点を置いている部分を教えてください。

Koo氏:
 韓国で,2008年1月から6月までに本サーバーに実装されていた新しいコンテンツを日本サービスに実装して,新規マップ,ダンジョン,モンスター,スキル,ゲームバランスなどを一気に更新するのが目的です。
 このアップデートを通じて,日本バージョンと韓国バージョンが同じバージョンになり,今後も実施していく,日韓でのバージョン一致化の第一歩という点でも,大きな意味があります。開発チームは,今回の日本バージョンのサービスを,あたかも新作MMORPGをローンチするような気持ちで積極的に行っています。

4Gamer:
 今回のアップデートで,日本のプレイヤーにとって最も大きなメリットは何ですか?

Koo氏:
 新ダンジョンの“メネグロス”が実装されたことで,初〜中級のレベル帯を以前よりはるかに早く通過できます。これは私達の予想ですが,このダンジョンは,とくにPvEを好む日本のプレイヤーも,十分に満足させられるコンテンツだと思っています。
 また,新たに追加されたレアスキルによって,強力なスキルを使えるようになったほか,一部の種族のスキルバランスを調整して,ダークエデンの魅力であるスリル溢れるPvPをより楽しめるようになりました。

4Gamer:
 なるほど。それでは,日本バージョンだけのオリジナルアイテムやシステムなどを実装する計画はありますか?

Koo氏:
 日本プレイヤーのために,自分のアカウント内のすべてのキャラクターの獲得経験値が上昇する“砂時計”などのアイテムを追加しているほか,今後は日本オリジナルのペットと移動手段などを実装する予定です。

画像集#009のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー


プレイヤーを重視した日本市場戦略


画像集#005のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
4Gamer:
 ダークエデンを,SOFTON ENTERTAINMENTが日本で直接サービスをすることになった経緯を教えてください。

Kim氏:
 プレイヤーへのより緊密な対応と,直接的なマーケティングのために,ネットマーブルでの契約の形態を既存のパブリッシングからチャネリングに変更したのです。チャネリングサービスに変更することで得られた最大のメリットは,開発会社である我々が,日本のオンラインゲーム市場,日本のプレイヤーと直接的にコミュニケーションを取ることが可能になったという点です。
 今後,さまざまな経路を通じて日本プレイヤーからの意見を得て,それに耳を傾けつつ,プレイヤーと共にダークエデンを作っていきたいです。また,開発会社が直接サービスを行うことによって,アップデート周期もより短縮されるでしょう。

4Gamer:
 SOFTON ENTERTAINMENTが,これほどまで日本市場に関心を持っている理由は何ですか?

Kim氏:
 日本のゲーム市場は,世界最高のゲームだけが生き残れる市場だと思っています。ゲーム会社ならば,どこも最高の市場で真剣勝負をしたいと考えるものです。

4Gamer:
 では,今後の日本市場での戦略を教えて下さい。

画像集#007のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
Kim氏:
 SOFTON ENTERTAINMENTは,プレイヤーとの円滑なコミュニケーションを最高のモットーとしており,そのために可能ならば,プレイヤーと直接コミュニケーションしたいと考えています。
 非常に当たり前な話に聞こえるかもしれませんが,私達の日本市場での戦略は,プレイヤーが望むゲーム,プレイヤーが不満に感じていることに直ちに対応するゲーム,プレイヤーが楽しみながら幸せになれるゲームをサービスするということです。

4Gamer:
 プレイヤー重視こそが戦略の核心というわけですね。最近さっそく,ゲーム内で討論会を行ったと聞きました。

Koo氏:
 非常に小さいイベントでしたが,事前告知を行って選んだ28人のプレイヤーと,ゲーム内で意味のある討論を行いました。今回の討論は,最近ゲーム内で非常に有名になったGMのモモ(SOFTON ENTERTAINMENTの所属スタッフ)が進行を行ったもので,この討論を通じて,日本プレイヤーのダークエデンに対する愛情が強く感じられました。さまざまな意見が聞けるよい機会だったので,今後は定期的なイベントとして準備する計画です。

4Gamer:
 日本のプレイヤーの長所は何であると思っていますか?

Kim氏:
 日本プレイヤーの,ゲームに対する高い観察力に非常に驚いています。また,とくに信頼関係を重要だと考えているようで,自分が好むゲームに対して何でも積極的に参加することが印象的でした。


オンラインゲームの未来と収益モデルに関して


4Gamer:
 ダークエデンはかなり古いゲームなので,グラフィックス的には見劣りする面がありますが,MMORPGというジャンルにおけるグラフィックスと人気との相関関係をどうお考えですか?

画像集#008のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
Koo氏:
 MMORPGの人気において,グラフィックスが占める比重は非常に大きいのが事実です。しかしこれは,グラフィックスの技術的,または芸術的クオリティだけを意味するものではないでしょう。ゲームの特性,ターゲットとしているプレイヤーの好みなど,さまざまな側面から,その完成度が考慮されなければならないと思っています。
 ダークエデンの場合,2Dならではの操作感がグラフィックスの時代的な距離感を十分に相殺しており,そのような特性をより引き立たせる高い完成度のグラフィックスになっていると自負しています。
 もちろんプレイヤーの初期流入においては,グラフィックスの技術的,芸術的クオリティが大変重要です。しかし結局のところ,プレイヤーのゲームに対する忠誠心は,そのゲームがどの程度の奥深さを持っているかから生まれると思っています。
 ゲームの導入部におけるダークエデンのグラフィックスが,今の時代から見て非常に見劣りしているのは事実ですが、ゲームの中〜後半部のグラフィックスは2D分野での非常に高いクオリティに達していると思っています。ちなみに私達は現在,ゲームの導入部のグラフィックスのリニューアルを推進しています。

4Gamer:
 MMORPGというジャンルはいつまで人気を持続できると思いますか? また,カジュアルゲームの未来に関してはどんな見解を持っていますか?

画像集#004のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー
Kim氏:
 MMORPGというジャンルは事実上,現実世界をオンライン上の仮想世界に再現したもので,その世界での葛藤や対立構造,役割分担を通した協力と闘争を体験することで,プレイヤーは自身を投影して感情移入することになります。そのために,MMORPGはまだ高い可能性が残されたジャンルであると思っています。
 とはいえ,ゲーム市場が一つのジャンルだけに偏る現象は,業界とプレイヤー双方にとって良いものではないし,さまざまなジャンルが生み出されて新しい市場が開拓されるべきだと考えます。SOFTON ENTERTAINMENTは,そのような環境変化に速かに対応する計画です。
 韓国では長らくMMORPGが市場を牽引し,その後は老若男女誰もがカジュアルゲームという状況に簡単に陥ってしまった時期がありました。この現象は,MMORPGがカジュアルゲームという特定ジャンルに取って代わられたというよりは,オンラインゲームの新しい市場が開かれたことで,市場が拡大したと判断するのが正解です。
 そして何より重要なのは,これらすべてのMMORPGやカジュアルゲームが成功したわけではなく,プレイヤーの立場で忠実に企画し,開発されたゲームが成功を握ったということです。私達はこの部分に注目して新作を開発しています。

4Gamer:
 MMORPGの収益モデルがますます多様化されていますが,SOFTON ENTERTAINMENTもこれに対応するための何らかの準備を行っていますか?

Koo氏:
 プレイヤーに無理な出費を強要しないというのが私達の基本方針です。ただ,費用を支払ってアイテムを購入するプレイヤーには,支払った金額に見合う明確な利便性を提供しなければなければならないとも考えています。
 日本サービスにおいても,日本プレイヤーがどんなスタイルのアイテムを望み,その理由が何なのかを確実に把握しながら商品を追加していくつもりです。

4Gamer:
 では最後に,日本のダークエデンのプレイヤーに一言お願いします。

Kim氏:
 少し抽象的な話かも知れませんが,開発側の真心は,いつかはプレイヤーに伝えられると思います。開発だけでなく,運営においての私達のモットーは“人間中心”です。もし現在,少し不満に思う点があるとしても,私達はプレイヤーの心をとらえるために絶えず努力を続けていきます。変貌するダークエデンを,愛情を持って見守って下さい。

画像集#011のサムネイル/「ダークエデン」の日本サービス直接運営を開始した,開発元SOFTON ENTERTAINMENTの社長&開発取締役インタビュー

 インタビューで繰り返し延べられている,プレイヤーの意見を重視するという開発モットーが,今回非常に印象的だった。開発総括取締役のKoo,Bon-Seok氏は,驚くべきことに1995年にテキストベースのMUD(Multi User Dungeon)ゲームの開発を始めて以来,14年間ネットワーク関連ゲーム,オンラインゲームだけを作ってきたという,いわばオンラインゲームの職人のような人物だ。韓国のゲーム開発者のほとんどが,PC用パッケージゲームの開発経験者であることに比べ,Koo氏の経歴は非常に珍しいものだ。
 韓国でのダークエデンの持続的人気の背景には,プレイヤーの新しい意見やレポートを,常に運営サイドに伝えている,DSG(DARKEDEN Special Group)というプレイヤーグループの活動がある。日本でも間もなくDSGを募集し,運営を行っていくとのことなので,常にプレイヤーとのコミュニケーションを図りながら開発を行っていくというモットーは,これからも守られていくだろう。

  • 関連タイトル:

    ダークエデン 〜EXPANSION〜

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:06月02日〜06月03日