インディーズゲームの小部屋：Room＃673「Koi Farm」

　先日，トレセン学園でメイクデビューした筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第673回は，Job Talleの「Koi Farm」を紹介する。本作は，さまざまな模様のコイを掛け合わせ，理想のコイを作るというゲームだ。強豪がひしめくドリームレースで，目指せ優勝！


　日本で古くから親しまれてきたニシキゴイは，その色鮮やかで美しい姿から「泳ぐ宝石」とも呼ばれており，今や日本のみならず，世界中で広く愛されている。高額なものになると，高級車1台分もの価格が付くこともあるというニシキゴイを，自分の手で心ゆくまで育てられるのが本作の魅力だ。


　ゲーム画面はシンプルで，左上に大きな池，中央を横切るように流れる川，右下に小さな池が配置されている。左右の池は，それぞれ飼育用と繁殖用の池となっており，中央の川には野生（？）のコイが泳いでいる。ゲームを開始したら，まずは川から2匹のコイをドラッグ＆ドロップで右下の池に移し，繁殖させてみよう。


　しばらくすると，最初に選んだ2匹の特徴を受け継いだ稚魚が生まれるので，残しておきたいものは同じようにドラッグ＆ドロップで左上の飼育用の池に移し，不要なものは川に放流する。ときおり，突然変異的に色や模様が異なるコイが生まれることがあるので，珍しい模様のコイは優先的に残しておきたい。


　生まれたコイは，画面下にドラッグ＆ドロップするとカードになり，これを図鑑に登録していくのがゲームの目的。しかし，図鑑にはお題が設定されており，どんなコイでも登録すればいいというわけではない。例えば，一見すると同じように見える，白地に黒と黄色の斑模様のコイでも，黒い斑の上に黄色の斑が乗っているのか，あるいはその逆かで，別物と判定されるのだ。


　色や模様の継承には一定のルールがありそうだが，はっきりと示されるわけではなく，ランダム性も高い。そんな中で，ああでもないこうでもないと，さまざまな組み合わせを試して，理想のコイを目指すのが本作の醍醐味。図鑑に登録したコイから「コイ・コード」を生成し，ほかのプレイヤーと共有できるのも面白い仕組みだ。


　鳥の鳴き声とコイが水面を揺らす音だけが聞こえる世界で，ゆったりとした気分を味わえる本作は，Steamにて310円で発売中。のんびりと泳ぐコイを眺めているだけでも癒されるゲームなので，テンポの速いゲームに最近ちょっと疲れ気味の人もぜひどうぞ。

■「Koi Farm」Steamストアページ

https://store.steampowered.com/app/1518810/Koi_Farm/