インタビュー
オンラインRPG初心者の心を掴むべく,日本独自の世界観を構築。「くろネコONLINE」プロデューサー遠藤氏に今後の展開と意気込みを聞いた。
例年,春という季節にサービスを開始するオンラインゲームは多い傾向にあるのだが,2011年も例外ではない。そうした状況下において,「くろネコONLINE」はどのような施策をもって運営に取り組んでいくのか,プロデューサーを務めるゲームオンの遠藤峻亮氏に話を聞いてみた。
「くろネコONLINE」公式サイト
オンラインRPG初心者の心を掴むべく構築された世界観とアニメを使ったアピール
4Gamer:
本日は,よろしくお願いします。
「くろネコONLINE」が正式にサービス開始となりましたが,手応えなどはいかがですか?
3月2日から便利アイテムを導入したのですが,今はゲーム内が非常に賑わっている状態ですね。具体的な話をすると,2月の先行体験会のときは1ワールド3チャンネルだったのが,現在では9チャンネルまで増やしています。
4Gamer:
スタートは非常に好調だといえそうですね。
遠藤氏:
絶好調です。同時接続者数も,便利アイテムの導入から伸びているんですよ。まさに,予想を上回る反響ですね。実は社内にも,実際にプレイして,もうレベルキャップまで到達しているほどハマッている社員がいるんですよ(笑)。
4Gamer:
その好調の要因を,どのように分析していますか?
遠藤氏:
一つに,これまでゲームオンにはカジュアルゲームがなかったことがあります。そこが,ゲームオンの既存タイトルのプレイヤーさんにも刺さったのではないかと。
実は,弊社の既存タイトルのプレイヤーさんには,新ジャンルを投入すると実際に触れてみてくださる方が非常に多いんです。
弊社初のオンラインFPSだった「Alliance of Valiant Arms」のときもそうだったんですよ。くろネコONLINEの場合も,ちょっと試してみようと思って始めて,そのまま遊び続けている方が多いんじゃないでしょうか。
4Gamer:
もともとゲームオンのほかのタイトルを遊んでいたプレイヤーの割合は多いんですか?
遠藤氏:
初めてオンラインゲームを遊んだという方も非常に多いですよ。
というのも,「くろネコONLINE」では最初にアニメを使ったプロモーションをかけました。これが,アニメファンの方や,今までオンラインゲームをやったことがないという方に刺さったんです。「どうやってキャラを動かすんですか」「会員登録はどうやるんですか」といったような,初歩的な質問も多数寄せられるほどの勢いでした。
4Gamer:
プロモーションアニメについて,少し聞かせてください。「普通の学生が戦う」という設定は,もともとあったものですか?
それは日本で展開する上で,新たに作った設定です。
あのアニメは,見ていただいた方のファーストインプレッションになるものですから,しっかりと興味をもっていただき,かつ世界観を理解して,すんなりゲームに入れるよう,弊社のマーケティングチームと話し合って決めました。
また,くろネコONLINE自体に,日本のコンシューマゲームライクな部分があると思うんですよ。そこで,「勇者が世界を救う」という世界観をきちんと作って伝えることで,これまでオンラインゲームに馴染みがない方も入って来やすいイメージを作ろうと考えました。
つまり,プレイヤーさん各自が何のためにゲームをプレイするのかという部分を,最初に明確に伝えることで,誰にでも理解しやすいものにしたかったんです。
4Gamer:
ただ,そういった後付けの設定は,のちにギャップを生むかもしれないという不安がありますよね。
遠藤氏:
ええ。そこで,アニメで使った3キャラのフェイスパターンと髪型を日本独自に入れてもらいました。実際,アニメを見て興味を持っていただいたプレイヤーさんが,そのまま今も継続して遊んでいただいている,という手応えを感じています。
4Gamer:
そうした世界観を初期段階で伝えられたのも,好調の要因の一つというわけですか。
遠藤氏:
もう一つ,日本での展開にあたって,マウスだけで操作ができるようにした点が挙げられます。もともとの仕様では,アクション性のあるゲームであることからキーボードまたはゲームパットでの操作が基本だったのですが,オンラインRPG初心者の方が多くなるだろうと想定して追加しました。
早急の課題はレベルキャップ到達後のモチベーション維持。PvP導入も検討
4Gamer:
ゲームオンでは,これまでにいくつものオンラインRPGを手がけていますが,くろネコONLINEならではの傾向はありますか?
遠藤氏:
このタイトルには,「チャンネルチャット」というシステムがあるんです。これはチャンネル全体で会話できるチャットシステムなんですが,ワールドの1チャンネルでは,ちょっと面白い傾向が見られます。
チャンネルチャットを使って新規の方が「ゲームのここが分からないんです」と発言すると,誰かがすぐ答えてくれるんですよ。運営を手がける私が言うのもなんですが,ある意味,1チャンネルは“運営要らず”になっているといえます。初心者の方は,1チャンネルがオススメですよ。
4Gamer:
なるほど。その話を聞くと,あまりオンラインゲーム擦れしてないプレイヤーが多いのかな? という気がしますね。
逆にこれまで展開してきた中で,見えてきた課題はありますか?
やはり,レベルキャップに達して以降,モチベーションをどう維持していただくかという部分でしょうか。
あと,実は少し意外だったのが,PvPに対する要望が出てきていることです。「自分の育てたキャラを,もっと活躍させる場が欲しい」という,実にもっともなご意見ですから,近々のアップデートで実現できないか検討しています。もちろん,ゲームのイメージに沿って,殺伐とした内容とならないよう配慮していきます。
また,くろネコONLINEには「クロン」と呼ばれるモンスターをコレクションするという要素があります。そこでレベルキャップに達してもプレイを継続するモチベーションを保っていただけているというのが現状ですね。
4Gamer:
人気が集まっているクロンはいるんですか?
今は,「ノースティア」というキノコのボスモンスターが人気です。序盤に登場する「カウル」も人気が高いですね。あとは,やっぱり移動速度が上昇するという点で,騎乗型のクロンに人気が集まっています。
4Gamer:
「大砲」のような,いわばワープ的な移動手段もあって,それほど移動がしんどいイメージはないのですが,それでも騎乗クロンが人気なんですね。
遠藤氏:
大砲だと,移動できる位置が固定されますからね。ゲームに慣れてくると,やはり自由に移動したいという思いが強くなるのではないでしょうか。
また,クロンは進化が可能で,同じ種類のクロン同士を合成すると,元がEランクのクロンでも,D,Cとランクが上がっていくんです。
ランクが上がると使えるスキルが増えるだけでなく,クロンそのものの大きさもどんどん大きくなるんです。そういった形で,一口にクロンといっても,さまざまな楽しみ方ができるようになっています。
将来的には,違う種類のクロンを合成して新たなクロンが生まれるようなシステムも考えており,開発元と検討中です。
4Gamer:
クロンを全部集めようと思ったら,相当大変ですよね。
遠藤氏:
ええ,クロンの図鑑を埋めるには,かなりの労力を要するでしょう。ボスも含めてほとんどのモンスターがクロンになりますからね。特にボスモンスターをクロンにするのはかなり大変ですから,皆さん,何度もダンジョンやボス級のモンスターに挑戦している様子がうかがえます。
そしてプレイヤーの皆様のコレクション欲に拍車を掛けているのが,プレイヤーキャラとモンスターのレベル差があると,クロンの元であるジーンを入手できないという点です。つまり,高レベルになってしまったプレイヤーさんは,自力では低レベルのクロンを入手しづらくなるんですよ。
4Gamer:
それはプレイヤーから不満として意見が寄せられたりしていませんか?
遠藤氏:
クロンは取引可能ですから,高レベルのプレイヤーさんが,低レベルのプレイヤーさんから入手するといったことができるんです。そこで一つのコミュニケーションが成立していますから,今のところは経過を見守ろうかと考えています。
また現在企画として,カードゲームのようにクロン同士を戦わせる「クロンバトル」を実現できないか,開発元と検討しているところなんです。
3月初頭のアップデートでは高レベル対象のマップとコンテンツを追加
4Gamer:
3月2日に実装されたアップデート要素について聞かせてください。まずは,2次職について教えてもらえますか?
遠藤氏:
2次職は6職追加しました。1次職が3タイプありますから,それぞれ二つの職業に派生するという形になります。
その中でも特徴的なのがマジシャンです。2次職では,攻撃型と回復型にはっきり分かれます。現状では,攻撃型に転職される方が多いですが,自分に合ったほうを選んでいただけければと思います。
ウォリアーの2次職業「ナイト」 |
ウォリアーの2次職業「バーサーカー」 |
マジシャンの2次職業「プリースト」 |
マジシャンの2次職業「メイジ」 |
ハンターの2次職業「アサシン」 |
ハンターの2次職業「スナイパー」 |
4Gamer:
ほかに注目が集まっている2次職はありますか?
遠藤氏:
「ウォーリアー」の2次職「バーサーカー」です。やはり攻撃力が高いこと,そしてエフェクトが派手ということで,人気が高いです。敵がたくさん集まってきたところを一気にドンッと倒せる爽快感がありますから。
4Gamer:
「ハンター」はどうでしょう?
遠藤氏:
ハンターは不遇といわれてしまいがちだったのですが,2次職では攻撃の手数が増えるので楽しくなっているんじゃないでしょうか。
動きながら攻撃する,いわゆる“逃げ撃ち”を駆使すれば,ダメージを受けずにモンスターを倒すことも不可能じゃありませんし。
また,ちょっとしたコマンド入力で発動させる「コンボスキル」が多いのも,ハンターの特徴です。レベルが上がると,コマンド入力が2個から3個に増えたりと若干複雑化するので,アクションゲームに自信のある方はぜひ試してみてください。
4Gamer:
次に,新マップについて教えてください。
新エリア「ゴルゴン地域」 |
「ゴルゴン地域」内フィールド「サボーンの森」 |
レベルキャップが,レベル29から39に開放されたことに伴って,「ゴルゴン地域」が追加されました。今までは青い海,青い空みたいな爽やかなイメージだったのですが,今度の舞台は砂漠です。ちょっと冒険が厳しくなってきた,という感じを味わえるのではないでしょうか。
ただレベル上げ自体は,これまで通り困難なところはないですから,初心者の方もすぐに楽しめると思いますよ。
4Gamer:
遠藤さんの個人的なオススメのポイントはありますか?
遠藤氏:
「Mr.サボーン」というサボテン型のモンスターですね。実は,深夜の2時くらいにふと思いついて,私が命名したんです。なので,ぜひ仲間にして可愛がってください
4Gamer:
ダンジョンもいくつか追加されましたよね。
今回は,インスタンスダンジョン「ゴブリン炭鉱」が追加されました。ダンジョン内部は,名前のとおり,ゴブリンがいっぱい配置されています。少し高めの難度設定にしているので,レベルキャップに達しているプレイヤーさんでも,歯応えを感じてもらえるのではないでしょうか。
4Gamer:
ソロでの攻略は可能ですか?
遠藤氏:
7段階の難度が用意されていますから,最も低い難度なら頑張ればいけるかもしれませんね。最高難度では,5人パーティでも苦戦するほどですから。まあ,パーティ全員がレベル39に達していれば,比較的楽になるので,繰り返し楽しんでいただければと思います。
4Gamer:
難度以外に特徴はあるのですか?
遠藤氏:
途中,コロシアムにプレイヤー達が閉じ込められてしまうというギミックがあります。そこでは敵が次から次へと出てきて,全部倒さないと抜け出せないという仕掛けになっています。これも,ぜひプレイして確認してください。
4Gamer:
男女キャラのペアのみが入場できる「ペアダンジョン」はどうでしょう?
遠藤氏:
新たに,レベル25以上のペアを対象にした階層「モリアのお菓子工場 2階」が開放されました。全体がお菓子でできているメルヘンチックな構成になっています。フォークを持っているジンジャークッキーのようなモンスターも登場します。ここに登場するモンスターも,もちろんクロンにできますので,試してみてください。
また現在,ホワイトデーイベントも実施しています。ペアダンジョン内で「L」「O」「V」「E」それぞれのアイテムと「愛のしるし」を集めると,「お菓子武器」と交換できるんです。これはドーナツなどをモチーフにしているのですが,見た目だけの武器ではなく,性能も結構高いので,オシャレ勇者を目指す方はぜひ手に入れてください。
低年齢層/オンラインゲーム初心者が遊びやすくなるよう,有料の便利アイテム価格は抑え目に
4Gamer:
それでは,便利アイテムについても教えてください。このような有料アイテムの価格を設定するにあたり,配慮していることはありますか?
低年齢の方や,ライトなプレイヤーさんにも楽しんで遊んでいただきたいという意図を込めて,価格を低めに設定するよう心がけています。
例えば,インベントリを拡張するアイテムは200円で,いわゆるガチャ系アイテムにしても1回あたり100円〜300円にしています。これは弊社のオンラインRPGにおける同様のアイテムと比較しても,かなり低めの価格設定で,実は社内で物議を醸したほどなんです。
4Gamer:
実際のところ,プレイヤーの反応はどうですか?
遠藤氏:
ガチャ系アイテムに関しては,非常にたくさんご利用いただけています。レアなアイテムが当たると全体メッセージが流れるのですが,それが連日バンバン出ているという状態です。
4Gamer:
ズバリ,オススメは何でしょう?
やはりアバターですね。公式サイトの「くろネコカプセル」を利用していただくと,アバターがたくさん手に入るので,ぜひ活用して“オシャレ勇者”を目指していただきたいですね。また,くろネコカプセル自体も,Web版のクレーンゲームのような楽しいギミックになっているんですよ。
ちなみに,私のお気に入りは「フェアリーアバター」です。妖精の羽が凄く可愛いんです。シリーズを全部揃えると,特殊なエフェクトも発動しますので,ぜひ試してほしいですね。
4Gamer:
……それは揃えるのが大変なんじゃないですか?
遠藤氏:
そうでもないはずですよ。アバターはトレード可能になっていますので,交換を繰り返せば,意外とすぐに集まるんです。かくいう私自身も,ゲーム内でプレイヤーさんと交換したりしていますから。
4Gamer:
そういったアバターなどの企画は,日本で行っているんですか?
遠藤氏:
基本的には開発元の韓国PlayBusterが行っていますが,日本独自企画は弊社から提案しています。
PlayBusterの技術力はかなり高くて,こちらの提案が通ると,すぐに実現してくれるんですよ。例えば,先ほど話した日本仕様のフェイスパターンと髪型は,1週間経たずにできあがってきて,失礼ながらびっくりしました。
4Gamer:
ということは運営と開発との連携は,結構いい感じなんですね。
遠藤氏:
ええ。今回,くろネコONLINEを立ち上げるにあたっては,開始日の前後にわざわざ来日して,弊社で作業をしてくれたこともありました。「バグが見つかりました!」って伝えると,その場で直してくれるんですよ。
その一方では,テキストのフォントを,現在採用している手書き風のものに変更したいと提案したときは,私が「3日でやってほしい」とお願いしたこともあって,少し不穏な空気が漂いましたね(笑)。
4Gamer:
それは……実作業をする側からすると,笑いごとじゃないと思うのですが。
遠藤氏:
でも彼らもプロですから,「ゲームがよくなる」ことを理解してくれました。そのおかげで非常にいい仕上がりになったと思います。ぜひ,皆さんに見ていただきたいポイントの一つです。
世界観に沿ったローカライズとコミュニティ要素の強化を軸に展開
4Gamer:
くろネコONLINEを,サービスとして世に提供するにあたり,配慮していることはありますか?
遠藤氏:
ローカライズの部分ですね。コンテンツの内容を日本向けにすることと合わせて,くろネコONLINEでは,特に翻訳に気を使っています。アニメのところでもお話したように,しっかりした世界観を構築すべく,かなり力を入れました。
4Gamer:
用語や名前に違和感があると,せっかくの世界観が台無しになってしまいますよね。
遠藤氏:
ええ。とはいえ,決してシリアスなゲームではないですから,モンスターの名前一つをとっても「生まれたてのヒヨ」「空色キノコ」というように,ちょっとギャグっぽい要素も心がけるようにしました。「よく分からないけれど,何か面白い」と思っていただければと。ノリで決めているものもありますが(笑)。
4Gamer:
黒猫の「カイ」の設定も,日本で決めたのですか?
遠藤氏:
いえ,黒猫のカイだけは,プレイヤー達をアリエル大陸に導いた存在という,もともとの設定を使っています。ただ,先行体験の特典として配布した,召喚型補助クロン「カイJr.」だけは,日本独自のものですね。
4Gamer:
カイといえば,声優の大谷育江さんがボイスを担当していることも話題になっていますよね。
私自身が「大谷さんにお願いしたい!」と強く要望を出したんです。ルーレットなどでは「当たりだにゃ」とかしゃべってくれて,かなり可愛いんです。
ともあれ,今後も引き続き,そういった温かい世界観を作っていきたいと考えています。また運営チームを「くろネコ組」と呼んだり,プレイヤーさんを「勇者様たち」と表現したりするのも,世界観を維持する試みの一環なんです。
4Gamer:
それでは,今後の展開について教えてください。
遠藤氏:
近々のアップデートで,「プレミアムダンジョン」と「挑戦ダンジョン」という,2種類の新たなタイプのダンジョンを追加する予定です。
「プレミアムダンジョン」は,通常のインスタンスダンジョンをクリアしたあと,稀に登場します。具体的には「黄金の扉」が登場するのですが,このとき「黄金の鍵」を持っていると,さらなるダンジョンに挑戦できるんです。
4Gamer:
ボーナス的な位置付けのダンジョンなんですね。
遠藤氏:
ただ,このダンジョンは3パターン用意されていて,当たり外れがあります。大当たりは,宝箱がたくさん落ちているパターンで,レアアイテムがたくさん手に入ります。あとは獲得経験値が多いモンスターが多数現れるパターンと,ものすごく強いモンスターがたくさんいるパターンがあります。
もう一方の「挑戦ダンジョン」は,自分が力尽きるまでとにかく敵を倒し続けるという,サバイバルタイプの内容です。このダンジョンには専用ポイントが用意されていて,一定値を超えると業績を獲得できます。
4Gamer:
そのほか,今後の展開で今,教えてもらえるものはありますか?
遠藤氏:
現在,2011年内実装を目標に,ハウジングシステムを企画中です。家を建てて,友達を招待できるといったように,長時間ゲーム内で過ごせる仕組みを整えていきたいと考えています。
「やってもらえれば面白い」を,いかに伝えていくかが運営チームの力の見せどころ
4Gamer:
それでは,運営・開発の方向性について教えてください。くろネコONLINEは,可愛らしいキャラでアクション性があるゲームという,いわば最近のオンラインRPGの流行ともいえるタイプです。今後,どのように競合タイトルと差別化を図っていく予定ですか?
遠藤氏:
今のプレイヤーさんを楽しませ,離れていかないような施策は今後も続けていきます。
例えば,今,考えているものですと「アバターコンテスト」ですね。皆さんから公募したアバターのアイデアの中から,人気の高いものをゲーム内に実装するような内容です。
また現在,友達を100人作ると獲得できる“業績”が,ゲーム内では非常に人気が高いので,ギルド紹介やフレンド作りのキャンペーンなども,随時展開したいですね。
何といっても,私達のやるべきことは皆さんに居心地のいい場を提供することですので,コミュニティをもっと強化していくという方向で考えています。
4Gamer:
先ほど,遠藤さん自身も実際に遊んでいるという話がありましたが,GMとしても参加しているんですか?
遠藤氏:
ええ。実際にゲーム内に入ってみないと,分からない部分が多いですから。
くろネコONLINEでは,運営の存在を意識させないために,GMをNPCキャラ的な位置付けで登場させているのですが,私が操作を担当していることも多々あります。また運営チームのスタッフには,GMキャラとは別に,きちんと自分のキャラも育てるようにと義務付けていますから,みんなゲームに詳しいですよ。
4Gamer:
多くのオンラインゲームで,これまで話に出たような施策に運営チームが取り組んでいるという話自体はよく聞きます。残念ながら,それがうまく結果に結びつかないケースも少なくありませんが,その点についてはどう考えていますか?
根性論ではないですけど,私個人は「最後まで諦めない」ことが大事だと捉えています。ゲーム自体は,やってもらえれば絶対面白いですから,それをどれだけ皆さんにお伝えできるかが,私達運営チームの力の見せどころです。
それが実行できないというのであれば,プロデューサーたる私自身が駄目だったということになります。だからこそ,本気だし必死ですよ。プレイヤーさんと一緒にゲームを作っていくためなら,何でもやります。
オンラインゲームは,誰が運営をしているのか分からず実態が見えないことが多いと思うんです。その1つが,こうやって顔を出して想いや意図を語ることで安心してもらえるのでは,という想いです。それこそ,こうして執事の格好で街を歩きますし,猫のポーズで写真を撮ってもらったりもしているわけです(笑)。
4Gamer:
それでは,最後にくろネコONLINEに期待する人に向けたメッセージをお願いします。
遠藤氏:
運営チーム一丸となって,“私達自身がゲームの作り手”であるという意識をもって取り組んでいます。プレイヤーさんの皆さんも,ぜひ一緒にくろネコONLINEを作っていきましょう!
4Gamer:
ありがとうございました。
まだ20代後半,かつ写真の通り,執事姿のよく似合うイケメンの遠藤氏だが,実は過去2年ほどゲームオンの老舗オンラインRPG「SiLKROAD ONLINE」のプロデューサーを務めていたという経歴を持っている。
その経験と実績をもとに,今回,遠藤氏はくろネコONLINEを手がけるわけだが,このインタビューの終盤は図らずも同氏の決意表明のような内容となった。その決意が,くろネコONLINEの発展に結実することに期待したい。
「くろネコONLINE」公式サイト
- 関連タイトル:
ネコと勇者(クロニア) くろネコONLINE改
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