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NTTドコモ冬モデル「arrows NX」&「V20 PRO」テストレポート。堅牢性重視のミドルクラスと高音質サウンドが魅力のハイエンド端末をチェック
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印刷2016/10/20 20:02

テストレポート

NTTドコモ冬モデル「arrows NX」&「V20 PRO」テストレポート。堅牢性重視のミドルクラスと高音質サウンドが魅力のハイエンド端末をチェック

arrows NX F-01Jを披露するNTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘
画像集 No.002のサムネイル画像 / NTTドコモ冬モデル「arrows NX」&「V20 PRO」テストレポート。堅牢性重視のミドルクラスと高音質サウンドが魅力のハイエンド端末をチェック
 2016年10月19日,NTTドコモは,2016年冬〜2017年春モデルの新製品発表会を開催し,7機種の新型スマートフォンを発表した(関連記事)。新製品7機種のうち,最も注目を集めそうなXperiaシリーズの「Xperia XZ SO-01J」と「Xperia X Compact SO-02J」については,テストレポートを掲載済みだ。
 それに続く本稿では,12月上旬発売予定の富士通コネクテッドテクノロジーズ(以下,富士通)製端末「arrows NX F-01J」と,2017年2月発売予定のLG Electronics製端末「V20 PRO L-01J」をチェックしてみた。Xpeiraシリーズが,比較的無難な端末に仕上げてきた印象が強いのに対して,今回の2機種は,メーカーの攻める姿勢がうかがえるものとなっている。


arrows NX F-01J


 arrowsの名を冠するスマートフォンは何種類か存在するが,その中でもarrows NXシリーズは,富士通製スマートフォンのフラッグシップモデル的な存在として,スペックや機能の充実したハイエンド端末路線の製品に位置付けられていた。2015年冬モデルだった「arrows NX F-02H」も,そうした製品の1つだ。
 それに対して今回のarrows NX F-01J(以下,arrows NX)は,ミドルクラスのスペックに,「NTTドコモ製品では最も厳しい水準の落下試験をクリア」したという堅牢性という新要素を加えた端末へと方向転換を図っている。

 まずは外観から見ていこう。
 5.5インチサイズで解像度1080×1920ドットの液晶パネルを備えた本体は,前面側に金属部材,背面側には樹脂系の部材を使用して,薄い2枚の板を重ねたようなデザインが特徴となっている。
 前面の金属部材は,スマートフォンでの採用事例が増えているアルミニウム合金の7000番台だ。これが側面を保護するバンパーのように配置されており,見栄えの良さだけでなく,強度の確保にも一役買っているという。

前面(左):上側左寄りに,arrows NXシリーズのトレードマークになりつつある虹彩認証センサーがある
背面(右):目立つデザインのアウトカメラが左上にあり,その下にLEDライト,右側にはサブマイク孔を配置
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本体カラーは左からBlack,Copper,Whiteの3色。ただ,前面のベゼルは黒一色なので,真正面から見ると見分けが付きにくい
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上側面(左):3.5mmミニピンのヘッドフォン端子があるほか,写真左端には地上デジタル放送受信用のロッドアンテナを備えている
下側面(右):ストラップホールとUSB 2.0 Micro-B端子,マイク孔がある。上下で部材が異なるのがよく分かるだろう
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左側面:防水カバーの下に,microSDカードスロットとSIMカードスロットがある
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右側面:音量調整ボタンと[電源/スリープ]ボタンがあるだけ。ちなみに,arrows NXは生体認証機能として虹彩認証センサーを備えているので,指紋認証センサーは持っていない
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SOLID SHIELDの構造を示した展示。左右側面側のステレンスフレームとステンレスホルダで構成されており,基板とバッテリーを守っている。放熱にも有利だそうだ
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 筐体の内部には,「SOLID SHIELD」と呼ばれるステンレス製のフレームを採用しており,曲がりや捻れに対しての耐性を高めている。背面は強度面で劣る樹脂製だが,説明員によると,樹脂製部品の裏側にSOLID SHIELDを配置することで,背面に金属部材を採用する場合よりも重量が軽くなり,衝撃のダメージを樹脂製部品で逃がしやすいといった利点があるそうだ。

前面ガラスの周辺部はわずかだが盛り上がっており,滑落時にガラスが直接地面などに接触しにくいようになっている(左)。側面の保護フレームは0.3mmの厚さがあるそうだ(右)
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ポケットのなかでコインやカギなどと接触して,液晶パネルに傷が付くというのはよくある話。写真はその再現ができるテストだが,説明員によるとカギやコインだけでは傷が付かないので,ボルトやネジも追加したとのこと。それでも傷は付かなかった
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 液晶パネルを保護する強化ガラスは,Corning製の「Gorilla Glass 4」を採用する。定番の強化ガラスであるが,他社の採用端末よりも分厚いもの使用して,傷への耐性だけでなく,圧力に対しても高い耐性を得ているそうだ。こうした強度確保の取り組みによってarrows NXは,高さ1.5mから26方向でコンクリートの上に落下させても,液晶パネルが極めて割れにくいという堅牢性を実現したという。
 発表会場でも,1.5mの高さから落とすテストや,液晶パネル側に圧力をかけるテスト,回転する容器内で釘やコインと一緒に入れた端末をグルグル回すテストが披露されていた。来場者が自由に圧力をかけていいというテストは珍しく,堅牢性に対する富士通の自信が表れている。


 arrows NXのスペックを確認しよう。
 SoCには,Qualcomm製のミドルクラスSoCである「Snapdragon 625」を採用しており,メインメモリ容量は3GB,内蔵ストレージ容量は32GB。最大容量256GBのmicroSDXCカードにも対応する。バッテリー容量は2850mAhと,5.5インチ級としてはやや少なめか。

 搭載OSはAndroid 6.0(Marshmallow)で,Android 7.0へのアップデート予定は公表されていない。
 試用機には,NTTドコモ製のホームアプリがインストールされていた。独自機能は意外にも少なく,電源管理設定はAndroid OS純正の機能をそのまま利用しているようだった。かつてのArrowsシリーズに比べると,ずいぶんさっぱりした内容だ。細かくカスタマイズしたソフトウェアを載せるよりも,素のAndroidを活用する路線に変更したのか,それとも単にソフトウェア開発が間に合わなかっただけなのかはよく分からないが。
 ホーム画面や電源管理に独自性は少ない一方で,地上デジタル放送用のロッドアンテナや,オンキヨーと共同開発したというサウンド機能,そして虹彩認証センサーの標準装備など,富士通の端末らしい独自の要素は,ハードウェア部分に残っている。

いまや珍しい装備となったテレビ受信用のロッドアンテナを装備(左)。搭載液晶パネルは「IPS-NEO」とのことで,NTSC比で「96%の高い色再現性」を実現するという(右)
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「バッテリーセーバー」機能は,オン/オフの設定のみ(左)。サウンド機能では「Dolby Audio」に対応しており,ゲーム用のプリセットもある(右)。ちなみに,ハイレゾ音源の再生時には,Dolby Audioは自動でオフになるそうだ
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 定番のベンチマークテストによる性能計測は,いつもどおりグラフィックス系ベンチマークアプリの「3DMark」とCPUの動作クロックを見る「CPU-Z」,メインメモリおよびストレージの性能を見る「A1 SD Bench」,連打応答性を調べる「ぺしぺしIkina」の4本でテストしてみた。
 なお,ゲームの動作検証は,残念ながら発表会では時間切れでテストできなかった。同じSoCを採用する「ZenFone 3 ZE520KL」は,「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(以下,デレステ)が快適に動作していたので,十分な性能は備えていると思われるのだが。

 まずは3DMarkからチェックしよう。Ice Strom Unlimitedプリセットのスコアは「13855」。これは,ZenFone 3 ZE520KLとほぼ同じくらいのスコアであり,国内メーカー製端末にありがちな,バッテリー駆動時間最優先でグラフィックス性能を制約するようなSoCの制御は行っていないようだ。
 Monitoring dataを見ると,CPUの動作クロックは激しく上下動を繰り返していた。また,温度はふらつきながらも,ゆるやかに上昇している。

arrows NXにおける3DMark Ice Storm Unlimitedの細目(左)と「Monitoring data」グラフ(右)
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 CPU-Zでチェックしてみたところ,CPUコアはARM製のCortex-A53が8基で,動作クロックは652MHz〜2.02GHzと認識されていた。ただ,big.LITTLE構成のように,CPUコアを2群に分けて動作を変える様子は見られず,全コアが揃って同じ動作クロックで動いている。
 説明員によると,12月の発売までまだ時間があるので,アイドルおよび軽負荷時のSoC管理は調整中とのことだ。GPU動作クロックも320〜650MHzの間で変動していたが,こちらも調整が入るものと思われる。

CPU-Zで動作を確認している様子。CPUコアの動作クロックは,全コアが揃って同じクロックだった(左)。GPUコアのほうは,アイドル時の動作クロックが320MHzで,負荷がかかると650MHzまで上昇していた(右)
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A1 SD Benchの結果(左)。特筆すべき点はなく,搭載SoC相応のスコアだ。ぺしぺしIkinaは,93〜96になるように連打して「88」(右)。飽和のタイミングは41タップめに長い飽和があった程度と良好
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●arrows NX F-01Jの主なスペック
  • メーカー:富士通コネクテッドテクノロジーズ
  • OS:Android 6.0(Marshmallow)
  • ディスプレイパネル:約5.5インチTFT液晶(IPS-NEO),解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 625」(MSM8953,8 CPUコア,動作クロック設定2.0GHz)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大256GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2300万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:2850mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:未定
  • 3G連続通話/LTE連続通話:未定
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz
  • PREMIUM 4G対応:対応(受信時最大262.5Mbps,送信時最大50Mbps)
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/n
  • Bluetooth対応:4.2
  • 公称本体サイズ:約75(W)×約156(D)×約7.7(H)mm
  • 公称本体重量:170g台
  • 本体カラー:Copper,White,Black
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,VoLTE(HD+),おサイフケータイ(NFC ※FeliCa搭載),防水(IPX5,8),防塵(IP6X),虹彩認証,ワンセグ,フルセグ


V20 PRO L-01J


 LG Electronics(以下,LG)製スマートフォンのV20 PRO L-01J(以下,V20 PRO)は,グローバルモデルである「LG V20」をベースに,液晶パネルサイズの変更(5.7インチサイズから5.2インチサイズに縮小)や,防水(IPX5,7)や防塵機能(IP6X),おサイフケータイやフルセグテレビ機能といった日本市場向け仕様を追加した端末だ。10月18日にKDDIが発表した「isai Beat LGV34」と,仕様はほぼ同じとなっている。
 発売時期は2017年2月の予定と少々先だが,ベンチマークはOKということだったのでテストしてみた次第だ。

 LGのフラッグシップ端末がベースとなっているので,外観の仕上がりも上々だ。四側面に角を丸めたラウンドフォルムを採用しているのは珍しくないが,持ち心地を追求したのか,単に丸いわけではなく,複雑なカーブで構成されている。また,前面の上下端は液晶パネル面よりもわずかに盛り上がっており,これが持ちやすさにもつながっているようだ。
 ディスプレイには,5.2インチサイズで解像度1440×2560ドットの液晶パネルを採用している。パネルの発色は良好だった。

前面(左):インカメラ横にあるものがセカンドスクリーン。受話口はスピーカーも兼ねている
背面(右):上部のデュアルカメラが目立つ。デュアルカメラの間にLEDライトとレーザーAFセンサーがある。その下にある丸いボタンは,指紋認証センサーを兼ねた[電源/スリープ]ボタンだ。なお,金属筐体の材質についての説明はなかったが,おそらくは定番のアルミニウム合金だと思われる
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上側面(左):サブマイク孔と赤外線ポートがある。赤外線ポートはリモコン用として用意されているそうだ詳しい情報は得られなかった
下側面(右):3.5mmミニピンのヘッドフォン端子とマイク孔,USB 2.0 Type-Cとスピーカー兼用のマイクが並んでいた。マイクは合計で3つあり,高精度の録音が可能とのこと
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左側面:音量調整ボタンはこちら側にある
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右側面:SIMカードおよびmicroSDXCカードスロットがあるだけ
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 V20 PROの大きな特徴は,「セカンドスクリーン」と称する横長の小型有機ELパネルを搭載することである。V20の前モデルである「LG V10」で採用されたものだが,日本で販売されるLG製品では,V20 PROが初の採用端末となった。
 セカンドスクリーンは,本体前面上側にあるインカメラの右横に装備されており,解像度は1040×160ドット。基本的には,メインディスプレイを消しても常時点灯しており,プッシュ通知を表示したり,さまざまな機能ボタンを配置したりできる。また,メインディスプレイからアプリのショートカットをドラッグ&ドロップでセットすることも可能など,なかなか多機能だ。

インカメラの右にある部分がセカンドスクリーンだ(左)。ここに表示するアプリも用意されている。メインディスプレイをオフにしても,セカンドスクリーンな常時点灯している(右)。自発光式の有機ELパネルなので,黒い部分は光る必要がなく,液晶パネルよりも消費電力を減らせる理屈だ
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セカンドスクリーンは,左右へのスワイプで表示内容を変更できる(左)。また,メインディスプレイの点灯や消灯に連動して,セカンドディスプレイをオン/オフする設定も可能。無線LANやBluetooth,ライトのオン/オフを切り替えるボタン(クイックツール)を配置することもできる
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 ゲーム方面でのメリットを考えてみると,通知がセカンドスクリーン側に表示されるため,プレイ中に通知が表示されて操作をミスするような事故を減らせるのではないだろうか。

V20 PROのアウトカメラ。左が通常,右が広角レンズだ。2つのレンズに挟まれた部分には,LEDライトや近接センサらしきものがある
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 V20 PROが備えるもう1つの大きな特徴は,アウトカメラのデュアルレンズだ。
 通常レンズと広角レンズを備えており,通常レンズは有効画素数約1620万画素,広角レンズは135度で有効画素数約820万画素で,カメラアプリから任意に切り換えて撮影できる。
 ちなみに,インカメラも通常モードと広角モードという2種類の撮影モードを持っている。

 V20 PROは,スペックも充実している。
 まず搭載SoCには,Xperia XZ SO-01J(以下,Xperia XZ)と同じQualcommのハイエンドSoCである「Snapdragon 820」(MSM8996)を採用。メインメモリ容量は4GBで,ストレージ容量32GB,最大容量256GBのmicroSDXCカードにも対応するといった具合で,メインメモリ容量はXperia XZの3GBよりも多い。バッテリー容量は2900mAhで,こちらはXperia XZと同じだ。
 OSにはAndroid 7.0(Nougat)を採用する点もポイントといえよう。NTTドコモの2016年冬〜2017年春モデルで,標準搭載OSにAndroid 7.0を採用しているのは,本製品だけである。ほかのメーカーも,最新OSのサポートにはもう少し努力してほしいものだ。

 話を戻そう。サウンド面もLGが力を入れている部分だ。
 V20 PROは,ESS Technology製のD/Aコンバータ(以下,DAC)チップ「ES9218」を採用しており,既存の単体DACよりも,50%のノイズ低減を実現しているという。サウンド出力すべてがES9218を通過するため,ゲームプレイ時にも良質なサウンドを楽しめると,説明員はアピールしていた。
 またサウンド機能には,オーディオ機器メーカーのBang & Olufsenによるカジュアルユーザー向けブランド「B&O PLAY」の名を冠しており,Bang & Olufsenのエンジニアによるチューニングが施されているとのこと。背面には,その証である「B&O」のロゴマークも入っている。
 実際にヘッドフォンをつないで音楽再生を試してみたが,ありふれたスマートフォンの音質とは,露骨なほどの違いを体感できた。興味のある人は,デモ機の店頭展示が始まったら,愛用のヘッドフォンを使った試聴をお勧めする。

 OSのチューニングだが,NTTドコモ製のホームアプリやプリインストールアプリが入っている以外,特別な機能や設定の追加は見当たらなかった。発売がまだ先にもかかわらず,ベンチマークテストの実施に許可が出たのは,グローバルモデルで開発が先行しているためだろうか。

 それではベンチマークテストで,実力を検証していこう。
 3DMarkのIce Strom Unlimitedプリセットは「29804」と,Snapdragon 820搭載機の標準といえる3万弱を記録した。
 Monitoring dateを見てみると,CPU動作クロックは「Graphics test 2」で乱高下しているものの,それ以外はほぼ高い動作クロックに貼り付いていたのが分かる。これはXperia XZとほぼ同じ挙動であり,製品版でも同様の動作になりそうだ。

V20 PROにおける3DMark Ice Storm Unlimitedの細目(左)と「Monitoring data」グラフ(右)
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 CPU-Zでは,4基のCPUコアを2基ずつに分けて,big.LITTLE構成で動作するようになっていた。CPU動作クロックは,307MHz〜2.15GHzとなっていたが,CPU負荷率を示す「CPU Load」が33%になっても,4コアとも最低の307MHzから上がる様子がなく,結果として動作が急にもっさりとする要因になってしまっていた。ここらへんの挙動は,いかにも開発途中のハードウェアらしい。
 また,GPUの動作クロックは最大133MHzと表示されていたのだが,実際には256MHzで動作する様子を確認できたので,単純な誤認識だろう。

CPU-Zで動作を確認している様子。CPUコアのCPU 0〜1とCPU 2〜3がセットで動くbig.LITTLE構成だった(左)。GPUコアの最大動作クロックは133MHzと表示されているが,これも誤認識のようだ(右)
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A1 SD Benchの結果(左)。最近のハイエンド端末らしく高いスコアで,とくにInternal memory Readが優秀だ。ぺしぺしIkinaは,93〜96になるように連打して「88」(右)。随所で細かい飽和はあったが,長い飽和はなくこのスコアなので,現時点でも連打については問題ナシ
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チュートリアル時の判定は「3D標準」
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 V20 PROでは,デレステのテストも実行できた。
 3Dグラフィックスの描写はとてもスムーズだったのだが,入力取得には問題があるようで,やたらとミスが連発した。ぺしぺしIkinaの結果からすると,スムーズに取得できそうなものなのだが……。発売4か月前のチューニングされていない段階では,こんなものなのかもしれない。KDDI版は11月中旬発売予定なので,すでにチューニングも済んでいるだろうから,そちらでどう動くかが気になる。

描写についてはとくに問題ナシ。しかしタップの取得ミスが頻発した
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 ヘッドフォンを装着して,デレステの音楽再生も確認してみた。
 サウンド機能をアピールしている2016年冬モデルのスマートフォンといえば,筆者が先日テストした「AXON 7」が思い浮かぶ。V20 PROのサウンドは,AXON 7とは路線が異なるものの,なかなかいい音を聞かせてくれた。
 デレステであればクール系の楽曲に合いそうで,高音のキラキラ感がいい感じだ。この端末でメロディアス・メタルを聴くと,楽しそうだなといった印象を受けた。音楽を楽しむスマートフォン向けゲームは多い。そうしたゲームのファンであれば,サウンド面の良し悪しで端末を選ぶといった流れも出てきそうである。

 いずれにしても,入力の問題でデレステは正常にプレイできなかったため,製品相当の試用機かKDDI版で,改めてテストをしてみたいところだ。

●V20 PRO L-01Jの主なスペック
  • メーカー:LG Electronics
  • OS:Android 7.0(Nougat)
  • ディスプレイパネル:約5.2インチTFT液晶,解像度1440×2560ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 820」(MSM8996,4 CPUコア,動作クロック設定2.2GHz+1.5GHz)
  • メインメモリ容量:4GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大256GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1620万画素+約820万画素(デュアルカメラ)
  • インカメラ:有効画素数約510万画素
  • バッテリー容量:2900mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:未定
  • 3G連続通話/LTE連続通話:未定
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz
  • PREMIUM 4G対応:対応(受信時最大500Mbps,送信時最大50Mbps)
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.2
  • 公称本体サイズ:約72(W)×約149(D)×約7.9(H)mm
  • 公称本体重量:140g台
  • 本体カラー:Titan
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,VoLTE(HD+),おサイフケータイ(NFC ※FeliCa搭載),防水(IPX5,7),防塵(IP6X),指紋認証,ワンセグ,フルセグ

NTTドコモの2016年冬〜2017年春モデル特設ページ

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    arrows(旧称:ARROWS)

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