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“主演”という武器を得て，役者として大きくなる！ 「エーステ」秋組公演のゲネプロをレポート
2023年11月11日〜19日まで，TOKYO DOME CITY HALLにて上演中の「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜AUTUMN 2023〜」。11月24日〜29日には梅田芸術劇場 メインホールで，12月5日〜23日には再び東京の日本青年館ホールでの上演が予定されています。 |
2022年より原作ゲームのメインストーリー第二部にあたる「ACT2!」に突入した「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズ（関連記事）。各組に6人目の新劇団員を迎え，新たな季節になった本公演では，「新生秋組第五回公演『燃えよ饅頭拳！』」（主演：七尾太一）と「新生秋組第六回公演『Fallen Blood』」（主演：兵頭十座）の上演にまつわるストーリーが展開されます。本稿では，11月11日に実施された関係者・マスコミ向けのゲネプロ公演の模様をお伝えしましょう。
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イントロダクションでは，アクションを得意としている秋組メンバーの6人が登場すると，互いに闘い合うバトルが発生！ 銃や刀など各々に似合う武器を持って戦う摂津万里（演：水江建太），伏見 臣（演：稲垣成弥），古市左京（演：藤田 玲），泉田 莇（演：吉高志音）ですが，そんな彼らに未だ主演を演じたことがない兵頭十座（演：中村太郎），七尾太一（演：赤澤遼太郎）は無手で応戦します。
しかし，拳は届かず，上段へ上がっていく4人を悔しそうに見送りながら，「必ず追いつく！」と叫ぶ十座と太一の姿を印象付けながら，物語は本編へと進みます。
トラウマを抱える太一がつらい，秋組初のコメディ作品
舞台の前半は太一がメインの「燃えよ饅頭拳！」の物語。
次の舞台で新しいことに挑戦したいと考える秋組はコメディ×カンフーに挑戦し，太一が主演に選ばれます！
しかし，初めての主演を前にし，喜びつつも不安が大きい太一はコメディの勉強にカンフーの特訓と過密スケジュールを組むように。夏組の向坂 椋（演：野口 準）や兵頭九門（演：新 正俊）と合同で行ったコメディに向けての勉強会でも，周りからの評価は高いのに，それを素直に受け止めることができません。
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役者経験は長いものの，MANKAIカンパニーの前に所属していたGOD座では落ちこぼれ扱いされ，ずっとステージのセンターに立つ“スポットライト・0番”に憧れ続けていた太一。そんな彼が仲間に認められ，主演を任されたのに，GOD座でのトラウマに苛まれながらスポットライトの外で歌う場面は，見ている観客も苦しい気持ちでいっぱいになるシーンでした。
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その後，太一は仲間たちの前で心情を吐露するポートレートを行うことで，自分への自信をつけ，ついに「秋組第五回公演『燃えよ饅頭拳！』」の幕が上がります。
老師（古市左京）のもとでカンフーの修行を受けていたチャン（七尾太一）とユン（泉田 莇）でしたが，赤龍（兵頭十座）と名乗る道場破りからの襲撃が！ 「太極饅頭拳」の巻物を奪われたチャンとユンは巻物を奪い返し，饅頭拳の継承を目指します。
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「燃えよ饅頭拳！」は，普段のキャラクターと演じているキャラクターのギャップがユニーク！ とくにおとぼけな老師を演じる左京や，チャンたち弟弟子に緩いツッコミを入れるハン役の臣などの会話には思わず笑ってしまいます。
また，カンフーによる派手なアクションシーンも楽しく，とくに道場を去ったハンが営んでいるお店で，チャンとユンがシン（摂津万里）率いる手下たちと戦うシーンは，椅子や机を使って大乱闘に！ 敵をボコボコにするついでに，ボロボロになっていく料理店。スカッとした気持ちと笑いが一気に押し寄せ，「秋組，コメディも似合う！」と非常に見どころがあるパフォーマンスでした。
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ステージの幕が閉じると，舞台を見守っていた椋と九門の感想へ。笑い満載の舞台であったにも関わらず，太一のこれまでを思って涙してしまうふたり。彼らの会話を聞いた直後に，会場にいる監督たちは太一から「どうでした？」と聞かれることになるのですが，椋たちの会話に同意している監督ならば絶対に渾身の拍手を送りたくなる場面でした！
不器用な十座が自分という役者を知る「Fallen Blood」
休憩を挟んだ舞台後半は，十座が主演となる「Fallen Blood」の物語へ。
次の舞台は，主演未経験の十座が主役のヒーローものアクションに決まった秋組。不器用な十座が主演で，さらにプレッシャーもかかっている今回は彼が演じやすいヴィランがメインの物語がいいのではと提案されますが，当の十座は「今まで演じたことがないキャラクターを演じてみたい」と，その提案を拒否してしまい，主演の方向性が定まらない秋組はプロットすらできない日々が続きます。
また，演技の幅を磨きたい十座は，MANKAIカンパニーの演技指導をしてくれる鹿島雄三（演：鯨井康介）のワークショップに行き，同じくワークショップへ来ていた万里の演技をあらためて見ることに。器用な役者が理想である十座は自分と万里の演技と比べるほど，自分に足りないものばかりが見えてしまいます。
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もともと劇団に入る前から因縁がある十座と万里ですが，今回の物語ではお互いに意識し合う「ライバル」という側面が強く出るように。
役にのめり込み，むき出しの感情を乗せて役と同化できる十座。どんな役でも天性の感覚ですぐにつかみ取り，器用に演じ分けができる万里。自分にないものをお互いに尊敬，嫉妬しているのに，直接ぶつかり合うことなく進んでいく展開は歯がゆさがムズムズと……。しかし，この不器用な形が十座＆万里ペアの魅力です♪
その後，最後まで自分の役者としてのよさを自覚できなかった十座は，みんなからの「兵頭十座という役者をどう思うか？」というインタビュー映像を見ることに。
この仲間5人からのインタビュー映像は物語の合間にスクリーンに映し出される形で流れていたのですが，最後の十座による決意表明を撮るときは，ステージ上で臣が撮影している動画がそのままスクリーンへ！ 客席で舞台全体を見ながら，スクリーンでは今その場で撮られている十座のアップも味わえるという贅沢な瞬間でした。
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そして，街を裏側から守るというダークヒーロー・ブラッド（兵頭十座）が主役の「Fallen Blood」が開幕。格闘家として活躍し，ヒーローと謳われるヒューイ（伏見 臣）と出会ったブラッドは，街を狙うテロリストの目論見に巻き込まれ，犯罪者として追われるようになります。
「Fallen Blood」はサイバー感のあるセットが印象的で，ヒューイたちが暮らす上段の世界と，アングラの掃除屋として働くブラッドの下段の世界がうまく分かれており，奥行きのある世界観を伝えてきます。またカメラ演出にもこだわりを感じ，テロリストのダスト（摂津万里）が使うドローンのカメラを使っての演出は，より物語をドラマティックに見せてくれました！
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ふたつの物語が終わると，衣裳を華やかなスーツに着替え，全キャストで「blooming smile」を熱唱。秋組全団員が主演を演じきり，役者として一皮向けた6人の舞台が幕を閉じました。
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本作は，一部の公演のStreaming+とDMM TVでのライブ配信の実施が決定しています。また，12月23日の東京凱旋公演・大千秋楽は全国の映画館でライブビューイングの上映も実施予定です。そのほか，公演内で披露された楽曲を収録したCDアルバムやBlu-rayなどの発売日も決まっているので，詳しい情報を知りたい人はぜひ公式サイトでチェックしてください。
「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜AUTUMN 2023〜」公式サイト
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（C） MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
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