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3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー
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印刷2021/05/01 12:00

インタビュー

3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー

 セガが配信中のスマホ向けアプリ「プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド」iOS / Android,以下「サカつくRTW」)は,2021年4月19日に正式サービス3周年を迎えた。

 そんなタイミングで4Gamerは,プロデューサーの宮﨑伸周氏にインタビューを実施。本稿では,「サカつくRTW」の歩みや,同作に込められた「サカつく」らしさなど,インタビューで聞けた内容をお届けする。

画像集#014のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー


「SLGとしてアップデートを前提としない」

波乱の開発スケジュールでも譲れなかったゲーム設計


宮﨑伸周氏
画像集#010のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー
4Gamer:
 「サカつくRTW」3周年おめでとうございます。まずは,今の気持ちを聞かせください。

宮﨑伸周(以下,宮崎)氏:
 3年目を迎えたということを本当に嬉しく思う一方で,あっという間の3年だったと感じます。アップデートやお客さまとの対話を,1年,2年と続けてきたことで,リリース当初からゲーム内容も様変わりしています。振り返ってみると,とても充実した期間だったなと思いますね。

4Gamer:
 まずはこれまでの3年間を振り返っていきたいのですが,本作はFIFAワールドカップに合わせて開発されたと聞きました。

宮﨑氏:
 サッカーゲームにおいて,集客の大きな追い風となる4年に一度のFIFAワールドカップの開催年は,何が何でも外せないタイミングです。FIFAワールドカップで世界中が盛り上がっている時期にサッカーゲームをリリースすると,事前登録者数やプレイヤー数が大きく増加するのはすぐに想像が付くかと思います。
 そのため,開発段階で“FIFAワールドカップが開催される,3,4か月前までに必ずリリースする”という必達目標がありました。そこから逆算した開発スケジュールを組まないといけないので,より面白くするためにリリース時期を引き延ばす,といったことができない状況でした。
 しかし,「サカつくRTW」 はシミュレーションゲームなので,単純に機能を用意して,面白い部分を1カ所伸ばせばいいというゲームではなかったんです。全体の機能をしっかりと用意しなければならないため,リリース時に後回しにできる機能がなく,すべての機能を揃えてリリースする必要がありました。

4Gamer:
 開発スケジュールが短い中で,リリース後のアップデートに頼らず,初めからゲーム内容をすべて作っておく必要があったわけですね。

宮﨑氏:
 そうなんです。なかでもバランス調整には苦労させられました。将来的なレベルデザインを考えると,選手の性能とスマホ向けに作ったときの収益構造のバランス取りが,なかなかうまくいかなかったんです。
 サッカーは11人がフィールド立つことになるので,11人分のレベル設計をしなければならない一方で,獲得した選手が能力成長で天井を迎えるタイミングをどうするか,という個別のレベル設計もしなければなりません。これらを両立させるのがとても大変でしたね……。3か月から半年はプレイ内容を担保できるように作っていたので,そこを間に合わせるのがとくに難しい部分でした。

4Gamer:
 結果的にFIFAワールドカップが開催された2018年6月14日の2か月ほど前に,「サカつくRTW」がリリースされましたね。

宮﨑氏:
 実際には,この「サカつくRTW」は2018年4月よりも,もっと早い2018年2月あたりにリリースしようとしていたんです。しかし,ゲーム内容の面白さがもうひと踏ん張り必要だということになり,2か月ほど開発期間を延ばして徹底的にバランス調整をしました。

4Gamer: 
 その土壇場の2か月があったからこそ,3周年までこぎ着けられたわけですね。

宮﨑氏:
 今思えばそうですね。その2か月間は生きた心地がしませんでした(笑)。

4Gamer:
 リリース後,アップデートを行わずともプレイヤーが半年間は遊び続けられる状態にしたことで,その後のアップデートもスムーズに進んだのではないでしょうか。

宮﨑氏:
 そうですね。事前の準備を進めていたかいあって,リリースから半年以降は走っているサービスに新しいコンテンツを足すことで,順調にサービスが行える形になったと思います。
 また,余裕を持たせられたことで,寄り道できる場所というか,遊ぶ先を増せたので,選手の成長部分にバリエーションをつけるなど,追加コンテンツを増やしやすい環境も作れましたね。

4Gamer:
 土台がしっかりできていれば遊びの幅は広げやすいんですね。そういった点では,チームのフォーメーションを決める戦術が3周年に至るまで増え続けていますね。

画像集#001のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー
宮﨑氏:
 現実の戦術を緻密に再現しているわけではありませんが,基本的にヨーロッパの最前線で活躍しているサッカークラブで,“名将”と呼ばれるような監督の戦術をモチーフにしています。
 攻め主体だったり,守り主体だったり,あるいはカウンターをメインとした戦術だったり……。これらをモチーフに新しい監督をどんどん登場させてきました。
 もちろん,一強の戦術があるわけではなく,カウンター,中央突破,ポゼッション,サイドアタックが四すくみになっていて,それを順繰りに楽しんでいけるようなゲーム設計をイメージしています。

4Gamer:
 実装する監督,選手,戦術などは宮崎さんが決められているのでしょうか?

宮﨑氏:
 基本的には私が決めることはなく,その月ごとに実装する選手は決まったテーマのもとで追加しています。3周年はイタリアのあるクラブをモチーフにして,戦術に加えて現役選手や引退選手がセットで登場しました。
 しかし,時には私の要望が入ることもあります。例えば,プレイヤーの皆さんと公式放送で交流したときに,皆さんと決めたテーマから戦術を追加するような企画がありましたが,そこでは,スリートップばかりを推していて,失点したらその分取り返す“ノーガードの殴り合い”のようなサッカーをする監督を提案しました。

4Gamer:
 現実の戦術がゲーム内にかなり取り入れられているんですね。

宮﨑氏:
 とはいえ,マンチェスター・シティFCのグアルディオラ監督のような理論特化されている方が持つコンセプト,ポジショナルプレーや5レーンといったものは,ゲームの中に実現できるような代物ではないんですよね。ものによっては,ゲーム内の組み合わせや連想できるような効果がある場合もあるんですが……。
 なので,サッカーメディアなどを細かくチェックし,トレンドとなっているフレーズだけでもゲーム内に登場させるようにしています。

4Gamer:
 現実のサッカー界における一言で表しにくいような戦術理論の要素も,その片鱗が感じられるよう,単語として登場することがあるわけですね。

宮﨑氏:
 そうですね。また,現実そのままの理論を登場させないのは,ゲームが難しくなり過ぎてしまわないようにするため,といった意味合いもあります。

4Gamer:
 あまりにも具体的に表現しすぎると,サッカーの理論に詳しくないユーザーがついていけなくなってしまいますもんね。

画像集#003のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー

宮﨑氏:
 そうなんです。抽象化したキーワードを「サカつくRTW」で聞いて,実際のサッカーで見たときに「あっ,こういうことか」と,つながるのが一番いい形だと思います。戦術や監督の話はサッカー好きのなかでも,込み入った領域の話かと思っているので,興味を持つきっかけをゲームで用意できたらいいなと考えています。

4Gamer:
 作品そのものは間口が広いものの,現実のサッカーに触れた際により楽しめるよう細かい要素も散りばめられているんですね。

宮﨑氏:
 元々の「サカつく」シリーズが生み出された原点は,“フィールドの外で起こっていることを体験したい”というところなので,クラブを作っていく過程も含めて,フィールド外の部分が垣間見えるような体験をシリーズ作品として大事にしていきたいですね。

4Gamer:
 「サカつく」といえば,シリーズ作品のタイトルに“Jリーグ”を冠しているイメージがあります。「サカつくRTW」のサービス開始から2年目にはJリーグモードが新たに登場しましたが,これも「サカつく」らしさを重視した影響なのでしょうか?

画像集#007のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー

宮﨑氏:
 Jリーグモードに関しては,リリースする前から議論を重ねていました。いわゆる「サカつく」らしさという話になると,やっぱり「Jリーグの中で遊べる」や「地元のサッカークラブを日本のトップにする」といった点に,必ず行き着きますし。一方で,スマホタイトルになってからの「サカつく」は,ワールドワイドでのサービスが重要視されていたこともあって,Jリーグだけで完結するのが難しい状況でした。
 一度は家庭用ゲーム機版の「サカつく」をそのままスマホ向けに,テスト版として作ったこともありましたが,実際にプレイしてみると,ゲームとしては面白かったのですが,マネタイズも含めての設計となると,そのまま世に出すのは難しい状況でした。
 私も含めて,昔から「サカつく」シリーズを開発していたメンバーは,家庭用機で遊んでいたときの体験をスマホで実現したい想いはありますが,ビジネスモデルを最適化すると,昔の内容から離れてしまいます。そのため,リリース当初はJリーグ要素の実装を見送ったんです。そういったなかでも,Jリーグを期待する声があったので,本編とは切り離したJリーグモードを2年目に実装しました。

4Gamer:
 やはり期待の声は多かったんですね。

宮﨑氏:
 そうなんです。それでも実装できなかったのが“選手の引退”ですね。お金をかけて入手した選手が引退していなくなったら大変なことになるので,引退の実装は慎重にということで見送りました。

4Gamer:
 “選手の引退”こそ叶いませんでしたが,「サカつく」らしさをしっかりと出すために,必ず入れたいと考えていた部分はありますか?

宮﨑氏:
 できるだけ選手獲得や成長の部分は従来の作品通りにしようという話になり,必ず実現したい項目として挙がっていました。

4Gamer:
 選手獲得の部分は,家庭用ゲーム機版に近い形にすることを優先し,制作していったと。

画像集#002のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー
宮﨑氏:
 優先度としては,その部分がもっとも大きかったと思います。Jリーグモードの開発時に私はディレクターで,当時のプロデューサーやプランナーと「サカつく」らしさとは何かという会議をずっとやっていましたね(笑)。
 シミュレーションゲームは,他社さんの場合も同じだと思いますが,そのゲームらしさが何かを考えたときに,それぞれで意見がばらけるんです。「サカつく」で言えば,選手の取り方,試合の戦い方,町作りなど,さまざまな意見が挙がります。

4Gamer:
 宮﨑さんにとっての「サカつく」らしさは,どういった部分なのでしょうか?

宮﨑氏:
 選手の加入から引退までのドラマです。端的に言えば“選手生命”ですね。育てた選手が代表になるところもJリーグモードで実現できるとよかったのですが,それは難しかったので実装できませんでした。ゲームとして成り立つのであれば,「サカつく」らしさをもっと出せるように,これからも諦めずに追求していきたいと思っています。

4Gamer:
 ゲーム外の動きとしては,2年目からJリーグモードの実装に伴って「リアルサカつく」という活動が広まったようですが,この活動はどのような経緯で始まったのでしょうか?

宮﨑氏:
 「サカつく」シリーズには,クラブを設立して成長する過程で,プロリーグに加入するところもドラマとして入っています。そのため,実在するサッカークラブがプロクラブに育っていくストーリーが,ゲームとリンクしてほしいという想いがありました。
 活動が広がった後,実際にプロリーグに加入する前のクラブに,どんなビジョンや目標を掲げてプロリーグ入りを目指しているのか,話を聞きに行くことがあったんですが,それぞれのクラブでまったく違う特徴があって,面白い話がたくさん聞けましたね。

画像集#005のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー 画像集#006のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー

4Gamer:
 どういったビジョンや目標が印象に残っていますか?

宮﨑氏:
 クラブとしての存在意義をしっかりと持っており,試合に勝つことだけがゴールではなく,地元産業の活動をつうじて地域貢献も果たしている点が印象的でした。直近の取材では現地のクラブが珈琲豆の栽培や農業に力を入れていて,産業を活性化させる動きがあり,とても興味深い話が多かったです。地元と共にクラブも成長していく,「サカつく」にも通ずる面白さがそこにありましたね。

4Gamer:
 ゲーム内の話に戻りまして,今後,とくに力を入れていくアップデートなどはありますか?

画像集#009のサムネイル/3周年を迎えた「サカつくRTW」のこれまでを振り返る。「サカつく」らしさの追求が語られたプロデューサーインタビュー
宮﨑氏:
 実は2年目から力を入れているアップデートとして,引退した伝説の選手をゲーム中に登場させるというものがあるのですが,これを3年目以降も続けていく方針となっています。

4Gamer:
 引退している選手はどこで何をしているか分からなくなっている人もいそうですし,許諾周りがかなり苦労しそうですね。

宮﨑氏:
 そうなんですよ。引退してかなり年数がたっている方もいらっしゃるので,代理人ではなく本人と直接交渉するケースもありますし,連絡が一切取れずに音信不通の選手もいました。そんななかでも面白かったのが,とあるイタリアの方で,実装した3Dモデルに対して「おいおい,俺はもっとイケメンだろう?」というコメントをいただいたことですね。これはなかなか修正しづらい,と(笑)。選手の育った国や地域によってゲーム化したときのフィードバックが全然違うんですよ。苦労と面白さが際立つ取り組みでした。

4Gamer:
 もっとも印象に残ったのは,どのような方でしたか?

宮﨑氏:
 連絡を取ったとき,サーファーになっていた選手ですね(笑)。プロレベルのサーファーになっていたうえ,携帯電話を持たずに世界中を回っていたので,本人への連絡が一切取れなくてお手上げという。素直に「うらやましい!」という点で印象に残りました。

4Gamer:
 すごくセカンドライフを満喫されている選手ですね(笑)。ちなみに,新たな選手がゲーム内に実装される以外にも,3周年に応じた新イベントが開催されるとお聞きしました。

宮﨑氏:
 直近では選手育成に関するテコ入れを,イベントとして開催する予定となっています。とくに,サービス初期で登場した監督や選手を再び生かすきっかけになるようにしたいですね。
 選手以外のところでは,使われなくなりつつあるゲーム内のサポーターやクラブの施設を見直し,今年の後半に何らかの形でアップデートイベントとして投入できるようにしたいと考えいます。また,時期は未定なのですが,途中から活用されなくなってしまった「フォトつく」というモードを再利用できるよう,検討中です。

4Gamer:
 今回のインタビューをとおして「サカつく」らしさを重視されていることがひしひしと伝わってきました。最後にシリーズファンへ向けたメッセージをお聞かせください。

宮﨑氏:
 「サカつくRTW」は,スマホ向けに手軽さを追求したゲームでしたが,リリース後にさまざまな声をいただきながらアップデートを重ねてきました。その結果,3周年を迎えた今は遊びやすさが大きく向上していると思います。これからでも楽しめる内容ですし,ソーシャル要素を意識せずに1人でやりこんでも成り立つゲームなので,ぜひ機会があれば触っていただければと思います。

4Gamer:
 また「サカつくRTW」をプレイ中のユーザーに向けたメッセージなどはありますか?

宮﨑氏:
 公式放送などを通じて,さまざまなご意見をいただいています。そういった声に応えつつも,新機能を追加していくのは継続していきたいと思います。3周年を迎えても,ご意見に対応して作っていく形式は変えずにやっていきますので,ぜひ今年も「サカつくRTW」を楽しんでいただければと思っております。

4Gamer:
 ありがとうございました。

「プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド」公式サイト

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