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[GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」
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印刷2018/03/26 13:14

プレイレポート

[GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」

 GDC 2018の期間中,Oculus VRブースでは,新製品Oculus Goのゲーム体験会が行われていた。「Anshar Online」「They Suspect Nothing」については,すでに奥谷氏がレポートしているので,まだ触れられていない「Catan VR」とOculus Go自体の諸々の印象をまとめておきたい。

画像集 No.004のサムネイル画像 / [GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」

 まず,Oculus Goに対する印象だが,液晶ディスプレイは非常に綺麗だ。Oculus Goでは残像の少ない高速型液晶が使用されている。有機ELの千鳥配列が云々されることも多いが,開口率などがまったく違うことを痛感させられる。そして非常に軽い。これは大きな利点だ。

 さて「Catan VR」はドイツ産のボードゲーム「Catan」をバーチャル空間でプレイできるようにしたものだ。4人でプレイでき,RiftとOculus Goのどちらでも(混成でも)大丈夫なのが特徴といえる。
 会場ではCatanのボードが描かれ,Rift用のセンサーが4本突き出たテーブルと椅子が設置されていた。ここではRift2台とOculus Go2台での運用が想定されている。

画像集 No.001のサムネイル画像 / [GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」

 Catanのルールを知らないと始まらないわけだが,そこはさすがにOculus VRのスタッフが一人加わって,解説をしてもらいながらのプレイとなった。
 最初に自分の本拠となる城を好きなところに配置し,適当に開拓地と道路を置く。とりあえず最初のターンでやることはそれだけだ。置いた駒が立体的に表示されるのは言うまでもない。

 都市や開拓地を盤上に配置すると,そこに隣接した資源がターンごとに得られるので,それを意識して道や開拓地を置いていくことになる。ただし,それぞれの建設物を作るには資源が必要だ。
 現在の資源量などはテーブルではなく右手前あたりに表示され,どんな資源をいくつ持っているかは,フロートウインドウで別途表示されるようになっている。場所によって得意な資源というのは出てくるが,必要な資源と一致しない場合もあるので,プレイヤー間での資源トレードが重要になるわけだ。あとはひたすら資源を集めて開拓していくことになる。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」

 ゲーム内でのプレイヤーは,アバターで表示される。今回のテストプレイで用意されていたのは,猫や狐,アフリカの仮面,バイキングといった面々だった。オフラインなので,コミュニケーションは直接声をかければよい。

 ということで,説明を受けながらOculus Goでプレイしたのだが,コントローラは3DoF(左右回転と時計回り/反時計回り 回転,上下回転)にしか対応していないので,はっきり言って向いてないと思った。コントローラからビームが出るので,向きを変えてビームを当て,ボタン起動するわけだが,画面の基本位置などは顔の位置であり,顔の向きを変えてターゲットが視界内に入るようにして,手でビームを操作し,さらにボタンを押すという流れになる。

画像集 No.005のサムネイル画像 / [GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」

 問題は,手元とは違う位置から出るビームをボタンなどに当てるのはまったく直感的ではないということだ。ややストレスが溜まる。これならGazeとボタンを組み合わせたほうがスマートだと感じた。Palmer Luckey氏があれだけコントローラにこだわっていたのに,Oculus VRがいまさらこんなものを出してくるというのは少し悲しい。
 これはOculus Goに限ったものではなく,今回のGDCで試したいくつか3DoFのコントローラデバイスを使ってみての印象だが,3DoFではほぼ使いものにならない。本体部は3DoFでもいいが,コントローラは6DoF(3DOFに,左右移動,上下移動,前後移動を加えたもの)必須という感じだ。

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 ゲームについては,おそらく多少派手な演出なども出てくるのだろうが,そこまでやり込む時間もなく,操作法を教わるだけで終了となった。Catanに限らず,ボードゲームの演出をVRなどで補うのはアリだと思うのだが,普通はARでの実装が優先されるのではないだろうか。
 VRならではの派手な演出を行うか,オンライン対戦でもできなければVRでの実装にはあまり可能性を感じない。もっとも,複数機種混成のVRゲーム実装テストという意味では成功だったかもしれない。

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 そのほか,用意されているすべてのデモをプレイしてみて気になった点を上げておこう。
 まずAnshar Onlineで,これもコントローラに関するものだ。自機の前進はスライドパッドで行うのだが,前方にフリックで加速,後方にフリックで減速というのはちょっと慣れない操作系だった。

画像集 No.008のサムネイル画像 / [GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」

 They Suspect Nothingは12種のミニゲームを集めたタイトルで,ミニゲームをクリアするごとにストーリーが進展していくという形式となっている。ミニゲームそのものはよいのだが,それらをつなぐ部分の導線やインタフェースがちょっと分かりにくかった。
 部屋から出ようと,ドアやボタンぽいところを触っても何の反応もなく,床に書かれた矢印をクリックすれば出られるということに気づくまでにずいぶん手間取ってしまった。一度もとの部屋に戻ってしまったときは,再度出る方法が分からず,そのあたりのUIが惜しいゲームだった。

画像集 No.007のサムネイル画像 / [GDC 2018]RiftとOculus Go間でも対戦できるVRボードゲーム「Catan VR」

 全体的な印象としても,モノはなにかといいのだが,操作性の部分で惜しいと思わせるところがある。価格を下げることを最重視しており,6DoFの実現は簡単ではないのも分かるのだが,コントローラの使わせ方がおかしいところがあるのは間違いない。3DoFのコントローラはポインティングには適していない。それはヘッドセットでやればいい。それを徹底するだけでもかなり変わりそうな気はするのだが。


「Oculus Go」公式サイト


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