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一人称視点型ADV「Colossal Cave」の今秋リリースをアナウンス。元祖的ADVゲームを,元祖的クリエイターがリバイバル
「Colossal Cave」は,正式名称がColossal Cave Adventureで,単に“アドベンチャー”という名称でゲーム界隈に語り継がれている作品だ。ウィリアム・クラウザー(William Crowther)氏が,1975年から1976年にPDP-10メインフレーム向けに作ったもので,趣味だった洞窟探索に着想を得て制作したという。コンピュータに一語もしくは二語からなる言葉を入力することで,コンピュータ側がテーブルトークRPGにおける“ダンジョンマスター”のような役割を果たしてストーリーをつないでいくという,テキストベースのアドベンチャーゲームだった。
その翌年の1977年には,当時は学生だったドン・ウッズ(Don Woods)氏が交渉の末にソースコードを受け取り,ドラゴンやエルフを登場させるなどファンタジー色が強くなった。この作品が当時のエンジニアたちの間で話題となり,“アドベンチャーゲーム”という用語もここから誕生したと言われる。
それをリイマジン(Re-Imagined)版として,3Dグラフィックスにビジュアライズさせたうえで開発が進められているのが「Colossal Cave」となる。奥深くに続く巨大な地下洞窟システムの中に迷い込んだプレイヤ―が,さまざまな敵と戦ったり,パズルを解いたり,予期せぬ美しい光景に遭遇したりといったクラシカルなアドベンチャーゲームである。
開発を行うCygnus Entertainmentは,ゲーム産業の黎明期に「King’s Quest」や「Phantasmagoria」などさまざまな作品を生み出したSierra On-Lineの創業者夫婦であり,プログラマーのケン・ウィリアムズ(Ken Williams)氏と,ゲームデザイナーのロベルタ・ウィリアムズ(Roberta Williams)氏が,引退から20年以上の時を経て結成した開発チームだ。
実は,「Zork」(1979年)や「Rogue」(1980年)などと同様,Sierra On-Line(当時はOn-Line Systems)初のヒット作となった「Mystery House」も,「Colossal Cave」のソースコードが一部利用されているとされるなど,その関係性は非常に深い。
「Colossal Cave」については,Steamなどにはストアページが存在しておらず,現時点ではSteamVRのようなVRヘッドセットにも対応するのか,日本語にも対応しているのかといった詳しい情報は分かっていない。しかし,ゲーム業界においても大御所中の大御所である2人が,どのように「Colossal Cave」を作り上げてくるのか,当時を知らない多くのゲーマーにとっても興味の尽きないところだろう。
「Colossal Cave」公式サイト
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