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[GDC 2016]第3勢力第4勢力が続々と集まるモバイルHMD事情。オールインワンの「Idealens」と追加装備で強化できる「Wave One」
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印刷2016/03/16 19:22

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[GDC 2016]第3勢力第4勢力が続々と集まるモバイルHMD事情。オールインワンの「Idealens」と追加装備で強化できる「Wave One」

画像集#002のサムネイル/[GDC 2016]第3勢力第4勢力が続々と集まるモバイルHMD事情。オールインワンの「Idealens」と追加装備で強化できる「Wave One」
 米国サンフランシスコ市で開催中のGame Developers Conference 2016(以下,GDC 2016)。今年はVR(Virtual Reality,仮想現実)およびAR(Argumented Reality,拡張現実)関係の話題にこと欠かないというのはすでにお伝えているとおりだが,急速に盛り上がりを見せる市場に対して,新規参入のハードウェアメーカーがゲーム開発者にアピールする姿もあちこちで見られる。
 今年,最終製品を発売するOculus VRやソニー・コンピュータエンタテインメント,Valveなどを「第1勢力」と定義した場合の第3勢力,第4勢力と言うべきところからも続々と製品が出ていたりするのだ。

 本稿で取り上げる講演「Mobility Awakens - The Rise of Mobile HMDs」(モビリティの目覚め〜モバイルHMDの勃興)は,まさにそういった製品を紹介するものだ。ここでは,講演で登場したIdealensとSeebright,2社のヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)を取り上げてみたい。


Idealens:Tegra K1搭載でワイヤレス,広視野角のVR HMD


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Brent Jentzsch氏(VR Evangelist, Idealens)。氏は,モバイルVRの可能性を強く訴えていた
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Idealensという企業の概要
 まずはIdealensからだが,同社は,オールインワンタイプのモバイルHMD「Idealens」を開発している会社である。つまり,モバイル用VR HMDで先行するGear VRが,Samsung Electronics製スマートフォンであるGalaxyシリーズを内蔵することでコストを下げているのに対し,Idealensは機器単体で3D描画処理などを行えるデバイスを開発しているわけだ。その点では,AMDのイベントで登場した「Sulon Q」と同じ立ち位置の製品とまとめることができるだろう。
 ただ,Sulon QがPCベースであるのに対し,IdealensはAndroidベースのOSを採用した,モバイルデバイスに近いハードウェア構成になっている点は異なる。

 搭載するSoC(System-on-a-Chip)を聞いてみたところ「試作機は『Tegra K1』」とのこと。今年の10月に発売予定となっている最終製品版では「Tegra X1」の搭載を予定しているという。
 ちょっと気になるバッテリー持続時間は,Tegra X1搭載の製品版において,ゲームで連続4時間,ビデオ再生で連続10時間を目指しているとのことだった。

装着状態を横から見たところ。ヘッドバンドからHMD本体を吊り下げるような実装だ
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 下に示したのはIdealensのVRエヴァンジェリストであるBrent Jentzsch氏の示したハードウェア概要だが,視野角が120度確保されていることに注目したい。実際に装着して体験してみたのだが,たいていのVR HMDで装着時に「覗き込む」感覚になるのに対し,IdealensのHMDでは,視野のほぼ全域が画像で埋め尽くされた感じになる。これだけ自然な視野はOculus VRの「DK1」以来だ。
 なお,装着方法はPlayStation VRと同様で,頭部にバンド状の部分を固定して,そこに目に当てるHMD本体をぶら下げて取り付ける方式である。

Idealens製ヘッドセットの製品概要。高解像度の有機ELパネルを搭載し,視野角120度を実現するという。OSはAndroidベースとなる
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 パネルの解像度は言及されなかったのだが,試着してみてとくに画像が粗いといった印象はなかった。まあ,高解像度の有機ELパネルを2枚使用しているとのことで,該当するようなパネルは限られることから,だいたいの数字は想像できるのだが。

HMDの本体。右耳側の側面にはアプリ用のボタンが付いている
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 冒頭でも述べたとおり,第1勢力のVR HMDはまもなく離陸するわけだが,実際に運用が始まると,ケーブル周りの問題は確実に浮上してくるはずだ。いまはどこのデモ会場に行っても係員が付きっ切りでケーブルの管理をしていたりするのだから。
 VRHMDとモーションセンサーとコントローラという3種類の要素はどの製品にも共通しているのだが,それらの配線ということになると,予想以上に複雑になったりもする。その点,スタンドアロンのVR HMDの場合,そういった問題に悩まされる可能性が低い点は押さえておきたい。

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 なお,IdealensのHMDにおいて,モーショントラッキング機能を実現するには,内蔵された6軸対応のモーションセンサーのほかに,「Mobile Basestation」(以下,ベースステーション)と呼ばれる外部のセンサーも利用するという。
 デモ会場にあったデモ機では3基のベースステーションを用いていた。製品版に付属するベースステーションは1基で,その数を後から増やすと,精度を高めたり,対応範囲を広げたりできるようになるそうだ。

会場内のデモではベースステーション3基を使っていた
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 開発環境としては現在のところ,Unity用のSDK(ソフトウェア開発キット)が存在しており,IdealensではまもなくUnreal Engine版も提供予定とのこと。
 オールインワンということで,どうしてもSulon Qと比べられてしまうことが多くなると思われるのだが,Sulon Qモーショントラッキングを完全に内蔵したSulon Qと比べると,外部のベースステーションが必要な分だけ,ワイヤレスの利点が部分的に失われている感もある。ゲーム開発者にどのように受け入れられるかに注目したい。

 なお,価格はまったくの未定。構成要素のかなり多い製品だけに価格が気になるところだ。


Wave One:必要最低限の性能と拡張性で勝負?


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 もう一方,Seebrightがアピールしていたのは,AR対応のHMD「Wave One」だ。シースルー型で直接見る視界内に,一定範囲の映像を投射して景色を上書きするような形式のデバイスである。
 モバイル分野では純粋なVRよりもARに期待する人が多いこともあって,こちらも水面下でなかなかの激戦が繰り広げられているようだ。Googleの「Google Glass」やMicrosoftの「HoloLens」といった大物が動き出している状況だけに,どのあたりを狙うか,各社,製品の位置付けには気を使っているようである。

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Simon Solotko氏(Chief Marketing Officer, Seebright)
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 Seebrightでマーケティング部門を率いるSimon Solotko氏は,ARデバイスを簡易的なものから順に「Looking Glass」「Smartglass」「Headset」の3つに分けて,それぞれについて,求められる機能や課題などを説明していた。同時に,現在展開されている競合製品とWave Oneとの比較も行って,Wave Oneの位置づけの明確化も図っている。
 氏による説明を受けて分類するなら,Wave Oneは,本格的な「Headset」ながら,性能的には最小限のところを狙っているといったところだろうか。

Solotko氏が区分する,AR HMDの3形態
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Wave Oneの立ち位置
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 Solotko氏は,「VRとARで求められるものの違い」も解説していたのだが,そちらもなかなか興味深い。いわく「没入感が重要なVRとは違い,視野角の広さはさほど求められない」というのは確かにそうだろう。
 上で示したWave Oneの立ち位置スライドで,Wave Oneの視野角が46度というのは狭く感じる人もいると思う。ただ,かつてソニーが展開していたHMZシリーズで視野角は45度だったので,必要十分な範囲はカバーできているとも言えるのだ。

 表のスペックだけを見ると,「『Smart Helmet』すげー」という感じではあるのだが,あえて数千ドルという価格になると見込まれているSmart Helmet入りのスライドを出してきているところからして,Seebrightとしては,価格を抑えて普及を図ることがなによりも重要という認識なのだと思われる。
 また,Seebrightの製品展開として,背負うタイプの拡張デバイスを用意している点にも注目したいところだ。これはバッテリーと演算ユニットが入ったバックパックで,Wave Oneの性能と使い勝手を大きく上げるための装備だ。これなら徹底的に性能を強化できる。エントリーのハードルはかなり低く設定し,拡張性は思いっきり高くするという方向性はなかなか面白い。もっとも,気になる具体的な価格そのものはまだ発表されていないのだが。

Solotko氏が示した,バックパックなど,Wave Oneを拡張するデバイス一式
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画像集#019のサムネイル/[GDC 2016]第3勢力第4勢力が続々と集まるモバイルHMD事情。オールインワンの「Idealens」と追加装備で強化できる「Wave One」
 Solotko氏は2019年までのモバイルAR/VRでの性能予測も行っているが,それによると,現在「Rift」のようなハイエンドVR環境が要求しているスペックのCPUとGPUのスペックは,2019年頃には,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)25W程度のSoCで実現できるとのことだ。数年先にそのようなものが実現できるのであれば,現状で無理して高スペックを狙うこともないということなのだろう。
 一方で氏は,将来的に登場するであろう,4K解像度でリフレッシュレート75Hz駆動のHMDにおいて要求されるメモリバス帯域幅を計算して,そちらについては多少の危機感を見せている(※近々登場する見込みのHBM2だと帯域幅が1TB/sとされているので,こちらは大丈夫そうな気もするのだが)。

 いずれにしても,数年でモバイル環境が激変していくこと自体は間違いないだろう。現状のデスクトップVR並みのことがモバイルでもできるようになる日は遠くないかもしれない。

Idealensの公式Facebookページ(英語)

Seebright公式Webサイト(英語)

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