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FacebookのARスマートグラス「Project Aria」発表。2021年の製品化に向けたテストを開始
「Project Aria」公式サイト
Facebookプレスリリース:Announcing Project Aria: a research project on the future of wearable AR
基調講演でFacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は新型のワイヤレスVRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Quest 2」を発表したが(関連記事),ザッカーバーグ氏はさらに,「完全なARではなく,今のところスマートグラスと呼ぶべきだが」と断ったうえで,パリとミラノに拠点を持つエシロールルックスオティカ(EssilorLuxottica)との複数年にわたる提携を明らかにした。エシロールルックスオティカは,レイバンやオークリーといった有名メガネブランドを傘下に持つほか,アルマーニやコーチなどとライセンス提携を行うアイウェアの世界最大手だ。
Project Ariaの詳細については発表する段階ではないようだが,特別な訓練をした社内の開発メンバーや提携テスターが,今月中にサンフランシスコとシアトルで100人規模の試験的利用を始める予定だと述べた。
続いて,「Project Aria」の開発を進めるFacebook Reality Labsを率いるアンドリュー・ボスワース(Andrew Bosworth)氏がザッカーバーグ氏を引き継いで登壇し,解説を行った。ボスワース氏によれば,「Project Aria」は外に向いたセンサーレンズと内側に向いたアイトラッキング用センサーレンズを2つずつ搭載したウェアラブルデバイスになるようで,テストでは,デバイスの使用感やソフトウェアなど,商品化するうえでのさまざまなデータが収集される予定だと述べた。
ボスワース氏が「さまざまなデータが存在するが,我々が“自己中心的データ”と呼ぶものを獲得するにはARグラスが最適だ」と話すように,「Project Aria」はユーザー個人の情報獲得を念頭に置いている。イベントで紹介された動画では,置き忘れたカギの場所を形状で見つけたり,目の前のレストランのメニューや混み具合をチェックしたりなど,さまざまな情報をユーザーに提示してくれる様子が確認できた。
将来的には電話をしている相手をホログラム化して目の前に表示したり,外国に行った場合の町中の文字を自動翻訳したりといったことも想定されている。GoogleのGoogle Glassに進展が見られない中,Facebookは「世界をコネクトする」を理念に,ARスマートグラスをさらに一段階高みに押し上げてくれるかもしれない。
我々ゲーマーとしては,すでにリリースされているARゲームを,スマホとにらめっこではなく,メガネを通した世界でプレイできればどれだけ楽しいかが想像できる。順調に開発が進めば,来年の今頃には,「Project Aria」の成果が見られるだろう。
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