プレイレポート
「ラグナロクオンライン」,忍者上位職「影狼」「朧」の実装が8月6日に決定。先行テストプレイ&Breidablikアップデート第2弾レポート
影狼 |
朧 |
これら上位職が初めて発表されたのは,2010年3月13日のユーザーカンファレンスでのこと(関連記事)。実に,3年越しの実装となるのだ。2013年4月29日に開催されたROファン感謝祭では,プレイヤー向けの「影狼」「朧」先行体験プレイが実施されたが,かなりの行列ができるなど,この新職業は多くのプレイヤーが関心を寄せていることが分かる。
今回,「影狼」「朧」の実装に先立ち,ガンホーでじっくりとプレイする機会を得たので,どのような職業なのかをレポートしていこう。
「ラグナロクオンライン」公式サイト
性別によって名称とスキルが異なる影狼と朧
習得するスキルでさまざまなタイプの育成が可能に
今回実装される忍者の上位職は,男性キャラクターは「影狼」,女性キャラクターは「朧」と性別によって名称が異なる。異なるのは名称だけではなく,習得可能なスキルにも若干の違いがあり,共通スキルが22種類,それぞれの固有スキルが3種類となっている。
影狼の固有スキルは「幻術-分身-」「幻術-影踏み-」「幻術-虚無の影-」の3種類となる。
「幻術-分身-」は,自らの分身を一定時間作り出して,物理攻撃時にシーフと同様の「ダブルアタック(一定確率で2連続攻撃を行うパッシブスキル)」効果を付加するというもの。最大で,ダブルアタックLv10の効果を得ることができる。説明どおり,物理攻撃での戦闘で威力を発揮するので,影狼は物理攻撃タイプが向いているようだ。
「幻術-影踏み-」は,周囲にいるハイド状態の対象を発見し,その動きを止める。「幻術-虚無の影-」は対象の反射能力を持つアイテムやスキルを無効化できるスキルだ。さらに「幻術-虚無の影-」は,効果時間中に一定確率で対象のスキル使用を失敗させる効果を持っている。どのスキルも,PvPやGvGでの活躍が期待できる。
一方の朧は,「幻術-残月-」「幻術-紅月-」「幻術-朧幻想-」の三つの固有スキルを持つ。
「幻術-残月-」は,自分のHPとSPの値によってスキル使用時の効果が変わるバフ/デバフスキルだ。HPはATKに,SPはMATK(Magic Attack)に対応していて,それぞれの数値が偶数だと対応したステータスがバフ効果で増加し,奇数だとデバフ効果で減少する。
HP/SPの管理が必要になるスキルだが,装備品などで上限値を偶数になるようにしておけば,回復後に使用することで問題なく運用できるだろう。
残り二つの固有スキルは,影狼と同様に,PvPやGvGでの使用がメインになるスキルだ。
「幻術-紅月-」は,効果対象がHP回復スキルを受けると,HPが回復するどころかダメージを受けてしまう妨害系のスキルとなっている。
「幻術-朧幻想-」は,対象となる敵キャラクターのHP/SPの数値が偶数か奇数かによって,残月と同様にHP/SPが増減するというバフ/デバフスキルだ。副次効果として対象が魔法攻撃を受けると,その対象を中心とした効果範囲内の相手にダメージが及ぶ。効果時間内だけとはいえ,単体攻撃魔法で範囲攻撃魔法と同等の効果が得られるというわけだ。魔法攻撃であれば何でも効果が発揮されるので,ほかの魔法職との連携で,大きな効果が得られそうだ。
影狼・朧の共通スキルは,手裏剣や苦無(くない)を投げて攻撃する「投擲系スキル」,霊符を使い攻撃やバフを行う「霊符・術式系スキル」,相手の行動を阻害する「妨害系スキル」,能力の底上げができる「自己支援系スキル」,物理攻撃や回避など上記に該当しない,そのほかのスキル系統に分けられる。忍者から純粋に引き継がれている系統のスキルもあれば,妨害系スキルのように,狩りよりもPvPやGvGで大きな効果を発揮するスキルも追加されている。これまで以上に幅広い活躍が見込める影狼・朧の共通スキルを紹介していこう。
■投擲系スキル
投擲系スキルを使用するには,苦無または風魔手裏剣を装備する必要がある。苦無系を使う場合,当然だが使用ごとに苦無アイテム(装備品ではなく,弓でいう矢のようなもの)を消費する。「爆裂苦無」スキルは同名の新アイテム「爆裂苦無」が必要となる。
・爆裂苦無
・八方苦無
・風魔手裏剣・乱華
■霊符・術式系スキル
影狼,朧の霊符・術式系スキルは,それ自体に攻撃力はない。しかし,霊符を消費して忍者スキルの威力を上げたり,武器の属性を変化させたりするバフ型のスキルとなっている。
霊符系スキルは,火/水/風/地の4属性あり,使用するにはそれぞれの属性の「霊符」が必要となる。霊符系スキルを使うとキャラクターの周囲に「霊」が出現し,その数に比例して同属性の忍術の攻撃力がアップする。召喚できる「霊」の数は最大で10。「霊」を最大まで召喚した場合,装備している武器の属性が,召喚した「霊」と同じ属性になる。ただし,ある属性の「霊」の展開中に,別の属性の霊符系スキルを使うと,効果が解除されるので気をつけよう。
忍術だけでなく物理攻撃にも有効な霊符スキルだが,さらに別の使い方もある。それが「術式 -解放-」と「術式 -展開-」だ。どちらも使用すると,霊がすべて消えてしまうので使いどころが難しい。しかし,それだけにかなり強力だ。
「術式 -解放-」は,召喚している霊を対象にぶつけて攻撃するスキル。一発限りの大技だが,かなりのダメージが期待できる。
「術式 -展開-」は指定したフィールドに小さな「陣」を展開し,その範囲に入ったモンスターを状態異常にする。さらにその陣内では,展開した陣の属性と同属性の武器ATKが増加する。GvGやMVPボス戦などで活躍しそうなスキルだ。
■妨害系スキル
妨害系は,敵の足を止めたりする,行動を阻害したりするスキルだ。
後述する「幻術 -影武者-」「撒菱」といった狩りで役に立つスキルもあるが,目標対象と自分の位置を入れ替えて両者を"混乱”状態にする「幻術 -幻惑-」,相手を呪い状態にして一定確率で瀕死にさせる「幻術-呪殺-」など,PvPやGvGで効果を発揮するタイプのスキルを数多く持っている。
同系統の固有スキルを持つ影狼はもちろん,朧もスキル構成によっては対人戦で大きな活躍が期待できそうだ。
・幻術 -影武者-
・撒菱
■自己支援系スキル
影狼/朧は,新たにパッシブスキルとして「右手鍛錬」「左手鍛錬」を入手でき,それぞれの手に武器を持った二刀流攻撃が可能になる。これにより,物理攻撃によるパッシブ型(※アクティブスキルを使わず,通常攻撃で大きなダメージが出るようにする育成方針)も視野に入る。
そうしたスタイルで戦うのであれば,クールタイムは長いものの,強力なバフスキル「十六夜」や回復スキル「明鏡止水」を習得して,継戦能力を高めたい。
・十六夜
・明鏡止水
■そのほかのスキル
・十文字斬り
さて,いま忍者を育てるなら,ダメージが高く,育成が楽な苦無型がベストとプレイヤー間では言われているが,影狼/朧が登場すると,バフスキルと併用することで,苦無型と同じような感覚で忍術でも狩りができるようになりそうだ。さらに,物理攻撃スキルも追加されたため,育成の幅が広がるだろう。
また,MATK値が大幅に上昇する「幻術-残月-」により,朧は忍術/霊符/術式型として,影狼は「幻術-分身-」と二刀流,そして「十文字斬り」で大幅な物理ダメージ増加が見込める物理攻撃型として力が発揮できるのではないかと思う。妨害系スキルを活用することで,PvPやGvGでの活躍も期待できそうだ。
この影狼/朧は,2013年8月6日に実装予定だが,7月19日から影狼/朧先行体験ワールドがオープンしている。
装備やスキルはあらかじめ決められたものとなるが,一足先に影狼/朧がプレイできるのは,プレイヤーには嬉しいところだ。
このほか,影狼/朧への転職促進キャンペーンも予定されている。
その内容は,転職可能なレベルに到達した忍者に記念の衣装装備がプレゼントされるといったものや,阿修羅や忍びの腰帯(忍者転職時にもらえる武器と,入手難度が低めな忍者専用のアクセサリ)に特殊なステータス上昇効果が期間限定で付与されるというもの。さらに実装後には,期間限定でBaseLv110に到達した影狼/朧に記念の衣装装備がプレゼントされるとのこと。詳しい内容については,後日発表される予定だ。
Breidablik大型アップデート第2弾も7月23日実装
レベルキャップを迎え,いよいよエンドレスタワーが実装に
このアップデート内容について,オンライン本部 第1パブリッシング部 第1企画課主任の中村聡伸氏に話を聞いてきたので,その内容をお届けしよう。
まず,第2弾となる大型アップデート【PHASE:3 「Tower & Stories」】では,ジュノー,アインブロック,アインベフといったシュバルツバルド地方,龍之城,コンロン,モスコビアとその周辺のフィールドが実装されるという。
ダンジョンは,ジュピロスダンジョン(01),おもちゃ工場(01-02)やコンロンダンジョン(01-03),龍之城ダンジョン(01-03),鉱山ダンジョン(01-02)が実装され,既存のダンジョンもゲフェン地下ダンジョンのB3-B4F,イズルード海底洞窟の3-4層,スフィンクスダンジョンB3-B4Fといった階層が拡張される。獲得できる経験値はもちろん,レアアイテムやカードなど数多くのドロップも見込めるため,冒険の幅が大きく広がるだろう。
なお,これらのマップの実装により,セージとブラックスミスの転職転送サービスと,転職に必要なアイテムの交換サービスが一部終了となるので,これらの職業に転職を考えているなら,早めに行ったほうがいいかもしれない。
※7/23のアップデートの概要
●序盤〜中級レベルのモンスターの経験値を増加
●BaseLv90,JobLv50(2次職)までのレベルキャップ開放
●エンドレスタワーの実装(25階まで)
●モンスターサイドストーリーズ1〜2話,ヘリオンクエスト実装
●買取露天システムの実装
さらに25階までだが,エンドレスタワーの実装も決まった。
25階へ到達するといったんはそこでクリアとなるが,そのときに「闇の灰」が手に入り,のちに25階以上が実装されたときには,それを使ってすぐに上層階にチャレンジできるとのこと。
ちなみにエンドレスタワーにはMVPボスが登場する。現在,BreidablikワールドにはMVPボス自体が配置されていないのだが,その理由として中村氏は,「現状ではまともに渡り合えないことと,倒せないので放置されると出現するマップが狩り場として機能しなくなる可能性があるからだ」と話す。なお,上位2次職の実装にあわせて,通常のMVPボスの導入は考えているとのこと。いまMVPボスと戦いたいという人は,エンドレスタワーに挑戦してみよう。
また,大型クエストとして,ヘリオンクエストとモンスターサイドストーリーズが実装されるとのこと。モンスターサイドストーリーズは,7月23日に1〜2話,それ以後は毎週2話ずつ更新される予定だ。
このほか,大型アップデートの項目には入っていないが,前回のインタビューで触れた「突撃! モンスターハウス」も,この時期に実装が予定されている。
さらに,Breidablikにおけるアップデートが中盤に差し掛かってきたことから,序盤から中盤にかけてのモンスターについては,獲得できる経験値が上がり,育成スピードが数倍に速くなるそうだ。PHASE3から新たにゲームを始める人や,セカンド,サードキャラクターを育てたい人には朗報だろう。
以上が,Breidablik大型アップデート第2弾の内容となる。今回,これらの新情報に加えて,個人的に気になっていた,「獲得経験値効率を是正するための各種調整」について中村氏に聞いてみた。
現在のパーティシステムは,パーティを組む人数が多いほど経験値ボーナスが増加する仕様となっている。これを利用して(獲得経験値の)公平設定が可能なソロプレイヤー同士でパーティを組み,同一マップ内にて各自がソロで経験値を稼ぐ,通称「ソロ公平」が本ワールド,Breidablikワールドを問わず日常的に行われている。これを問題視した運営側が,共闘ボーナスとパーティボーナスの調整を行うと発表したのが,件の各種調整となる。
これについて中村氏は「パーティボーナスの変更自体は,一定の効果を得られていたのですが,『討伐クエスト』が休止されたことで,各キャラクターが集まって戦わなくてもいい=ソロ公平の効率が良く,ほかの選択肢がないという構図になってしまったのが問題だと考えています。今回の調整では,パーティボーナスを減らす代わりに共闘ボーナスを強化して,パーティプレイの楽しみである『一緒に遊んでいる感』を高めています」と話す。
この調整によって,プレイにどのような変化が起こるのか。パーティシステムのみならず,モンスターやマップの調整を含めたアップデートが7月末に実施予定となっている。
そしてもう一つ,経験値を稼ぐという意味で気になるのが,2011年,2012年の初夏に行われた,レベルアップに最適なイベント「DimensionDiver2nd」が,今年は開催されていないことだ。プレイヤーには嬉しいイベントだったが,このまま行われないのだろうか。同様のイベントとして2012年8月に開催された「サマスペ」の開催予定を含めて聞いてみたところ,「名前は未定ですが,今年は『サマスペ』と『DimensionDiver』を合わせて,経験値などを稼げるイベントをやろうと思っています」との返答を得た。詳細は少し先になるとのことだが,今年の夏もレベルアップに燃えるROとなりそうだ。
最後に中村氏からは,「影狼・朧は,それぞれの職業でしかできない要素が,いっぱい詰まったものに仕上がりました。(本稿の掲載時点で)実施中の先行体験ワールドでは,忍者をお持ちでないプレイヤーさんでも影狼・朧が試せます。影狼・朧を絡めたイベントも実施する予定ですのでご期待ください。
Breidablikワールドに関しましては,毎週新しい遊びを提示しようといろいろ考えています。今後,実装される地域も増え,新しいモンスターと戦ったり,新アイテムで商売したりと,いろいろな楽しみ方が広がっていくかと思います。
Breidablikワールドに本ワールドと,どちらも忙しくなってしまうと思いますが,両方楽しんでいただければと思います」と,両アップデートについてコメントを述べた。
3年ぶりとなる新職業,影狼・朧の実装に期待は高まるばかりだ。また,Breidablikワールドは,ついにBaseLv99までの育成が可能となり,遊びの幅はどんどん広がっている。大型アップデートだけではなく,ウィークリーイベントや「突撃! モンスターハウス」といった独自のコンテンツも盛りだくさんで,これからも本ワールドとは違った楽しみ方ができそうだ。
「ラグナロクオンライン」公式サイト
- 関連タイトル:
ラグナロクオンライン
- この記事のURL:
キーワード
(C)Gravity Co., Ltd. & Lee MyoungJin(studio DTDS). All rights reserved.
(C)GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.