プレイレポート
「FFXI」で約6年ぶりに登場する新ジョブ「魔導剣士」「風水士」先行プレイレポート。開発者インタビューもあわせてお届け
一つ前の「アルタナの神兵」から,約6年ぶりの拡張データディスクとなる本作では,前人未踏の“ウルブカ大陸”の新エリアを始め,さまざまな新要素が一挙に展開。それらの中でも,FFXIプレイヤーからひときわ大きな注目を集めているのが,新ジョブ「魔導剣士」「風水士」である。
今回4Gamerはスクウェア・エニックス本社を訪れ,両ジョブを実際にプレイする機会を得たので,先行プレイレポートを紹介しよう。また,昨年9月にFFXIのプロデューサーに就任した松井聡彦氏と,新ジョブの設計を担当したプランナー,谷口 勝氏に話を聞くことができたので,インタビューもあわせてお届けしたい。
「ファイナルファンタジーXI」公式サイト
とにかく忙しい第3の盾ジョブ「魔導剣士」
最初に紹介する「魔導剣士」は,従来のナイトや忍者に続く,FFXIにおける“第3の盾役”として設計された新ジョブである。さまざまな“ルーン”を身に付け,それによってもたらされる属性効果を,攻撃や防御に活かす戦い方を得意とする。単刀直入に言うと,FFXI随一のテクニカルかつ忙しいジョブに仕上がっているのだ。
具体的には,各属性に専用のエンチャントルーンのアビリティが用意されており(8種類),それぞれ対応した“属性追加ダメージ”と“耐性アップ”の効果が得られる。たとえば「エンチャントルーン:イグニス」は火属性追加ダメージ&氷耐性アップ,「エンチャントルーン:ウンダ」は水属性追加ダメージ&火耐性アップ,といった具合だ。
そして先述したとおり,ルーンを身につけている間は,エフューズやワードの各アビリティで属性効果を攻防に活用できる。
攻撃用途のエフューズに関しては,属性ダメージを与える「エフューズ:ランジ」や,対象の属性防御を下げる「エフューズ:ガンビット」などがある。属性の種類と効果(ダメージ値)は,身につけたルーンに応じており,たとえばイグニスを3個重ねた状態で撃つランジは,レッドロータスの強力版のようなイメージだ。
注意点としては,エフューズを使うと,身につけたルーンがすべて消えてしまう。バトルを継続する場合,素早くルーンを付け直したほうが良いだろう。
防御用途のワードに関しては,属性ダメージを軽減する「ワード:ヴァリエンス」や,状態異常のレジスト率をアップする「ワード:フルーグ」などがある。ちなみにワードの使用時は,(エフューズと異なり)ルーンが消えない。そのため使い勝手は,再使用間隔を意識して運用する従来のアビリティに比較的近い。
その一方で,装備できる防具が基本的にレザー系ということもあり,物理攻撃に対してはそれほど強くない。たとえば,属性攻撃を行わない敵と真正面から殴り合うようなケースでは,ナイトや忍者に分があるだろう。また“一撃系”のように,クリティカルヒットで大ダメージを与えてくる敵は要注意だ。
この弱点をどうやって補うかが,魔導剣士にとっての課題になりそうである。サポートジョブに関しては,攻撃を避けやすい“忍者”(空蝉)や“侍”(心眼)との相性が良いかもしれない。
「エンチャントルーン:ルックス」を付与すると闇耐性がアップする。オートアタック時には光属性の追加ダメージを与える |
「エンチャントルーン:フラブラ」を付与すると土耐性がアップする。オートアタック時には風属性の追加ダメージを与える |
「フォイル」は,特殊攻撃の回避率を大幅にアップする魔導剣士専用魔法。時間経過で効果は減衰する |
だが,プレイを進め次第に慣れてくると,段々とテンションが上がってくる印象。一時期,赤魔道士が常に何かしらの魔法を詠唱することで,盾役として活躍できたが,たとえばああいったプレイスタイルに楽しさを見出せる人なら「魔導剣士」を気に入るのでは,と思う。
そして何より,敵の属性を知ることがジョブの強さに結びつくというところが,とにかく新鮮で面白い。魔導剣士はサービス開始から10周年を迎えたFFXIらしい,玄人向けのテクニカルなジョブといえるだろう。
ありそうでなかった“支援&後衛”系の「風水士」
続いて紹介する「風水士」は,“風水魔法”によってパーティメンバーを強化したり,モンスターを弱体化したりできる,いわゆる支援系のジョブだ。また,黒魔道士よりランクは劣るものの,精霊魔法も使用可能である。
FFXIにおける支援系のジョブとしては,吟遊詩人やコルセアがすでにいるが,風水魔法のシステムは従来(呪歌/ファントムロール)と似ているようで,実はけっこう違っている。その結果,支援系のジョブでありながら,立ち位置が“後衛寄り”となっているのがユニークだ。
インデコルア系の大きな特徴は,支援効果が自分を中心に継続的に展開すること。つまり詠唱後に自分が動くと,それに合わせて効果範囲も動くわけである。吟遊詩人やコルセアはパーティプレイにおいて,前衛と後衛のメンバーに対しそれぞれ“掛け分け”を行っていたが,風水士はそれを考慮する必要がない。
風水魔法の具体的な種類としては,「インデリジェネ」や「インデリフレシュ」などといった定番タイプを始め,回避率をアップする「インデヴォイダンス」,魔法攻撃力をアップする「インデアキュメン」などなど,ざっと数えただけでも30種類前後が確認できた。
これらの中には,「インデパライズ」や「インデグラビデ」など,モンスターの弱体化効果も含まれるが,“レジスト判定が行われず無条件で入る”のは特筆すべき点だ。同系統の弱体効果は重なるので(パライズとインデパライズなど),戦術が大きく変わってきそうである。
ちなみに,弱体系の風水魔法をモンスターに使う際は,「何かしらの敵対行動を取っていること」が条件となる。たとえばインデグラビデを使った後,ノンアクティブなモンスターの群れの中に突っ込んでまとめて釣る,といった事は行えない。
もう一方のジオコルア系は,パーティメンバーの足元に“羅盤”なるオブジェクトを置き,そこを中心に魔法効果を展開させる。離れた場所に展開できるというのは使い勝手が良さそうだ。インデコルア系と似た効果もあるが,こちらも30種類程度が用意されている。
そのほか主な仕様としては,一人の風水士は,インデコルア系とジオコルア系,それぞれ1種類を同時に展開できる。風水魔法の範囲は楽器による呪歌と比べると若干狭いが,効果時間は3分間と長め。詠唱時間に関してはインデコルア系が4秒,ジオコルア系が8秒となっている。ちなみに風水士のアビリティや,専用装備の“風水鈴”などで,これらの各ステータスをブーストすることも可能だ。
実際に風水士を遊んでみた感想だが,パーティプレイにおいて十分な支援能力を持っており,それでいて従来の支援系ジョブと比べて,落ち着いてプレイできた。
同じ支援系ジョブでも吟遊詩人の場合は,歌い分けや“釣り”などでひっきりなしに動き回るが,風水士で同じことを行う必要はない。仮に風水士が“釣り”に行ってしまうと,パーティメンバーはインデコルアの範囲から外れてしまう。また,モンスターを素早く寝かしつける手段(ララバイなど)を持っておらず,あまり釣り役には向かない。
それならば,風水魔法の合間に精霊魔法を使うことで着実にダメージを与えるほうが,パーティに貢献できそうだ。したがって風水士の立ち位置は,どちらかというと“後衛寄り”になるのだろう。“支援&後衛タイプ”という,これまでありそうでなかったジョブというわけだ。
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境
- この記事のURL:
キーワード
(C)2002-2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION:(C)2002 YOSHITAKA AMANO