前評判の非常に高い海洋貿易シミュレーション「パトリシアンII 日本語版」が，いよいよ2003年3月20日にメディアクエストから発売される。地中海を中心としたハンザ自由都市同盟の20都市を舞台に，貿易を通して富・地位・名声を勝ち得，念願の貴族（パトリシアン）となることを目的としたゲームだ。
　とにかくビックリするくらい多くの要素を詰め込んだ自由度の高い作品で，船に商品を積んで交易を行ない財を築く以外にも，ライバル商と競り合ったり，ミニスケープ（箱庭育成シム）のように施設を建てて街を育てたり，艦隊を率いて海賊相手に海戦を展開したり，さらには有力者に根回しをするなどして選挙に勝ち，市長の地位に就くことで新たな権力を貿易に利用することも可能だ。

　メインの交易部分がしっかりと充実しているのが，当たり前ながらに嬉しい。それぞれの都市（地域）によって需要と供給の状況，特産品や枯渇物資などが異なるため，地理条件の特色を把握しておくと効率の良い商売が可能になる。"鉄製品"が特産物の都市でも，あらかじめ"鉄鋼"を輸入しておかなければ鉄製品を生産できなくなるなど商品同士の関連性もある。"木材"や"タイル"などの建築資材は常に備蓄がないと，建設ができなくなり街の発展が止まってしまう。下層市民は"ビール"を好み，上層市民は"ワイン"を好むといった格差もある。

　新たな自分の船を建造し，船団を組むことでより大規模な交易を行なえるようにもなる。海賊の襲撃から商船を守るために護衛艦隊を雇うことも可能であり，また自らの船に武装を施すという手もある。外洋へ出る船団が組めれば，あらたな交易都市を探す探検に出発することもできる。あるいは商売そっちのけで海賊狩りに没頭してしまう人もいるかもしれない。

　マルチプレイでは2〜8人での対戦が可能。対人戦では商品を買い占めて価格を吊り上げたり，重要な都市を包囲するなど，えげつない手段を駆使してライバル商人を出し抜こう。

　一隻の船を操作して航海中心でチマチマ稼ぐだけでも楽しく，いくつもの船団編成と都市開発でハデに稼ぐ戦略的な遊び方もできる。道を外れて戦闘と略奪に明け暮れてもいい。難度は高めだが日本語版の出来もなかなか良く，長〜く遊べること請け合いのオススメな一本だ。興味を持った人は公式サイト「こちら」も訪れてみよう。（Kawamura）

「パトリシアンII 日本語版」
発売日：2003年3月20日
価格：8980円
対応OS：Windows 98/Me/XP
CPU：PentiumII/450MHz以上（PentiumIII/800MHz以上）
メモリ：128MB以上
HDD容量：インストール容量530MB以上

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