2004/09/03 16:07 |
独Ascaron Entertainmentが開発した,帆船時代の交易シミュレーション「Port Royale」。16〜17世紀のカリブ海で活躍する列強の商人となり,植民都市間の貿易や特産物の生産,はたまた列強同士の戦争に乗じたり海賊稼業に精を出したりして稼ぐ,幅広い展開が魅力の作品だった。日本語版の「ポートロイヤル ―カリブ大航海記―」がカプコンから発売されているので,プレイした読者もいることだろう。
その続編にあたる「Port Royale2」の日本語版「ポートロイヤル2 ―カリブ大航海記―」が,同じくカプコンからリリースされる。 スペイン,オランダ,イギリス,フランスの4勢力が登場し,カリブ海に点在する60か所の港町を舞台に角逐を繰り広げるという背景設定そのものは,前作から引き継ぐ。ただし,都市内のすべての施設が所有可能になったうえに,すべての都市を征服/支配でき,自分の町を築くことも可能になるなど,開発ゲームとしての色彩が強まった。 登場する船のタイプに「コルベット」や「軍用ガレオン」が加わることで12種類から16種類に,ゲーム内で挑戦できるミッションが30タイプ/50本から50タイプ/150本に増えるといったスケールアップ要素のみならず,海賊らを相手に剣で戦うアクション戦闘の「一騎討ち」などが盛り込まれ,船や海面の描写をはじめとするグラフィックスもリファインされた。
ゲームに用意されるシナリオは全部で8本。うち4本はチュートリアルシナリオで,それぞれ基本操作,輸送と交易,建設と生産,そして海戦が学べる。 残りがこのゲームの本領を発揮した内容となるが,イギリス対オランダの海上権闘争でオランダ側につき,植民地を広げていく「All Power to the Dutch!」,スペイン総督からもらった土地に自分の町を築く「Your Own Town」,海賊"黒ヒゲ"を倒す「Hot on the Trail of Blackbeard!」,原因不明の不況に陥ったトルツガの町を救う「Tortuga in Trouble」の4本が用意されている。
以前「こちら」の記事でも触れたように,デモ版(英語版)をプレイした限りでは,港から港へ瞬く間に船を走らせるスピーディな交易ペースと,"サクサク進むが後を引く"独特のプレイ感覚は健在のようだ。それに加えて,エリアごとに不足する物資と余剰物資が明確になり,自動交易システムがより高度になるなど,交易シミュレーションとしての作り込みはいちだんと深くなっている模様だ。
リアルタイムアクションとして行われる海戦は,前作では船団に陣形を組ませて一度に操るものだったが,本作では,同じくAscaron Entertainmentが開発し,カプコンが日本語ローカライズした「ポートロイヤル −カリブ海戦記− 日本語版」(原題:Tortuga ― Pirates of the New World)のものと同様に,1隻ずつ操作する形に改められた。通常の砲弾で敵の船体に穴を空け,「散弾」で乗組員を狙い,鎖でつながった「連弾」でマストを引き倒して船足を止める,さらに接舷斬り込みで船ごと乗っ取るという,史実どおりの戦法は本作にも引き継がれており,"木の船と鉄の男"の時代を愛する帆船好きにも楽しめるシステムになっている。
新要素である「一騎討ち」については,攻撃/防御ともマウスでポイントするという以外,今のところ詳細は不明だ。 前作にもアドベンチャー仕立てのバックストーリーはあったものの,プレイヤーのモチベーションを掻き立てるというにはやや地味だっただけに,アクションの面白さだけでなく,ドラマを盛り上げる要素としても大いに期待したい。
2004年冬に発売予定で,価格は7140円(税込み)。動作環境については下にまとめたとおりだ。緻密な経済シミュレーションの愛好者のみならず,ミニスケープ(箱庭)ゲームファンや帆船好きにもぜひ注目してもらいたい作品である。(Guevarista)
「ポートロイヤル2 ―カリブ大航海記―」 発売予定日:2004年冬 価格:7140円(税込) 動作環境(予定):Windows 98/Me/2000/XP,Pentium III/700MHz以上(Pentium 4/1.60GHz以上推奨),メモリ 256MB以上(512MB以上推奨),HDD空き容量 700MB以上,ビデオメモリ 32MB以上(64MB以上推奨),AGP接続でDirectX 8.1以上に対応したビデオカード,DirectX 8.1以降
→「ポートロイヤル2 ―カリブ大航海記―」の公式サイトは,「こちら」 →「ポートロイヤル2 ―カリブ大航海記―」の記事一覧は,「こちら」
※画面は開発中のもの(英語版)です。 (C)2004 Ascaron Entertainment GmbH
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